冬馬君の夏休み

だかずお

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恋愛を助けるの巻

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昨日の夜の天気が嘘のように空は青色になり外では蝉が鳴いている。

大喜が目を覚ます
「冬馬下に行こうよ」

冬馬君は眠かったので無視して寝むっている、大喜は目を覚ましてしまい眠くないので下の階に一人降りて行った。

時間は8時20分 。隆はもう仕事に向かい、正子は二度寝していた。 「あーこの瞬間たまらん」

父母の部屋も二階にあり、二階は全部で三部屋になっている。冬馬君の部屋の奥側が父母の部屋になっていて冬馬君の部屋の向かいに一つ和室がある。

冬馬君は暫く寝ていたのだが、朝のアニメがやってるのを思い出し下に降りて行った。「大喜もう起きてたのか」

二人は暫くテレビを観て、台所においてあったパンを食べて外に飛び出した。

「大喜近くの川に行こうよ」

「良いね」

二人は歩いて10分くらいの所にある川に向かった。

すると誰かが冬馬君の肩をたたく、振り向くと

「何処いくの?」それは同じクラスの親友の慎司であった。

三人は顔なじみでお互いに良く遊ぶ仲なのだ。慎司はひょうきんで面白い奴だ。

「川に行くんだよ、一緒に行く?」冬馬君が言う

そんな流れから、三人で川に向かう事に。

川に着くと、さっそく三人は履いていたサンダルを脱ぎ、水に足を浸けて遊び始めた。

水の中はとても気持ちよく、夏休みの始まった初日だということもあり気持は最高だった。
まだ一ヶ月も休みなんだ!!
ああ、たまらん。
みんな水遊びに夢中になっている。川の中の生き物を探したり、石を投げたり、今この瞬間瞬間を思いっきり感じつくしていた。

「今何時くらいなんだろうね?」お腹がすいたのか大喜がふと時間を気にする。

慎司はポケットから時計をだし時間をみて 「13時20分だよ」思ったより時間はたっていた。

その時「あの人面白いよ」川辺に座っている男の人を指さして慎司が言った。

一人の男の人がうつむいて体育座りをして川辺に座っていたのである。

その男の人の携帯電話がなり、なにやら男は話始めた

三人は気になって近くに向かって行く。話聞いちゃおうぜ そんな好奇心を三人持っていた。

どうやら女性と話してるみたい

話をきいていると、どうやらその人は話相手の女性がすきなようなのだが、それを伝えたいけど言えないそんな感じ ああ、気持ちを伝えられないんだと冬馬君は思った。

慎司は「何?どうしたの?」全く相手の状況を分かってない様子である。

大喜は冬馬君と同じように理解していた。

電話が終わり、男はため息をついて川をぼーっと眺めている。

冬馬君は急に立ち上がり、そして突然、彼に話しかけたのである

「好きなら言っちゃえば 相手の人は絶対気付いてるよ」何故そんな事を言ったのか分からない、普段絶対に知らない人にこんなこと言えない。
ただ今日は不思議と気付いたらこうしていたのである。

男はハッとして自分が急にそんな事を言われているのに驚いた。

「子供には分からないよ、言った後ふられてもう会えないとか考えると恐くなっちゃうのさ だらしがないだろ」男は笑った

しかし見ず知らずの自分に話しかけてくれた事が嬉しかったようだった。

「それはそれだよ、言わないでモヤモヤしてるなら気持ち伝えちゃったほうがいいよ」大喜も続けて言った。
慎司も「そうだ そうだ」と言っていたが何のこっちゃ分かってないと冬馬君は思った。

「子供に心配されるなんて、ええいっくそっ」

彼は急に電話をとりだし、電話をかけ始めたのだ

「もしもし すっ すっ 好きだ」間髪入れずに彼は突如叫んだ。

シーンと全てが止まったような、なんとも不思議な瞬間

僕達は息をのんだ。慎司はやっと理解したみたいだった。

彼は直後にこう言った
「そう ありがとう」

声のトーンで子供ながらにも僕ら三人は結果がどうだったのか理解していた。

彼の目には涙が流れている

とても純粋な綺麗な涙だった

僕達は自分達のせいだという後悔の思いがうまれ、少し気まずくなる。

その男は突然、僕らに向かって「ちょっと待ってて」と言って走って何処かに行ってしまった。

すぐに戻ってきた男の人の手には三つのお菓子が握られていた。どうやら、コンビニで買ってきたらしい。

「結果は振られちやったけど自分の気持ちを伝える事がきちんと出来た 自分の気持ちから逃げずに向き合えた、君たちのおかげだ ありがとう」

そう言って彼は僕らにお菓子をくれて歩きだした 。

瞳の中には今にも溢れんばかりの美しいガラス玉が綺麗に揺れ動いている。

でもその瞳はしっかりと先を見据えて歩きだしているように見えた。

冬馬君には目の前に居る人がさっきと違う人の様に思えた。きっと全く別人なんだ不思議とそう感じた。

「何だかあったかい気持ちになったね」慎司が言った

「僕らも言って良かったね」と大喜

三人の中に何とも言えぬあったかい感覚が芽生えた。
この気持ちを三人で共有出来てる事も何より嬉しかった。

「さあ そろそろ帰ろうか 」冬馬君は言った

心があったかくなってるのが嬉しくて、外の暑さは全く気にならなかった。


みんなは仲良く家に向かう

心ポカポカ夏の午後

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