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第3章 起死回生一発逆転
16.ソフィアの意趣返し
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酒盛りをほどほどで切り上げたソフィアは、何故かそれから自室に籠もり、深夜になってからこっそり屋敷を抜け出そうとした。
「こら、ルーバンス公爵邸に行く気なら、付いて行くからな?」
馬小屋から自分の愛馬を引き出そうとした所で唐突に背後から声をかけられたものの、それは覚えのある気配だった為、ソフィアは手綱を取りながら、大して警戒せずに振り向いた。
「分かっていたわけ?」
その問いかけに、サイラスは淡々と答える。
「あの不機嫌そうな顔を見ればな。ぶちかましに行くんだろ? 邪魔はしないで、塀の外で待っているから」
そこでソフィアは、深い溜め息を吐いた。
「たった一回のミスが祟るわね。良いけど、本当に手出し無用よ?」
「それは分かってる」
そうしてサイラスを引き連れてルーバンス公爵邸までやってきたソフィアは、乗って来た馬をサイラスに預け、自分は軽々とロープを使って塀の向こうに消えた。
「いよっ……、と。馬鹿じゃ無いんだから、何度も同じミスはしないわよ」
ジーレス特製の術式探査ブレスを使用しつつ、己の感覚を限界まで引き上げて危なげなく壁を登り、屋根の上を走って目的の場所を目指す。そしてソフィアは前回ルセリアの部屋に来た時とは別の棟に到達し、下層を見下ろした。
「さて……。頭の中に入れてきた見取り図だと、ここの角部屋の筈だけど……」
室内への侵入経路を考えたソフィアだったが悩んだのは一瞬で、バルコニーに続く庭に面した大きな窓ではなく、横の壁面の窓を選択し、そちらに向けて階上に設置したロープを伝ってスルスルと降り始めた。
(やっぱり、こっちの窓の方が警戒度はちょろいわよね)
窓の前でロープを身体に巻き付けて固定したソフィアは両手をロープから放し、懐から革の包みを取り出してそれを広げた。更にその切り込みに挿してある、何本かの細い針金の中から、先端が軽く曲げられている一本を選び、窓と窓の隙間に差し込む。
(よし、開いたわ!)
隙間に通した針金をゆっくりと上げていき、その窓に付けられている簡素な掛け金にそれを引っ掛けて更に上げると、掛け金は容易に外れてしまった。そして慎重に窓を開けたソフィアは、身体のロープを解いて楽々と部屋に侵入する。
(さて、準備しますか。だけど曲者が部屋に侵入してもその気配を感じ取れないでグースカ寝てるなんて、やっぱり色々な意味で駄目よね)
そんな事を考えながら、ソフィアは背中に括り付けていた布袋から瓶と布を取り出し、瓶の蓋を開けて中の液体を布に染み込ませる。かなり揮発性のあるその液体が、布の周囲に刺激臭に近い不快な香りを漂わせ始めると同時に、彼女はこの部屋の主が寝ているベッドに歩み寄った。
「さてと」
そして覆面から覗く両眼が冷ややかさを増すと同時に、ソフィアは見下ろしていたロイの鼻と口を、手にしている布を押し付けて塞いだ。
「ふぐっ! むぐがっ! げふぅっ!」
すぐに目が覚めて反射的に暴れようとしたロイだったが、抜かりなくソフィアが器用に片手で彼の両手を纏めて押さえていた為、その拘束を外すのに若干時間がかかってしまった。その間に彼は、ソフィアにすれば十分な量の薬品を吸入してしまう。
「はっ……、ひゃいおうあ?」
(何? 声が出せない!? それに、身体が痺れて動けない!?)
正体不明の賊を引き剥がし、大声で家人に助けを呼ぼうとしたロイだったが、何故かかすれた声しか出ない上、殆ど身動きができない状況に激しく動揺した。しかしそんな事にソフィアは構わず、ロイを拳で殴ってベッドから床に突き落とす。
「ふぅぐっ!」
(一体、こいつは何者だ! どうして誰も来ないんだ!)
内心ではパニック状態のロイだったが、そんな彼をソフィアは全くの手加減無しで、無言のまま蹴り転がした。
「ぅぐぁっ! ぐぅっ……、ぐふぁっ……」
そして辛うじて動く手で蹴られた脇腹を押さえて呻くロイを、ソフィアは忌々しげに見下ろす。
(あんたが無抵抗の女性を平気で蹴るような腐れ野郎だから、それがどんな物か思い知らせてやらないと、気が済まなかったのよね。しかもあの時はルセリア嬢は死んだ事になってたのに、二重の意味で許し難いわ)
さすがに無抵抗の人間をいたぶる様な趣味は持ち合わせていなかったソフィアは、それで用は済んだとばかりに踵を返した。
(さて、取り敢えずこれだけにしておきますか。武器は一切使わずに、素手で攻撃してあげたんだから、ありがたく思いなさい)
そして窓は開け放したまま外に出たソフィアは、ロープを伝って上層に上がり、侵入した経路を逆に辿って無事に塀まで辿り着いた。
「よっ……、と」
ソフィアが姿を見せた為、塀の向こう側にいたサイラスはすかさず塀に施されていた防御術式を限定的に解除した。その為ソフィアは余裕を持って塀を乗り越える事ができ、大人しく待っていた愛馬の鞍の上にストンと降り立つ。
「お疲れ。気は済んだか?」
鞍に跨がるなり尋ねてきたサイラスに、ソフィアは軽く拳を振りながら苦笑いで応じた。
「まあ、それなりにね。散々我が家を馬鹿にしてくれた事に対する礼は、あの家全体にくれてやったけど、無抵抗の女を蹴り転がそうとしたあのろくでなしに、どうしても個人的に一撃くれてやりたかったから、これですっきりしたわ」
「それなら良かった。じゃあ戻るか」
そしてステイド子爵邸に向かって併走を始めると、ソフィアが若干決まり悪そうに言い出した。
「悪かったわね、つまらない事に付き合わせて」
それにサイラスが、事も無げに答える。
「別に、どうって事は無い。王宮勤務に戻る前にきっちりケリを付けて、気分良く働きたいのは分かるしな」
「そうよね……。結構お休みを頂いてしまったし、いい加減後宮に戻らないと」
思わずソフィアが呟いたところで、唐突にサイラスが口調を変えて言い出した。
「それでだな、ソフィア。この際、ちょっと話が」
「あ、いけない! ひょっとしたら、さっきあの野郎に使った薬、部屋で調合する時にきちんと栓をして来なかったかも! 私は耐性があるから大丈夫だけど、あれが部屋の外に漏れて誰か吸い込んだら、全身が痺れて動けなくなるのよ! 心配だから先に戻るわね!!」
「あ、おい! ちょっと待て!」
いきなり重大な事に気付いた様に、ソフィアがサイラスの台詞を遮って声を上げたと思った次の瞬間、彼女は愛馬を疾走させてサイラスを引き離していき、借り物である馬を彼女以上に走らせる事ができなかった彼は、溜め息を吐いて追い縋るのを諦めた。
「こら、ルーバンス公爵邸に行く気なら、付いて行くからな?」
馬小屋から自分の愛馬を引き出そうとした所で唐突に背後から声をかけられたものの、それは覚えのある気配だった為、ソフィアは手綱を取りながら、大して警戒せずに振り向いた。
「分かっていたわけ?」
その問いかけに、サイラスは淡々と答える。
「あの不機嫌そうな顔を見ればな。ぶちかましに行くんだろ? 邪魔はしないで、塀の外で待っているから」
そこでソフィアは、深い溜め息を吐いた。
「たった一回のミスが祟るわね。良いけど、本当に手出し無用よ?」
「それは分かってる」
そうしてサイラスを引き連れてルーバンス公爵邸までやってきたソフィアは、乗って来た馬をサイラスに預け、自分は軽々とロープを使って塀の向こうに消えた。
「いよっ……、と。馬鹿じゃ無いんだから、何度も同じミスはしないわよ」
ジーレス特製の術式探査ブレスを使用しつつ、己の感覚を限界まで引き上げて危なげなく壁を登り、屋根の上を走って目的の場所を目指す。そしてソフィアは前回ルセリアの部屋に来た時とは別の棟に到達し、下層を見下ろした。
「さて……。頭の中に入れてきた見取り図だと、ここの角部屋の筈だけど……」
室内への侵入経路を考えたソフィアだったが悩んだのは一瞬で、バルコニーに続く庭に面した大きな窓ではなく、横の壁面の窓を選択し、そちらに向けて階上に設置したロープを伝ってスルスルと降り始めた。
(やっぱり、こっちの窓の方が警戒度はちょろいわよね)
窓の前でロープを身体に巻き付けて固定したソフィアは両手をロープから放し、懐から革の包みを取り出してそれを広げた。更にその切り込みに挿してある、何本かの細い針金の中から、先端が軽く曲げられている一本を選び、窓と窓の隙間に差し込む。
(よし、開いたわ!)
隙間に通した針金をゆっくりと上げていき、その窓に付けられている簡素な掛け金にそれを引っ掛けて更に上げると、掛け金は容易に外れてしまった。そして慎重に窓を開けたソフィアは、身体のロープを解いて楽々と部屋に侵入する。
(さて、準備しますか。だけど曲者が部屋に侵入してもその気配を感じ取れないでグースカ寝てるなんて、やっぱり色々な意味で駄目よね)
そんな事を考えながら、ソフィアは背中に括り付けていた布袋から瓶と布を取り出し、瓶の蓋を開けて中の液体を布に染み込ませる。かなり揮発性のあるその液体が、布の周囲に刺激臭に近い不快な香りを漂わせ始めると同時に、彼女はこの部屋の主が寝ているベッドに歩み寄った。
「さてと」
そして覆面から覗く両眼が冷ややかさを増すと同時に、ソフィアは見下ろしていたロイの鼻と口を、手にしている布を押し付けて塞いだ。
「ふぐっ! むぐがっ! げふぅっ!」
すぐに目が覚めて反射的に暴れようとしたロイだったが、抜かりなくソフィアが器用に片手で彼の両手を纏めて押さえていた為、その拘束を外すのに若干時間がかかってしまった。その間に彼は、ソフィアにすれば十分な量の薬品を吸入してしまう。
「はっ……、ひゃいおうあ?」
(何? 声が出せない!? それに、身体が痺れて動けない!?)
正体不明の賊を引き剥がし、大声で家人に助けを呼ぼうとしたロイだったが、何故かかすれた声しか出ない上、殆ど身動きができない状況に激しく動揺した。しかしそんな事にソフィアは構わず、ロイを拳で殴ってベッドから床に突き落とす。
「ふぅぐっ!」
(一体、こいつは何者だ! どうして誰も来ないんだ!)
内心ではパニック状態のロイだったが、そんな彼をソフィアは全くの手加減無しで、無言のまま蹴り転がした。
「ぅぐぁっ! ぐぅっ……、ぐふぁっ……」
そして辛うじて動く手で蹴られた脇腹を押さえて呻くロイを、ソフィアは忌々しげに見下ろす。
(あんたが無抵抗の女性を平気で蹴るような腐れ野郎だから、それがどんな物か思い知らせてやらないと、気が済まなかったのよね。しかもあの時はルセリア嬢は死んだ事になってたのに、二重の意味で許し難いわ)
さすがに無抵抗の人間をいたぶる様な趣味は持ち合わせていなかったソフィアは、それで用は済んだとばかりに踵を返した。
(さて、取り敢えずこれだけにしておきますか。武器は一切使わずに、素手で攻撃してあげたんだから、ありがたく思いなさい)
そして窓は開け放したまま外に出たソフィアは、ロープを伝って上層に上がり、侵入した経路を逆に辿って無事に塀まで辿り着いた。
「よっ……、と」
ソフィアが姿を見せた為、塀の向こう側にいたサイラスはすかさず塀に施されていた防御術式を限定的に解除した。その為ソフィアは余裕を持って塀を乗り越える事ができ、大人しく待っていた愛馬の鞍の上にストンと降り立つ。
「お疲れ。気は済んだか?」
鞍に跨がるなり尋ねてきたサイラスに、ソフィアは軽く拳を振りながら苦笑いで応じた。
「まあ、それなりにね。散々我が家を馬鹿にしてくれた事に対する礼は、あの家全体にくれてやったけど、無抵抗の女を蹴り転がそうとしたあのろくでなしに、どうしても個人的に一撃くれてやりたかったから、これですっきりしたわ」
「それなら良かった。じゃあ戻るか」
そしてステイド子爵邸に向かって併走を始めると、ソフィアが若干決まり悪そうに言い出した。
「悪かったわね、つまらない事に付き合わせて」
それにサイラスが、事も無げに答える。
「別に、どうって事は無い。王宮勤務に戻る前にきっちりケリを付けて、気分良く働きたいのは分かるしな」
「そうよね……。結構お休みを頂いてしまったし、いい加減後宮に戻らないと」
思わずソフィアが呟いたところで、唐突にサイラスが口調を変えて言い出した。
「それでだな、ソフィア。この際、ちょっと話が」
「あ、いけない! ひょっとしたら、さっきあの野郎に使った薬、部屋で調合する時にきちんと栓をして来なかったかも! 私は耐性があるから大丈夫だけど、あれが部屋の外に漏れて誰か吸い込んだら、全身が痺れて動けなくなるのよ! 心配だから先に戻るわね!!」
「あ、おい! ちょっと待て!」
いきなり重大な事に気付いた様に、ソフィアがサイラスの台詞を遮って声を上げたと思った次の瞬間、彼女は愛馬を疾走させてサイラスを引き離していき、借り物である馬を彼女以上に走らせる事ができなかった彼は、溜め息を吐いて追い縋るのを諦めた。
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