社会では変人な俺は仙人見習い

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社会では変人な俺は仙人見習い

邪仙人付喪神八代目!参ります(最終話)

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 年末の宴会を控えた前日のお話


「八仙、急に呼びだしてすまない」

 明日が宴会で日時と場所はもう教えて貰っているのだが朝方の着信で叩き起こされた


「本当ですよ何時もなら直ぐに来いとは滅多な限り仰らないので走って来ましたよ」


「うむ、まあなんだ…お前も、もう邪仙人だろう?それにこの現代では大した修行がつけらぬだろう時代は目まぐるしく変わって一昔前よりも我々仙人は生きにくいそれに…地味ではないか仙人というのは」


 …確かに極めればそれなりに人智を越えた存在にはなるけれどもちょっと人より頑丈で老いにくく薬の知識やただひたすら瞑想と組手くらいだし


「それでなこれからの時代はもうお前みたいな物好きも現れぬ事だろう。それでなお前には悪いが私ら関東の仙人どもは異界に向かうことにした」


「異界ですか!?仙境へ?」

 突然の別れに困惑と明日の宴会を楽しみにしていたので俺はどうしようもない悲しみ…焦燥感に打ちしがれる事となる言葉通り氣が勝手に排出してきた


「狼狽えるな氣は引き締め順応させろ」

「師父…宴会は?皆さんにもう2度と会えなくなるんですか?」

 この方達のお陰で俺は社会以外でも生きれる術を学び幼さった精神もだいぶマシになれたのに別れが突然過ぎやしませんかね、、、


「案ずるな我々は少々己らで理想郷を生み出してな隔離世で生活するだけだ」

「じゃあ!俺も連れていって下さいよ!」

「ばかもん!…お前はまだ若いまだまだこの世で鍛練しろと、言いたいところだが実はお前には行って貰いたい場所があってな」


 …行って貰いたい場所?何故だろう今すぐ逃げろと本能が騒いでいるんですが




 ~とある泉~

「お、八仙来おったか!」

「美さんに関東の邪仙人の皆さん…諏訪様も」


 なんで勢揃いしてるんだろうかこの泉…修練の場所で良く使ってたな


「ではのう付喪の弟子よ今から送り届けるからしっかり鍛練して帰ってくるんじゃぞ?勿論時は変わらずまあ戻ってきたら現世は明日の夜明け頃に進んでおるだけじゃ。行くぞ~」


「ちょ、少々お待ちください諏訪様!」

「む、なんじゃびびっておらんで異界へ飛ばされんかい!」


「え、異界?」


「え?」

「え?」


 諏訪さまと俺はおうむ返しをする


「なんじゃ7代目よお主弟子に何も説明しておらんかったのか?」
 

「申し訳ありません染みったれた事をわめくので有無を云わさず諏訪様に丸投げしようと思いました。」


 そりゃ染みったれますよ師父達が居なくなるって聞いたら!というか丸投げて…


「むぅ、仕方あるまいでは儂が簡潔に説明してやろうぞいいか、付喪の八代目よお主はこれより異界…いや人里では異世界転生?いや転生ではないか転移するのじゃ!」


「なんですと!?そ、そんなファンタジッくな事が可能なのですか!」

「いや、儂土着の神だし…そもそもアラハバキも異界におったじゃろうて」


 そういえば諏訪さまを異界へ隠してから神隠し騒動で夫婦喧嘩の仲裁に至ったんだった…!


「まあそう言うことでな、この現世は科学が発展したように異界では珍妙な術が発展ってしておるのじゃ修行がてら会得して参れ」


 錬丹術も漢方調合も科学のカテゴリーに入るっちゃあ入るかな…


「はっ、山村八仙異世界転移してより仙道を極めてくるであります!」


 敬礼、関東の仙人方、土着の神々に妖方になりより師父に感謝を込めて異世界でもっと強くなって参ります。



「では、座標は設置したからの、ゆくぞ」


「「「「元気でな!」」」」

「お前の成長を楽しみにしているぞ」

「また酒を飲もうの?東雲家に女子集はおるが皆無事に帰る事を祈っておるぞ」




「はい!皆様また明日!」


 俺の身の回りからふわりと風が吹くすると意識が遠退いていった。

 大丈夫、帰ってくるさ多少強くなってね!




社会では変人な俺は仙人見習い(完)

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