冬馬君の日常

だかずお

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ー 多網の家にお泊まりに ー

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10時を過ぎた頃、大喜が目を覚ます

「まだ二人は寝てるのか」

冬馬君も、多網もまだ気持ち良さそうに眠っている

大喜は目が覚めたので、下の階のリビングルームに行ってテレビを観ることにした。

11時を過ぎた頃に、冬馬君も多網も下に降りてくる

「おはよう」

三人は、正子が作ったスパゲティーを食べて、くつろいでいる

すると多網が
「今日二人、うち止まりにくる?」

えっ、多網のうち?

「うん行く」

二人はご機嫌である。

冬馬君は正子に、その主旨を伝えた

「今日、多網の家に泊まりに行ってくる」

「多網大丈夫なの?」正子がたずねる

コクリと多網

さっそく、泊まりに行く支度を始める、泊まりに行く準備などするのは、やはり楽しい 何だかワクワクだ。

「やったあ、今日もみんなで一緒に過ごせるなんて 最高だ」

「しかも多網の家」

三人は嬉しくて今日もウキウキ

支度をし終え、さっそく出発だ

「いって来まーす」

「多網、お母さん達によろしくね」と正子が言った

三人は、さっそく歩いて多網の家に向かう。

冬馬君と、大喜は、小さい頃に家の中に行ったような、かすかな記憶があるだけで、中にはあまり入った事がなかった

「多網の家かぁ、何だか夏休みの旅行の帰りに寄った時を思い出すなぁ」と冬馬君が空を見上げて言った

「熱海旅行楽しかったな、あのバーのおじさんも良い人だったね」大喜もあの夏の旅行を思い返しては懐かしくなる

「あの時は、海とか入ったけど、今のこの季節からは考えられないね あんなあったかった季節が」と冬馬君

多網は鼻くそをほじくって頷いていた。

ちょっと夏が恋しい三人である。
セミの鳴き声も今はなくなり、どことなく静かに感じる。

「でも 冬の空気 気持ちいい」多網はとれた鼻くそを指で飛ばして言った

「うん、冬は冬の良さがあるしね」

でも確かに、この空気が澄んでる感じは気持ちいいな

冬馬君は学校に登校する前は、こんな清々しい気持ちで外を歩けてないなぁと、ふと思った

あーやだなぁという気持ちが大部分をしめていて、朝からニコニコしながら登校してくる子達は凄いなと思ったりしていた。

やっぱり自分はあんまり、人付き合い、集団行動好きじゃないのかなぁ?

そういえば二人はどうなんだろうと、ふと思った

「二人は学校行く前、やっぱ楽しいの?」

「えーっ朝早いしめんどくさいよ」と大喜

「うーん」と多網 特に何も考えていないようだ

二人も自分とは少し違う感覚なんだなと思った。

冬馬君はめんどくさいと言う気持ちよりも、何だかハァーとため息が出る気持ちに近かったからだ。

そんな事を考えながら歩いていた

多網はまた鼻くそをほじくっている

そんなうちに多網の家に着く

「どうぞ」と多網が

すると中からお母さんが、ちょっとふっくらして多網の面影が少しある
「いらっしゃい 冬馬君 大喜君 いつも多網がお世話になって、さああがって」

今更だが多網にはニ歳になるばかりの妹がいた。
さすがにまだ小さいから、旅行などには誘わなかったが

名前は 多美だった

多網の名前に似させたのか、そのへんの真意は知らない

多網の部屋は二階

「来て」

「一体多網の部屋はどんな部屋なんだろう」

ドアを開けて二人は自分の目を疑った。

冬馬君の背丈はあるであろう、デッカくひきのばした、きみ子の写真が壁に貼ってあったのだ。

大喜は小声で「こりゃ夜も落ちついて寝れないぞ」

冬馬君は笑った。

多網はどうやら写真をチラチラみては2人の顔を見てくる

どうやら写真の事を突っ込んで欲しいらしい

冬馬君は仕方なく「これきみ子?」ときいた

多網はニッコリ てへへと笑った

しかし、よく近くで見ると凄まじい写真である。

オシャレを意識したのであろうきみ子の顔は、度をすぎるほど真っ白で何故か頭には麦わら帽子、ティーシャツには何故か、アイラブトーキョーと、それにカラフルなスカートだった。

「これどうしたの?」と大喜が

「写真屋さんにやってもらった 欲しい?」

正直お金を貰っても、ためらうものだった

「いっ いや いいよ」二人は苦笑い

コンコン、部屋のドアがノックされた

開けると多美がいきなり

「ヤー」と大喜に向かって来た

大喜は「可愛いなぁ」

その時、急所めがけてパンチが

「ヤー」命中だった

「ぎゃー」

多美は勢いよく部屋から出て行った

多美恐るべし

「大喜大丈夫?」

「何とか」

「気をつけて 多美 最近あれにハマってる」と多網が

末恐ろしい子だと、二人は多美には近づかないようにした

多網の家は

一階に、台所、お父さん、お母さん達の和室の寝室、もう一つ和室の部屋

二階には多網の部屋、こちらはフローリングの部屋、それにもう一つ和室の部屋という 家だった。

「さてと何しようか?」と大喜

「そうだ」と言い、多網は下に降りて行く

すると、あがってくる時に多網の父も一緒に

多網のお父さんは痩せていて、メガネをかけて優しい雰囲気の感じ
目は細くそこは多網にそっくりだ。

「ボウリングにみんなで行かないか」ニヤリ

「うん行きたいー」

じゃこれから支度するからみんなで行こう

子供達は喜んだ

大人達が支度してる間、三人は多網の部屋でくつろいでいた

冬馬君が「多網の家けっこう落ちつくね」 

「このおかげ」

「んっ」チラッと見ると、きみ子ポスター

視界に入っていなかったから、すっかり忘れていた

これがなきゃね と冬馬君は思い、笑った

大喜もそれを見てくすくす笑っている。

パンチのあるポスターで、いちど見ると中々頭から離れない
これもあの、きみ子の秘めたるパワーなのかも知れない

でも多網の家は本当に静かで落ちつく家だった。
二人は今日この家に泊まるのがウキウキした

「やっぱ初めての所、泊まるのも雰囲気変わって良いね」冬馬君が言った

すると下から

「支度出来たよ」と多網 父が

冬馬君と大喜は、下に降りて荷物に驚いた

「このバック何入ってるの?」と大喜がたずねる

開いて見せてくれたバックの中には、三つのボーリングの玉に、手袋、これはかなりボーリングに力をいれてるみたいだ。

「結構ボーリングに力いれてるんだね」と冬馬君はつぶやいた

「いっ、いや そんな事ないよ」と何故か多網の父は謙遜していた

多網のお母さんは特に何も持っていなかったのに、父は随分ボーリングマニアっぽい。

ただ多網の母は一つ荷物を背負っている、そう背中にしょってるニッたり笑ってる多美を。

大喜は、また叩かれないように距離をおいた

車に乗り込み、一同はボーリング場に向かって出発

しかし、このメンバーでボーリング

何やら一波乱ありそうな予感

さあ出発だぁー!!

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