社会では変人な俺は仙人見習い

tukumo

文字の大きさ
上 下
26 / 86
暗雲

天仙の昔話

しおりを挟む
 八仙が、がむしゃらに走って行くのを見送る
天仙の昔話
 7代目付喪あいつの言うように希に見る物好きだよ不老不死を目指すでなく長寿だとかそんな延命の為に彼処までゆっくりとはいえあんな古臭い修行を続けられるのかいささか疑問だ

「美様!美様の昔話をお聞きしたいのですが」

「うむ?私のかそうだなあ仙人になると時の流れは瞬き1つで数百年経っていることなんぞザラだからなあ私が仙人になる前導士の修行時代の頃でも言いかのう?」

「導士?って何ですか?」

「うむ、まあ簡単に言えば聖職者‥念仏唱える坊主に近いかのう」

「あれ?八仙さんは確か新米仙人って仰っていたのですが」

「気づいたか、八仙はなあ導士の修行以前に奴の師にあたる七代目が段階をすっ飛ばした賭けに出したんだ約2年か‥八仙は邪仙だが試練に打ち勝ったのだ」

「そんな事もできるのですか!?‥私も」

「あー賭けと行ったじゃろう?七代目付喪あいつは何を血迷ったかまだまだ未熟な八仙に修行前に金丹を服用させたんじゃ‥金丹というのはな見た目は案外地味なんじゃ弟子の手前見栄で金箔を塗りたくる仙人阿呆もおるんじゃがおっと話がそれたなそれで修行前に金丹を飲ませたこれが何故賭けになるか解るか?」

「うーん以前八仙さんに錬丹術について教えて貰ったのですが」

「もうそれは答えではないか?金丹は錬丹術で仙薬を練った氣で調合して作るが服用するには氣をある程度操れる事が基本的条件であり修行もせず一般に人として生きている者には猛毒でえらい苦しんでから死に至るのだが八仙は服用してから修行したんだ」

「自殺行為に近いですね」

「うむまあでもなんとかなっておるからなあ希に見る物好きだと私も思う」

「では美様の修行時代はどの様な感じだったのです?」

「あれは三つの国が争いひとつの國に纏まり初めた頃だったか私は南部の敗戦国の民でな必死に人のいない山へ逃げたのだが彼方此方に野盗が居ってのう‥捕まれば最後人買いに売り飛ばされ奴隷として生きることになるそんな殺伐とした日々に怯えながら草むらや穴蔵で暮らしておってのう」

 グビッと酒を仰ぐ

「そんな暮らしも長くは続かなかった当時私は15~16くらいでな家族は生まれたときから居らんし、山の中でもひとりだったもんで野盗に見つかったが誰も助けてはくれぬ泣いても喚いても叫んでも誰も‥誰も助けてはくれぬと思っておったが幸い、その山の仙人と導士達に救ってもらってのう?流れで修行に明け暮れる日々を送ったんじゃ月日は流れ師に認められ金丹を服用しついに仙人へとなったそれから今まで異常に修行に明け暮れてな気づいたらそこそこ仙人の中でも身分が高くなったというわけじゃワハハハッ私はあの時救われていなければ今を楽しめておらんかった」

「私も神隠しに会いもうあの頃には戻れませんが現代に生きて未知なるものに巡り出会えて体験できて仙人様方のお話を聴けて幸せです」

「そうかそうか!ハッハッハ」

「そういえば今も美様のお師匠様や修行のお仲間とは交流されてるのですか?」

「あー‥まあな私が大陸から此処に来て暫くは帰っていなかったが少し前に帰ってなこっぴどく叱責されたうえ路銀没収おまけに煩悩を取り払うため断酒しながら修行させられたわ」

「そういえば此方に出向かれた際にそんなこと仰っていましたね」


「うむ‥殆んど彼方の愚痴を聞かされたようなもんでのう暫くは帰りたくないのう」

 ハハハと乾いた笑みに合わせてくれるさちえさんの姿は美さんにもなんかこうぐっときたと後の酒の席で熱く語っていたのは全力で師父のところへ向かっている俺には遠いお話
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

サバイバル能力に全振りした男の半端仙人道

コアラ太
ファンタジー
年齢(3000歳)特技(逃げ足)趣味(採取)。半仙人やってます。  主人公は都会の生活に疲れて脱サラし、山暮らしを始めた。  こじんまりとした生活の中で、自然に触れていくと、瞑想にハマり始める。  そんなある日、森の中で見知らぬ老人から声をかけられたことがきっかけとなり、その老人に弟子入りすることになった。  修行する中で、仙人の道へ足を踏み入れるが、師匠から仙人にはなれないと言われてしまった。それでも良いやと気楽に修行を続け、正式な仙人にはなれずとも。足掛け程度は認められることになる。    それから何年も何年も何年も過ぎ、いつものように没頭していた瞑想を終えて目開けると、視界に映るのは密林。仕方なく周辺を探索していると、二足歩行の獣に捕まってしまう。言葉の通じないモフモフ達の言語から覚えなければ……。  不死になれなかった半端な仙人が起こす珍道中。  記憶力の無い男が、日記を探して旅をする。     メサメサメサ   メサ      メサ メサ          メサ メサ          メサ   メサメサメサメサメサ  メ サ  メ  サ  サ  メ サ  メ  サ  サ  サ メ  サ  メ   サ  ササ  他サイトにも掲載しています。

社会では変人な俺は邪仙人

tukumo
ファンタジー
仙人それはあらゆる縛りを捨てた存在。  生物に存在する寿命を取り払り、ほぼ年を取る事も無く長い時を生きる存在。  人の俗世に嫌気がさし、人との関わりを断ち、山の頂、秘境へと閉じ籠りし存在。  生物の持つ欲求を捨て去り、生命としてより高みへと昇らんとする存在。  仙術を用いて超常の現象を引き起こす存在‥。 なんて御託並べてみたものの、仙人は半分人間性は残しているし。 道徳は耳にタコができるくらい身に付けないと外道に墜ちちゃうから。 数多の修行を乗り越えて昇仙し、新米ながらも邪仙人となった山村八仙は今日もマイペースに修行に明け暮れていたがとある宴会の前日、師の計らいで守護していた地域の土着神の協力の下、異世界へ精神修行へと飛ばされる。 そんなマイペースな邪仙人の不老長寿で強き精神力を追い求めて現代社会には理解できない彼の変わった異世界転移先の日常とは!? 社会では変人な俺は仙人見習いの続編でございますが此方からお読みいただけても楽しめるように投稿して参ります。

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

【完結】蓬莱の鏡〜若返ったおっさんが異世界転移して狐人に救われてから色々とありまして〜

月城 亜希人
ファンタジー
二〇二一年初夏六月末早朝。 蝉の声で目覚めたカガミ・ユーゴは加齢で衰えた体の痛みに苦しみながら瞼を上げる。待っていたのは虚構のような現実。 呼吸をする度にコポコポとまるで水中にいるかのような泡が生じ、天井へと向かっていく。 泡を追って視線を上げた先には水面らしきものがあった。 ユーゴは逡巡しながらも水面に手を伸ばすのだが――。 おっさん若返り異世界ファンタジーです。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

転生仙境記《てんせいせんきょうき》

曇天
ファンタジー
三池 三咲《みいけ みさき》は死んだあと、 仙人が住むという仙境《せんきょう》に昇天し仙人となり、転生する。 自らが仙人となった意味を探し旅をするうち、仙境に迫る危機に巻き込まれていく。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...