tukumo 短編集

tukumo

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邪な気持ちがあっても譲れない事もある

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 僕、足立優あだちまさる今日はお父さんと予防接種に病院に来たんだけれど…

「いいか優、注射が上手いのはそれはもう男か女か解らない如何にもベテランな看護師を指名するんだぞ?」

「ねえ、お父さん…僕、注射怖くないから誰だっていいじゃない?」


 そう、僕はね

「優?べ、別にお父さんが注射苦手だからどうとかじゃあなくてな?」


「えーじゃあなんでいつも血圧計る時や身長体重測定は若くて美人な看護師さんや診察は(めひょー?)っていうお医者さんを断固と指名してるのにどーして?」


「な!?(こ、こいつ良く観察していやがる!…雌豹なんていつ覚えたんだ我が息子ながら恐ろしい子!)なあ…優?その事なんだけどさぁ母さんには黙っていてくれないかなぁー?」



 ニヤリッ僕は勝機を得た後もうひと押しだね!


「えーじゃあ帰りにアイスクリーム5段とジュース買ってぇ!」


「解った(ふぅ、5段アイスクリームかあ今月の小遣いがぁ~トホホ…)」


「やったぁ!!(僕の計算だとお父さんのお小遣いはこれで今月はすっからかんとみたよ)」




 そんな壮絶な駆け引き?が繰り広げられた午前10時を回った待合室での出来事


 










 ※作者は断然ベテラン看護師派です。
 大抵何度もやり直しされられてはあおたんまみれになるのがお決まりなので最初からベテランさんを希望してしまいます
 本日久しぶりに採血しに行ったのでふと書いてみました。
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