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〜 新たなる危機 〜
しおりを挟むサタンの配下の者達の襲来、そしてラルフォート・ナザレの出現。
その夜、タケルは目を覚ます事は無かった
「光堂、タケルは能力が覚醒(ここでは能力が飛躍的に向上した事を指している)してたウキ」
「ああ、霊力を感じて、すぐに分かった、それにペレー傷はもう大丈夫なのか?」
「マナがすぐに治してくれて、もう問題無いウキよ」
あの襲撃はサタンの配下の者たち、そしてラルフォートまでこの星に来ていたとはな
一体何の目的だ?光堂は思う
夜の闇から姿を現したのは神井
「貧弱な野朗だ、まだ目を覚まさないとはな」
「どうやらお前も能力が覚醒したらしいな」
光堂が神井を見る
「貴様も直に追い抜き、殺してやるぜ」
神井はそう言い残し去っていく
「光堂、本当に大丈夫ウキか?このままもし神井が、どんどん強くなったら……もう手に負えなくなるウキ」
マナが続く「光堂、それに神井君の力はこのまま行くと…」
その時、辺りの時空間が歪む
光堂が囁く「来ましたか」
その場所に激しく眩い光が出現した。
「ふぅ、テレポートを使うのが前より難くなったように感じますね、闇の主の目覚めによって時空間が相当乱れている様だ」
「久しぶり光堂君」
そこに立つのは北條だった
「あっ、ペドループの時のおっさんウキ」
「やあ、ペレー君、そちらのお嬢さんは初めてですね、大気が荒れています」
上ボタンが三つ開く白いワイシャツに黒ズボンを履いた北條は辺りを察知しながら言った
「光堂君、こちらの状況は?」
「考えたくないくらい、ペドスドラコは荒れる状況になりそうですね」
「なるほど」
「北條さんが、こっちに来てくれたなら頼もしいんですがね」
光堂はそこに居る北條は確かにここに居るように見えるのだが、実は霊体で本体で無いのを見抜いていた(一般人にはおおよそ、区別がつかない程にそこに普通に居る様にみえている)
「残念ながら光堂君それは難しい、皆さん落ち着いて聞いてください」
皆の表情がその言葉によって引き締まる
「未来のリーディングの予知は、あくまで無限にある中の可能性の一つ、未来は決まっておらず、現在の選択によって変化します、しかし現在の宇宙の集合意識の波動を読み、一番起こり得る可能性の未来は予測出来る」
「何が見えたんですか?」マナが言う
「この一ヶ月以内に確実に地球が他の惑星の存在達に襲撃される」
「それは無理ウキ、地球は宇宙連合が見守ってるウキ」
「連合を敵にまわしてでも、彼等は向かってくる、今はそんな事が平然と起こり得る程の時代に突入しました」
「北條さん、その未来が起こり得る確率は今の波動を読むとどれくらいに?」光堂が北條を見る
「98%」
「しかし、心配は要らない、私達はその未来に対応する準備をしておく、それに連合だって黙って地球を侵略させる様な事はしない、全力でサポートしてくれるでしょう」
「俺の方から連合の隊長クラスを多く、地球に向かわせる様に伝えておきます」
「それは助かります、ですが相手もまた隊長クラスが動けないであろうこの機を狙って来るでしょう、宇宙は今、それ程まで混沌としています。そしてこの事はタケル君には」
「分かってます、そんな事をタケルが知ったら、地球に戻るの一点張りになりますから」
「ふふっ。さて、時間がありませんので、私がここに来た目的を果たすとしましょうか」
北條はタケルを見つめる
神井君も波動を読む感じ、能力が覚醒したみたいですね
北條は二人を意識した
さて始めますか
その頃、妖精の星に戻った道来、太一、ジョー
「道来さんあれから修行ばっかしてますね太一さん」
「ああ、多分、真の兄貴や文太の兄貴が闘ってるのを知ったのと、あの恐ろしい力を持つ敵を前にして、何かをしていないと気が済まないのかも知れない…」
道来は思っていた
真堂丸、文太、お前達はたった二人で人々の為、今も命を懸け闘っていたのだな……
しかも、、あんな得体の知れない存在と
本当に大丈夫なのか?無事なのだろうな?
ビュンッ(刀の振りかざす音)
私は時の一瞬も無駄に出来ない、今の私では足手まといになるだけだろう、必ず少しでも強くなって、お前達の元に向かう、だからそれまでどうか無事でいてくれ………
ビュンッ
必ずお前達の力になる
文太、真堂丸
「太一さん、俺達はこれからどうします?」
「そうだな、とりあえず光堂達とテレパシーをとってみるか」
「そうですね」
その時だった
「みなさんに少しお話が」意識の中に響くのは女王ぺぺの声
ヒュオオオーーーッ
惑星ペドスドラコ
再び光堂達はリタの住んでいる森に戻って来ていた
リタは皆に謝り、お互いの誤解は解けたのだ
「貴様地球の人間の者か?」北條を見るや、少し驚いた顔をした白龍が言う
地球の人間がここまで霊体を自由自在に操り、この惑星に来ている、しかもこの磁場の乱れが生じている今、それになんだこの者が纏うただならぬ霊気は、貴様何者だ
「龍神様には若い頃、会ったことがあります」
その言葉に一同は驚いた
「ほんとウキか?おっさんはやっぱ凄いウキ」
「貴様、悟っているな」
悟った後に霊力をとんでもないレベルに鍛錬によって磨き上げている、見事だ
地球でこれ程までの霊力と意識を高めた者はいまだかつて見たことが無い、まさか龍神様にまで会っていたとは
「ここに来た理由はその二人の子の為か?」
「そうです」
「なぁ白龍、前に言ってた運命を変える可能性のある者ってどう言う事か説明してくれよ」リタが言った
「そんなにこの人達が重要なのかよ」
「今は朧気な輪郭を捉えているだけで良い、今知っても時期相応ではない、それに知れば危険となる」
白龍の迫力ある目つきにリタは息を呑んだ
「気になるけど聞けないウキよ」
光堂はペレーとマナにも呪印が舌に施されてる話を既にしていた
光堂はこの秘密を話すと自動的に死ぬ事になっている、それはあまりにこの宇宙に影響を与える可能性がある為、自身の隊長ホルロと、互いに術をかけ合ったもの
タケル君は一体何者なんだろう……マナが思う
北條は歩き出す
「少しペドスドラコの惑星を歩いてみたいと思います、修行は明日からになりそうですね」
北條はペドスドラコの惑星を目を閉じ感じ始めた
全ての惑星は生きている
その呼吸を読めば自ずとコミュニケーションを取ってくれます
龍神様 あなたは今何をお考えになっているのですか?
惑星よ、私に何か伝えたい事はおありか?
白龍はその様子を黙って見ていた
この人間からはまるで龍神様と同じ様な空気を感じる
全く信じられんな、一人の肉体を持つ人間がここまで
到達するとは、白龍はほくそ笑む
その時だった
「はっはっは、やはりな、先程のテレポートして来た瞬間の波動、近くに居たおかげで見逃しませんでしたよ」
なんと背後に立つのはラルフォート・ナザレ
北條は少しも驚く様子を見せず、目を閉じたまま話す
「久しぶりですね、あなたはどうしてここの惑星へ?」
「ふっ、安心すると良い、どちらかと言うと君達寄りかも知れない」
「先程は二人をありがとう」
「……」
「驚いたね、地球に居ながらずっと二人を観察していたのか」
「そうです、しかしここまで生き残ったのは二人の力、私は本当にどうにもならない時以外助けに来るつもりはありませんでしたから」
「おやおや厳しいね」
「厳しい?そうとも言えますね。しかし私は何よりも信頼しているのです彼等を」
「ヘドが出るセリフだな」ラルフォートの口調が突如変わる
「ラルフォート君、惑星が教えてくれてます。サタンの幹部が近い内、数名この惑星に向かってくる様です」
「ああ幹部が来るか、それは恐ろしい」
「きっと今の彼等にはひっくり返っても勝てないでしょう」
「この惑星に残るつもりか?」
「いえ、私は地球に戻る必要があります」
「はっはっは、見殺しってやつか、この短期間でサタンの幹部にはどんな奇跡が起こっても今の彼等じゃ勝てないだろう」
「はい」
北條はラルフォートを見つめていた
「……………」
ラルフォートも北條を見つめ返す
「どうします?私と今闘いますか?」
「笑かすね、少し時間が必要だ、やらなきゃいけない事が沢山あるからね、さようなら北條、次は確実に殺してあげよう」
ラルフォートは北條に背中を向ける
北條はそんなラルフォートの背中を見ていた
「君はまだ、悲しい背中をしている、いつでも力になるから、その重しを少し私も持ちましょう」
「ふっ気に食わないな何が見えたのか、それに本気で殺気を向ける者に対する反応が怒りではなく、愛か、驚くね」
ラルフォートは歩き出した
ピュルルル~~ ピュリラララ~ッ
聞いた事の無い鳥らしき生き物の鳴き声で目を覚ましたタケル
目の前には、看病してくれていたリタが座っていた
「タケル、良かった、やっと起きたか」
「リタ、どうしてお前が?」
「すまない、前の件について、俺は少し勘違いをしていた、許してくれるか?」
「当たり前だろ、ダチだろ」
「ダチか」
二人は握手を交わした
窓からは朝の光が射し込んでいた
「起きたようだね」
「ほっ、北條さん!?来てたのか」
「能力が覚醒し始めたみたいなので、その修行の為に少々ね」
「身体は大丈夫ですか?」
「うん、不思議だ、全然ピンピンしてる」
「マナがタケルの肉体の傷は治療で治してくれたんだぜ」リタが言った
「そうだったのか」ありがとよマナさん
「ではタケル君、表に出て来てくれ、神井君は一足先に修行を始めてるよ」
「えっ、そうなのか、くそっ」走って北條の後を追って行くタケル
こうして北條の修行が再び始まろうとしていた。
とある惑星
「皆が龍神に意識を向けてる間、我々はプラネットアー(地球)を手に入れる為、全力を尽くそうではないか、本当の闇の時代の始まりはこれから、さぁ共に戦おう同士達よ、まずは連合敗北の報せを全宇宙に届けようではないか」
「うおおおおおおお~~~」
万を超える存在の前に立ち発言するのは死神
~ アンブラインドワールド ~
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