アンブラインドワールド

だかずお

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~ 変わったな ~

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タケルと神井、二人の前に立っていたのは光堂

「強くなったな二人共」

「光堂さんっ、助かったぜ、こいつ恐ろしい程強くて、ヤバかったんだ」

「そうだろうな、奴の名はエバーフーミー、宇宙に君臨する闇の王の一人ルシ・サタンの幹部の一人だ」

「まじっすか、そりゃ強いわけだ」

「助かったと言うのは、はやいぞタケル。二人共、良く聞け、三人で力を合わせて闘う以外に生き抜く術は無い」

「戦闘は続行中だ、行くぞ」

「なんだ貴様は?その二匹のガキよりかは強いようだが」

「エバーフーミー、この星での民間人の大量虐殺、お前を連合の名のもとに連行させてもらう」

「そうか、お前、連合の一員か」ニヤリ

「良いだろう、三人まとめて始末してやろう」

現在、ペドスドラコの惑星の戦場は激化している。
宇宙連合のメンバーは惑星の人々を守り、戦の鎮圧化をはかっていた。
しかし、闇の主の目覚めが失敗に終わった今も、この機に闇の勢力を宇宙に拡大しようとさせる者達が引く事は無かった。

「ったく、闇の主の復活が一時的にだが、止まったって言うのに、こいつらまだ本気で連合を潰す気でいやがる」

「ドラさん、喋ってる暇は無いですよ、一刻も速く止めないと、この惑星は消滅しかねない」

「わあってるよクエヌ、ったく、スカルを使ったら任務完了だと思ってたのに、とんでもねぇ任務を任せられたもんだぜ、面倒くせぇ」ドラは青いモヒカンを触りながら言った。

「終わらせるには、この惑星に残ってる強い奴等を止めるしか無いようだな、奴等が敗北すれば、他の者は諦めるだろうからな」

「今現在この星に来ている連合の隊長はそう多くないです、我々隊長クラスの二人が急がなければいけません」

「ああ面倒くせぇ、隊長をこの機に辞めちまおうかねぇ」

「気を探れ、片っ端から行くぞクエヌ」

「分かりました」

同時刻
ペレーとマナはこの戦によって傷ついた人々を救っていた。
それは自分の意志からの行動でもあり、光堂に任された任務でもあった。
「しっかりするウキ、もう大丈夫ウキよ」

「お猿さんだぁれ?」

「ペレーは宇宙連合の一員ウキ、すぐに怪我治すウキから心配要らないウキ」

「お母さんは?」

「大丈夫、すぐに助けるウキ」壁の裏側、動かなくなった母親であろう姿がペレーの視界に入る。
必死に歪みそうになる自身の表情を隠し、娘を元気づける事しか出来ない事が辛かった。

「ペレー、その娘の傷を見せて」マナが近寄って来たその時だった。
不気味なかん高い声が辺りに響き渡る。

「おや、光堂の波動に少し似ていると思ったんだがねぇ」
黒い着物を着た女の姿

「なっ、なんなんウキか……」
ペレーの脳裏に記憶が蘇る、この女にペレーは会ってるウキ、そうあれは、スカルを探しに小人達と……
ペレーはしっかりと目の前の存在の強さを思い出す。
こいつは……

すると着物を着た女の背後から、更に二人
「女狐壌よ、とりあえず皆殺してしまおうではないか」
鬼の姿の者は言った。

「鬼神は容赦無い」
蛇の頭に、蝿の持つ大きな瞳、そいつの名は蝿王蛇

ああ…そうウキ、間違いないウキよ、こいつらはかつて道来隊長達が闘った奴等ウキ、こいつはヤバイウキ………
光堂ヤバいウキ、ペレー達このままじゃ殺されるウキ、助けてくれウキ………

同時刻、地球の支配に動く死神率いる軍団もまた、闇の主の目覚めが失敗に終わったのを察知していた。
「死神様、どうしますか?地球に張られた結界を破るのは中々厳しい、そして主の目覚めは妨げられました、作戦を中止になさいますか」

「確かにこの結界を破るのは難しい」

「では、やはり」

「ただし、それは外からの話、内側からは穴だらけ、この結界を張ってる地球の能力者達を内側から皆殺しにすればいい」

「地球に潜伏している我々の同志に伝えよ、能力者達を殺せと」

「では作戦は?」

「もちろん実行しますよ、地球を我々のものとする」

「はっ」

にしても、地球の中で特に強大な結界を張ってる者が、あの島国に居る、日本と呼ばれるあの土地に。
やれやれ、あれを相手にするのは骨が折れそうですね。
他の者達から抹殺せねば。
この時、死神が感じていた霊力は北條のものだった。

惑星ペドスドラコの激戦は一向に終わりが見えて来ず、ここにも限界を迎える者達が居た。

「くそが、一向に敵が減らないな」黒龍は自身の使い物にならなくなった片腕を見つめた。

「おいっ、大丈夫か黒龍」

ペダの突然のセリフに笑いがこみ上げる黒龍
「お前の口から大丈夫かとは、笑わせる」

「初めてお前に心配されたな」

「何を言っている、今はそれどころじゃ無いだろう」

「お前はリタと闘ってから変わった」

「だから、今はそんな話をしている暇は」ペダがそう叫んだ直後、背後からの攻撃が黒龍の身体をかすめる

「おいっ、大丈夫か黒龍」

「ハッハッハ、また大丈夫かだと、お前が俺を心配だと、気味が悪い」

「何を言ってやがる黒龍」

「だが悪くは無い」

「俺達は共に上を目指すために手を組んだだけのパートナーだった、お互いに対する情も微塵も無かった筈だ」

「こんな時だから、昔のままのお前で、俺を見捨てて逃げるくらいの気持ちでいやがれと思ってしまう俺もまた変わったのかもな」

「何を言っている?」

「最後にようやく思った事がある、俺達は目指す目標を叶えられず、夢も果たせず、失敗に終わった」

「だが何故だろうな、それよりも大事なものを得れた気がするのは」

「さっきから何を黒龍、お前っ、その最期みたいな話し方はよせ、俺達の夢はここから叶えるんだろ」

「ペダよ、お前本当に変わったな」

ペダの両の目からは涙がこぼれ落ちていた。

「馬鹿者め、そんな顔をするな、今だけは昔のお前でいろ」
そんなツラされると未練がましくなっちまうだろう。

黒龍はペダに向かってくる攻撃を身を挺して守った。

「黒龍」

次の瞬間、黒龍はペダを掴み、投げ飛ばした。
「お前たち、こいつをよろしく頼む」
黒龍のその声に振り向く、リタ、白龍、青龍

「ここはもう限界だ、一気に敵を減らす方法は一つ」

黒龍の選んだ手段

それは、自爆だった。

「やめるんだ黒龍」白龍が叫ぶ

「ったく」俺達は敵同士だっただろ、いつまでも甘っちょろい奴め

黒龍を助けようと全力でこちらに向かってくる白龍の姿が視界に入る。
そして、その背後に涙を流しながら、全力でこちらに向かってくる者の姿
「黒龍、死ぬな 共に生きよう」
それはペダの姿
あれだけ自分の事しか頭に無かった男が、自らの命を投げ出し、俺の事を助けに来ようとするとは。
その姿を見て黒龍は何故だか分からなかったが

安心した。

黒龍は最期に、優しく微笑んだ

それはペダが初めて見た、最初で最後の黒龍の笑顔だった。

ズカアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーンッ

「黒龍ーーーーーーーーっ」

周りに居た敵を道連れに黒龍死亡。
三人は黒龍に命を救われたのだった。



~ アンブラインドワールド ~




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