tukumo 短編集

希死念慮

　ネットってのは便利なものでございますが、
　世界中からコミュニケーションを画面で共有出来るからこそ感情も左右されやすいのでございます。


　とあるSNSや掲示板で死にたいと書き込んだとしましょう。

　すると数分で同じ志願者や快楽の為に手込めにするためにと負と業の欲望渦巻くカオスなコミュニティが出現、やがて拡散し水面下に人々の心は蝕まれてゆくのです。


　死や生き方を説いても捉え方は千差万別、
　此の世に生まれ落ちたあなた方は何のために生きるのかとお考えになっておりませんか？


　一つだけ確信して云えるのは「安心する」為に人は生きているのはどんな人でもそうです。


　安心するために人は争い、騙し合い、そこらの畜生よりも醜い一面もございますが‥


　所詮、最期はひとり孤独に逝くのです。


　人生は綺麗でもないが生きている実感が湧くと楽しい。

　今、無性に死にたいと思った時はへとへとになるまで動くかしこたま眠りなさい。

　教育、勤労、納税が国民の義務でしたっけ？

　希死念慮が強い人程義務に囚われているがうだうだと何者でもない自分をただ無駄に時を過ごして行く。



　逃げたいなら思う存分逃げたら良い。

「金」が無くてもある程度の「生」に執着するならどうとでもなる。

　泥水啜ってでも生きようとする。

　構って貰えなくて死ぬ宣告はするな周囲にも希死念慮は感染するので私は今の文明の嫌いな処でございます。

　良い人程損する時代でございますが見てくれる人は少なからず居ります。

　どうか極端な苦楽をせず命を燃やし続けて貰いたい‥なんて何様だよと思われるかも知れませんが、私もね歳を重ねる事に己を見直す事が有るのですよ。

　せめて、最期迄は自分のケツは自分で拭ける老け方をして。
　ちと悔いが残っても「まあいっか」で逝ける人生を送りたいものです。