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第4章 思惑渦巻く王宮
5.揃いの術式
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一足先にラウールが辞去し、シェリルと二人でテーブル越しに向き合ったミレーヌは、静かな声で問いかけた。
「シェリル、彼をどう思いましたか?」
「どう、と言われましても……」
「あなたの率直な意見を、聞かせて欲しいの」
「ええと……」
重ねて促され、シェリルはどう言えば良いか迷いながらも、感じた事をそのまま口にしてみた。
「その……、妙に貫禄はあるし礼儀正しいし、如何にも王族って感じがします。偽者と知っていなければ、王子だと言われても十分納得できると思います」
「そうですね。レオン殿と十分張り合えそうな容姿や能力の持ち主である、ああいう都合の良い人材を、ラミレス公爵はどこからどうやって見つけ出してきたのやら」
若干忌々しげにミレーヌが呟いた為、シェリルは恐る恐る話を続けた。
「それで……、あの人自身は、それほど悪い人ではないかもしれないと、思ったのですが……」
ミレーヌが彼の存在を苦々しく思っているのは分かっていた為、彼を擁護する様な事を口にしたら怒られるかもとびくびくしながら言ってみたシェリルだったが、予想に反してミレーヌは優しげに顔を緩めた。
「そうですね……。私も、彼があなたを気遣ってくれた言葉に嘘は無いと思いますよ?」
「そうですか……」
ミレーヌが怒ったりせず賛同してくれた事にシェリルは安堵したが、ミレーヌがここで予想外の事を言い出した。
「これは単なる予測に過ぎませんが……。彼は、あまり恵まれた境遇で育ってはいないのではないでしょうか?」
その仮定に、シェリルは思わず首を傾げる。
「そうでしょうか? 立ち居振る舞いとか言葉遣いとかは、随分洗練されている感じですが……」
「幼少期に余所で育てられた貴族の庶子とかが、長じて父親の屋敷に引き取られてから、相応しい教育を受けたかもしれませんね。その手の話は良く聞きますし。それで似た様な境遇のシェリルの御披露目を台無しにしたしまった事に、引け目を感じてしまったとか」
「ああ、なるほど……。そういう事ですか……」
先程の彼の反応について、一応納得ができる説明をされて、シェリルは真顔で頷いた。しかし続くミレーヌの言葉に、瞬時に顔を引き締める。
「シェリルに対する謝罪の言葉に嘘は無いでしょう。……ですが、殊勝なふりをして初対面から探りを入れるのはどうかと思いますね。魔術でどうにか出来そうだったら、早速私達に術をかけるつもりだったのでしょうか」
そう言って不敵に微笑んだミレーヌに、シェリルは驚きながら問いかけた。
「え? 何か魔術を使ってたんですか? あの人?」
「正確には『何かの術を作動させようとしていた』と言うべきですね。これが僅かに反応していました」
そうして自分に向けて差し出されたミレーヌの綺麗な白い右手に目をやったシェリルは、その薬指に嵌った指輪を見て不思議そうに目を瞬かせた。
「ミレーヌ様……、その薬指の指輪の石の色は紅、でしたよね? でもなんだか今は、中心の辺りだけ紫っぽく見えるんですが……」
「ええ、ターライズですから元々の色は紅です。でもこれには、身に付けている者に対して、外部から何らかの魔術の影響を受けそうになった場合、あらゆる魔術を無効化する術式が施されているのです。それが発動した証拠として、微量の発熱と変色が見られます」
「え? あ、そうか! 分かった! すっかり忘れてたわ!」
「シェリル?」
いきなり叫んだかと思ったら、椅子を引いて座ったまま横を向き、何やら上半身を屈めたシェリルにミレーヌは面食らった。更に壁際で待機しているカレンからも、鋭い叱責の声が飛ぶ。
「シェリル様! ドレスの裾をめくり上げて、何をなさっているんですか!?」
「すみません! すぐ直しますので!」
何事かと驚きながらミレーヌが待っていると、身体を起こしたシェリルが、手に持った物をテーブル越しに差し出して見せた。
「実は私もさっき、足首が何となく温かいなと思っていたんです。でもお義父さんからこの首輪を貰って以降、誰かに術をかけられそうになる事なんか皆無で、すっかり忘れていました」
そう説明を加えた首輪の紅いガラス玉の中心が、指輪の石同様に紫がかっているのを見て取ったミレーヌは、納得して頷いた。
「そういえば、これは陛下と婚約した時に贈られた物ですから、当時王宮専属魔術師長であったアーデン殿の手による術式だと考えるのが妥当でしょう。材質は違いますが、私とお揃いですね」
「はい!」
(うふふ、ミレーヌ様とお揃い。何となく嬉しいな)
シェリルのそんな浮かれた気分も、カレンからの言葉で一気に消し飛んだ。
「王妃様。そんな悠長な事を言っている場合ですか。あの偽者が王妃様とシェリル様に対して、何かの術を起動させようとしたという事ではありませんか!」
(う……、そ、そうよね? 浮かれている場合じゃないわ)
慌てて気を引き締めたシェリルだったが、対するミレーヌは応用に構えたまま、微笑すら浮かべて応えた。
「でもカレン。この手の類の術式は、強い魔術をかけようとしたら、より強く術者に跳ね返るものよ? だけど相手に特に影響が無かったのだから、大して効果のある術では無かった筈。精々、私達を操れるかどうか、試してみた程度では?」
「それでも由々しき事態です!」
「そう怒らないで。仮にもれっきとした王妃と王女なのよ? まさか魔術に対して、全く無防備だとは考えていないでしょう。あっさりかかって貰えれば上々位の考えで、試してみただけでしょうね」
「試されてうっかり術にかかったりしたら、どうなさるおつもりだったんですか!?」
カレンは益々顔付きを険しくし、他に控えている侍女達も揃って呆れた表情になったが、ミレーヌは彼女達の心境になど構わず、笑顔を消さないまま言ってのけた。
「だって私、これまでの経験で、この指輪の効果は信用していますから」
「それは私も存じておりますが!」
「それにこれで、あの偽殿下本人が魔術師なのが分かりました。自分自身に姿変えの術式をかけての実行犯……、なかなか自信が有りそうですね」
「王妃様……。剛胆でいらっしゃるのも、時と場合によるかと思います」
楽しそうに笑う主を見てカレンはうんざりした表情になったが、シェリルもミレーヌの剛胆さに舌を巻いた。
(さすが王妃様、一筋縄ではいかない方だわ。だけど確かに、私にあまり害意は無さそうだけど、あの人は偽者一味の首謀者に近い人なのよね。気を付けないと)
尚もくどくどと苦言を呈するカレンと、それに苦笑しながら応じるミレーヌを眺めながら、シェリルは偽ラウールに対する警戒心を新たにした。
するとここで、ミレーヌが話題を変えてくる。
「ところでシェリル。あなたに紹介したい人がいるの」
「私に、ですか?」
「ええ、そうよ」
そしてミレーヌの目配せを受けたカレンが隣の部屋に向かうのを見てから、シェリルに説明した。
「この前の夜会の後で、対応策を皆で検討した時、ファルス公爵から離宮や後宮が手薄にならない様に人材を派遣すると申し入れがあったでしょう?」
「あ、はい。確かにそんな事を仰られていましたね」
その時の会話を思い出しながら、シェリルは頷いた。
「それで新たにあなた付きになってくれる侍女が、先程ファルス公爵に連れられて来て、後宮内で手続きなどを済ませていたの。若いけどしっかりしているとの、公爵からのお墨付きよ」
「そうだったんですか」
「カレンも色々忙しそうだし、あなたも随分ここの暮らしに慣れてきたみたいだし、この機会に彼女にあなたのお世話をお願いしようと思って」
そう言われて、シェリルは申し訳ない気持ちで一杯になった。
「そうですよね。カレンさんは女官長ですから、ただでさえ忙しいのに大変でしたよね? 私だったら本当に大丈夫ですから」
「そう言って貰えると助かるわ」
そこでカレンが、二十代半ばと思われる女性を連れて、室内に戻って来た。
「王妃様、シェリル様、お待たせしました。こちらが本日より後宮勤務になりますソフィア殿です。今日はこれから諸事項の説明を致しまして、明日よりシェリル姫付きの侍女として、勤務して貰う事になります」
カレンがそう説明し終えると同時に、その女性が一歩前に出て優雅に一礼した後に口上を述べた。
「ファルス公爵家から派遣されて参りました、ソフィアと申します。王妃様と姫様に早々にご挨拶が適い、光栄でございます」
その微塵も動じない、しかし礼は逸していない立ち居振る舞いに、ミレーヌは満足気に頷く。
「さすがはファルス公爵ご推薦の方ですね。シェリルの事、宜しくお願いします」
「畏まりました」
そして恭しく一礼したソフィアは、シェリルに向き直って優しく微笑んだ。
「宜しくお願いします、姫様」
「あ、こ、こちらこそ宜しくお願いします!」
そうして勢い良く頭を下げたシェリルを見て、ミレーヌとカレンは(まるで立場が逆ね)と苦笑を漏らした。一方のソフィアもシェリルの姫君らしくない態度を見て一瞬目を丸くしたが、出会った早々それを咎め立てたりはせず、無言で微笑んでいた。
「シェリル、彼をどう思いましたか?」
「どう、と言われましても……」
「あなたの率直な意見を、聞かせて欲しいの」
「ええと……」
重ねて促され、シェリルはどう言えば良いか迷いながらも、感じた事をそのまま口にしてみた。
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「そうですね……。私も、彼があなたを気遣ってくれた言葉に嘘は無いと思いますよ?」
「そうですか……」
ミレーヌが怒ったりせず賛同してくれた事にシェリルは安堵したが、ミレーヌがここで予想外の事を言い出した。
「これは単なる予測に過ぎませんが……。彼は、あまり恵まれた境遇で育ってはいないのではないでしょうか?」
その仮定に、シェリルは思わず首を傾げる。
「そうでしょうか? 立ち居振る舞いとか言葉遣いとかは、随分洗練されている感じですが……」
「幼少期に余所で育てられた貴族の庶子とかが、長じて父親の屋敷に引き取られてから、相応しい教育を受けたかもしれませんね。その手の話は良く聞きますし。それで似た様な境遇のシェリルの御披露目を台無しにしたしまった事に、引け目を感じてしまったとか」
「ああ、なるほど……。そういう事ですか……」
先程の彼の反応について、一応納得ができる説明をされて、シェリルは真顔で頷いた。しかし続くミレーヌの言葉に、瞬時に顔を引き締める。
「シェリルに対する謝罪の言葉に嘘は無いでしょう。……ですが、殊勝なふりをして初対面から探りを入れるのはどうかと思いますね。魔術でどうにか出来そうだったら、早速私達に術をかけるつもりだったのでしょうか」
そう言って不敵に微笑んだミレーヌに、シェリルは驚きながら問いかけた。
「え? 何か魔術を使ってたんですか? あの人?」
「正確には『何かの術を作動させようとしていた』と言うべきですね。これが僅かに反応していました」
そうして自分に向けて差し出されたミレーヌの綺麗な白い右手に目をやったシェリルは、その薬指に嵌った指輪を見て不思議そうに目を瞬かせた。
「ミレーヌ様……、その薬指の指輪の石の色は紅、でしたよね? でもなんだか今は、中心の辺りだけ紫っぽく見えるんですが……」
「ええ、ターライズですから元々の色は紅です。でもこれには、身に付けている者に対して、外部から何らかの魔術の影響を受けそうになった場合、あらゆる魔術を無効化する術式が施されているのです。それが発動した証拠として、微量の発熱と変色が見られます」
「え? あ、そうか! 分かった! すっかり忘れてたわ!」
「シェリル?」
いきなり叫んだかと思ったら、椅子を引いて座ったまま横を向き、何やら上半身を屈めたシェリルにミレーヌは面食らった。更に壁際で待機しているカレンからも、鋭い叱責の声が飛ぶ。
「シェリル様! ドレスの裾をめくり上げて、何をなさっているんですか!?」
「すみません! すぐ直しますので!」
何事かと驚きながらミレーヌが待っていると、身体を起こしたシェリルが、手に持った物をテーブル越しに差し出して見せた。
「実は私もさっき、足首が何となく温かいなと思っていたんです。でもお義父さんからこの首輪を貰って以降、誰かに術をかけられそうになる事なんか皆無で、すっかり忘れていました」
そう説明を加えた首輪の紅いガラス玉の中心が、指輪の石同様に紫がかっているのを見て取ったミレーヌは、納得して頷いた。
「そういえば、これは陛下と婚約した時に贈られた物ですから、当時王宮専属魔術師長であったアーデン殿の手による術式だと考えるのが妥当でしょう。材質は違いますが、私とお揃いですね」
「はい!」
(うふふ、ミレーヌ様とお揃い。何となく嬉しいな)
シェリルのそんな浮かれた気分も、カレンからの言葉で一気に消し飛んだ。
「王妃様。そんな悠長な事を言っている場合ですか。あの偽者が王妃様とシェリル様に対して、何かの術を起動させようとしたという事ではありませんか!」
(う……、そ、そうよね? 浮かれている場合じゃないわ)
慌てて気を引き締めたシェリルだったが、対するミレーヌは応用に構えたまま、微笑すら浮かべて応えた。
「でもカレン。この手の類の術式は、強い魔術をかけようとしたら、より強く術者に跳ね返るものよ? だけど相手に特に影響が無かったのだから、大して効果のある術では無かった筈。精々、私達を操れるかどうか、試してみた程度では?」
「それでも由々しき事態です!」
「そう怒らないで。仮にもれっきとした王妃と王女なのよ? まさか魔術に対して、全く無防備だとは考えていないでしょう。あっさりかかって貰えれば上々位の考えで、試してみただけでしょうね」
「試されてうっかり術にかかったりしたら、どうなさるおつもりだったんですか!?」
カレンは益々顔付きを険しくし、他に控えている侍女達も揃って呆れた表情になったが、ミレーヌは彼女達の心境になど構わず、笑顔を消さないまま言ってのけた。
「だって私、これまでの経験で、この指輪の効果は信用していますから」
「それは私も存じておりますが!」
「それにこれで、あの偽殿下本人が魔術師なのが分かりました。自分自身に姿変えの術式をかけての実行犯……、なかなか自信が有りそうですね」
「王妃様……。剛胆でいらっしゃるのも、時と場合によるかと思います」
楽しそうに笑う主を見てカレンはうんざりした表情になったが、シェリルもミレーヌの剛胆さに舌を巻いた。
(さすが王妃様、一筋縄ではいかない方だわ。だけど確かに、私にあまり害意は無さそうだけど、あの人は偽者一味の首謀者に近い人なのよね。気を付けないと)
尚もくどくどと苦言を呈するカレンと、それに苦笑しながら応じるミレーヌを眺めながら、シェリルは偽ラウールに対する警戒心を新たにした。
するとここで、ミレーヌが話題を変えてくる。
「ところでシェリル。あなたに紹介したい人がいるの」
「私に、ですか?」
「ええ、そうよ」
そしてミレーヌの目配せを受けたカレンが隣の部屋に向かうのを見てから、シェリルに説明した。
「この前の夜会の後で、対応策を皆で検討した時、ファルス公爵から離宮や後宮が手薄にならない様に人材を派遣すると申し入れがあったでしょう?」
「あ、はい。確かにそんな事を仰られていましたね」
その時の会話を思い出しながら、シェリルは頷いた。
「それで新たにあなた付きになってくれる侍女が、先程ファルス公爵に連れられて来て、後宮内で手続きなどを済ませていたの。若いけどしっかりしているとの、公爵からのお墨付きよ」
「そうだったんですか」
「カレンも色々忙しそうだし、あなたも随分ここの暮らしに慣れてきたみたいだし、この機会に彼女にあなたのお世話をお願いしようと思って」
そう言われて、シェリルは申し訳ない気持ちで一杯になった。
「そうですよね。カレンさんは女官長ですから、ただでさえ忙しいのに大変でしたよね? 私だったら本当に大丈夫ですから」
「そう言って貰えると助かるわ」
そこでカレンが、二十代半ばと思われる女性を連れて、室内に戻って来た。
「王妃様、シェリル様、お待たせしました。こちらが本日より後宮勤務になりますソフィア殿です。今日はこれから諸事項の説明を致しまして、明日よりシェリル姫付きの侍女として、勤務して貰う事になります」
カレンがそう説明し終えると同時に、その女性が一歩前に出て優雅に一礼した後に口上を述べた。
「ファルス公爵家から派遣されて参りました、ソフィアと申します。王妃様と姫様に早々にご挨拶が適い、光栄でございます」
その微塵も動じない、しかし礼は逸していない立ち居振る舞いに、ミレーヌは満足気に頷く。
「さすがはファルス公爵ご推薦の方ですね。シェリルの事、宜しくお願いします」
「畏まりました」
そして恭しく一礼したソフィアは、シェリルに向き直って優しく微笑んだ。
「宜しくお願いします、姫様」
「あ、こ、こちらこそ宜しくお願いします!」
そうして勢い良く頭を下げたシェリルを見て、ミレーヌとカレンは(まるで立場が逆ね)と苦笑を漏らした。一方のソフィアもシェリルの姫君らしくない態度を見て一瞬目を丸くしたが、出会った早々それを咎め立てたりはせず、無言で微笑んでいた。
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