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しおりを挟む二月七日
私は三時から起きてます。
デートに遅れたらいかんと思いもう起きてます。
緊張する
緊張する
ドキドキする
人生はじめてのデート
時刻は一刻一刻近づいている。
ふぅー落ちつかない、深呼吸しなきゃ
はふーはふーふウッー。
ああ、どうなってしまうか?
その前にこっちがどうにかなってしまいそうだ。
それにしても彼女は色が白くてちっこくてとても可愛らしい。
顔もとっても可愛らしい、
どこぞのタレントさんと言われても分からないだろう。
そして性格もとても優しい。
私は本当にお熱のようだ。
ここ最近ずっと彼女を考えてばかり
ああそんな彼女と遊園地に行ける
想像したら、泣いてしまいました。
えっ、もちろん嬉し泣きです。
本当に嬉しいです。
三十過ぎてこんな、素晴らしい出来事が待っていたなんて、本当人生は捨てたものじゃありません。
苦しかったぶん、辛かったぶん
嬉しい気持ちがハッキリ分かりました。
私は 私は 今日あの娘と一日過ごせるのです。
神様 神様どうかうまく行くように。
神様 神様どうかうまくゆくように。
ああああああ
かきまた、かきまた 日記に明日何をかいてるかを想像したら居ても立ってもいられないもどかしい気持ちに。
他の人もやっぱり、こんな時には緊張するんだろうか?
友達のいないわたしには確かめるすべがありませんが。
ふぅー 嬉しいあの娘の声がずっときける、あの娘の姿がずっと見れる
ああわたしは世界一幸せな男、いや宇宙一幸せな男 田中かきまた。
この10年間ほとんど仕事もせず、何をしてたわけでもない僕に奇跡が起こりました。
そろそろ時間だ行こう。
待ち合わせはコンビニの前
仕事場の誰かに見られたら彼氏と思われるだろうに、気にしないのかな?
それとも向こうの気持ちも、まさか自分と一緒?
むふふ
待ち合わせ場所に行く間、
ずっと緊張しました、緊張しすぎて心臓がとまるかとおもいました。
まったく落ちつきませんでした。
「あっ!いました」
わたしとしたことが待たせてしまった、10分も前に来たのに、これなら三時間前から待ってれば良かった。
それにしても、私服姿がまた一段と可愛いい
あの黒い髪に 白い肌
そしてあの顔に綺麗な瞳
パーフェクトです。
「あっ待ちました?」
「ちょっと仕事場に用があったから早めに来たの」
「じゃ、じゃ,行きましょうか」
自然に会話出来てるいいぞ、かきまた
いいぞ かきまた ファイト。
「今日は仕事じゃないんだし、無礼講、敬語はなしにしよう」
彼女は微笑んでくれました
ああ私は分かりました
彼女は天使です
女神です
大天女です。
こんな女性が彼女だったら
私は結婚して一生面倒をみて愛しつづけると天に誓います。
「あっでっでは」と言ってる言葉がすでに敬語な私。
電車に乗ってる間も終始空回りな私
少しの沈黙が私を不安にさせます
あっ、つまらないと思われてる?
もう、嫌われたんじゃないか?
チラッと見ると
彼女は嫌な顔ひとつせず本当に楽しそうにしています。
私はそれを見てなんだか安心しました。
こんな時わたしは本当に恥ずかしくなります、相手は自分自身のことなど気にせず純粋に楽しんでるのに、わたしと言ったら自分のことばかり考え、自分がどう見られてるか?どうしたら気に入られるか、そんなことばかり考えてしまってます。
惚れた弱みでしょうか?
それともわたしがそうなだけでしょうか。
遊園地に着きチケットを買うとき、
彼女も自分の分を払おうとしてました。
わたしは私の誘いについてきてもらって更にお金までは出させるマイとおもい払いました。
彼女は嬉しそうに微笑んでくれ
それを見る度に私の背中から羽がはえ
宇宙に飛び出してしまいます。
「ねえ、あれのろう かきちゃん」
えっ えー 今なんと?
今なんと?
かきちゃん 嬉しい 嬉しい かきちゃん。
私のあだ名は生涯 かきちゃんこれでいいと思いました。
わたし かきちゃん。
「うん」
普段はジェットコースターなど乗れないであろう私は、全然平気で乗っちゃいました。
彼女が乗りたいのに乗れないなんて
僕には言えるはずもありません。
「かきちゃん 何乗りたい?」
私はお化け屋敷を指さしました
あり得ないことです、幽霊嫌いの私がお化け屋敷って うかれています、かきちゃん。
「怖そうだなぁ、かきちゃん前歩いてね」
「うっ、うん」
私は言いました
「馬鹿だなぁ、怖くないよ」
決まったと思いました。
名セリフだと思いました。
中に入ると想像以上に真っ暗で
普段なら怖くてちびる私ですが
後ろにいる、みちえさんを思ったら
かきちゃんもう怖いものなんてなんにもない。
中盤で彼女はとても怖かったのか私の服を引っ張っていました
私はすかさず手をだしました
あっあー 握ってくれた
いま手を繋いでます
大好きな人と
そんななか、前からジェイソンのお面をかぶった人が脅かしてきましたが、びくともしません
今のかきちゃん無敵です。
「あー怖かった、かきちゃん頼もしいね、怖くないの?」
「全然もう平気」
「強いな、かきちゃんは」
私は今日はいけると思いました。
告白しよう。
いける
今日中に告白しよう。
よし決めました。
はっ、はやすぎるか?
ええいっ。
お昼はみちえさんがなんとお弁当を作ってきてくれました。
かきちゃん幸せ 幸せすぎます。
恋って良いなぁ。
人を好きになるって良いなぁ
恋して気持ちが大変な時もあります
でも感動も素晴らしいです。
「おいしいな」
私は告白するチャンスをうかがってました、いっいまだ あっやっぱダメ。
先程からこれの繰り返し。
「かきちゃんは将来の夢ってある?」
「えっ?夢? あーまー結婚したいです」
「そっかあ」
「みちえさんは?」
「私もあるよ、世界中の恵まれない人達のところに行ってたくさん愛情を与えてあげたいと思ってるの」
自分との器の違いに驚いてしまいました 何故彼女といるとこんなにも気持ちに自信が持てるのかが分かった気がしました。
とてもじゃないけど、今は告白できる気分じゃない。
再びたくさんのアトラクションに乗りました。
本当に本当に夢のような時でした。
永遠の 一生忘れない 宝物です。
あっ、いかん終わってしまう、はやく告白しなければ
帰り際、遊園地から出る時
チャンスがありました、いっいまだ。
「あのう、始めてあった時から」
「ねぇ、かきちゃん 綺麗な空だよ」
「えっ?」そのまま話は流れてしまいました。
わざと?
まだチャンスはあるはずだ。
「良かったら帰り道、夕飯でも?」
「うんいいよ」
これがラストチャンス、私は次の機会にしようとは考えませんでした
お店を見つけ、席につき。
チャンスを伺いました
そして勇気をしぼりまた。
「あのう、実は」
「ねえ、かきちゃん綺麗な景色だよ」
私は確信しました、話をそらしてる?ダメだってことか?
どうして言わせてくれない、告白させてくれない。
きっと彼女はそんな私に気づいてくれたんでしょうね。
「かきちゃん、私ね」
私の心臓はドキドキ、バクバクしていました、あまりのショック的な発言が出るんじゃないのか、一瞬呼吸の仕方すら分からなくなりました。
「えっ?」
私は息を飲みました。
まるで時間が止まってしまったよう
なに?
なんでしょう?
「来月にね、ヨーロッパに留学するの」
「えっえ? 」わたしはショックで言葉が一瞬出ませんでした、しかしこのままじゃあからさまにまずいと思い
「あっどれくらい?」
「わからない、何年か 帰るかも、さっきいった私の夢あったでしょ、それを叶える為に行くの」
涙をこらえるのに精一杯でした。
居なくなっちゃう、みちえさんが。
「みっ、みちえさんならぜっ ぜっ たいに叶いますよ」
私は涙を流さないように必死でした、泣きそうで声が震えでしたしまっていました。
きっとみちえさんは私の気持ちに気づいていたんだと思います。
「ありがとう、かきちゃん 来週で仕事も辞めちゃうから、もう会えなくなっちゃうけど、とっても今日は楽しかった ありがとう」
それがその日の彼女の最後の言葉でした。
私はショックでわけが分からなくなりました。
帰りはどう帰ったか覚えていません。
部屋のあかりもつけず泣きました。
もし言えるものなら「行かないで」そう言いたい。
しかしこのかきまた、そんな彼女の夢を諦めさすことなど出来るはずがありません。
私は泣きつづけるでしょう、
ずっと想像して何度も何度も夢見てた、彼女とのお付き合い、これからのデート、将来の生活、淡い夢 それらは二度と叶わないものになってしまいました。
彼女が夢に向かってはばたくのが嬉しいはんめん、とても悲しく辛い気持ちです。
ええい、かきまた メソメソするな好きな女の夢が叶うのだ
わたしの夢は?
かってだけど私の夢はどっ、どう・・
外の景色をみながら涙がとまりませんでした、もうコンビニに行ってもあえないんだ。
この街からもいなくなっちゃうんだ。
この国からも
もう人生で会うこともないだろう。
二度と顔も声も聞けないだろう
泪が止まりません、苦しいです、せつないです。
情けないと笑ってください、三十過ぎてモヒカンにまでして彼女にふられ
窓の外を眺めおいおい泣いているわたしを。
辛いです。
彼女とのお別れです さよならです。
私はしばらくは泣きつづけるでしょう
。
今日の日の想い出を永遠に胸にしまいこんで。
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