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第3章 起死回生一発逆転
3.打ち合わせ
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「はい、勿論モンテラード司令官なら、洗いざらいお話しされて大丈夫です。あの方は自分と姫様に直接関係の無い事には、基本的に無頓着ですから。むやみやたらに口外する事も無いでしょうし」
「良かった。それならジェリドにお願いするわね」
「宜しくお伝え下さい。……それはそうとリリス、最初からそこに居たの?」
姿は見えないが、聞き慣れた声の主に向かってソフィアが呼びかけると、シェリルと入れ替わる様に唐突に、鏡の中に年下の同僚が現れた。
「はい、全部聞かせ貰いました! もう、本当に凄い作戦ですよね!? でもソフィアさん。そうなると、結婚式に列席する時に着る、正装のドレスが必要じゃないんですか? また適当な物を見繕ってお貸ししますか? まだ袖を通していない物も、幾つかありますし」
そんな親切な申し出に、ソフィアは即座に嬉々として応じた。
「うっわ、ありがとうリリス!! さすがに厚かましいかなと思って、さすがに今回は、自腹を切ろうと思っていたのよ~!」
満面の笑顔で礼を述べたソフィアに、リリスも笑顔で返す。
「そんな事、本当に気にしなくて良いですって。普段から涙ぐましい蓄財術を続けているソフィアさんを見ていれば、これ位助力する事位何でもありませんから。普段色々と、お世話になっていますし」
「ありがとう! きちんとしたお礼はできないけど、将来消したい奴が出て来たら、遠慮無く言ってね? 綺麗さっぱり消してあげるから!」
「え、ええ……」
(『消したい奴』って、何の事?)
上機嫌でソフィアが口走った内容に、シェリルとリリスは顔を見合わせて考え込んだが、ここで取り次ぎ役の女官が姿を現してシェリルに報告した。
「姫様、財務官のディオン殿がいらっしゃいました」
「ありがとう、入って貰って」
即座にシェリルが応じると、女官が下がって今度はディオンが現れた。
「失礼します、シェリル様」
「いらっしゃい。わざわざ足を運んで貰って、ごめんなさい」
「いえ、お呼びとあらば。しかし姫様、領地の税収の件なら、先週従来の半分に減らす事を確認した筈ですが、今日はどう言ったご用件でしょうか?」
持参した資料の束を片手に、不思議そうに尋ねてきた彼に、シェリルは正直に、嘘をついて呼びつけた事を詫びる。
「ごめんなさい、ディオン。実はそれは、ここに来て貰う為の口実なの」
「はい?」
そこでちょうどシェリルに向かって歩み寄って来た彼が、魔導鏡の正面に来て自分の視界に入った為、ソフィアは鏡越しに呼び掛けた。
「ディオン殿、すみません。私があなたにお願いしたい事があって、姫様に呼んで頂いたんです。申し訳ありませんが、ご助力願えないでしょうか?」
いきなり話しかけられて一瞬本気で驚いた顔になったものの、ディオンは鏡に向かって生真面目に頷いてみせた。
「はぁ……、私で侍女殿のお役に立てるかどうかは分かりませんが、取り敢えず話をお伺いします」
「ありがとうございます。これは極めて、私の個人的な話なのですが……」
一応そう断りを入れてから、ソフィアは先程シェリルに対して語った内容をもう一度繰り返した上で、彼に要請したい内容について語った。するとディオンは終始無言で、途中から目を見開いて話を聞いていたが、一通り聞き終えてから率直な感想を漏らす。
「しかし……、これはまた、とんでもない話ですね」
「非常識な事は、重々承知していますが」
思わず弁解しかけたソフィアだったが、ディオンは慌てて宥めてきた。
「ああ、呆れたりとか、非難するつもりでは無いんです。さすがにシェリル姫様に仕えているだけあって、スケールが違うなぁと感服しただけですから」
「ディオン……」
「何か、微妙なコメントなんですが?」
シェリルからは若干恨みがましい目を、ソフィアからは軽く顔を顰められて噴き出しそうになりながら、ディオンはその『とんでもない話』について、快く了承した。
「分かりました。この際、全面的にお力になりましょう。うちの領地位辺鄙な所なら、どうにでも戸籍はごまかせますしね。現に俺自身、適当に出生を誤魔化した上で、両親が養子縁組をしていますし」
陰りの無い笑顔で、身も蓋も無い事を言い切ったディオンだったが、それを聞いたソフィアは大いに喜んだ。
「ありがとうございます、助かります!」
しかしここで、ディオンが心配そうに確認を入れてきた。
「ですがルセリア嬢の身元は、貴族にしなくても大丈夫なのですか?」
「ええ、勿論。なまじ貴族なんかにしたら、元々存在していないのがすぐにバレますし」
「それなら、どうにでもなると思います。早速領地に居る両親に連絡を取りましょう。今晩にでも、ステイド子爵家の方から両親に直接連絡を取って、諸々を打ち合わせして貰えますか?」
「分かりました。お手数おかけしますが、宜しくお願いします」
とんとん拍子に話が進んだ為、ソフィアが心底ありがたく思っていると、ディオンが苦笑いした。
「ソフィアさんが身元を隠して働いていらしたのは驚きましたが、同じ弱小貴族として、大身の貴族から無理難題をふっかけられるのは身に覚えがありますから、これ位お手伝いするのは構いません。それに姫様には色々とお世話になっていますし、そのご恩返しの意味もありますから気にしないで下さい。他にご用はありませんか?」
「いえ、結構です」
「そうですか。それでは姫様の方からは……」
「私も無いわ。どうもありがとう、ディオン」
笑顔で頷いてみせたシェリルに、ディオンは礼儀正しく一礼した。
「それではこれで失礼します。この計画が上手くいく事を祈っています」
そうして彼が退出して行ってから、ソフィアもシェリルに通信を終わらせる旨を告げて、改めて礼を述べてからジーレスに回線を閉じて貰った。
「やった! ディオンさんに快諾して貰って助かったわ~。ありがとうございます、頭領」
満面の笑みでソフィアが礼を述べると、頷いたジーレスが感心した様に呟く。
「それは構わないが……。あんな話を聞いても動じないとは、ああ見えて彼はなかなか、胆力がありそうだな」
「彼には公爵様も目をかけて、陰ながら後見していますし」
「そう言えばそうだったか」
再度納得した様に頷いたジーレスを見上げて、サイラスはしみじみと考え込んでしまった。
(本当に、シェリルの周りって、豪胆で破天荒な人間が揃っているよな……)
第三者から見れば、その中に自分も含まれている事など、全く意識していない元王子のサイラスだった。
「良かった。それならジェリドにお願いするわね」
「宜しくお伝え下さい。……それはそうとリリス、最初からそこに居たの?」
姿は見えないが、聞き慣れた声の主に向かってソフィアが呼びかけると、シェリルと入れ替わる様に唐突に、鏡の中に年下の同僚が現れた。
「はい、全部聞かせ貰いました! もう、本当に凄い作戦ですよね!? でもソフィアさん。そうなると、結婚式に列席する時に着る、正装のドレスが必要じゃないんですか? また適当な物を見繕ってお貸ししますか? まだ袖を通していない物も、幾つかありますし」
そんな親切な申し出に、ソフィアは即座に嬉々として応じた。
「うっわ、ありがとうリリス!! さすがに厚かましいかなと思って、さすがに今回は、自腹を切ろうと思っていたのよ~!」
満面の笑顔で礼を述べたソフィアに、リリスも笑顔で返す。
「そんな事、本当に気にしなくて良いですって。普段から涙ぐましい蓄財術を続けているソフィアさんを見ていれば、これ位助力する事位何でもありませんから。普段色々と、お世話になっていますし」
「ありがとう! きちんとしたお礼はできないけど、将来消したい奴が出て来たら、遠慮無く言ってね? 綺麗さっぱり消してあげるから!」
「え、ええ……」
(『消したい奴』って、何の事?)
上機嫌でソフィアが口走った内容に、シェリルとリリスは顔を見合わせて考え込んだが、ここで取り次ぎ役の女官が姿を現してシェリルに報告した。
「姫様、財務官のディオン殿がいらっしゃいました」
「ありがとう、入って貰って」
即座にシェリルが応じると、女官が下がって今度はディオンが現れた。
「失礼します、シェリル様」
「いらっしゃい。わざわざ足を運んで貰って、ごめんなさい」
「いえ、お呼びとあらば。しかし姫様、領地の税収の件なら、先週従来の半分に減らす事を確認した筈ですが、今日はどう言ったご用件でしょうか?」
持参した資料の束を片手に、不思議そうに尋ねてきた彼に、シェリルは正直に、嘘をついて呼びつけた事を詫びる。
「ごめんなさい、ディオン。実はそれは、ここに来て貰う為の口実なの」
「はい?」
そこでちょうどシェリルに向かって歩み寄って来た彼が、魔導鏡の正面に来て自分の視界に入った為、ソフィアは鏡越しに呼び掛けた。
「ディオン殿、すみません。私があなたにお願いしたい事があって、姫様に呼んで頂いたんです。申し訳ありませんが、ご助力願えないでしょうか?」
いきなり話しかけられて一瞬本気で驚いた顔になったものの、ディオンは鏡に向かって生真面目に頷いてみせた。
「はぁ……、私で侍女殿のお役に立てるかどうかは分かりませんが、取り敢えず話をお伺いします」
「ありがとうございます。これは極めて、私の個人的な話なのですが……」
一応そう断りを入れてから、ソフィアは先程シェリルに対して語った内容をもう一度繰り返した上で、彼に要請したい内容について語った。するとディオンは終始無言で、途中から目を見開いて話を聞いていたが、一通り聞き終えてから率直な感想を漏らす。
「しかし……、これはまた、とんでもない話ですね」
「非常識な事は、重々承知していますが」
思わず弁解しかけたソフィアだったが、ディオンは慌てて宥めてきた。
「ああ、呆れたりとか、非難するつもりでは無いんです。さすがにシェリル姫様に仕えているだけあって、スケールが違うなぁと感服しただけですから」
「ディオン……」
「何か、微妙なコメントなんですが?」
シェリルからは若干恨みがましい目を、ソフィアからは軽く顔を顰められて噴き出しそうになりながら、ディオンはその『とんでもない話』について、快く了承した。
「分かりました。この際、全面的にお力になりましょう。うちの領地位辺鄙な所なら、どうにでも戸籍はごまかせますしね。現に俺自身、適当に出生を誤魔化した上で、両親が養子縁組をしていますし」
陰りの無い笑顔で、身も蓋も無い事を言い切ったディオンだったが、それを聞いたソフィアは大いに喜んだ。
「ありがとうございます、助かります!」
しかしここで、ディオンが心配そうに確認を入れてきた。
「ですがルセリア嬢の身元は、貴族にしなくても大丈夫なのですか?」
「ええ、勿論。なまじ貴族なんかにしたら、元々存在していないのがすぐにバレますし」
「それなら、どうにでもなると思います。早速領地に居る両親に連絡を取りましょう。今晩にでも、ステイド子爵家の方から両親に直接連絡を取って、諸々を打ち合わせして貰えますか?」
「分かりました。お手数おかけしますが、宜しくお願いします」
とんとん拍子に話が進んだ為、ソフィアが心底ありがたく思っていると、ディオンが苦笑いした。
「ソフィアさんが身元を隠して働いていらしたのは驚きましたが、同じ弱小貴族として、大身の貴族から無理難題をふっかけられるのは身に覚えがありますから、これ位お手伝いするのは構いません。それに姫様には色々とお世話になっていますし、そのご恩返しの意味もありますから気にしないで下さい。他にご用はありませんか?」
「いえ、結構です」
「そうですか。それでは姫様の方からは……」
「私も無いわ。どうもありがとう、ディオン」
笑顔で頷いてみせたシェリルに、ディオンは礼儀正しく一礼した。
「それではこれで失礼します。この計画が上手くいく事を祈っています」
そうして彼が退出して行ってから、ソフィアもシェリルに通信を終わらせる旨を告げて、改めて礼を述べてからジーレスに回線を閉じて貰った。
「やった! ディオンさんに快諾して貰って助かったわ~。ありがとうございます、頭領」
満面の笑みでソフィアが礼を述べると、頷いたジーレスが感心した様に呟く。
「それは構わないが……。あんな話を聞いても動じないとは、ああ見えて彼はなかなか、胆力がありそうだな」
「彼には公爵様も目をかけて、陰ながら後見していますし」
「そう言えばそうだったか」
再度納得した様に頷いたジーレスを見上げて、サイラスはしみじみと考え込んでしまった。
(本当に、シェリルの周りって、豪胆で破天荒な人間が揃っているよな……)
第三者から見れば、その中に自分も含まれている事など、全く意識していない元王子のサイラスだった。
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