冬馬君の日常

だかずお

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ー 冬馬君とコタツ ー

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冬馬君の家の一階のリビングには今コタツが出されている

「あー寒い 寒い」

学校から帰ると冬馬君はさっそくコタツに飛び込んだ

「あーっ最高」

学校が終わり自分のくつろぎタイムは、コタツにはいってはマンガを読んだりテレビを観たりしていた。

「あーっあったかい、一度入るとなかなか出られないんだよな」

冬のコタツは格別であった。コタツの中でウトウトし、寝るのも冬馬君にとって、また格別なものだった

マンガを読んで、お菓子をポリポリ食べている

こんな寒い日は、家の中のコタツであったまる、うん最高だ

ガタガタと風が窓を揺らしていた、外は寒そうだ

「何だか喉がかわいたな」

いまや、冷蔵庫に行くためにコタツから出るのも、億劫になっている

「あーぬくい」

コタツの上にあるミカンで、水分を潤していた。

マンガも読み終わり、テレビもみたいのもやっておらず、冬馬君は退屈しはじめる。

だがコタツから出る気はいっこうになかった 

ピンポーン

今、家には誰もいない

「出るの面倒だから、いいや」

ピンポーン

「うるさいなぁ」

冬馬君はコタツにもぐった
「あーぬくい」

今やコタツで丸くなるネコのような気分だ。

冬の間はずっと学校行かないでこうしていたいな、など考えているうちにウトウトしてきた

あーこの瞬間たまらない

冬馬君はニンマリ笑う。
これはコタツで寝る瞬間の彼の顔である 七福神の中に一人混ざっていても、なんの支障もないであろう冬馬笑顔であった。

目を覚ますと、もうすでに隆も帰ってきていて、夕飯の時間になっていた。

正子が「あんた一日中コタツでゴロゴロして」とお小言を言っていたが、あははと笑ってごまかす冬馬君であった。

夕飯は鍋である

「あー冬の鍋は最高だ」とビール片手に隆は嬉しそう
白菜をポン酢につけ、ハフハフ パクリ  美味い!!
そして、ビールをぐびり。 最高~~っ。

夕食後、冬馬君もついにコタツから出て、二階に行き、明日の支度をしなければいけない、時間帯になった

「うー寒い 寒い」

このコタツから出なきゃいけない瞬間は嫌いだった

「後、五分後に行こう」

五分後には後二分と言い

ついに正子に「いい加減にしなさい」

「あー」と叫び気合いと、根性で二階にかけあがる

顔はひきつり ブルブル震えていた

「うー さーむーいー」

あのコタツという楽園から出た瞬間は、とても寒くて寒くてたまらない、二階では次なる楽園を求め部屋の中をキョロキョロしている冬馬君

「うー寒い」

すぐさま、布団にくるまった

しかし、入ったばかりの布団は冷たくブルブル震えている

「うー寒い 寒い」

あー あったまるまでの、冬の布団は苦手であった 

ようやくあったまり出した頃

下から正子が「下に学校の荷物置きっぱなしよ」

あっ、そうだ、明日あれつかうんだ、カバンにいれなきゃ

「キーッ」せっかくあったまった布団から顔を赤くして飛び出した

その姿は温泉を追い出され、怒る猿のようであった。

ウーキキーッ

ものすごい勢いで下から、かけ戻ってきた冬馬君

一瞬たりとも無駄のない動きで布団の中に サッ シュッ 
とんでもない例えで悪いが、まるで換気扇に吸い込まれる煙のようである。 なんぢゃー

「あーぬくい」この瞬間も、また、たまらない。 そのまま目を閉じた。

そして、ついに、ついにこの時がやってきてしまった。

最大にして最悪とおそれる、朝の起床時間

「起きなさい、学校の時間よ」

ついにきてしまったか、この時が

冬の朝 学校に行くために起きるほど、嫌いなものはなかったと言うほどの瞬間である。その時がやってきてしまった

右を向いたり左をみたり、どうすれば一番寒さの被害が少ないかを一瞬で見極め、考えていた もう必死である

「ムキャー」 猿は布団から飛び出し

下のコタツに洋服を持って、駆け下りて行った

「寒いー」

こうして、また冬馬君の冬の一日が始まるのであった。


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