気紛れで助けた女性が積極的に迫ってくるから怖い

距離感バグれば誤解を招く

　あれから俺は死に戻りしてから兎に角人間関係というものを改めて學んだ。


　人と人の間には一定の距離間を保たないと男女問わず特に色恋沙汰は勘違いしやすい、らしい


　そんなこんなであまり他人を避けてきたがこのままではまた後ろから刺されかねんので社交場たるものにはある程度参加してみた


「(無職の強みは時間が有ることだなあ)」


　時にお料理教室に通ってみたり
　また有るときには近所の奥様方の井戸端会議で旦那さんの愚痴の相談を聞いたり
　またまたあるときはメダルゲームで入り浸る孤独な老人に話し掛けて最近の若者たる物の何が不満か端は年老う前にやるべきことを教えて貰ったりした。



「…人と接するのも悪くないなあ」

　隠遁…もとい金を極力遣わんよう家に引きこもっていたが成る程若さとは行動力が金以上の価値があるものを手に入れられるのか




「まだ15半過ぎか…一眠りしよっかな」

　無職たるもの醍醐味のひとつはこう昼寝が自由と言うところだろう。



「目覚ましは煩いから自然に起きますかねぇふぁ～あおやすみ、、ZZZZ…」



　眠りが浅いのだろうか目を閉じても生活音が聴えるここは住宅街なものでガソリンスタンドのバイトのお兄さん張り切ってるなあ
　あ、幼稚園のバスの時間かな子供達の声が聴こえるなあ


「ZZZZZ…」


　♦️


　人間とは例え意識不明でも死んでそこそこの時間があっても聴覚だけは優れているのです


「(主水さん…貴方は何故社交的になられたのですか？私は貴方が孤独に苛まれている隙に付け入ろうとしているのに)」


　私にも他の人に構うように積極的に声かけてくださいよじゃないと…貴方を私の物に一人占めできないじゃないですか


　それでも今は静観です羨ましいとは思いますが貴方は昇華して必ず私のもとに帰ってきてくれる
　それまでは…貴方を観ているだけで我慢します



　日が傾き17時子供が帰るチャイムがなる頃、
その視線はふと闇夜に溶けゆく