アンブラインドワールド

だかずお

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〜 龍神出現まで六日 〜

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サタンの大幹部であるパタリロの頭の部分は怒りのあまり真っ赤になり、既に頭部の温度は5000度に達していた
何故なら、目の前に自身を邪魔する見知らぬ人間がたちはだかっていたからだ

「お前邪魔」

「あなたに暴れられると、この惑星の破滅の可能性が八十%程上がってしまいます、この惑星で生き残れる者はほぼ居ないでしょう、だから私が食い止めます」

ブチッ

「お前ごときが俺を食い止められるはずがないだろうがああああああ~~~~っ」

同時刻、パタリロの放った霊気に気づいた者達が居た

「おやおや、化物みたいな霊気を放ちやがって、さしずめサタンの幹部クラスのものだろう、対するは北條ってところか」
ニヤリ
ラルフォートは日常の朝食を摂るのと何ら変わりのない平常心で、木の実を口にしていた

なんだ…この物凄い霊気は、驚いたのは光堂
しかし瞬時に分かった
何者かが戦っている
間違いない、あの霊気は……

北條さん

光堂はタケルの顔を見る

「ああ光堂さん、気付いてるぜ。この恐ろしい霊気は……」  

「間違いない、サタンの配下、幹部クラスの実力だ、戦っているのは北條さんだ」

嘘だろ、これがサタンの幹部の実力……タケルは震える膝を抑え、立ち上がる

「何処に行くつもりだ」

「北條さんは負けねぇよ、ただこんな化物が次、北條さんの居ない時に来たらどうする?休んでられないっすよ、修行してきます」

光堂の額から汗が流れ落ちる
タケルの言う通り、俺も休んでなんか居られない
北條さん、そいつはあなたに任せます、後は必ず俺らがなんとかします

翌朝
ペドスドラコの惑星は、昨日と変わりない静かな日常に包まれていた
パタリロの姿はこの世の何処を探しても、もう見つけられることは無かった
あれから寝ずに修行をしていた光堂は気付いていた
北條さんがサタンの幹部を完全浄化したんだ、あんな化物クラスの霊力を放つ相手を……やっぱヤバすぎるな北條さんは
だが次は北條さんは居ない、俺達があんな化物をなんとかしなければいけないんだ

修行は終わる事なく続けられた

神井も、もちろん昨夜の異変に気付いていた
地面に倒れ込むも、すぐに立ち上がり、また修行を続けていたのだ

「ちっ、化物共め……必ず俺が全員超えてやる」

タケルは目を瞑り、今に意識を向けていた

「北條さん、ありがとう。後は俺達に任せてくれ」

丁度その頃、北條はと言うと、地球にテレポーテーションで帰って来た所
「ふぅ~、流石にサタンの幹部、思った以上に力を消耗させられましたね」
今は少しでも力を温存しておきたかったんですが……
さて、後は任せましたよ皆さん
私もこちらを死守せねばなりませんので

ヒュオオオォーー 

「おいおい、とんでもない事が起こったな」
驚きを隠せないでいたのはペドスドラコの惑星に向かっているサタンのもう一人の大幹部、エバーフーミーであった

「パタリロの霊気が消失した」

「すなわちヤツは負けた」

「エバーフーミー様、ご冗談を。パタリロ様はただ単に霊気を消してるだけじやぁございませんか、サタン様の幹部であるパタリロ様を倒せるものなど、この宇宙にそうそう存在するものではございません」

「いや、奴は直前まで何者かと戦っていた」

「おいっ、聞くが、前回サタン様の幹部が倒されたのはいつの話になる」

「遡る事、五万年前になります」

「ふはははは笑えるぜ、こりゃペドスドラコの任務、我々も気を引き締めねばなるまいな」

部下達はこの時、誰一人エバーフーミーの言葉を信じていなかった、いや、正確に言えば信じる事が出来なかった
ある筈ない、いや不可能
サタン様の幹部を倒すと言う事、それは即ちサタン様を敵にすると言う事
この大宇宙を生き抜く者で絶対に犯してはならぬ宇宙の法則の様なもの
この宇宙の摂理に刃向かうと言う事
この宇宙で一体どんな阿呆がそんな事をする?
それに実力的にパタリロ様が負ける筈など有りようはずがない
今回ばかりはエバーフーミー様の勘違い
そうに違いない

龍神出現まで後六日

「タケル少しは休んだらどうだ?たまには休憩も必要だろ」
リタはそう言い、タケルに紫色の木の実を投げる

「食べて見て、この惑星のお勧めのフルーツさ、パイセルメドル、食べると身体の疲れが取れるんだ」

「ありがとよリタ」

パピュ

「なんだか、不思議な食感だけど美味しいな、地球では食べた事の無い味だ、嘘だろ筋肉痛が引いていく」

「なっ、凄いだろ。タケル、地球は良い所か?」

「ああ、まあな」

「今のこの惑星の様に争い事があると聞いたが」

「ああ、同じ人間同士で殺し合う戦争ってものがある」

リタは驚いた
「同じ惑星の人間同士で殺し合う?そんな事一体何の為に?」

「まあ良くは知らないけど地球には色々ややこしい問題があるんだよ」

「この惑星には戦争ないのか?」

「昔はあったみたいだけど、ここ何万年と一度たりとも起きてない、人々が争う事の無意味さに気付いたのさ」

「そりゃ良いな」

「この惑星では、みんながバラバラだって言う分離意識から、みんな繫がっていると言う考え方に変わって、争いを無くす事が可能になったんだ、地球もいつかそんな風になると祈っているよ」

「ああ、有り難う、そうだな」

「そうだタケルせっかくだし龍の背中に乗ってこの星を見てみないか?」

「そりゃ最高だ」

「みんなも呼んであげると良い」
リタは微笑んだ

こうして声をかけた結果
行くのは、タケル、リタ、ペレーの三人となった
ちなみにみんなに聞いた時の反応だが

神井「ふざけるな、誰が貴様らとなんか」

光堂「いい」

マナ「少しやっておきたい仕事があるの」

だったそうな。

「よ~し気を取り直して、ペドスドラコの惑星観光だぁ~」
タケルが叫ぶ

「おおーーっ」

「青龍、来てくれ」

「今日は白龍じゃないウキか?」

「黒龍と会ってからピリピリしてて、今は乗せてくれないと思う」

「白龍程の龍でも黒龍の力を警戒してるのさ」青龍が言う

「そういや、あれから奴等 襲って来ないな」

「奴らもまた何かを企んでいるかも知れない、充分に注意をするんだな」青龍は皆を背中に乗せ翔び立った

「うひょーー絶景かな」

「凄いなこの星は、本当に沢山の龍が空を飛んでるもんな」

上空から見るペドスドラコの惑星は、半分以上が森に囲まれ、その中に都市などがあった、それはまるで自然の中に都市が発生したかの様なそんな風景
自然とうまく共存してるように見えた

すると一匹の龍が近づいて来る
「リタさんこんにちは」

「ああ、こんにちは」

するとまた一匹、次から次へと

「リタはこの星で有名人ウキね」

「リタ程の龍使いはこの惑星でも、中々居るもんではないからな」

「よせよ、青龍、照れるよ」

「リタ、いつか地球に遊びに来た時は俺が地球を案内するからな」

「ああ、よろしく頼むぜ」

「ん~友情って、良いウキね」

皆は笑いあった

舞台は違う惑星

カッ カツ カツ

「ようやく任務完了ってやつだな」

「龍神出現の約束の日に間に合う事が出来て良かった」

「六日後にペドスドラコで何が起きると言うのかねぇ」
 
「ちなみにこの任務が完了したのは一部の隊長以外にゃまだ伝えちゃ不味いんだろ?」
青いモヒカン頭の男は言った

「隊長の中でも限られたものにしか伝えない意向らしいです、今知られると不味い事が起こる方が多そうなのでね」
その女の瞳は黄色

「まさかよ、俺達までペドスドラコに行くんじゃねーだろうな」

「さあね、そこまでは言われてないですから」
 
「まぁ、これで闇の主の復活が止まれば良いがな」

「宇宙の運命は今にかかってるってやつだ」

そう、彼等は宇宙連合の隊長達

この時点で連合は十二の全てのクリスタルスカルを集める事に成功していた。




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