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第6章 跳ね馬姫の暴走
6.迎撃
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「アルティナ、来るわよ!? え?」
視線の先にいたアルティナが、灯り用に廊下の両側の高い位置に設置されているランプを、線状鎖を放って次々割り落としていたのを目にしたリディアは、その豪快さに思わず顔を引き攣らせた。しかしアルティナは、叩き落したランプが廊下でくすぶっているのには目もくれず、彼女を笑顔で出迎える。
「副隊長、時間稼ぎ、ご苦労様です。取り敢えず騎士団本部詰め所への、緊急連絡の紐は引いて固定しておきました」
「それは良いんだけど……、これは何? あの木箱に入っていた物よね?」
「はい、そうです」
かなり薄暗くなった正面階段の手前で、弓を横に寝かせた上、間隔をあけて三つ重ねた形に見えるそれを発見したリディアは、困惑も露わに問いかけた。しかしアルティナが、事も無げに答える。
「バネの力を利用した、複式三連弾自動弓です。一度にこの通路の幅一杯に狙える複数の矢をつがえる事が出来る上、上中下三段階の高さで狙える優れ物だと、カーネル隊長から説明を受けました」
「緑騎士隊って、本当に何を作っているのよ……」
思わず頭を抱えたリディアだったが、ここで一際高い破壊音と共に、扉の取っ手の付近が破壊されたのが、遠目にも見て取れた。
「副隊長、来ます!」
「取り敢えず、ある物は最大限有効に使いましょう。使い方は分かっているわね?」
「はい。最後の灯りを消します! 連中がすぐにこれに気が付かない様に、副隊長は最初は前に立って注意を引いて、声をかけたら横に避けて下さい」
「分かったわ」
そして素早く役割分担を決め、アルティナは残しておいた至近距離のランプを鎖の先端の重りで叩き割り、リディアは剣を抜いて弓の前に立った。
「居たぞ! まず生意気なあの女から、血祭りに上げろ!」
薄暗がりの中でその姿をマルケスが、先頭に立って怒声を発しながら一直線に突進して来たのを見て、アルティナは即座に安全装置を解除してから、リディアに声をかけた。
「副隊長!」
「お願い!」
そして彼女が即座に横に飛びのくと同時に、アルティナが装置の端を左手で掴んで押さえながら、右手で一つの取っ手を素早く引き下ろす。
(さあ、来るなら来なさい。愚者に踊らされた馬鹿どもが!)
彼女が心の中でそんな悪態を吐くと同時に、平均的な男性の肩や胸の高さ目がけて、勢い良く複数の矢が横一列で飛んで行った。
「ぐわぁっ!」
「なっ、何だ!?」
「矢が飛んできたぞ!」
薄暗い中で、自分達目掛けて飛んできた矢を避けきれず、まともに身体に刺さってしまったらしい何人かが、たまらず悲鳴を上げた。しかし戸惑ったのも一瞬で、廊下に怒声が響き渡る。
「頭を低くしろ!」
「機械仕掛けなら、微細な調節はきかない筈、ぐあぁっ!」
慌ててしゃがみ込んだ男達だったが、続けて二射目が飛んできた。しかも先程よりは低い、人の腰の高さ付近を狙って飛んで来た為、屈んだ彼らはまだ避けきれずに、何人かに命中する。
「伏せろ! 低い位置も狙っ、つうぅっ!!」
「このっ!? 一旦物陰に隠れろ!」
更に容赦なく、三射目は膝の高さ程を狙ってきた為、また命中した者が出たらしく、マルケスは廊下の端に走って移動し、ドアを開けてその陰に体を隠した。その隙を見逃さず、この間アルティナの背後に回り込んで階段に到達していたリディアが、閉めかけた非常扉の間から叫ぶ。
「アルティナ!」
「はい!」
そして男達には目もくれず、アルティナが扉の隙間から駆け込むと、リディアはすぐにそれを引いて扉を閉め、内側から鍵をかけた。そして、隔離された形になった階段を上がりながら囁き合う。
「取り敢えず何人かは、戦闘不能にできたかしら?」
「そうですね。それにかなり強い麻痺を引き起こす毒を、全部の矢に塗ってありますから、命に別状は無くても、まともに動けなくなる筈ですし」
「そう言えば緑騎士隊って、武器だけではなくて、特殊な薬品とかの抽出や調合とかもしているって、以前聞いた事があるけど……」
半ば呆れながら呟いたリディアだったが、すぐに気を引き締めた。
「そんな事、今はどうだって良いわ。取り敢えず応援が来るまで、どうにかしてここを持たせないと。どう考えても、口封じに殺されるのが確実だもの」
「そうですね。副隊長、取り敢えずこの鎖をあの像の首辺りに巻き付けてから、こっちの手すりに渡して結び付けて、ここを上がって来る連中の進路を妨害して貰えませんか?」
「分かったわ」
そして階段の扉の向こうで駆け寄る気配と物音を聞きながら、リディアが受け取った糸状鎖での作業を済ませて振り返ると、アルティナが階段から踊り場に上がった場所に、かなり広範囲に見慣れない物をばら撒いていた。
「ところで、この鎖は分かるけど、何を床に落としているの?」
「これは四方針と言いまして、どう転がしても放射状に伸びた四本の針の一本が、真上に突き出る構造になっているんです」
「なるほど……、確かに効果的ね。踏みつけたら痛そうだわ。革靴でも意味ないでしょうし」
鋭利な先端を見下ろしながら、無意識に顔を顰めつつ感想を口にしたリディアだったが、腰から下げていた袋の中身を全て床に落としたアルティナは、それを等間隔に配置しながら解説を加えた。
「はい。どの針の先にも小さな棘が左右に付いていますから、一度刺さったら周囲の皮膚や肉をえぐらないと、なかなか抜けない優れ物だそうです」
それを聞いたリディアは、心底嫌そうな表情になった。
「……やっぱり緑騎士隊って、ろくでもないわね」
「副隊長、それはあんまり」
「しっ! また来るわよ?」
「ええ、それじゃあ、さっきの打ち合わせ通りに」
階段の扉を手斧で破る音と共に、向こう側に強引に引き開かれるのを見たリディアは、手すりの陰に屈み込みながらアルティナに注意を促した。対するアルティナも素早く身を隠すと同時に、男達が足音荒く駆け上がってくる。
「手間かけさせやがって!」
「リディア、どこだ!?」
しかし勢い良く踊り場に踏み込んだ途端、複数の悲鳴が上がった。
「ぐあっ!? 何か踏んだぞ!」
「いてて、何だ、これは!?」
そこですかさずアルティナ達が手すりの陰から飛び出し、予め把握しておいた四方針が無いスペースに足を踏み入れながら、片足を上げて針を抜こうとしている男達を、渾身の力で突き飛ばす。
「目が節穴ね!」
「ここに居るわよっ!」
当然バランスを崩した男達は、背後にいた仲間達を巻き込みながら、踊り場から転げ落ちた。
「うおっ!」
「危ない!!」
「うわあぁっ!」
それを見届けたリディアは、先程踊り場を横切る様に張った鎖の下を潜りながら、アルティナに叫ぶ。
「アルティナ!」
「今行きます!」
「ふざけるな! 待ちやがれ!」
さり気なく屈みながら鎖を潜り抜けたアルティナを、完全に頭に血を上らせた男が階段を駆け上がって追った。そして踊り場の床を確認し、足下に先程の四方針が無い場所を確認した彼らが、勢い良く二階に続く階段を駆け上がろうとする。しかしすぐに、その動きが止まった。
視線の先にいたアルティナが、灯り用に廊下の両側の高い位置に設置されているランプを、線状鎖を放って次々割り落としていたのを目にしたリディアは、その豪快さに思わず顔を引き攣らせた。しかしアルティナは、叩き落したランプが廊下でくすぶっているのには目もくれず、彼女を笑顔で出迎える。
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「それは良いんだけど……、これは何? あの木箱に入っていた物よね?」
「はい、そうです」
かなり薄暗くなった正面階段の手前で、弓を横に寝かせた上、間隔をあけて三つ重ねた形に見えるそれを発見したリディアは、困惑も露わに問いかけた。しかしアルティナが、事も無げに答える。
「バネの力を利用した、複式三連弾自動弓です。一度にこの通路の幅一杯に狙える複数の矢をつがえる事が出来る上、上中下三段階の高さで狙える優れ物だと、カーネル隊長から説明を受けました」
「緑騎士隊って、本当に何を作っているのよ……」
思わず頭を抱えたリディアだったが、ここで一際高い破壊音と共に、扉の取っ手の付近が破壊されたのが、遠目にも見て取れた。
「副隊長、来ます!」
「取り敢えず、ある物は最大限有効に使いましょう。使い方は分かっているわね?」
「はい。最後の灯りを消します! 連中がすぐにこれに気が付かない様に、副隊長は最初は前に立って注意を引いて、声をかけたら横に避けて下さい」
「分かったわ」
そして素早く役割分担を決め、アルティナは残しておいた至近距離のランプを鎖の先端の重りで叩き割り、リディアは剣を抜いて弓の前に立った。
「居たぞ! まず生意気なあの女から、血祭りに上げろ!」
薄暗がりの中でその姿をマルケスが、先頭に立って怒声を発しながら一直線に突進して来たのを見て、アルティナは即座に安全装置を解除してから、リディアに声をかけた。
「副隊長!」
「お願い!」
そして彼女が即座に横に飛びのくと同時に、アルティナが装置の端を左手で掴んで押さえながら、右手で一つの取っ手を素早く引き下ろす。
(さあ、来るなら来なさい。愚者に踊らされた馬鹿どもが!)
彼女が心の中でそんな悪態を吐くと同時に、平均的な男性の肩や胸の高さ目がけて、勢い良く複数の矢が横一列で飛んで行った。
「ぐわぁっ!」
「なっ、何だ!?」
「矢が飛んできたぞ!」
薄暗い中で、自分達目掛けて飛んできた矢を避けきれず、まともに身体に刺さってしまったらしい何人かが、たまらず悲鳴を上げた。しかし戸惑ったのも一瞬で、廊下に怒声が響き渡る。
「頭を低くしろ!」
「機械仕掛けなら、微細な調節はきかない筈、ぐあぁっ!」
慌ててしゃがみ込んだ男達だったが、続けて二射目が飛んできた。しかも先程よりは低い、人の腰の高さ付近を狙って飛んで来た為、屈んだ彼らはまだ避けきれずに、何人かに命中する。
「伏せろ! 低い位置も狙っ、つうぅっ!!」
「このっ!? 一旦物陰に隠れろ!」
更に容赦なく、三射目は膝の高さ程を狙ってきた為、また命中した者が出たらしく、マルケスは廊下の端に走って移動し、ドアを開けてその陰に体を隠した。その隙を見逃さず、この間アルティナの背後に回り込んで階段に到達していたリディアが、閉めかけた非常扉の間から叫ぶ。
「アルティナ!」
「はい!」
そして男達には目もくれず、アルティナが扉の隙間から駆け込むと、リディアはすぐにそれを引いて扉を閉め、内側から鍵をかけた。そして、隔離された形になった階段を上がりながら囁き合う。
「取り敢えず何人かは、戦闘不能にできたかしら?」
「そうですね。それにかなり強い麻痺を引き起こす毒を、全部の矢に塗ってありますから、命に別状は無くても、まともに動けなくなる筈ですし」
「そう言えば緑騎士隊って、武器だけではなくて、特殊な薬品とかの抽出や調合とかもしているって、以前聞いた事があるけど……」
半ば呆れながら呟いたリディアだったが、すぐに気を引き締めた。
「そんな事、今はどうだって良いわ。取り敢えず応援が来るまで、どうにかしてここを持たせないと。どう考えても、口封じに殺されるのが確実だもの」
「そうですね。副隊長、取り敢えずこの鎖をあの像の首辺りに巻き付けてから、こっちの手すりに渡して結び付けて、ここを上がって来る連中の進路を妨害して貰えませんか?」
「分かったわ」
そして階段の扉の向こうで駆け寄る気配と物音を聞きながら、リディアが受け取った糸状鎖での作業を済ませて振り返ると、アルティナが階段から踊り場に上がった場所に、かなり広範囲に見慣れない物をばら撒いていた。
「ところで、この鎖は分かるけど、何を床に落としているの?」
「これは四方針と言いまして、どう転がしても放射状に伸びた四本の針の一本が、真上に突き出る構造になっているんです」
「なるほど……、確かに効果的ね。踏みつけたら痛そうだわ。革靴でも意味ないでしょうし」
鋭利な先端を見下ろしながら、無意識に顔を顰めつつ感想を口にしたリディアだったが、腰から下げていた袋の中身を全て床に落としたアルティナは、それを等間隔に配置しながら解説を加えた。
「はい。どの針の先にも小さな棘が左右に付いていますから、一度刺さったら周囲の皮膚や肉をえぐらないと、なかなか抜けない優れ物だそうです」
それを聞いたリディアは、心底嫌そうな表情になった。
「……やっぱり緑騎士隊って、ろくでもないわね」
「副隊長、それはあんまり」
「しっ! また来るわよ?」
「ええ、それじゃあ、さっきの打ち合わせ通りに」
階段の扉を手斧で破る音と共に、向こう側に強引に引き開かれるのを見たリディアは、手すりの陰に屈み込みながらアルティナに注意を促した。対するアルティナも素早く身を隠すと同時に、男達が足音荒く駆け上がってくる。
「手間かけさせやがって!」
「リディア、どこだ!?」
しかし勢い良く踊り場に踏み込んだ途端、複数の悲鳴が上がった。
「ぐあっ!? 何か踏んだぞ!」
「いてて、何だ、これは!?」
そこですかさずアルティナ達が手すりの陰から飛び出し、予め把握しておいた四方針が無いスペースに足を踏み入れながら、片足を上げて針を抜こうとしている男達を、渾身の力で突き飛ばす。
「目が節穴ね!」
「ここに居るわよっ!」
当然バランスを崩した男達は、背後にいた仲間達を巻き込みながら、踊り場から転げ落ちた。
「うおっ!」
「危ない!!」
「うわあぁっ!」
それを見届けたリディアは、先程踊り場を横切る様に張った鎖の下を潜りながら、アルティナに叫ぶ。
「アルティナ!」
「今行きます!」
「ふざけるな! 待ちやがれ!」
さり気なく屈みながら鎖を潜り抜けたアルティナを、完全に頭に血を上らせた男が階段を駆け上がって追った。そして踊り場の床を確認し、足下に先程の四方針が無い場所を確認した彼らが、勢い良く二階に続く階段を駆け上がろうとする。しかしすぐに、その動きが止まった。
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