冬馬君の夏休み

だかずお

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犬男探索の巻

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前から犬男が近づいてくる

恐くて動かない体を必死に動かし、二人とも「来たー犬男だ」と声をあげ後ろを振り返らず一目散に逃げ出した。

「いやー恐かったね」息をハアハアさせながら大喜が言う。

「うんどうしようかと思った」

二人の心臓はまだバクバク激しく騒いでいた。

「これから犬男の家見にいこうよ」冬馬君が思いつく。

「よしそうだな探索だ」大喜も乗り気である。

一体家はどうなっているのか?
何がおこなわれているのか?

二人は怖いもの見たさの好奇心にかられ出発した。
家の近くに近づくと、家にいるだろう十匹以上の犬の鳴き声がワンワンとうなり声をあげている。

噂ではあの犬達を食べてるのか、二人はそれを考えてはゾッとした。

家の周りはボロボロの板が積み重ねられており、それが壁の役割りをなしており中があまり見れないようになっている。

二人は気になるので暫くそこにいて家の窓を外から見つめていた。

犬男はいないようだ

すると大喜が「おいっ冬馬、あれっ!」慌てた声で囁く

なんとっ、前から犬男が歩いて来ていた。
それを見た二人は慌てて逃げ出す

曲がり角の所まできてその角から身を隠しながら犬男の方を振り返って覗き、犬男が家に入って行ったのを確認した。

「よしっ大喜家のほう戻ろう」

「おうっ」

二人はまた犬男の家の外から見つからない様に監視を始めた。
すると三人組の男の子が犬男の家に近づいて来る

するといきなり手に持っていた石を窓に向かって投げた。

窓ガラスは パリンッ 音をたてて割れ

「こらーっ!!!!」
中から、すぐ様、怒鳴って犬男が出て来たのだ

三人組は一目散に逃げ出し始めた「逃げろー」


「やばい大喜。僕らのせいにされるよ」慌てる冬馬君

「逃げよう」大喜も焦る

犬男は家から出て来て二人の姿を確認すると追いかけてきた。

「待てーっ」

二人は全力で走り始めた。もう無我夢中である。500メートルは走ったであろう、まだついて来ている

その時 あっ!!

大喜が転んでしまった。

冬馬君はそのまま走って逃げる事も出来たが倒れている大喜を置いて逃げられなかった。

お前らか石投げたの?犬男が怒鳴った

冬馬君は必死に自分達がやってない事を説明した。
すると、犬男は分かったようだった。

去り際に振り返ってこう呟いた
「お前達さっき公園にもいたな、どうして逃げるんだ」

そう言っては返事も聞かずに去って行く犬男。

冬馬君はあの寂しそうな犬男の表情が忘れられなかった。

二人は家に帰る事に、時刻はもう夕暮れ時。
帰り道、大喜が「しかし恐かったな、あれは犬の二、三匹は食べてるよ」

冬馬君は返事をしなかった。
あの寂しそうな顔が忘れられなかったからだ。

「ただいまー」
無事に家に帰れてホッとしたこの安堵感

二人は汗をかいたからお風呂場に自分達から向かった。お風呂の中で、犬男の話をして盛り上がる。
夏の暑い時に冷たいシャワーを浴びて夕暮れ時の虫の鳴き声を聴くのが冬馬君はとても好きだ。

あーサッパリしたね、気持ちいい寝巻きに着替えくつろぎもーど。風呂あがりのアイスは最高

二人はアイスを食べて、ご機嫌である

しばらくして隆が帰ってきた「いやー、あついあつい」

冷蔵庫に向かいビールを取り出してはぐびっと飲み
「いやー最高だ仕事終わりのビールは旨い」

二人は隆に犬男の話をした。

すると隆は「あんまり事情も知らないのに噂や見た目だけでそう人をからかったりしちゃいけないよ」少し叱るように言った。

でも確かに冬馬君は犬男に何かされた事も一度もなく、正直、噂だけで、犬を食べてるところなど見たこともなかった。ただ人の言うことを確認もしてないのに一緒になって噂してるだけだった。

二人は食事をすませ二階にあがって、電気を消し布団に入って色々話をしていた。

「まだまだ夏休み始まったばかりだし 最高だね」冬馬君は今の何とも嬉しい気持ちが心地良かった。まだまだ休みがたくさんある、とても嬉しかった。

「そうだね、こないだのキャンプも楽しかった、慎司も今頃なにしてるかな?」と大喜

ふと冬馬君は清香の事を思い出しては胸が不思議な感じになった 。また会えると思うとテンションがあがってきたが。

大喜「今日の犬男から逃げたのこわかったね」

「本当、捕まった時はどうなるかと思った」

二人は布団に入って色々寝つくまで語り合う時間が大好きだ。

どちらかが寝て返事がなくなれば大体もう一人も寝てしまう

今日はどちらも目が覚めていて長く話をしている

「夏休みまだまだ色んな事をしようよ」冬馬君が言った。

「そうだね最高の夏休みにしよう」

気がついたらカーテンの外から日の光がさしていた二人は何を話ていたかはあまり覚えいなかったがお互い眠らないように相手に質問をしたりして話して、ずっと起きていたのだった。

もう眠くていつでも眠ってしまう状態だったが、眠りたくなかったから二人はわざと話をしては眠らない様に過ごし、なんと時計の時間を見ると4時を過ぎている。

二人共それを見ては夜更かし出来たと満足の笑みを浮かべて、日の光とともに眠ってしまった。

二人は、今日も、また犬男とかかわる事になる事を今はまだ知らない

さてどんな一日が始まるのやら


今はぐっすり夢の中
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