24 / 52
第2章 巻き起こる騒動
13.ちょっと危険な『おもてなし』
しおりを挟む
そしてグリードと入れ替わる様に、イーダリスとファルドが応接間にやって来た。
「ソフィア。そこでヴォーバン男爵とすれ違ったが、想像していたよりも随分早く帰ったな。もっと粘るかと思っていたんだが」
「それに壁に背中をこすり付ける様にして、横歩きで俺達の前を通り過ぎて行ったんだけど、姉さん、何かやったのか?」
弟が疑いの眼差しを送ってきた為、ソフィアは半ば腹を立てながら言い返した。
「人聞きが悪いわね。普通に話していただけよ。ちょっとからかってやったけど」
「それなら良いんだけど……」
「ところで? どんな話になったんだ?」
何となく心配顔のイーダリスと、興味津々のファルスに向かって、ソフィアは皮肉っぽく語った。
「持参金も必要無いなら、この家の相続権も放棄して無一文で嫁に行ってやりますと、言ってやったわ」
「成程な。……こうなると、早速今夜あたり来るか?」
「と言うより、絶対来ますよね? 私に変な気を起こさせない為に」
飄々と問いを発したファルドに、ソフィアが不敵に笑いながら応じる。しかしイーダリスは、懐疑的な表情で口を開いた。
「本当に、来るんでしょうか? 仮にもここは貴族の屋敷ですから、騒ぎになったら王都内を警護する近衛軍の管轄内の扱いになって、色々と拙いのでは?」
しかしその希望的観測を、ファルドは若干憐れむように打ち消した。
「貴族の令嬢を襲わせて、その救世主を気取るなんて馬鹿げた事を本気でやった一族郎等に、そんな常識的な判断を求めるのは、無駄だと思うな」
「それもそうですね……」
そこまで言われてイーダリスは完全に諦め、ソフィアは如何にも楽しそうに宣言した。
「そういう訳だから、イーダ! 私これから早速、お出迎えの準備に入るから。夕食まで部屋に籠るわね!!」
「……もう、好きにしてくれ」
(え? 『お出迎えの準備』って、何だ?)
文字通り頭を抱えたイーダリスをその場に放置して、ソフィアは意気揚々と自室へと向かった。黙って一連のやり取りを見ていたサイラスは思わず考え込んで出遅れ、慌てて彼女の後を追ったが、追いついたドアの前で、あっさり立ち入り禁止を宣言される。
「あ、サイラスはここから入っちゃ駄目よ?」
「なぉ~ん!」
精一杯訴えたサイラスだったが、困った顔をしつつも、ソフィアは断固としてドアを死守した。
「ごめんね~。これから部屋の中が、ちょっと危なくなるのよ。だから今日はイーダと遊んでいてね。それじゃあ!」
「にゃうっ! にゃーっ!」
苦笑いで手を振ったソフィアが素早くドアを閉め、サイラスは完全に閉め出されてしまった。それから彼は暫くドアを叩いたり引っ掻いて訴えたが、室内は全くの無反応であり、諦めてその場を離れた。
それから隣室に入り込んでベランダから隣に飛び移ろうとしても、しっかり侵入を阻む防壁が設置されているのを察知して、サイラスは心の中で、ジーレスに恨み言を漏らす。
(ジーレスさん……。そりゃあ、未婚女性の部屋に防御防壁を展開させるのは、道徳上も当然の事だとは思いますが。何なんですか、この良い仕事っぷりは)
同業者だからこそ分かる、仕事でも無ければわざわざ解除しようとも思わないその緻密な仕事ぶりに、サイラスはあっさりと侵入するのを諦めて、その場を離れた。
(今夜あたり来るって……、まさかルーバンス公爵家の手の者が、この屋敷を襲いに来るのか? そこにあのロイとかって奴が颯爽と現れて賊を成敗する、とかのろくでもない筋書きを、立てているわけじゃないだろうな?)
そんな懸念を脳裏に思い浮かべながらサイラスが廊下を歩いていると、どこかのドアの前で先程の二人が話し込んでいた。
「ファルドさん。ファルス公爵家から託されて、この家を保管場所として管理している、美術品や書物とかはどうしましょうか? 万が一被害が出たら、公爵に申し訳ないですから」
真顔で懸念を訴えたイーダリスだったが、ファルドは面白そうに笑って応じた。
「ああ、イーダリス殿、その点は全く心配いりません。どんな奴でも庭先までは入れてあげますが、あんなにソフィアがやる気満々なのに、邸内に一人だって入れるわけが無いじゃありませんか。全てそのままで結構ですから」
「そうですね。分かりました」
そしてイーダリスはがっくりと項垂れてどこかへと歩き去り、サイラスと目が合ったファルドは「やあ、サイラス。今夜は庭に出たりしないで、大人しく寝ているんだぞ?」と軽く声をかけながら、彼の横を通り過ぎて行った。
(ちょっと危なくなるって、どう言う事だ? そもそも彼女が言ってた『おもてなし』って、何なんだよ?)
先程脳裏に浮かんだ疑問は、解消するどころか益々謎が深まってしまったが、取り敢えず夜は夜通し起きて警戒しようと覚悟を決め、その為の昼寝をしようと、サイラスは寝心地の良い場所を探して歩き出した。そして程良い温かさの場所を見つけて、纏まった昼寝を済ませた所で、丁度良く夕飯の時間になった。
いつも通り食堂で食べている者達に交じって、パンやハムの薄切りや、冷ましたスープを貰って食べていると、日中街中に出ていたジーレスやオイゲンに、ファルドが昼間の顛末を語って聞かせた。そして一通り聞き終えた所でジーレスが食事の手を止めて、ソフィアに静かに問いかける。
「それで、今夜はちょっと物騒な連中を『是非、敷地内にご招待したい』と、そういう訳なのか? ソフィア」
「はい、駄目でしょうか? 頭領」
神妙にお伺いを立てて来た彼女に、ジーレスは苦笑しながら了承した。
「『屋敷内』なら支障があるが、『敷地内』なら構わないだろう。結界は最初敢えて緩くして、賊が粗方入ったら抜け出せない様に調整しておく。ここ暫くの後宮勤めで、身体が鈍っているだろう。好きなだけ暴れて構わない。私が全面的にフォローする」
「やった!! ありがとうございます、頭領!」
完全なお墨付きを貰った彼女は、がくりと項垂れた弟の横で喜色満面で礼を述べた。するとオイゲンが会話に割り込む。
「頭領、俺達は?」
「ソフィアが討ち漏らした分は任せる」
「やっぱり、ソフィアに甘くないか?」
素っ気なく応じたジーレスにオイゲンは思わず愚痴を零し、その場は軽い笑いに包まれたが、ソフィアの言っている『おもてなし』の内容がうっすらと判別できてきたサイラスだけは、聞かなかったふりで黙々と食事を食べ続けた。
「ソフィア。そこでヴォーバン男爵とすれ違ったが、想像していたよりも随分早く帰ったな。もっと粘るかと思っていたんだが」
「それに壁に背中をこすり付ける様にして、横歩きで俺達の前を通り過ぎて行ったんだけど、姉さん、何かやったのか?」
弟が疑いの眼差しを送ってきた為、ソフィアは半ば腹を立てながら言い返した。
「人聞きが悪いわね。普通に話していただけよ。ちょっとからかってやったけど」
「それなら良いんだけど……」
「ところで? どんな話になったんだ?」
何となく心配顔のイーダリスと、興味津々のファルスに向かって、ソフィアは皮肉っぽく語った。
「持参金も必要無いなら、この家の相続権も放棄して無一文で嫁に行ってやりますと、言ってやったわ」
「成程な。……こうなると、早速今夜あたり来るか?」
「と言うより、絶対来ますよね? 私に変な気を起こさせない為に」
飄々と問いを発したファルドに、ソフィアが不敵に笑いながら応じる。しかしイーダリスは、懐疑的な表情で口を開いた。
「本当に、来るんでしょうか? 仮にもここは貴族の屋敷ですから、騒ぎになったら王都内を警護する近衛軍の管轄内の扱いになって、色々と拙いのでは?」
しかしその希望的観測を、ファルドは若干憐れむように打ち消した。
「貴族の令嬢を襲わせて、その救世主を気取るなんて馬鹿げた事を本気でやった一族郎等に、そんな常識的な判断を求めるのは、無駄だと思うな」
「それもそうですね……」
そこまで言われてイーダリスは完全に諦め、ソフィアは如何にも楽しそうに宣言した。
「そういう訳だから、イーダ! 私これから早速、お出迎えの準備に入るから。夕食まで部屋に籠るわね!!」
「……もう、好きにしてくれ」
(え? 『お出迎えの準備』って、何だ?)
文字通り頭を抱えたイーダリスをその場に放置して、ソフィアは意気揚々と自室へと向かった。黙って一連のやり取りを見ていたサイラスは思わず考え込んで出遅れ、慌てて彼女の後を追ったが、追いついたドアの前で、あっさり立ち入り禁止を宣言される。
「あ、サイラスはここから入っちゃ駄目よ?」
「なぉ~ん!」
精一杯訴えたサイラスだったが、困った顔をしつつも、ソフィアは断固としてドアを死守した。
「ごめんね~。これから部屋の中が、ちょっと危なくなるのよ。だから今日はイーダと遊んでいてね。それじゃあ!」
「にゃうっ! にゃーっ!」
苦笑いで手を振ったソフィアが素早くドアを閉め、サイラスは完全に閉め出されてしまった。それから彼は暫くドアを叩いたり引っ掻いて訴えたが、室内は全くの無反応であり、諦めてその場を離れた。
それから隣室に入り込んでベランダから隣に飛び移ろうとしても、しっかり侵入を阻む防壁が設置されているのを察知して、サイラスは心の中で、ジーレスに恨み言を漏らす。
(ジーレスさん……。そりゃあ、未婚女性の部屋に防御防壁を展開させるのは、道徳上も当然の事だとは思いますが。何なんですか、この良い仕事っぷりは)
同業者だからこそ分かる、仕事でも無ければわざわざ解除しようとも思わないその緻密な仕事ぶりに、サイラスはあっさりと侵入するのを諦めて、その場を離れた。
(今夜あたり来るって……、まさかルーバンス公爵家の手の者が、この屋敷を襲いに来るのか? そこにあのロイとかって奴が颯爽と現れて賊を成敗する、とかのろくでもない筋書きを、立てているわけじゃないだろうな?)
そんな懸念を脳裏に思い浮かべながらサイラスが廊下を歩いていると、どこかのドアの前で先程の二人が話し込んでいた。
「ファルドさん。ファルス公爵家から託されて、この家を保管場所として管理している、美術品や書物とかはどうしましょうか? 万が一被害が出たら、公爵に申し訳ないですから」
真顔で懸念を訴えたイーダリスだったが、ファルドは面白そうに笑って応じた。
「ああ、イーダリス殿、その点は全く心配いりません。どんな奴でも庭先までは入れてあげますが、あんなにソフィアがやる気満々なのに、邸内に一人だって入れるわけが無いじゃありませんか。全てそのままで結構ですから」
「そうですね。分かりました」
そしてイーダリスはがっくりと項垂れてどこかへと歩き去り、サイラスと目が合ったファルドは「やあ、サイラス。今夜は庭に出たりしないで、大人しく寝ているんだぞ?」と軽く声をかけながら、彼の横を通り過ぎて行った。
(ちょっと危なくなるって、どう言う事だ? そもそも彼女が言ってた『おもてなし』って、何なんだよ?)
先程脳裏に浮かんだ疑問は、解消するどころか益々謎が深まってしまったが、取り敢えず夜は夜通し起きて警戒しようと覚悟を決め、その為の昼寝をしようと、サイラスは寝心地の良い場所を探して歩き出した。そして程良い温かさの場所を見つけて、纏まった昼寝を済ませた所で、丁度良く夕飯の時間になった。
いつも通り食堂で食べている者達に交じって、パンやハムの薄切りや、冷ましたスープを貰って食べていると、日中街中に出ていたジーレスやオイゲンに、ファルドが昼間の顛末を語って聞かせた。そして一通り聞き終えた所でジーレスが食事の手を止めて、ソフィアに静かに問いかける。
「それで、今夜はちょっと物騒な連中を『是非、敷地内にご招待したい』と、そういう訳なのか? ソフィア」
「はい、駄目でしょうか? 頭領」
神妙にお伺いを立てて来た彼女に、ジーレスは苦笑しながら了承した。
「『屋敷内』なら支障があるが、『敷地内』なら構わないだろう。結界は最初敢えて緩くして、賊が粗方入ったら抜け出せない様に調整しておく。ここ暫くの後宮勤めで、身体が鈍っているだろう。好きなだけ暴れて構わない。私が全面的にフォローする」
「やった!! ありがとうございます、頭領!」
完全なお墨付きを貰った彼女は、がくりと項垂れた弟の横で喜色満面で礼を述べた。するとオイゲンが会話に割り込む。
「頭領、俺達は?」
「ソフィアが討ち漏らした分は任せる」
「やっぱり、ソフィアに甘くないか?」
素っ気なく応じたジーレスにオイゲンは思わず愚痴を零し、その場は軽い笑いに包まれたが、ソフィアの言っている『おもてなし』の内容がうっすらと判別できてきたサイラスだけは、聞かなかったふりで黙々と食事を食べ続けた。
8
お気に入りに追加
241
あなたにおすすめの小説
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
捨てた騎士と拾った魔術師
吉野屋
恋愛
貴族の庶子であるミリアムは、前世持ちである。冷遇されていたが政略でおっさん貴族の後妻落ちになる事を懸念して逃げ出した。実家では隠していたが、魔力にギフトと生活能力はあるので、王都に行き暮らす。優しくて美しい夫も出来て幸せな生活をしていたが、夫の兄の死で伯爵家を継いだ夫に捨てられてしまう。その後、王都に来る前に出会った男(その時は鳥だった)に再会して国を左右する陰謀に巻き込まれていく。

【完結】冷徹執事は、つれない侍女を溺愛し続ける。
たまこ
恋愛
公爵の専属執事ハロルドは、美しい容姿に関わらず氷のように冷徹であり、多くの女性に思いを寄せられる。しかし、公爵の娘の侍女ソフィアだけは、ハロルドに見向きもしない。
ある日、ハロルドはソフィアの真っ直ぐすぎる内面に気付き、恋に落ちる。それからハロルドは、毎日ソフィアを口説き続けるが、ソフィアは靡いてくれないまま、五年の月日が経っていた。
※『王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく。』のスピンオフ作品ですが、こちらだけでも楽しめるようになっております。

【完結】勘当されたい悪役は自由に生きる
雨野
恋愛
難病に罹り、15歳で人生を終えた私。
だが気がつくと、生前読んだ漫画の貴族で悪役に転生していた!?タイトルは忘れてしまったし、ラストまで読むことは出来なかったけど…確かこのキャラは、家を勘当され追放されたんじゃなかったっけ?
でも…手足は自由に動くし、ご飯は美味しく食べられる。すうっと深呼吸することだって出来る!!追放ったって殺される訳でもなし、貴族じゃなくなっても問題ないよね?むしろ私、庶民の生活のほうが大歓迎!!
ただ…私が転生したこのキャラ、セレスタン・ラサーニュ。悪役令息、男だったよね?どこからどう見ても女の身体なんですが。上に無いはずのモノがあり、下にあるはずのアレが無いんですが!?どうなってんのよ!!?
1話目はシリアスな感じですが、最終的にはほのぼの目指します。
ずっと病弱だったが故に、目に映る全てのものが輝いて見えるセレスタン。自分が変われば世界も変わる、私は…自由だ!!!
主人公は最初のうちは卑屈だったりしますが、次第に前向きに成長します。それまで見守っていただければと!
愛され主人公のつもりですが、逆ハーレムはありません。逆ハー風味はある。男装主人公なので、側から見るとBLカップルです。
予告なく痛々しい、残酷な描写あり。
サブタイトルに◼️が付いている話はシリアスになりがち。
小説家になろうさんでも掲載しております。そっちのほうが先行公開中。後書きなんかで、ちょいちょいネタ挟んでます。よろしければご覧ください。
こちらでは僅かに加筆&話が増えてたりします。
本編完結。番外編を順次公開していきます。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

(完)仕方ないので後は契約結婚する
川なみな
ファンタジー
マルグリートは婚約破棄されたせいで子爵家に嫁ぐ事になった。
そこは、貧乏な子爵だけど。ちっとも、困りません。
ーーーーーーーー
「追放されても戻されても生き残ってみせますう」に出てたキャラも出演します!
3月1日にランキング26位になりました。皆さまのおかげです。ありがとうございます!!
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

病めるときも健やかなるときも、お前だけは絶対許さないからなマジで
あだち
恋愛
ペルラ伯爵家の跡取り娘・フェリータの婚約者が、王女様に横取りされた。どうやら、伯爵家の天敵たるカヴァリエリ家の当主にして王女の側近・ロレンツィオが、裏で糸を引いたという。
怒り狂うフェリータは、大事な婚約者を取り返したい一心で、祝祭の日に捨て身の行動に出た。
……それが結果的に、にっくきロレンツィオ本人と結婚することに結びつくとも知らず。
***
『……いやホントに許せん。今更言えるか、実は前から好きだったなんて』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる