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第1章

第二話 向かう先は

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先ほど確認した街の方向に転移を行った。

転移した先は、大きな城がある、いわゆる城下町の手前の町に転移した、比較的小規模の街並みであるが、やはり城下町の手前にある街なので、比較的人通りは多い。

無事人気のないところに転移をしたわけであるが、とりあえず、情報がほしい。
新たな世界から来た身としては、情報がないのはいささか心細い。

この世界でも、濃度は濃くはないが、しっかりと魔力となる魔素が空気中に含まれている。
それは、空気中の魔力を使って魔法を使うことができるということだ。また、空気中に魔力が含まれていることで、自身の体内で魔力を生成することを効率よくサポートする役割もある。

「あくまで、魔法のない世界であって、魔力のない世界ではないからな」

そうひとり呟き、さてと

と、「まずは服の調達だな」

建物の陰からこっそりと街並みを伺い、街の人々のファションチェッk……服装の確認をする。

いかんいかん、危うくお昼のバラエティ番組の、街行く人の服装のジャッジをする人になるとこだった。

街を歩く人は、どちらかといえば、近代風ヨーロッパ系だと思うが、一部戦国時代にいそうな服装の人もいた。 つまり

「前の世界の300年前くらいの時代設定のレベルだろうか」

その設定なら、旅人なら、ロングコートよりも灰白色のローブを着ていれば、あまり変には思われないだろう。

衣服は、魔法使い風のローブではなく、旅人風のローブを魔法で生成し、それを羽織ると、街の大通りを歩く。

街は露店の客引きの声や道行く人、馬車の音などでがやがやとにぎわっていた。

とりあえず情報がほしい。近くの売店で情報を聞くことにした。

「なぁ、おじさん、少し聞きたいことがあるのだが」

いかにも商売人の人好きするような顔の露店のおじさんは

「なんだい、この辺では見ない系統の顔立ちだな。旅人さんかい?」

「あぁ、そうなんだ。この地方は初めて来る」

この地方は、地球でいえば、ヨーロッパ系の顔立ちだ
自分自身の顔だちは日本人、所謂アジア系だ。

今からあの城がある街に行くと伝えると

「城下町は今トラブルが多くて……」

聞くには、現在の王は、官僚の削減の政策をしており、それに反発した者と、王を擁護するのもに分かれ、隙あらば王を殺害しようとする輩が今王都に多く蔓延っている。
それによって、王も疑心暗鬼に陥っており、疑いのかかった臣下を次々と殺害している。






恐怖政治と化しているのか。上に立つものは裏切りはつきものだからな。

王都に行くにあたって、必要なものはあるかと、とりあえず聞いてみることにした。

おじさんは、うーんと少し悩み、
「最低限、身分証があればなんとかなるが……」

身分証がないと王都に入れないらしい。
しかも、身分証を作るのに、王都内の役所に行く必要があった。

つまり、実質外部は基本作ることができない。

私自身なら、転移でなんとでもなるが、

おじさんに「ありがとう。助かった」と伝え、露店を後にした。
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