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〜 いざペドループ星へ 〜
しおりを挟む「えっ、ペドループ星?」
訳が分からなかった、星の名前?向かう場所は、地球ですら無いのか?
全く話が理解出来ず、驚くタケルに北條が説明を始める。
「光堂君の任務に我々も同行しようと思う、かなり危険な任務になる事は間違いない。今の君達では死ぬ確率のが大きいと言っても過言ではない程だ。その代わり霊力を学ぶ絶好の機会になるだろう、さて、どうする?その星に行ってみるかい?」
「行くさ」
更に霊力が向上する、その想いが俺たちを突き動かす。
珍しく俺と神井の意見は一致していた。
「行くのは明日、今日はゆっくり休みなさい」
その夜、部屋で俺は寝つけないでいた。
母親はどうしてるだろう?帰らない俺を心配してるか?学校はどうなってる?友達はどう思ってるんだろう?そんな事が頭をよぎる。
あれだけ退屈だった日常が今は恋しい。
それにしても、未だに信じられない、明日別の惑星に行くだって?
こんなの友達に話したら確実に頭がおかしくなったと思われるだろう、だげど、これは現実なんだ。
今まで俺が現実だと思ってきたものは一体何だったんだろう?
そんな疑問が頭をよぎる。
その夜なぜか、デビットボウイのスターマンが頭の中でずっと流れていた。
翌朝
「さて、タケル君、神井君、準備は良いかな?行きますよ。私に掴まって、決して私から手を離しちゃいけませんよ、身体が消滅しますから」
それを聞き、タケルは息を飲んだ。
「こっえ~消滅って」
神井の思いは一貫していた、俺はこれでもっと強くなれる。
もっと、もっと、もっと、もっと強くなってやる。
ラルフォートあの野郎、北条も必ず超えてやる。
そして何より・・・・・
北條は目を閉じ、集中し始める。
タケルは北條の肩に手を置いた、北条の身体の体温がみるみる上昇しているのを感じとれた。
なんだぁこれえええっっ
「ふぅーっ、元々の磁場が安定していない惑星ですね、それに現在この場所は、波動が随分濁っている、この辺りが一番安全ですかね」
北条さんには既に何かが見えている様な感じだった。
「行きますよ」
ビュオンンッ シュンッッッ
それは一瞬の出来事、俺はあまりの衝撃に言葉を失った。
今まで見ていた景色は一瞬で変わり、視界には全く見知らぬ風景が飛び込んで来ていたからだ。
赤が茶色にくすんだ様な空の色、紫色の枯れた木々が立ち並び、地面は黒い砂で埋め尽くされた砂漠が果てしなく続いていたのだ。
それは地球では見たこともない様な風景だった。
「空が赤い、何だよここ」
全ての色合いに驚いた
「二人共、常に気を張っておく事です、この惑星は現在、闇の波動が強まっています」
「はっ、はいっ」俺の心臓はバクバクしていた。
神井、こいつは平静な顔してやがる、実際こいつも内心はドキドキしてるのか?
こんな見知らぬ星に来て、北條さんに気をつけろなんて言われて、心が乱れない訳がないさ。
「おいっ、北條、こっから俺たちは何をするんだ?」
北條は黒い砂の先を見つめる
「あそこから沢山の存在の波動を感じる、おそらく宇宙連合のメンバー達、光堂君の知り合いだろう、まずはあそこに向かいましょうか」
北條さんの指差す先を見つめ俺はゾッとした。
なんだよあの建物?
それは石を組み立て造られたであろう山の様な形の、とてつもなく巨大な遺跡。
「どうやら我々はあの遺跡の中に向かう事になりそうですね」
まじかよ、あの中に入るのか?
「ふっ、悪趣味な建造物だぜ」神井が歩き出す。
どうやら神井はびびって無いらしい、自分自身に対する自信が見て取れた。
「おいっ、どうせこの星の中ではテレポート使わないんだろ」
「分かってますね神井君、あそこに行くまでも君たちには修行してもらいますからね、今のままじゃ確実に殺されますから」
殺される?遺跡の中に何が居るって言うんだよ。
にしても神井が全然余裕だった事に俺はショックを受けた、ビビってるの俺だけかよ。
くそっ「よっしゃー行くぞ」タケルは意気揚々に見せる為、自分自身を鼓舞する為、わざと大きな声をあげてみせた。
俺だけビビってるなんて嫌だね、やってやるぜ、同い年の神井になんか負けねぇ。
北條はそんなタケルの様子を見て微笑んでいた。
「じゃあ、この黒砂漠を歩きましょうかね。闇の波動を感じるから気をつけるんですよ」
北条は再び遺跡を見つめる、どうやらあの中に何かがある、随分強力な波動を持つもの達がいる、この星で一体何が起こってるんでしょうか?
光堂君が着いたらすぐに合流した方がよさそうですね。
ギュオオオオンッ
神井が、両手の平に波動で作り上げた球を出し、回転させ始める
「俺だって」タケルは負けじと両手の平と、頭の上に球を出し、回転させ始める「どうだ神井、俺は3つだぜ」
ボカン~球はショートし消滅した。
「タケル君、無理はしない様に、無駄に霊力を消費すると肝心な時に何も使えなくなりますよ」
「はいはい、分かってますよ」
すると神井は4つの球を回転させている。
君も相当な負けず嫌いなんだね神井君...
「霊球を回転させているだけじゃ駄目です、更に身体全身に霊力を纏いながら歩きなさい、最初はかなり大変かも知れませんが一刻も速く君達には霊力の扱いをマスターしてもらわないといけませんから」
北條さんの言うとおり、霊球を手の平で回転させながら霊力を身体全身に纏うのは予想以上に大変だった。
くそっ、神井。
あいつ平静な顔してこなしてやがる、やっぱ、あいつは凄げぇ。だが神井は何でそこまでして強くなりたいんだ?
北條さんを超えるため?だが、何故?もっと他に理由がある様な気がした。
そんな事を考えてた瞬間、霊球が再び消滅する。
「タケル君、集中力が足りませんね、もっと今この瞬間に集中して」
「はいっ」
砂漠を歩きながら北條はこの惑星を探っていた。
この星の霊力を探ってみると特に大きな者が三つ、おそらく連合の隊長と闇の者、なるほど連合の隊長も相当ですね。
そして何より気になるのが遺跡の中から感じる異様なエネルギーを放つ物質、恐らくどちらもこれを狙ってるのか?まだ状況が読めませんね。
北條が目を開く。
「来ましたね」
「お前たち何処に行くつもりだ?」
突如砂の中から現れたのは、顔が豚で身体は人間の姿をした者達、その者達は武装している、手には武器を持っていた。
「俺たちここで隠れて待機中のオーグの兵隊、見るとこ、お前たち、この星の者ではないな。運が悪かったな、俺たち腹減っててよぉ、悪いが食わせてくれよ、良いだろ?」
「がははは、お前どうせ断られても食うつもりだろ」仲間のオーグが笑いながら言う
「少し話が聞きたいんですが、この星では一体何が起こってるんでしょうか?」
「うるせえんだよ爺、食料が口をきくんじゃねぇ」
ズガアアアンッ
次の瞬間地面に倒れていたのはオーグ
やったのはタケルと神井だった。
「さて、話してもらおうか」
「なっ、なんだこいつら強ぇぇっ」
その頃、遺跡の中
まばゆい紫色の光を放つ物体が。それは水晶でつくられた人間の頭蓋骨の形をした物。
それは、地球でクリスタルスカルと呼ばれている物であった。
~ アンブラインドワールド ~
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