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〜 悪夢 〜
しおりを挟む「貴様っ何がしたい?」
目の前の状況を直視していた、エバーフーミーが言った。
手を組んだと思われた光堂を、ラルフォートは手刀により地面に倒していた。
「お前に、話す理由は無いよね」
ラルフォートは馬鹿にするように笑っている。
「貴様ああああっっ」
シュパアアアアアッアアアアアンッ
次の瞬間、エバーフーミーの身体は再生不可能と言われる程に微塵切りにされた。
「その傷で、この私に勝つのは無理でしょう、さようならエバーフーミー」
さてさて
地面に倒れた光堂をラルフォートは見つめていた。
運が良かったな
私が手刀で気絶させなきゃ、立ち向かったお前は確実にやられていたぞ。
気を失っている光堂に一人、話続けている
何故 私が助けたのか?
君達は私を知らない
アヒョ へニョ へニョ アヒヤッ
不気味な笑い声をあげているラルフォート
お前達は、いつか私の過去を知る事になるのか?
いえいえ、そこまで、、、、、
お前達は、確かに今は弱い、登って来れるか?
しかし、お前達三人は全員で、私に似ている
くっくっくっく
北條、一つ貸しだ。
龍神への花向けとしてやろう。
さてと、行くか。
あっ、そうそう
ラルフォートは依然として、気を失っている光堂に話しかけている、無論誰も聞いていないのは承知の上で。
一つ言い忘れていた
ここからが大変だ
特に神井
見殺しにするか? それとも、あの化け物達を本当に相手にするのか?
お前達の行動に少々、興味がわく
ああっ、ゾクゾクしてくる、お前達の未来を想像すると、ゾッと寒気まで感じてくるよ。
先に見えるは、無慈悲な運命ってところだな…
ラルフォートの口元は薄っすらとほくそ笑んだ。
闇の主は一旦眠った、だが、直に目覚めるぞ
承知の様に、危険なのは闇の主だけではない
それに私も、お前達に牙を向けるだろう
ああっ、ああっ
やはり、何処に向かっても地獄だね
ラルフォートは何かに気付く
今、確かに………
一瞬だが、私の直感はごまかされない
この霊力とんでもないな
このペドスドラコにとんでもない奴が今、入って来た。
恐ろしい程の霊力だが、見事なまでに抑え、隠されている。直感で全てを感じる私だからこそ、かろうじて気付けた程度
恐ろしい程に腕の立つ存在、そう、このレベルは間違いない。
くっくっくっく
先に、この惑星から出るとしよう。
近いうちに再び会おう
それまでに、強くなるんだな
おっと、その前に君たちが無事にこの惑星から出られる保証はないが。
ラルフォートは去って行った。
場面は変わる
鬼神の拳がマナめがけて放たれていた。
「マナー、こっちの結界を解いて、自分に結界を張るウキ~~」
ペレーは知っていた、マナがその行動を取らないことを。
光堂、光堂、マナが死んじゃうウキよ~
「マナーーーーーーーーーッ」
ズゴオオオオオオオンッ
マナの額ギリギリのところで鬼神の拳は食い止められていた。
「おやおや、こいつは懐かしいな」
ペレーの瞳から涙がこぼれ落ちる
「道来隊長」
ペレーの目の前に立っていたのは、道来、太一、ジョーの三人だった。
「ペレーすまん、遅くなった」ジョーが言った。
「ジョー、ペレー離れていろ、巻き添えをくうぞ」太一が叫ぶ
「貴様は真堂丸と共に俺様と戦った男、覚えているぞ」
「あの憎き真堂丸は何処に隠れている?」
「鬼神よ、お前を倒すのに真堂丸の力は必要ない」
「ほぉ、貴様がこの俺様を倒すとでも」
女狐、蝿王蛇は構えだす
「皆殺しじゃ」
その瞬間だった、その場に居た全ての者はこちらに向かってくる巨大な霊力に気付く
「こりゃあ、揃いも揃って懐かしい奴等が揃っているな」
ザッ ザッ
「くっくっく、皆斬り捨ててやろうか?」
なんと、そこに立っていたのはかつて真堂丸と互角に戦った程の剣豪、骸だった。
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオーーー
再び場面は変わる
連合の隊長の二人、ドラとクエヌはペドスドラコの惑星を走り回り、闇の波動を放ち暴れる者達を次々と捕らえていた。
「この惑星の戦を、終わらせるには今の機を逃すな、クエヌ」青いモヒカンを揺らしながら、次々と光のロープの様な霊力を放ち、同時に五十程の者達を縛り付け、動けなくさせていく。
「ようやく、龍神のクリスタルスカルの任務を終え、本来の動きが出来ますね、終わらせましょう、戦を」
その時だった。
止まることの無かったドラの足が止まる。
目の前に立つのは、身長140センチくらい、青いストレートヘアを膝下まで伸ばす少年、少年の顔は髪で覆われ見えなかった。
ドラは、次の瞬間、叫んでいた。
「クエヌお前は、この場を離れろ」
「笑わせないでくださいよ、この子ヤバイでしょ、霊力を隠してるけど、分かりますよ、この全身に鳥肌が立つ感覚」
「だからこそだ、今ここで隊長二人を失う戦力は大きい、俺が時間を稼ぐ」
「死ぬ気ですか」
「笑わせるな、戦う前から諦める隊長が何処にいる」
「すぐに助けを呼んできます」
クエヌにはドラの覚悟が分かっていた。
これ以上はドラさんの覚悟を踏みにじる事になる……
クエヌは、その場を全力で去った。
ドラは思う。参ったな、助けを呼ぶってったって何処の誰がこいつを………
そこに立つのは、それ程までにヤバイ空気を放つ存在。
「貴様何者だ?」
少年の姿をした男の前髪が風で揺れ、瞳が見える。
瞳は一つ、左側にあるだけで、真っ黒であった。
視線は全然、ドラを見ておらず空を見上げていた。
「何者だと聞いている」
「無礼者め、我を何者と心得る」
ドラの全身に悪寒が走る。
ああ、そうか こいつは……
ドラがそう思った瞬間だった。
何故、自分は先程まで目の前に立つ男を見ていたのに、今、視界は空を見ているのだろう
ああ、そうか、俺は………
ドラの首は地面に転がっていた。
男は連合の隊長を前にして、何も感じず、動じず、何事も無かったように歩き出す。
ペドスドラコの惑星は再び暗黒に包まれようとしていた。
~ アンブラインドワールド ~
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