52 / 65
第52話 騎士団更迭
しおりを挟む
「侵入者だ! 第一部隊の倉庫に賊が入り込んだぞ!」
「周囲を囲め! 絶対に逃がすなよ!」
案の定というか、読み通り第二部隊の騎士たちが倉庫を取り囲んで騒ぎだした。
盗賊を討伐して手に入れた戦利品を第一部隊に押収された商人は、第一部隊の不正と自分たち以外から押収した戦利品が騎士団詰所の倉庫にため込まれているのを知った。
不正に集めた押収品である。
表ざたに出来ないと考えた強欲な商人は一計を案じた。
自分たちが取り上げられた戦利品だけでなく、倉庫に貯めこまれた他の押収品ごと盗みだしてやれと。
その現場を第二部隊が押え、盗みに入った強欲な商人を捕らえると共に、第一部隊の不正を暴く、と言ったシナリオなのだろう。
「それにしても随分と気合が入っているわねー」
「ここで俺たちを逃がすわけにはいかないだろうから、そりゃ必死だろう」
「大丈夫ですよね? あたしたち捕まったりしませんよね?」
ロッテが不安そうに俺たちを見る。
「安心しなさい。捕まるのは第一部隊と第二部隊の騎士たちよ」
「さっきも言っただろ、第二部隊のさらに外側をロッシュ直属の兵士が囲んでいるって」
「そのお代官様があたしたちも掴まえて魔道具もろとも闇に葬る、とかありませんよね?」
随分と悲観的だな。
「あのロッシュとかいう代官、変態だけど頭は切れるし、損得勘定もちゃんとできるとみたわ」
「あの代官、手持ちの兵力で俺たちを捕らえられるとは思ってないようだしな」
「え? そうんですか?」
ロッテが不思議そうに聞き返した。
「アンデッド・オーガとオーガ数体を瞬殺できる俺を拘束しようとして、領主から預かった兵士を失ったら責任問題だ。それに最悪のシナリオは兵士を失った上、俺たちが第一部隊に寝返ることだ」
「え? 寝返る?」
予想していなかったことのようで、ロッテがキョトンとした顔をした。
「代官の兵士と第一部隊を半壊させた上で、『第二部隊と代官から命令されて止む無く倉庫へ案内した』、と言ったら第一部隊のパウル隊長はどう思うだろうな」
「言い方次第でしょうけど、第二部隊と代官が結託して自分たちを陥れようとしたと思うんじゃないかしら」
「騎士団内のことだし第二部隊は有罪まちがいないだろうなー。代官にしてもあの鏡を第一部隊のパウル隊長に献上したら、悲惨な未来が待ってそうだよな」
「たっくんとパウル隊長、どちらの方があの鏡を持っていた方が自分にとって損害が少ないかなんて考えるまでもないでしょうね」
「そんなことを考えてたんですか……」
引きつった笑みを浮かべるロッテに笑顔で言う。
「何事も対策って大切だろ?」
「シュラさんって、あたしとあまり歳が違いませんよね……?」
「俺が生きてきた世界はロッテが生きてきたような甘く優しい世界じゃないのさ……」
悲哀の表情を垣間見せ、すぐに背を見せる。
うん、ハードボイルドな雰囲気だ。
「シュラさん……、辛い思いをたくさんして来たんですね……」
「よせよ、昔のことだ」
「あたし、何にも知らなくて……」
語尾が咽び声となった。
よし、いい感じに誤解したようだ。
「ロッテは笑顔でいてくれ。ロッテの笑顔が俺に力を与えてくれる」
笑顔で振り返ると、俺の不意打ちに茫然としていた。
「男っていうのは、守るべき女性がいると強くなれるって知ってたか?」
「え……」
「俺を信じろ!」
頬を染めたロッテに力強く言うと、か細い答えが返ってきた。
「……はい」
よし、準備は整った。
ボルテージは最高潮だ!
「十五、六歳の子どもが大人の真似をして背伸びしても恰好悪いだけよ」
ユリアーナのささやきが俺のやる気を削ぐ。
「別に格好つけているわけじゃない。俺の気分問題だ。ああいう事を口にすると不思議とやる気が湧いてくるんだよ」
「ほどほどにね。聞いているこっちが恥ずかしくなってくるから」
まるで信じていない眼差しが向けられた。
「分かったよ」
「慌ててこっちへ向かっている一団がある。多分、第一部隊でしょうね」
倉庫エリアに侵入者があって、そこへライバル関係にある第二部隊が先に駆け付けたとあっては生きた心地がしないだろうな。
顔が見られないのが口惜しいかぎりだ。
「その間抜けたちは一先ず措いておくとして、悪そうな笑みを浮かべている第二部隊を制圧する」
俺は口元が自然と綻ぶのを感じながら倉庫の外へと踏み出した。
「コンラート隊長、これはどういう事ですか?」
「たとえ第一部隊に非があろうとも、騎士団に侵入して盗みを働くとは許しがたい!」
俺の言葉はあっさりと無視された。
「私たちを騙したんですか?」
「さて、なんのことかな?」
悪意に満ちた笑みが向けられた。
世間知らずの小僧をまんまと嵌めてやったという顔つきだ。
「ふざけるな! 絶対に後悔させてやる! 絶対に復讐してやるからな!」
俺の激高した叫び声にご満悦のようで、薄ら笑いが高笑いに代わった。
「はははは! 誰も貴様の言葉などに耳を貸すものか!」
そう言うと、部下たちに号令する。
「小僧たちを捕らえろ! 倉庫の品は証拠品として押収!」
号令一下、十数人の騎士たちが一斉に倉庫へと押し寄せる。
手にした抜き身の剣にかがり火が反射して幾つもの淡いオレンジ色の光が揺れた。
「大人しくしろ! 抵抗すれば斬り捨てる!」
先頭を走る騎士が言葉と共に剣を振り被る。
その瞬間、倉庫前のスペース数メートル四方を対象にスリープの魔法を発動させた。
すると、まるで何かに足を取られたかのように、駆け寄る騎士たちがその勢いのまま盛大に転ぶ。
地面を二転三転して止まった彼らは、その後はピクリとも動かずに静かに寝息を立てる。
「お見事」
称賛の言葉をユリアーナは『もっと派手な魔法を使うかと思ったわ』、と意外そうに俺を見上げる。
「現在進行形で悪夢を見るのは後ろで偉そうにしているヤツらだけで十分だからな」
下っ端連中は目が覚めたら罪人だ。
「貴様、何をした……」
コンラート隊長が眼前の出来事が信じられない、と言った様子だ。
いい感じに混乱しているな。
「眠っているだけですよ。目が覚めたら色々と証言してもらわないとなりませんからね」
「魔術だと? この、この人数を眠らせた、だと?」
目が見ひらかれ唇が震えている。
真っ青な顔で『ありえない、そんな魔術師など聞いたことがない』、首を横に振りながら後退る。
取り調べでは魔法を使って自白を引き出す予定なんだが。
さて、そんな魔術を目の当たりしたらどんな顔をするんだ?
コンラート隊長の眼の前で部下たちが次々と自白していくシーンと、そんな部下たちを見て取り乱すコンラート隊長の顔が目に浮かんだ。
「驚くのはまだこれからですよ」
いや、絶望するのは、の間違いかな。
「捕らえろ! あの小僧を捕らえろ!」
狂気を孕んだような表情でコンラート隊長が叫んだそのとき、
「そこまでだ!」
ロリコン代官の溌剌とした声が夜空に響いた。
だが、コンラート隊長の悪あがきは収まらない。ロリコン代官が名乗りを上げる前に部下に指示を出した。
「侵入者だ! 警笛を鳴らせ! 他の部隊を呼び寄せろ!」
警笛が夜空に鳴り響くなか、ロリコン代官が名乗りを上げた。
「カール・ロッシュである! 周囲は我が兵士と騎士団・第三、第四部隊が包囲した。抵抗すれば斬り捨てる!」
ここでも『斬り捨てる』かよ。
この世界、俺が考えている以上に人の命が軽いようだ。
「これで一段落ってとこかしら」
「まだ司祭だったか司教だったかの問題が残っているだろ?」
「司教よ」
ユリアーナは短く訂正すると、
「現時点で限りなく黒いけど、それでもあたしの信徒なんだからちゃんと確認しないと」
信徒じゃなければ確認は適当でいいのかよ。
そう口に仕掛けたが、『そうよ』と軽く返されそうな気がしてセリフを飲み込んだ。
「あの、シュラさん? もう終わったんですか?」
ロッテが扉の陰から恐る恐る顔を覗かせた。
「俺たちを嵌めようとした第二部隊はご覧の通り終わった」
下っ端連中も包み隠さず白状したところで余罪もあるだろうし、強制労働は免れないだろうな。
「第一部隊も取り押さえられたみたいよ」
魔力感知で離れた場所の様子を探っていたユリアーナが満足そうに微笑んだタイミングでロッシュが声をかけてきた。
「君たちのお陰で騎士団に巣食う悪を一条打尽にできた。改めて礼を言おう」
「お礼の言葉なんて必要ありませんよ」
「そうそう、約束さえ守ってくれればそれで十分よ」
「君たちならそう言うと思っていたよ」
笑みを引きつらせたロッシュが申し訳なさそうな表情を見せると、
「実は取り調べにも協力して欲しい。君たちの証言が必要だし、その、可能なら色々と証拠を用意してもらえると助かる」
それって、証拠の捏造《ねつぞう》か?
まあ、手っ取り早く済ませられるならそれに越したことはないか。
「欲しい証拠があれば言ってくださ、ゴフッ!」
セリフの途中でユリアーナの肘が俺の脇腹にめり込んだ。
「証拠は後でお持ちします。今夜は休ませて頂けませんか?」
「そうだな、分かった。明日の朝、宿屋に迎えの者を行かせる」
俺たち三人はコンラート隊長の心地よい罵声を背に受けて騎士団の詰所を後にした。
「周囲を囲め! 絶対に逃がすなよ!」
案の定というか、読み通り第二部隊の騎士たちが倉庫を取り囲んで騒ぎだした。
盗賊を討伐して手に入れた戦利品を第一部隊に押収された商人は、第一部隊の不正と自分たち以外から押収した戦利品が騎士団詰所の倉庫にため込まれているのを知った。
不正に集めた押収品である。
表ざたに出来ないと考えた強欲な商人は一計を案じた。
自分たちが取り上げられた戦利品だけでなく、倉庫に貯めこまれた他の押収品ごと盗みだしてやれと。
その現場を第二部隊が押え、盗みに入った強欲な商人を捕らえると共に、第一部隊の不正を暴く、と言ったシナリオなのだろう。
「それにしても随分と気合が入っているわねー」
「ここで俺たちを逃がすわけにはいかないだろうから、そりゃ必死だろう」
「大丈夫ですよね? あたしたち捕まったりしませんよね?」
ロッテが不安そうに俺たちを見る。
「安心しなさい。捕まるのは第一部隊と第二部隊の騎士たちよ」
「さっきも言っただろ、第二部隊のさらに外側をロッシュ直属の兵士が囲んでいるって」
「そのお代官様があたしたちも掴まえて魔道具もろとも闇に葬る、とかありませんよね?」
随分と悲観的だな。
「あのロッシュとかいう代官、変態だけど頭は切れるし、損得勘定もちゃんとできるとみたわ」
「あの代官、手持ちの兵力で俺たちを捕らえられるとは思ってないようだしな」
「え? そうんですか?」
ロッテが不思議そうに聞き返した。
「アンデッド・オーガとオーガ数体を瞬殺できる俺を拘束しようとして、領主から預かった兵士を失ったら責任問題だ。それに最悪のシナリオは兵士を失った上、俺たちが第一部隊に寝返ることだ」
「え? 寝返る?」
予想していなかったことのようで、ロッテがキョトンとした顔をした。
「代官の兵士と第一部隊を半壊させた上で、『第二部隊と代官から命令されて止む無く倉庫へ案内した』、と言ったら第一部隊のパウル隊長はどう思うだろうな」
「言い方次第でしょうけど、第二部隊と代官が結託して自分たちを陥れようとしたと思うんじゃないかしら」
「騎士団内のことだし第二部隊は有罪まちがいないだろうなー。代官にしてもあの鏡を第一部隊のパウル隊長に献上したら、悲惨な未来が待ってそうだよな」
「たっくんとパウル隊長、どちらの方があの鏡を持っていた方が自分にとって損害が少ないかなんて考えるまでもないでしょうね」
「そんなことを考えてたんですか……」
引きつった笑みを浮かべるロッテに笑顔で言う。
「何事も対策って大切だろ?」
「シュラさんって、あたしとあまり歳が違いませんよね……?」
「俺が生きてきた世界はロッテが生きてきたような甘く優しい世界じゃないのさ……」
悲哀の表情を垣間見せ、すぐに背を見せる。
うん、ハードボイルドな雰囲気だ。
「シュラさん……、辛い思いをたくさんして来たんですね……」
「よせよ、昔のことだ」
「あたし、何にも知らなくて……」
語尾が咽び声となった。
よし、いい感じに誤解したようだ。
「ロッテは笑顔でいてくれ。ロッテの笑顔が俺に力を与えてくれる」
笑顔で振り返ると、俺の不意打ちに茫然としていた。
「男っていうのは、守るべき女性がいると強くなれるって知ってたか?」
「え……」
「俺を信じろ!」
頬を染めたロッテに力強く言うと、か細い答えが返ってきた。
「……はい」
よし、準備は整った。
ボルテージは最高潮だ!
「十五、六歳の子どもが大人の真似をして背伸びしても恰好悪いだけよ」
ユリアーナのささやきが俺のやる気を削ぐ。
「別に格好つけているわけじゃない。俺の気分問題だ。ああいう事を口にすると不思議とやる気が湧いてくるんだよ」
「ほどほどにね。聞いているこっちが恥ずかしくなってくるから」
まるで信じていない眼差しが向けられた。
「分かったよ」
「慌ててこっちへ向かっている一団がある。多分、第一部隊でしょうね」
倉庫エリアに侵入者があって、そこへライバル関係にある第二部隊が先に駆け付けたとあっては生きた心地がしないだろうな。
顔が見られないのが口惜しいかぎりだ。
「その間抜けたちは一先ず措いておくとして、悪そうな笑みを浮かべている第二部隊を制圧する」
俺は口元が自然と綻ぶのを感じながら倉庫の外へと踏み出した。
「コンラート隊長、これはどういう事ですか?」
「たとえ第一部隊に非があろうとも、騎士団に侵入して盗みを働くとは許しがたい!」
俺の言葉はあっさりと無視された。
「私たちを騙したんですか?」
「さて、なんのことかな?」
悪意に満ちた笑みが向けられた。
世間知らずの小僧をまんまと嵌めてやったという顔つきだ。
「ふざけるな! 絶対に後悔させてやる! 絶対に復讐してやるからな!」
俺の激高した叫び声にご満悦のようで、薄ら笑いが高笑いに代わった。
「はははは! 誰も貴様の言葉などに耳を貸すものか!」
そう言うと、部下たちに号令する。
「小僧たちを捕らえろ! 倉庫の品は証拠品として押収!」
号令一下、十数人の騎士たちが一斉に倉庫へと押し寄せる。
手にした抜き身の剣にかがり火が反射して幾つもの淡いオレンジ色の光が揺れた。
「大人しくしろ! 抵抗すれば斬り捨てる!」
先頭を走る騎士が言葉と共に剣を振り被る。
その瞬間、倉庫前のスペース数メートル四方を対象にスリープの魔法を発動させた。
すると、まるで何かに足を取られたかのように、駆け寄る騎士たちがその勢いのまま盛大に転ぶ。
地面を二転三転して止まった彼らは、その後はピクリとも動かずに静かに寝息を立てる。
「お見事」
称賛の言葉をユリアーナは『もっと派手な魔法を使うかと思ったわ』、と意外そうに俺を見上げる。
「現在進行形で悪夢を見るのは後ろで偉そうにしているヤツらだけで十分だからな」
下っ端連中は目が覚めたら罪人だ。
「貴様、何をした……」
コンラート隊長が眼前の出来事が信じられない、と言った様子だ。
いい感じに混乱しているな。
「眠っているだけですよ。目が覚めたら色々と証言してもらわないとなりませんからね」
「魔術だと? この、この人数を眠らせた、だと?」
目が見ひらかれ唇が震えている。
真っ青な顔で『ありえない、そんな魔術師など聞いたことがない』、首を横に振りながら後退る。
取り調べでは魔法を使って自白を引き出す予定なんだが。
さて、そんな魔術を目の当たりしたらどんな顔をするんだ?
コンラート隊長の眼の前で部下たちが次々と自白していくシーンと、そんな部下たちを見て取り乱すコンラート隊長の顔が目に浮かんだ。
「驚くのはまだこれからですよ」
いや、絶望するのは、の間違いかな。
「捕らえろ! あの小僧を捕らえろ!」
狂気を孕んだような表情でコンラート隊長が叫んだそのとき、
「そこまでだ!」
ロリコン代官の溌剌とした声が夜空に響いた。
だが、コンラート隊長の悪あがきは収まらない。ロリコン代官が名乗りを上げる前に部下に指示を出した。
「侵入者だ! 警笛を鳴らせ! 他の部隊を呼び寄せろ!」
警笛が夜空に鳴り響くなか、ロリコン代官が名乗りを上げた。
「カール・ロッシュである! 周囲は我が兵士と騎士団・第三、第四部隊が包囲した。抵抗すれば斬り捨てる!」
ここでも『斬り捨てる』かよ。
この世界、俺が考えている以上に人の命が軽いようだ。
「これで一段落ってとこかしら」
「まだ司祭だったか司教だったかの問題が残っているだろ?」
「司教よ」
ユリアーナは短く訂正すると、
「現時点で限りなく黒いけど、それでもあたしの信徒なんだからちゃんと確認しないと」
信徒じゃなければ確認は適当でいいのかよ。
そう口に仕掛けたが、『そうよ』と軽く返されそうな気がしてセリフを飲み込んだ。
「あの、シュラさん? もう終わったんですか?」
ロッテが扉の陰から恐る恐る顔を覗かせた。
「俺たちを嵌めようとした第二部隊はご覧の通り終わった」
下っ端連中も包み隠さず白状したところで余罪もあるだろうし、強制労働は免れないだろうな。
「第一部隊も取り押さえられたみたいよ」
魔力感知で離れた場所の様子を探っていたユリアーナが満足そうに微笑んだタイミングでロッシュが声をかけてきた。
「君たちのお陰で騎士団に巣食う悪を一条打尽にできた。改めて礼を言おう」
「お礼の言葉なんて必要ありませんよ」
「そうそう、約束さえ守ってくれればそれで十分よ」
「君たちならそう言うと思っていたよ」
笑みを引きつらせたロッシュが申し訳なさそうな表情を見せると、
「実は取り調べにも協力して欲しい。君たちの証言が必要だし、その、可能なら色々と証拠を用意してもらえると助かる」
それって、証拠の捏造《ねつぞう》か?
まあ、手っ取り早く済ませられるならそれに越したことはないか。
「欲しい証拠があれば言ってくださ、ゴフッ!」
セリフの途中でユリアーナの肘が俺の脇腹にめり込んだ。
「証拠は後でお持ちします。今夜は休ませて頂けませんか?」
「そうだな、分かった。明日の朝、宿屋に迎えの者を行かせる」
俺たち三人はコンラート隊長の心地よい罵声を背に受けて騎士団の詰所を後にした。
44
新作です
どうぞよろしくお願いいたします。
下記リンクより飛べます
.:*゚..:。:. .:*゚..:。:. .:*゚..:。:. .:*゚..:。:. .:*゚..:。:. .:*゚..:。:. .:*゚..:。:. .:*゚..:。:.
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
.:*゚..:。:. .:*゚..:。:. .:*゚..:。:. .:*゚..:。:. .:*゚..:。:. .:*゚..:。:. .:*゚..:。:. .:*゚..:。:.
どうぞよろしくお願いいたします。
下記リンクより飛べます
.:*゚..:。:. .:*゚..:。:. .:*゚..:。:. .:*゚..:。:. .:*゚..:。:. .:*゚..:。:. .:*゚..:。:. .:*゚..:。:.
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
.:*゚..:。:. .:*゚..:。:. .:*゚..:。:. .:*゚..:。:. .:*゚..:。:. .:*゚..:。:. .:*゚..:。:. .:*゚..:。:.
お気に入りに追加
803
あなたにおすすめの小説

俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

S級冒険者の子どもが進む道
干支猫
ファンタジー
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。

【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!
まにゅまにゅ
ファンタジー
平均レベルの低い底辺パーティ『龍炎光牙《りゅうえんこうが》』はオーク一匹倒すのにも命懸けで注目もされていないどこにでもでもいる冒険者たちのチームだった。
そんなある日ようやく資金も貯まり、神殿でお金を払って恩恵《ギフト》を授かるとその恩恵《ギフト》スキルは『拡大解釈』というもの。
その効果は魔法やスキルの内容を拡大解釈し、別の効果を引き起こせる、という神スキルだった。その拡大解釈により色んなものを回復《ヒール》で治したり強化《ブースト》で獲得経験値を増やしたりととんでもない効果を発揮する!
底辺パーティ『龍炎光牙』の大躍進が始まる!
第16回ファンタジー大賞奨励賞受賞作です。

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

目覚めれば異世界!ところ変われば!
秋吉美寿
ファンタジー
体育会系、武闘派女子高生の美羽は空手、柔道、弓道の有段者!女子からは頼られ男子たちからは男扱い!そんなたくましくもちょっぴり残念な彼女もじつはキラキラふわふわなお姫様に憧れる隠れ乙女だった。
ある日体調不良から歩道橋の階段を上から下までまっさかさま!
目覚めると自分はふわふわキラキラな憧れのお姫様…なにこれ!なんて素敵な夢かしら!と思っていたが何やらどうも夢ではないようで…。
公爵家の一人娘ルミアーナそれが目覚めた異なる世界でのもう一人の自分。
命を狙われてたり鬼将軍に恋をしたり、王太子に襲われそうになったり、この世界でもやっぱり大人しくなんてしてられそうにありません。
身体を鍛えて自分の身は自分で守ります!

異世界に落ちたら若返りました。
アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。
夫との2人暮らし。
何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。
そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー
気がついたら知らない場所!?
しかもなんかやたらと若返ってない!?
なんで!?
そんなおばあちゃんのお話です。
更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる