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レギャン通りを歩こう
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「進め~進め~冬マニア~、流れる汗をそのまあっまぁに~」
なんじゃこの始まりは、そう奴等はバリに来ていて大ご機嫌なのである。
「僕等の日常生活って、なんか和んで、ついついまた会いに来たくなっちゃうんだよね」
「そうそう、何処かホッとするよね」(なんだこの宣伝キャッチフレーズ的な発言の会話は)
そんなこんなで今回も始まった冬馬家バリ旅行編。
皆さんも一緒に彼等と旅行に来たのであ~る。
「ちゃ~~~~~~」(いつも出番が無いからフライングした多美)
時刻は朝の10時
朝食を済ませ、ホテルで両替を済ませ、準備万端の一同
「さあ、散歩に出発~~」
いよいよバリに来て、初めてホテルの外を歩く冬馬家一行なのである。
「まずはメインストリートのレギャン通りを散歩しよ~」
「おお~~っ」
隆は思う、頼むっ、みんな日本語しか喋らないでくれ(んな訳あるか)
サーは思う、英語格好良く喋って、僕の自画像を輝かせ続けられるだろうか?恥だけはかきたくないつっ。
彼がおおよそ考えているのは、自分が人にどう見られるかであった。
そんな二人の、夢と希望に溢れたファンタジーな夢と願いをのせ、いよいよ異国での散歩が始まる。
当たり前だか、外には沢山のバリ人が
「ニッポン人これ買って~」
「安いよ 安いよ」
それを聞き、男は泣きかけた。
なんだとおおおっ、我が母国語の日本語が世界になり響いているではないか。
うれぴ~、そう思った男の名は隆っ、隆だっ!!
あまりの嬉しさに何故か握手してもうたと言われている。
しかし、皆に呼び止められるので気は休まらない。
「安いよ、安いよ」
「買って行って~」
足を止めれば日本語は止まらない。
「何買う?」
「これ、これまけるよ」
「ちょっと待って、帰らないで」
「こっちのカラーもあるよ」
一旦止まると、色んな商品を勧めてくる
女性、子供は洋服に夢中になっていたが、隆とサーは思う。
まずいっ、このままでは財布の金が全て奪われてしまうと。
「ははは(愛想笑い)要らないですよ」
「良いから、まけるから買って行って」
押しに弱い隆
隆はサーにチラチラ得意のスーパーイングリッシュで助けての合図を送る、そんな視線に気付くサーは得意の英語を駆使して言った。
「のーーーーーーーーーっ」
「良いから、良いから」
いつものサーーーーーーーっならぬ、のーーーーーーーーーっ効果は全く無く、傷だらけのシャウトは一瞬でかき消されてもうたそうな。
ズクシヤッ
既に皆は店員に囲まれてしまう。
このままじゃ駄目だ、はっきりノーと言わなきゃ、ただの金づるにされるぞ、隆はいきり立つ。
「ビーーーーーフッ、あっ間違えた(機内の件を引きずっていた)チキンじゃない~~い、あっ間違えた、のーーーーーーーーーっ、のーーーーーーーーーっ、のーーーーーーーーーっ」
このキチガイじみた反応に一瞬相手も怯むが「いくらなら買うの?」と終わらない攻防は続く。
ズギャアアアンッ
ここで再び立ち止まってしまう、穏やかな優柔隆。
「えっ、あっその」
サーが小声で「このままじゃ買う事になりますよ、もう行きましょう」
「そっ、そうですよね」
「いっせ~~の~~のーーーーーーーーーっ」二人の声は見事にハモったそうな。
これにドラムとベースが入れば中々パンクな音楽になったかもしれないヨ~チェケラッチョ~ッ
半ば強引に店を後にし、皆は道を歩き続ける
「なんだか心休まりませんね」隆が言った。
「向こうも商売ですし、こういうもんだと思って楽しむしかないですね」サーが頭をポリポリかきながら口にする。
「よっ、サーさん流石、人が出来てますね、はやくビールでも飲みたい」
その言葉を聞きサーはほくそ笑んだ、自身の自画像がまた少し磨かれた ピカピカッ
この状況下、恐ろしいのは多網ときみ子だ、もう現地の人と仲良くなり屁をぷっぷこいては笑ってるからだ。
彼等のノリは現地の人の基質に合うらしい。
それとは反対に冬馬君と大喜は萎縮していた、話しかけられても少し照れて話せなかった。
「なんか多網ときみ子は世界中どこに行っても、うまくやれそうだね」大喜が言った。
「たっ、確かに」なんとも適応能力が高い二人。
「日本だと、知らない人がこんなに話かけてくる事ないですもんね」多網ママが言った。
「このノリの良さは格好良いなぁ」
そんな隆の発言を奴は聞き逃さなかった。
そう、サーである。
そうなんだ、そう言うの格好良いんだ(あくまで隆の考えである、サーよ、自分の軸を持たんか!(笑))
サーは自身の自画像を除菌が出来るジョイでピカピカ磨く事を決意する(なんじゃ~)
「ヘロ~~」なんと自分からバリの人に積極的に話しかけたのだ。(普段は絶対にしない)
驚いたのは隆
すっ、凄いっ、サーさん格好良い(なにが格好良いのかはよ~分からんが)隆はそう思ったそうな。
すると反応が返ってくる。
「ヘロ~、ねぇ、観光ツアーしてあげるからどう?安くするよ」すぐさまサーはカモに変貌した。
変身っ~カモサー!!
街を歩いてる間は呼び込みは絶えず止まらない。
「特にこの辺りはお店が並んでる観光地だから仕方ないよ」正子が言った。
何故か既に、両手に袋を持つサー。
正子は思った、ああ断れなかったんだなぁと。
袋の中身は得体の知れない人形と、絶対にサーが、自ら選んでは買わないであろう、金たまの形をした小さな置物だったそうな。
「それいくらだったの?」と冬馬君
サーは泣いた「五千円」
一同はズッコケた。
ぼられすぎやろ~
サーさん絶対にこの国で生きていけないタイプだ。
いや、一人にしては3日後にホームレスになる人だ、隆は思った。
その発言を横で聞いていて初めて知った多網ママ
「何やってるのよ、あなた返して来なさいよ」
板挟みになったサーは吠えた
「サーーーーーーーーーーーーーーーーッ」
その後、なんとか三千円まで値段を下げたサーが、誇らしげに戻って来た。
「二千円もまけてもらったよ」
チラチラ皆の反応を見ては、どうだ凄いでしょうと尊敬される反応を待ってるサー。
正子は思う、本来500円でも高い物だろうなと………
ちなみに多網ときみ子はこんな感じである
「バリの人達のノリ最高~~っ!!」
気を取り直して再びメイン通りの散歩を続ける
「近くにショッピングモールがあるみたいですよ」と多網ママ
「ビーチ沿いの道にもモールがあるみたいだよ、ビーチウォークだって」きみ子が手に持つ観光ブックを指差した。
「メインの道とビーチがある道は平行に通ってるみたいだから、帰りはビーチ通りを歩いてホテルに戻ろう」隆は流れる汗を拭き取り、何処までも広がる青い空を見上げ思ふ。
ああ、異国の道を悠々と歩く私は、さしずめ、風来の旅人隆っ。
(これ以上の表現が思い浮かばなかったと言われている)
すると「ねぇ、地元のスーパーだって」大喜の声に振り向く一同
「絶対観光者向けの場所より、安いよね」正子が言う。
「行ってみよう」
早速スーパーに入ってみる
「結構大きなスーパーだね」日本では見た事のない商品に心躍らす冬馬君
その中でサーは驚愕す
なんと先程の金たまの置物が日本円でおよそ三百円で売っていたからだ。
「ぬおおおおおおんっ、サーーーーーーっ」
多網が「ラーメン安い」
インスタント食品コーナーを見ている。
「このミーゴレンって、食べてみたい」と、きみ子
二人はお土産にこの即席インスタント麺を大量に買う事を決めた。
隆が日用品コーナーを見て歩いている時
いきなりノリのいいバリ人が近付いてくる。
焦る隆、まずいっ、日本語以外俺は喋れんぞっ!
「まじ まんじでしょ」
「なぬっ?」
「まじ まんじ でしょ」
なんだこの言葉は日本語なのか?
「まじ、まんじ 知らないの?日本人でしょ?」
隆はまだテンパっている、あれ、俺は言葉を理解しているのか?
隆は思う、バリに半日居て、耳がもう現地の言葉を理解している、俺は天才なんじゃないか?と。
「今日どうするの?」
この時になってようやく理解した、ああ彼は日本語を喋っているんだと。
ロン毛で色黒、中々の遊び人とみた。
「色々案内するよ、安いよ」
隆は先程のサーの事を思う、こう言うのは確か外国では危険なんだ、断らなきゃ。
「ノーノーノー」(何故か英語を喋ってしまう)
「え?日本人じゃないの?まじまんじでしょ」
何処で覚えたんだその、まじ まんじでしょと言う言葉は。
はっ!ようやく隆は まじ まんじと言う いっとき流行っていた様な言葉を思い出す。
「いや、観光はもう予定決まってるんです」
「すると、大丈夫、大丈夫、見る」男はアイフォンを取り出し、写真を見せてくる。
「これ、友達、友達」
沢山の日本人が写真に写っている。
隆はテンパる、これは罠だ、絶対になにかの餌だと。
勘ぐる隆は何故か「グリーコーゲン」と言う意味の分からん言葉を放ち、その場を逃げる様に後にする。
ここのスーパーに居ると、こんな感じでずっと声かけられそうだ、見ると他の観光客も色々な人に話しかけられていた。
はやめに出ようと思った隆は皆にその事を伝える為に角を曲がった。
そしてズッコケた。
「まじ まんじでしょ」
「まじ、まんじでしょ」
多網ときみ子が先程のロン毛男と生まれながらの親友の様な間柄になっており、まじまんじを連呼していたからだ。
男は言った。
「あっ、さっきのお父さん、友達、友達」
なんてノリだ。
多網ときみ子はオススメのお土産まで説明されていた。
「このカプセル、髪のトリートメント、安くてお土産に良いよ」
多網ときみ子は感謝の屁をぶっこいた。
ロン毛のお兄さんは笑い出す
「すっごい屁だね」
そして「そんなの関係ね~ そんなの関係ね~」と、ある芸人の芸をやり始めていた。
隆は思う、あの空間には近付けない、もう自分は彼の観光案内を断れないだろうと思っていた。
すると「お父さんとお母さんは?観光案内してあげるよ」
多網ときみ子にそう言っているのが聞こえた、まずいっ!
「知らない人はぼったくるから駄目、行かないよ」
はっきりときみ子
「大丈夫だよ、値段決めて案内するよ」
「もう、予定決まってる」と多網
「そうか、それなら残念、ありがとう」
二人はその後も色々、バリの商品を教えて貰っていた。
隆は思う、あの人、普通にあんな感じのテンションなんだな、断られた後もお土産オススメ話してたし、それに子供の方が自分よりしっかりしとる、そしてさっきの人もはっきり断れば、普通に分かってくれて去って行くんだ。
しっかりノーと言わんと駄目だ。
気合を入れよ隆、隆は自分に喝をいれていた。
スーパーを出る時、先程のロン毛のお兄さんは手を振ってくれていた。
「バリ楽しんでね」
すると多網ときみ子が「まじ まんじ」
お兄さんも笑って「まじ、まんじ」と返してくれた。
多分三人とも、まじ、まんじの意味は分かっていないと思われる。
「誰あれ?」と首をかしげている冬馬君と大喜
小腹の空いた一同は外に出て、なにかを食べる事に決めた。
「よし、何処かお店に入ろう」
ようやくビールが飲めると喜ぶ隆とサーは顔を見合わせる。
「よーしバリ料理、食すぞーー おーーーっ」
この時、やはり出番が全く無かった多美はキレていた。
ふざけんなよ、やっぱこのパターンじゃねえか。
ここで小便漏らしたるけ~~の~~、もし次回もこんな感じだったら、糞、糞、人糞をバリと言う異国でまき散らしてやるけぇのの~と、到底赤子の考える事では無いような事を思いキレていた。
では多美の怒りを鎮める為に、目立たせようではないか。
「ちゃ~~~~~~~~~~~~ まじ まんじっちゃ~~」
以上
なんじゃこの始まりは、そう奴等はバリに来ていて大ご機嫌なのである。
「僕等の日常生活って、なんか和んで、ついついまた会いに来たくなっちゃうんだよね」
「そうそう、何処かホッとするよね」(なんだこの宣伝キャッチフレーズ的な発言の会話は)
そんなこんなで今回も始まった冬馬家バリ旅行編。
皆さんも一緒に彼等と旅行に来たのであ~る。
「ちゃ~~~~~~」(いつも出番が無いからフライングした多美)
時刻は朝の10時
朝食を済ませ、ホテルで両替を済ませ、準備万端の一同
「さあ、散歩に出発~~」
いよいよバリに来て、初めてホテルの外を歩く冬馬家一行なのである。
「まずはメインストリートのレギャン通りを散歩しよ~」
「おお~~っ」
隆は思う、頼むっ、みんな日本語しか喋らないでくれ(んな訳あるか)
サーは思う、英語格好良く喋って、僕の自画像を輝かせ続けられるだろうか?恥だけはかきたくないつっ。
彼がおおよそ考えているのは、自分が人にどう見られるかであった。
そんな二人の、夢と希望に溢れたファンタジーな夢と願いをのせ、いよいよ異国での散歩が始まる。
当たり前だか、外には沢山のバリ人が
「ニッポン人これ買って~」
「安いよ 安いよ」
それを聞き、男は泣きかけた。
なんだとおおおっ、我が母国語の日本語が世界になり響いているではないか。
うれぴ~、そう思った男の名は隆っ、隆だっ!!
あまりの嬉しさに何故か握手してもうたと言われている。
しかし、皆に呼び止められるので気は休まらない。
「安いよ、安いよ」
「買って行って~」
足を止めれば日本語は止まらない。
「何買う?」
「これ、これまけるよ」
「ちょっと待って、帰らないで」
「こっちのカラーもあるよ」
一旦止まると、色んな商品を勧めてくる
女性、子供は洋服に夢中になっていたが、隆とサーは思う。
まずいっ、このままでは財布の金が全て奪われてしまうと。
「ははは(愛想笑い)要らないですよ」
「良いから、まけるから買って行って」
押しに弱い隆
隆はサーにチラチラ得意のスーパーイングリッシュで助けての合図を送る、そんな視線に気付くサーは得意の英語を駆使して言った。
「のーーーーーーーーーっ」
「良いから、良いから」
いつものサーーーーーーーっならぬ、のーーーーーーーーーっ効果は全く無く、傷だらけのシャウトは一瞬でかき消されてもうたそうな。
ズクシヤッ
既に皆は店員に囲まれてしまう。
このままじゃ駄目だ、はっきりノーと言わなきゃ、ただの金づるにされるぞ、隆はいきり立つ。
「ビーーーーーフッ、あっ間違えた(機内の件を引きずっていた)チキンじゃない~~い、あっ間違えた、のーーーーーーーーーっ、のーーーーーーーーーっ、のーーーーーーーーーっ」
このキチガイじみた反応に一瞬相手も怯むが「いくらなら買うの?」と終わらない攻防は続く。
ズギャアアアンッ
ここで再び立ち止まってしまう、穏やかな優柔隆。
「えっ、あっその」
サーが小声で「このままじゃ買う事になりますよ、もう行きましょう」
「そっ、そうですよね」
「いっせ~~の~~のーーーーーーーーーっ」二人の声は見事にハモったそうな。
これにドラムとベースが入れば中々パンクな音楽になったかもしれないヨ~チェケラッチョ~ッ
半ば強引に店を後にし、皆は道を歩き続ける
「なんだか心休まりませんね」隆が言った。
「向こうも商売ですし、こういうもんだと思って楽しむしかないですね」サーが頭をポリポリかきながら口にする。
「よっ、サーさん流石、人が出来てますね、はやくビールでも飲みたい」
その言葉を聞きサーはほくそ笑んだ、自身の自画像がまた少し磨かれた ピカピカッ
この状況下、恐ろしいのは多網ときみ子だ、もう現地の人と仲良くなり屁をぷっぷこいては笑ってるからだ。
彼等のノリは現地の人の基質に合うらしい。
それとは反対に冬馬君と大喜は萎縮していた、話しかけられても少し照れて話せなかった。
「なんか多網ときみ子は世界中どこに行っても、うまくやれそうだね」大喜が言った。
「たっ、確かに」なんとも適応能力が高い二人。
「日本だと、知らない人がこんなに話かけてくる事ないですもんね」多網ママが言った。
「このノリの良さは格好良いなぁ」
そんな隆の発言を奴は聞き逃さなかった。
そう、サーである。
そうなんだ、そう言うの格好良いんだ(あくまで隆の考えである、サーよ、自分の軸を持たんか!(笑))
サーは自身の自画像を除菌が出来るジョイでピカピカ磨く事を決意する(なんじゃ~)
「ヘロ~~」なんと自分からバリの人に積極的に話しかけたのだ。(普段は絶対にしない)
驚いたのは隆
すっ、凄いっ、サーさん格好良い(なにが格好良いのかはよ~分からんが)隆はそう思ったそうな。
すると反応が返ってくる。
「ヘロ~、ねぇ、観光ツアーしてあげるからどう?安くするよ」すぐさまサーはカモに変貌した。
変身っ~カモサー!!
街を歩いてる間は呼び込みは絶えず止まらない。
「特にこの辺りはお店が並んでる観光地だから仕方ないよ」正子が言った。
何故か既に、両手に袋を持つサー。
正子は思った、ああ断れなかったんだなぁと。
袋の中身は得体の知れない人形と、絶対にサーが、自ら選んでは買わないであろう、金たまの形をした小さな置物だったそうな。
「それいくらだったの?」と冬馬君
サーは泣いた「五千円」
一同はズッコケた。
ぼられすぎやろ~
サーさん絶対にこの国で生きていけないタイプだ。
いや、一人にしては3日後にホームレスになる人だ、隆は思った。
その発言を横で聞いていて初めて知った多網ママ
「何やってるのよ、あなた返して来なさいよ」
板挟みになったサーは吠えた
「サーーーーーーーーーーーーーーーーッ」
その後、なんとか三千円まで値段を下げたサーが、誇らしげに戻って来た。
「二千円もまけてもらったよ」
チラチラ皆の反応を見ては、どうだ凄いでしょうと尊敬される反応を待ってるサー。
正子は思う、本来500円でも高い物だろうなと………
ちなみに多網ときみ子はこんな感じである
「バリの人達のノリ最高~~っ!!」
気を取り直して再びメイン通りの散歩を続ける
「近くにショッピングモールがあるみたいですよ」と多網ママ
「ビーチ沿いの道にもモールがあるみたいだよ、ビーチウォークだって」きみ子が手に持つ観光ブックを指差した。
「メインの道とビーチがある道は平行に通ってるみたいだから、帰りはビーチ通りを歩いてホテルに戻ろう」隆は流れる汗を拭き取り、何処までも広がる青い空を見上げ思ふ。
ああ、異国の道を悠々と歩く私は、さしずめ、風来の旅人隆っ。
(これ以上の表現が思い浮かばなかったと言われている)
すると「ねぇ、地元のスーパーだって」大喜の声に振り向く一同
「絶対観光者向けの場所より、安いよね」正子が言う。
「行ってみよう」
早速スーパーに入ってみる
「結構大きなスーパーだね」日本では見た事のない商品に心躍らす冬馬君
その中でサーは驚愕す
なんと先程の金たまの置物が日本円でおよそ三百円で売っていたからだ。
「ぬおおおおおおんっ、サーーーーーーっ」
多網が「ラーメン安い」
インスタント食品コーナーを見ている。
「このミーゴレンって、食べてみたい」と、きみ子
二人はお土産にこの即席インスタント麺を大量に買う事を決めた。
隆が日用品コーナーを見て歩いている時
いきなりノリのいいバリ人が近付いてくる。
焦る隆、まずいっ、日本語以外俺は喋れんぞっ!
「まじ まんじでしょ」
「なぬっ?」
「まじ まんじ でしょ」
なんだこの言葉は日本語なのか?
「まじ、まんじ 知らないの?日本人でしょ?」
隆はまだテンパっている、あれ、俺は言葉を理解しているのか?
隆は思う、バリに半日居て、耳がもう現地の言葉を理解している、俺は天才なんじゃないか?と。
「今日どうするの?」
この時になってようやく理解した、ああ彼は日本語を喋っているんだと。
ロン毛で色黒、中々の遊び人とみた。
「色々案内するよ、安いよ」
隆は先程のサーの事を思う、こう言うのは確か外国では危険なんだ、断らなきゃ。
「ノーノーノー」(何故か英語を喋ってしまう)
「え?日本人じゃないの?まじまんじでしょ」
何処で覚えたんだその、まじ まんじでしょと言う言葉は。
はっ!ようやく隆は まじ まんじと言う いっとき流行っていた様な言葉を思い出す。
「いや、観光はもう予定決まってるんです」
「すると、大丈夫、大丈夫、見る」男はアイフォンを取り出し、写真を見せてくる。
「これ、友達、友達」
沢山の日本人が写真に写っている。
隆はテンパる、これは罠だ、絶対になにかの餌だと。
勘ぐる隆は何故か「グリーコーゲン」と言う意味の分からん言葉を放ち、その場を逃げる様に後にする。
ここのスーパーに居ると、こんな感じでずっと声かけられそうだ、見ると他の観光客も色々な人に話しかけられていた。
はやめに出ようと思った隆は皆にその事を伝える為に角を曲がった。
そしてズッコケた。
「まじ まんじでしょ」
「まじ、まんじでしょ」
多網ときみ子が先程のロン毛男と生まれながらの親友の様な間柄になっており、まじまんじを連呼していたからだ。
男は言った。
「あっ、さっきのお父さん、友達、友達」
なんてノリだ。
多網ときみ子はオススメのお土産まで説明されていた。
「このカプセル、髪のトリートメント、安くてお土産に良いよ」
多網ときみ子は感謝の屁をぶっこいた。
ロン毛のお兄さんは笑い出す
「すっごい屁だね」
そして「そんなの関係ね~ そんなの関係ね~」と、ある芸人の芸をやり始めていた。
隆は思う、あの空間には近付けない、もう自分は彼の観光案内を断れないだろうと思っていた。
すると「お父さんとお母さんは?観光案内してあげるよ」
多網ときみ子にそう言っているのが聞こえた、まずいっ!
「知らない人はぼったくるから駄目、行かないよ」
はっきりときみ子
「大丈夫だよ、値段決めて案内するよ」
「もう、予定決まってる」と多網
「そうか、それなら残念、ありがとう」
二人はその後も色々、バリの商品を教えて貰っていた。
隆は思う、あの人、普通にあんな感じのテンションなんだな、断られた後もお土産オススメ話してたし、それに子供の方が自分よりしっかりしとる、そしてさっきの人もはっきり断れば、普通に分かってくれて去って行くんだ。
しっかりノーと言わんと駄目だ。
気合を入れよ隆、隆は自分に喝をいれていた。
スーパーを出る時、先程のロン毛のお兄さんは手を振ってくれていた。
「バリ楽しんでね」
すると多網ときみ子が「まじ まんじ」
お兄さんも笑って「まじ、まんじ」と返してくれた。
多分三人とも、まじ、まんじの意味は分かっていないと思われる。
「誰あれ?」と首をかしげている冬馬君と大喜
小腹の空いた一同は外に出て、なにかを食べる事に決めた。
「よし、何処かお店に入ろう」
ようやくビールが飲めると喜ぶ隆とサーは顔を見合わせる。
「よーしバリ料理、食すぞーー おーーーっ」
この時、やはり出番が全く無かった多美はキレていた。
ふざけんなよ、やっぱこのパターンじゃねえか。
ここで小便漏らしたるけ~~の~~、もし次回もこんな感じだったら、糞、糞、人糞をバリと言う異国でまき散らしてやるけぇのの~と、到底赤子の考える事では無いような事を思いキレていた。
では多美の怒りを鎮める為に、目立たせようではないか。
「ちゃ~~~~~~~~~~~~ まじ まんじっちゃ~~」
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