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第1章 黒猫の秘密
3.養父の素性
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エリーシアが自宅の庭先に乱入した不審者二人を、問答無用で撃退した翌日。彼女が昼食の支度をしていると、台所に義妹が駆け込んで来て訴えた。
「エリー! 魔導鏡が光っているわ!」
「ありがとう、シェリル。姿を見られたらまずいから、いつも通り暫くあの部屋には入らないでね?」
「分かったわ」
艶々と輝く黒い毛並みを見下ろしながら告げると、相手はコクリと頷いて陽が射し込んでいる窓際へと移動する。その後ろ姿を認めてからエリーシアは台所から移動しつつ、昨夜から取り敢えず保留にしていた事について考えを巡らせた。
(昨夜のあの男達……。片方は『殿下』って呼ばれていて、シェリルの事を『姉上』だなんてほざいていたし……。もう片方は明らかに軍服姿、しかもはっきり目にした事は無いけど、あの重厚感のあるデザインは、おそらく正規軍の中でも王宮に所属している近衛軍? 全然訳が分からないわ)
そして密かに悩みつつ、居間の壁にかけられた遠隔通信用の魔導鏡の前までやってきたエリーシアは、誰からの通信かと疑問に思いつつ口の中で簡単な呪文を唱え、通信を繋いだ。
「あら、クラウスおじさん。お久しぶりです。この前は上質のクレーセルをありがとうございました」
亡父の友人であり、自分にとっても旧知の人物からの呼び出しであると分かったエリーシアは表情を緩め、次いで先日届けて貰った希少価値のある生薬についての礼を改めて述べた。それに対し鏡に現れた人物は、鷹揚な笑みを浮かべつつ頷く。
「いやいや、君に蒸留して貰って高品質に精製して貰った薬品を、こちらにお裾分けして貰っているからね。礼には及ばないよ。ところでちょっと君に聞きたい事があるんだが……、昨夜君の家に、男性二人組が訪ねて行かなかったかい?」
急に表情と口調を変え、真顔で尋ねてきたクラウスに、エリーシアは盛大に顔を顰めた。
「正確に言わせて頂ければ……、『訪ねて来た』のではなく『こっそりと覗いて』いましたが。まさかあの変態どもは、おじさんの知り合いですか?」
それを聞いたクラウスは、思わずといった感じで額を押さえた。
「変態って……、あのな、エリーシア。彼らは実はこの国の王太子のレオン殿下と、近衛第四軍司令官を拝命している ジェリド殿なんだ」
「れっきとした王太子と一軍を預かっている将軍が、つるんで人の庭先の覗き行為ですか。この国の将来は暗そうですね。さっさと見切りつけて国外移住しようかな……」
「だからお二人は、好き好んで覗き行為をしていたわけでは無くてだね」
冷たい視線を送りつつ、王太子と一軍の将をざっくりと切り捨てたエリーシアだったが、ここで彼女は些細な疑問を覚えた。
「ところでおじさんは、その地位だけは高そうな変態どもとお知り合いの様ですが、どうしてですか?」
不思議そうに尋ねてきた彼女に、クラウスは溜め息を吐きつつ事情を説明する。
「だから変態からは離れて欲しいんだが……。エリーは私が王宮専属魔術師長である事を、アーデンからは聞いていなかったかい?」
「全く聞いていません。そんな偉い人と、父さんがどうして知り合いなんですか?」
全く予想外だった内容に、エリーシアは両目を何回か瞬きさせ、その反応を見たクラウスは、益々疲れた様に問いを重ねる。
「そうするとアーデンの奴が、私の前任の王宮専属魔術師長だった事も聞いていないとか?」
「…………冗談ですか?」
「そうか……、ひょっとしたら、そうじゃないかとは思ってはいたんだが。黒猫が家に居る事も、全く話してくれていなかったし」
本気で固まったエリーシアに、クラウスが旧友に対する愚痴めいた呟きを漏らすと、彼女は些か苛ついた様に話の続きを促した。
「すみません、おじさん。お願いですから、分かるように話をして貰えませんか?」
それを聞いて気を取り直したらしいクラウスは顔を上げ、真顔で真の用件について告げた。
「君の所に居る黒猫には、以前から妙な術式がかけられているだろう?」
「はい。父さんと二人がかりで頑張って、九割九分位までは解析できていますが、あと一歩の所で解除術式が構築できなくて」
心底忌々しげに語ったエリーシアに、クラウスがしみじみと告げる。
「できれば、私だけには相談して欲しかったな……」
「私も、どうして他の魔導師の協力を仰がないのか、小さい頃は不思議に思っていましたが、父から例の《黒猫保護令》が出ている事を知って納得しました。おじさんが王宮勤めの魔術師なら尚更です。父さんも例え友人付き合いをしていても、警戒して相談するわけがありません」
「そこら辺の事情も誤解されてたか……。本当に失敗した。思い切ってアーデンに洗いざらい吐いて、協力を仰ぐべきだった。まさかこんな身近に居られたとは……」
「おじさん?」
クラウスの独白っぽい呟きにエリーシアが首を捻ると、クラウスはこれまで以上に真摯な顔付きで懇願してきた。
「とにかく、君とその猫の身の安全は私が保証する。迎えの馬車をそこの森の入り口まで行かせるので、明日にでも王宮に来て貰えないだろうか?」
「どうしてですか?」
「その黒猫にかけられている魔術の解除術式が、王宮の魔術師管理棟に存在しているんだ」
それを耳にした途端、エリーシアの表情も真剣極まりない物になる。
「それは本当ですか!?」
「簡単には信じて貰えないのも無理は無いが、ここは私を信じて貰えないか? 詳しい話は出向いてくれた時に全て話すから」
「今、この場ではできないと?」
「誰に聞かれるか分からないので、魔導鏡越しではちょっと……。込み入っている上、色々差し障りがある話でね。私の一存では……」
(シェリルにかけられている術式一つを見てもきな臭いし、盗聴される危険性は冒せないって事か。加えて、王宮勤務のおじさんの立場もあるって事でしょうね……。今回は仕方ないか)
苦渋に満ちた表情を見せるクラウスの立場を推察したエリーシアは、(ここは折れておく所でしょう)と自分自身を納得させた。
「分かりました。そちらに出向きます。明日の昼過ぎにでも、迎えの馬車を森の入口まで寄越して頂けますか? 常に森の周囲は監視していますので、着いたらすぐそこに出向きますから」
「ありがとう、エリーシア。助かるよ。じゃあ翌朝、また連絡するから」
「分かりました、失礼します」
満面の笑みで礼を述べるクラウスに、エリーシアは苦笑しながら頷いて通話を終わらせ、魔導鏡は再び室内の景色を映し出す普通の鏡になった。それを確認してから台所に戻ると、窓際でひなたぼっこをしていたらしいシェリルが、窓枠から飛び降りて静かに歩み寄って来る。
「エリー、話は終わったの?」
「ええ。取り敢えず明日、王宮にいく事になったわ」
「どうして?」
自分を見上げつつ首を傾げた義妹に、エリーシアは真顔で言い聞かせた。
「王宮に、シェリルの術の解放術式があるんですって。それにあの馬鹿王太子殿下が、シェリルに向かって『姉上』とかほざいた説明もして貰わないとね」
そう告げると、シェリルがポツリと呟く。
「……あの栗色の髪の人が王太子様で、私の弟なの?」
(じゃあ、私は何なの?)
彼女が声に出さない疑問と不安を容易に感じ取ったエリーシアは、些かわざとらしく意識を目先の事に向けた。
「さあ……。訳が分からないわね。取り敢えずお昼ご飯にしましょうか」
「そうね。お腹空いちゃった」
そんな義姉の気遣いを感じ取ったシェリルはおとなしくその意見に従い、日当たりの良い所で空腹を満たす事にした。
「エリー! 魔導鏡が光っているわ!」
「ありがとう、シェリル。姿を見られたらまずいから、いつも通り暫くあの部屋には入らないでね?」
「分かったわ」
艶々と輝く黒い毛並みを見下ろしながら告げると、相手はコクリと頷いて陽が射し込んでいる窓際へと移動する。その後ろ姿を認めてからエリーシアは台所から移動しつつ、昨夜から取り敢えず保留にしていた事について考えを巡らせた。
(昨夜のあの男達……。片方は『殿下』って呼ばれていて、シェリルの事を『姉上』だなんてほざいていたし……。もう片方は明らかに軍服姿、しかもはっきり目にした事は無いけど、あの重厚感のあるデザインは、おそらく正規軍の中でも王宮に所属している近衛軍? 全然訳が分からないわ)
そして密かに悩みつつ、居間の壁にかけられた遠隔通信用の魔導鏡の前までやってきたエリーシアは、誰からの通信かと疑問に思いつつ口の中で簡単な呪文を唱え、通信を繋いだ。
「あら、クラウスおじさん。お久しぶりです。この前は上質のクレーセルをありがとうございました」
亡父の友人であり、自分にとっても旧知の人物からの呼び出しであると分かったエリーシアは表情を緩め、次いで先日届けて貰った希少価値のある生薬についての礼を改めて述べた。それに対し鏡に現れた人物は、鷹揚な笑みを浮かべつつ頷く。
「いやいや、君に蒸留して貰って高品質に精製して貰った薬品を、こちらにお裾分けして貰っているからね。礼には及ばないよ。ところでちょっと君に聞きたい事があるんだが……、昨夜君の家に、男性二人組が訪ねて行かなかったかい?」
急に表情と口調を変え、真顔で尋ねてきたクラウスに、エリーシアは盛大に顔を顰めた。
「正確に言わせて頂ければ……、『訪ねて来た』のではなく『こっそりと覗いて』いましたが。まさかあの変態どもは、おじさんの知り合いですか?」
それを聞いたクラウスは、思わずといった感じで額を押さえた。
「変態って……、あのな、エリーシア。彼らは実はこの国の王太子のレオン殿下と、近衛第四軍司令官を拝命している ジェリド殿なんだ」
「れっきとした王太子と一軍を預かっている将軍が、つるんで人の庭先の覗き行為ですか。この国の将来は暗そうですね。さっさと見切りつけて国外移住しようかな……」
「だからお二人は、好き好んで覗き行為をしていたわけでは無くてだね」
冷たい視線を送りつつ、王太子と一軍の将をざっくりと切り捨てたエリーシアだったが、ここで彼女は些細な疑問を覚えた。
「ところでおじさんは、その地位だけは高そうな変態どもとお知り合いの様ですが、どうしてですか?」
不思議そうに尋ねてきた彼女に、クラウスは溜め息を吐きつつ事情を説明する。
「だから変態からは離れて欲しいんだが……。エリーは私が王宮専属魔術師長である事を、アーデンからは聞いていなかったかい?」
「全く聞いていません。そんな偉い人と、父さんがどうして知り合いなんですか?」
全く予想外だった内容に、エリーシアは両目を何回か瞬きさせ、その反応を見たクラウスは、益々疲れた様に問いを重ねる。
「そうするとアーデンの奴が、私の前任の王宮専属魔術師長だった事も聞いていないとか?」
「…………冗談ですか?」
「そうか……、ひょっとしたら、そうじゃないかとは思ってはいたんだが。黒猫が家に居る事も、全く話してくれていなかったし」
本気で固まったエリーシアに、クラウスが旧友に対する愚痴めいた呟きを漏らすと、彼女は些か苛ついた様に話の続きを促した。
「すみません、おじさん。お願いですから、分かるように話をして貰えませんか?」
それを聞いて気を取り直したらしいクラウスは顔を上げ、真顔で真の用件について告げた。
「君の所に居る黒猫には、以前から妙な術式がかけられているだろう?」
「はい。父さんと二人がかりで頑張って、九割九分位までは解析できていますが、あと一歩の所で解除術式が構築できなくて」
心底忌々しげに語ったエリーシアに、クラウスがしみじみと告げる。
「できれば、私だけには相談して欲しかったな……」
「私も、どうして他の魔導師の協力を仰がないのか、小さい頃は不思議に思っていましたが、父から例の《黒猫保護令》が出ている事を知って納得しました。おじさんが王宮勤めの魔術師なら尚更です。父さんも例え友人付き合いをしていても、警戒して相談するわけがありません」
「そこら辺の事情も誤解されてたか……。本当に失敗した。思い切ってアーデンに洗いざらい吐いて、協力を仰ぐべきだった。まさかこんな身近に居られたとは……」
「おじさん?」
クラウスの独白っぽい呟きにエリーシアが首を捻ると、クラウスはこれまで以上に真摯な顔付きで懇願してきた。
「とにかく、君とその猫の身の安全は私が保証する。迎えの馬車をそこの森の入り口まで行かせるので、明日にでも王宮に来て貰えないだろうか?」
「どうしてですか?」
「その黒猫にかけられている魔術の解除術式が、王宮の魔術師管理棟に存在しているんだ」
それを耳にした途端、エリーシアの表情も真剣極まりない物になる。
「それは本当ですか!?」
「簡単には信じて貰えないのも無理は無いが、ここは私を信じて貰えないか? 詳しい話は出向いてくれた時に全て話すから」
「今、この場ではできないと?」
「誰に聞かれるか分からないので、魔導鏡越しではちょっと……。込み入っている上、色々差し障りがある話でね。私の一存では……」
(シェリルにかけられている術式一つを見てもきな臭いし、盗聴される危険性は冒せないって事か。加えて、王宮勤務のおじさんの立場もあるって事でしょうね……。今回は仕方ないか)
苦渋に満ちた表情を見せるクラウスの立場を推察したエリーシアは、(ここは折れておく所でしょう)と自分自身を納得させた。
「分かりました。そちらに出向きます。明日の昼過ぎにでも、迎えの馬車を森の入口まで寄越して頂けますか? 常に森の周囲は監視していますので、着いたらすぐそこに出向きますから」
「ありがとう、エリーシア。助かるよ。じゃあ翌朝、また連絡するから」
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「エリー、話は終わったの?」
「ええ。取り敢えず明日、王宮にいく事になったわ」
「どうして?」
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そう告げると、シェリルがポツリと呟く。
「……あの栗色の髪の人が王太子様で、私の弟なの?」
(じゃあ、私は何なの?)
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「さあ……。訳が分からないわね。取り敢えずお昼ご飯にしましょうか」
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