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しおりを挟む二月八日
泣いてる私
胸が痛い
もうあの娘に会えないんですね
日記をつける気分じゃない
二月九日
ずっと部屋に居る
何だか切ない気持ち
宝物が無くなってしまった
生きる希望だったものが消えてしまったそんな気分
寝ます
二月十日
みちえはもうコンビニを辞めたんだろうか?
もう会えなくなるんだ
コンビニに行ってもいないんだ
ああ 寂しい
ああせつない
これしか書けない
彼女との思い出が頭をめぐる
二月十一日
何だかいても立っても居られなくなり
コンビニに行きました
その事を思いつくかぎりここに記します。
もし、みちえが去ってしまえば
もう二度と会えない
僕は勝手に妄想した。
本当はみちえも僕のこと好きなのでは?
もしかしたらこないだのデートによって考えを変え留学しないかも
そんなことを考えたら、真っ先にコンビニに向かっていました。
レジにはみちえの姿が
それを見て泣きそうになりました。
「かきちゃん、良かった来てくれて」
えっ、まさか やっぱり!?
瞬間 歓喜にわきました。
「はいっ これ」
それは、小包でした
「お世話になったからプレゼント、辞める前に来てくれなかったらどうしようって思ってたの 何か縁があるんだね。今日仕事最後の日だったの」
それを聞いたとたん、胸が張り裂けそうでした
本当にちぎれてしまうかと思いました。
こんなに丈夫そうなのに
体の中にあって守られてるはずなのに
意図も簡単に引きちぎれそうになるものなんですね
「あれっ?顔色悪いけど大丈夫?ちゃんと食べなきゃだめだよ」
どうして、こんなに素晴らしすぎる
女性なんだ、せめてちょっとでも
そっけない態度やら冷たい態度をしてくれたのなら、まだあきらめられ、また冷められたかもしれないのに。
どうしてこんなに優しいの
頼むから行かないで
頼むからいなくならないで
彼女にとって残りわずか
の日本生活なのに自分のことで忙しいはずなのに僕の為にプレゼントまで、
それなのに僕はプレゼントをあげよう、など考えもつかなかった
寂しい
悲しい
優しさで胸がせつない
僕は正直今月お金ピンチでした
いつもギリギリの生活
貯蓄はゼロ
コンビニのお菓子を沢山かごにつめました、沢山つめました。
そして彼女がレジを打ってくれました
ひとつひとつの商品のバーコードを
ピッピしてる姿を一瞬でも見逃さない様に見つめました
ひとつひとつの動作をかみしめ
胸に残そうと必死でした。
これが、生涯最後であろう
彼女がぼくにしてくれるレジ対応
これが本当に最後
こぼれそうになる涙をこらえるのに
必死でした
もう会えないんだね
本当にこれが最後なんだね
お別れなんだね
もう君はこのコンビニから姿を消しちゃうんだ
明日にはいないんだ
もうここには来ないんだね
ピッ 最後の商品が終わりました
「二千九百二十円になります」
「あっ、はいっ」
「これ、お釣りです はいっ 後商品」
「それ、食べて下さい、向こうでも体に気を付けて元気にやって下さい」
「えっ本当に、良いの? ありがとう かきちゃん」
「これでさよならだね」
その言葉を聴き涙がこみあげました
嫌だ 嫌だ
もう僕は赤くなった目を見られたくなくて顔を見れませんでした
「お元気で いろいろありがとう」
僕はコンビニから出ました
泣きました 出てすぐ涙がポロポロ
止まりませんでした
笑ってください30を過ぎ
初めてデートして、気持ちも伝えられず 付き合うこともできず 悲しくて寂しくて涙を流す男を
どうか笑ってやって下さい
後ろは振り向きませんでした。
いや、振り向けませんでした。
彼女は私の後ろ姿を見ていたんでしょうか?
それとも、見ていなかったんでしょうか?
私の気持ちに気づいていたんでしょうか?
彼女は私を好きだったんでしょうか?
本当は? 本当は?
何もわからずまま 終わりました。
唯一分かった事は
私が本気で彼女に恋をしていたと言うことだけです。
部屋に帰り
また泣きました せつなくて切なくて
どうして良いか分かりませんでした。
二月十二日
コンビニの前を通りました
もう二度と彼女はこのコンビニには来ない
もう二度とここのコンビニで彼女に会うことは出来ない
もうここに彼女はいないのです
ここに来るだけで泣きそうになります
どうして だろう もう多分僕は
二度とこのコンビニには入らないと
思います
さようなら
私の人生で初めてデートしてくれた
女性
さようなら 私にこんな気持ちを教えてくれて 行ってしまった女性
さようなら
どうしても嫌いになれず
さよならしたくなかった女性
さようなら僕に幸せを与えてくれた
女性
さようなら
そして ありがとう
さようなら
僕が初めて愛した女性
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