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第3章 出仕への道
19.アルティンの死の真相
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「ケイン。君は先のラグランジェ戦役の終戦協定の事を覚えているか?」
「はい、勿論です。ラグランジェ側の降伏に伴い、我が国と接しているアダラート地方の割譲、及び賠償金五千万リランを、五年間に分割して支払う事になった筈ですが」
唐突に自身も参加した隣国との紛争の事を持ち出され、ケインは勿論アルティナも、怪訝な顔をジェラルドに向けた。そんな中、彼が淡々と話を続ける。
「その通りだ。しかし賠償金の額に関しては、当初こちらは四千万リランを要求していた」
「それではあのグリフォス王が、殊勝にも増額を申し出たのですか?」
「いや。賠償金の支払いと同時に、友好の証に未婚の第二王女をこちらの王太子妃に寄越すと言ってきた」
その後の顛末を知り抜いていたアルティナは思わず無言で遠い目をし、従軍しながらも交渉事の矢面に立ってはいなかったケインは、不思議そうに問い返した。
「はぁ? 何を寝ぼけた事を言っているんですか。二年前と言えば、既に殿下はご結婚されているではありませんか」
「ああ。すでに当時結婚四年目で、娘を一人しか授かっていない王太子妃がな。『だから我が国の王女が、立派な後継者を産んでやる。ありがたく思え』と言う事らしい」
皮肉気にジャラルドがそう口にした途端、ケインは憤怒の形相で顔も見た事も無い相手の国王を罵倒した。
「無様に敗走しやがったくせに、何をほざく!! 第一、正式な妃殿下がいらっしゃるのに、どうしてわざわざ他所から招き入れる必要があるんですか!?」
「我が国では側妃制度が有名無実化して久しいが、ラグランジェ国では正妃の他に三人の側妃が居る状態だからな。寛大にも『正式な王太子妃が存在するなら、それを廃しようとは思わない。我が国から遣わす王女は、側妃扱いで構わない』と同時に申し入れがあった」
「物言いが殊勝ですが、どう考えても国内の伯爵家出身の王太子妃をそのまま正妃にして、他国の王女を側妃になどできるわけがないではありませんか! 暗に、さっさと王太子妃を排除しろと言っているのと同じ事です!!」
「落ち着け、ケイン。これは二年前の話だ」
「……そうでした。取り乱して、申し訳ありません。しかし当時、どうやって収拾を付けたのですか?」
冷静に窘められ、ケインはすぐに頭を冷やした。そして続きを促してきた彼に、ジェラルドが淡々と当時の事情を説明する。
「当時、最前線で交渉に当たっていた近衛騎士団のファーレス団長が、その申し出に激怒してな。緑騎士隊隊長と図って、表情だけは穏やかに『賠償金の支払いに加えて、お輿入れに伴う費用及び持参金を準備するのは困難でしょう。これだけの支払い能力があると、国王陛下自ら公式文書で保障して頂けたら、話を進めるのにやぶさかではありませんが』と交渉に赴いた使者を丸め込んだらしい。そして喜んで王都に帰った使者がグリフォス王に報告し、国王から『賠償金四千万リランに加えて、王女の持参金一千万リランを支払う』との公式文書を携えて戻って来たから、『それならば賠償金は五年間払い、五千万リランで決定しました』と言い放ったそうだ」
それを聞いたケインの顔が、盛大に引き攣った。
「殿下……。側妃の話は微塵も無しで、賠償金額の上積みだけなど、グリフォス王が素直に了承する筈がないと思われるのですが……」
「当然ラグランジェ側は『話が違う』と猛抗議。こちらは『王女の輿入れの話など、そもそもこちらは要求していない。そちらが勝手に申し出た事。これだけの金額が供出可能と仰るなら、それだけの額を賠償金として払って頂こう』と突っぱねた。と同時に前線で『グリフォス王は十分支払い能力があるのに、賠償金の額を値切って戦闘を無駄に長引かせている』との噂を蔓延させた上、交渉中に密かにラグランジェ国内に大量に入り込ませていた緑騎士隊が、膠着状態に陥った直後に狙いすまして次々と敵の補給線を断って、いやが上にも向こうの厭戦気分を煽った結果、先の結果となった」
「そう言えばどうしてだか、終盤、緑騎士隊の姿が見えないと思っていたが。アルティンの奴、陰でそんな事をしていたのか……」
呆れ気味に呟いた彼の横で、アルティナは(だってあまりにも勝手な言い分にムカついて、あれこれせこせこ頑張ったんだもの)と心の中で弁解した。
「二年前はそれで収束したのだが、腹の虫が収まらなかったグリフォス王は、虎視眈々と機会を狙っていたらしく、国内の貴族と手を結ぶ事にしたらしい。娘を袖にされて逆恨みした連中を陰で操って王太子妃を排除し、その後釜に彼らの後押しで自分の娘を据える。そして娘が息子を産んだら、それを理由に取り上げられたアダラート地方を自国に取り返そうとでも、目論んでいるのだろう」
そう話を締め括ったジェラルドに、ケインが呆れた表情を隠そうともせずに問い返した。
「随分と自分に都合の良過ぎる妄想ですね。しかし公爵達は本当に王太子殿下と妃殿下への怨恨だけで、そんな馬鹿げた企みに賛同したのですか?」
「勿論それ以外にも、金銭や交易での優遇措置、鉱山や港湾の共同開発などの利益を、ちらつかせているのだろうな」
「それにしても、そんなあからさまな利益誘導に乗るとは……」
「因みに、水面下でのその動きが、我々にはっきりと分かる様になってきたのは、この二・三ヶ月の事だ」
(ちょっと待って。それってまさか……)
ここでさり気無くジェラルドが口にした内容に、アルティナは無言のまま反応した。しかしケインは、咄嗟にその言葉の意味に気が付かなかったらしく、不思議そうに問い返す。
「最近ですね。何か理由でもあるんでしょうか?」
「ケイン。時期を聞いて、何か思い当たる事は無いか?」
「そう言われましても、特には……」
真顔で考え込んだケインの隣で椅子に座ったまま、アルティナはここではっきりと顔色を変えた。
(漸く分かった。急に“アルティン”が“死んだ”理由が。ラグランジェ国と繋がって妃殿下を排除するのに、私が邪魔だったからだわ。私がそんなろくでもない企みに乗る筈が無いと考えて、その代わりにタイラスを緑騎士隊隊長の座に押し込もうとしたのよ)
そして首尾良くその状態になっていた場合の危険性を考えた彼女は、敵国への利益誘導を躊躇わないであろう連中の顔を思い浮かべ、膝の上で強く拳を握り締めた。
(緑騎士隊では近衛騎士団の全情報を統括していて、隊長権限でそれは入手し放題。その中には勿論、国境付近の王室直轄領の警備巡視情報も含まれるわ。そんなのがラグランジェ側に筒抜けになったりしたら、目も当てられない。私が目ざわり、かつ孫息子可愛いさで首をすげ替えただけだったら、おとなしく辺境に消えてあげようとも思っていたけど、冗談じゃないわよ! そんな利敵行為を、断じて許せるものですか!!)
もう少しで怒りの声を上げそうだったアルティナだったが、小さく歯ぎしりしてそれを何とか堪え、と同時に、何とか最悪の事態を回避できた事が分かって、密かに安堵の溜め息を吐いた。
(王太子側が王都内での不穏な動きを察知して調査を指示しても、報告を握り潰すか、のらりくらりと先延ばしにしたりするつもりだったんでしょうね。その場合、上級女官の辞職願いの本当の理由も、殿下達には把握できなかった筈だわ。予め段取りを立てておいて、速やかにカーネルに隊長位を継がせる事ができて、本当に良かったわ)
するとここで、ある可能性に思い至ったらしいケインが、呻く様に言い出した。
「殿下……。あのアルティンの性格では、こんなろくでもない企みに荷担するとは到底思えません。まさかそれが原因で、連中に消されたとでも仰るんですか?」
「真実は分からないが、私はそう疑っている」
目の前で両手を組みながら淡々とジェラルドが口にした内容を聞いて、ケインは瞬時に怒りの形相になった。
「あの下素野郎共!! 全員纏めて叩き斬ってやる!!」
「落ち着いて、ケイン! 兄は確かに病死だったわ! 私がちゃんと看取ったのだから、それは確かよ! お願いだから落ち着いて!」
(勘違いして、本当に因縁を付けたりしたら、処分されるのは明らかにケインの方だもの!)
アルティナが思わず立ち上がってケインの腕を掴みつつ訴えると、彼は瞬時に我に返ったらしく、謝罪の言葉を口にした。
「……あ、ああ。そう言えばそうだった。すまない。動揺して、嫌な事を思い出させた」
「いいえ。確かにあのタイミングで兄が亡くなったのは、あの人達にとっては僥倖だったでしょうし」
そこでしみじみとした、ナスリーンの声が割り込む。
「それでもアルティン殿が、自分に万が一の事があった時の手配を抜かりなく整えていてくれて、本当に助かりました」
「ああ。後から父上から話を聞いて、本気で肝が冷えたぞ。もしグリーバス公爵の孫などを新隊長に据えたら、それだけに止まらず、その補佐とかどうにでも名目を付けて、何人も近衛騎士団にねじ込んだだろうしな」
「十分、想像できますね」
「確実にやるな、あの恥知らず共」
「本当に……」
思わずうんざりとした顔を見合わせた面々だったが、ジェラルドが気を取り直して話を進めた。
「はい、勿論です。ラグランジェ側の降伏に伴い、我が国と接しているアダラート地方の割譲、及び賠償金五千万リランを、五年間に分割して支払う事になった筈ですが」
唐突に自身も参加した隣国との紛争の事を持ち出され、ケインは勿論アルティナも、怪訝な顔をジェラルドに向けた。そんな中、彼が淡々と話を続ける。
「その通りだ。しかし賠償金の額に関しては、当初こちらは四千万リランを要求していた」
「それではあのグリフォス王が、殊勝にも増額を申し出たのですか?」
「いや。賠償金の支払いと同時に、友好の証に未婚の第二王女をこちらの王太子妃に寄越すと言ってきた」
その後の顛末を知り抜いていたアルティナは思わず無言で遠い目をし、従軍しながらも交渉事の矢面に立ってはいなかったケインは、不思議そうに問い返した。
「はぁ? 何を寝ぼけた事を言っているんですか。二年前と言えば、既に殿下はご結婚されているではありませんか」
「ああ。すでに当時結婚四年目で、娘を一人しか授かっていない王太子妃がな。『だから我が国の王女が、立派な後継者を産んでやる。ありがたく思え』と言う事らしい」
皮肉気にジャラルドがそう口にした途端、ケインは憤怒の形相で顔も見た事も無い相手の国王を罵倒した。
「無様に敗走しやがったくせに、何をほざく!! 第一、正式な妃殿下がいらっしゃるのに、どうしてわざわざ他所から招き入れる必要があるんですか!?」
「我が国では側妃制度が有名無実化して久しいが、ラグランジェ国では正妃の他に三人の側妃が居る状態だからな。寛大にも『正式な王太子妃が存在するなら、それを廃しようとは思わない。我が国から遣わす王女は、側妃扱いで構わない』と同時に申し入れがあった」
「物言いが殊勝ですが、どう考えても国内の伯爵家出身の王太子妃をそのまま正妃にして、他国の王女を側妃になどできるわけがないではありませんか! 暗に、さっさと王太子妃を排除しろと言っているのと同じ事です!!」
「落ち着け、ケイン。これは二年前の話だ」
「……そうでした。取り乱して、申し訳ありません。しかし当時、どうやって収拾を付けたのですか?」
冷静に窘められ、ケインはすぐに頭を冷やした。そして続きを促してきた彼に、ジェラルドが淡々と当時の事情を説明する。
「当時、最前線で交渉に当たっていた近衛騎士団のファーレス団長が、その申し出に激怒してな。緑騎士隊隊長と図って、表情だけは穏やかに『賠償金の支払いに加えて、お輿入れに伴う費用及び持参金を準備するのは困難でしょう。これだけの支払い能力があると、国王陛下自ら公式文書で保障して頂けたら、話を進めるのにやぶさかではありませんが』と交渉に赴いた使者を丸め込んだらしい。そして喜んで王都に帰った使者がグリフォス王に報告し、国王から『賠償金四千万リランに加えて、王女の持参金一千万リランを支払う』との公式文書を携えて戻って来たから、『それならば賠償金は五年間払い、五千万リランで決定しました』と言い放ったそうだ」
それを聞いたケインの顔が、盛大に引き攣った。
「殿下……。側妃の話は微塵も無しで、賠償金額の上積みだけなど、グリフォス王が素直に了承する筈がないと思われるのですが……」
「当然ラグランジェ側は『話が違う』と猛抗議。こちらは『王女の輿入れの話など、そもそもこちらは要求していない。そちらが勝手に申し出た事。これだけの金額が供出可能と仰るなら、それだけの額を賠償金として払って頂こう』と突っぱねた。と同時に前線で『グリフォス王は十分支払い能力があるのに、賠償金の額を値切って戦闘を無駄に長引かせている』との噂を蔓延させた上、交渉中に密かにラグランジェ国内に大量に入り込ませていた緑騎士隊が、膠着状態に陥った直後に狙いすまして次々と敵の補給線を断って、いやが上にも向こうの厭戦気分を煽った結果、先の結果となった」
「そう言えばどうしてだか、終盤、緑騎士隊の姿が見えないと思っていたが。アルティンの奴、陰でそんな事をしていたのか……」
呆れ気味に呟いた彼の横で、アルティナは(だってあまりにも勝手な言い分にムカついて、あれこれせこせこ頑張ったんだもの)と心の中で弁解した。
「二年前はそれで収束したのだが、腹の虫が収まらなかったグリフォス王は、虎視眈々と機会を狙っていたらしく、国内の貴族と手を結ぶ事にしたらしい。娘を袖にされて逆恨みした連中を陰で操って王太子妃を排除し、その後釜に彼らの後押しで自分の娘を据える。そして娘が息子を産んだら、それを理由に取り上げられたアダラート地方を自国に取り返そうとでも、目論んでいるのだろう」
そう話を締め括ったジェラルドに、ケインが呆れた表情を隠そうともせずに問い返した。
「随分と自分に都合の良過ぎる妄想ですね。しかし公爵達は本当に王太子殿下と妃殿下への怨恨だけで、そんな馬鹿げた企みに賛同したのですか?」
「勿論それ以外にも、金銭や交易での優遇措置、鉱山や港湾の共同開発などの利益を、ちらつかせているのだろうな」
「それにしても、そんなあからさまな利益誘導に乗るとは……」
「因みに、水面下でのその動きが、我々にはっきりと分かる様になってきたのは、この二・三ヶ月の事だ」
(ちょっと待って。それってまさか……)
ここでさり気無くジェラルドが口にした内容に、アルティナは無言のまま反応した。しかしケインは、咄嗟にその言葉の意味に気が付かなかったらしく、不思議そうに問い返す。
「最近ですね。何か理由でもあるんでしょうか?」
「ケイン。時期を聞いて、何か思い当たる事は無いか?」
「そう言われましても、特には……」
真顔で考え込んだケインの隣で椅子に座ったまま、アルティナはここではっきりと顔色を変えた。
(漸く分かった。急に“アルティン”が“死んだ”理由が。ラグランジェ国と繋がって妃殿下を排除するのに、私が邪魔だったからだわ。私がそんなろくでもない企みに乗る筈が無いと考えて、その代わりにタイラスを緑騎士隊隊長の座に押し込もうとしたのよ)
そして首尾良くその状態になっていた場合の危険性を考えた彼女は、敵国への利益誘導を躊躇わないであろう連中の顔を思い浮かべ、膝の上で強く拳を握り締めた。
(緑騎士隊では近衛騎士団の全情報を統括していて、隊長権限でそれは入手し放題。その中には勿論、国境付近の王室直轄領の警備巡視情報も含まれるわ。そんなのがラグランジェ側に筒抜けになったりしたら、目も当てられない。私が目ざわり、かつ孫息子可愛いさで首をすげ替えただけだったら、おとなしく辺境に消えてあげようとも思っていたけど、冗談じゃないわよ! そんな利敵行為を、断じて許せるものですか!!)
もう少しで怒りの声を上げそうだったアルティナだったが、小さく歯ぎしりしてそれを何とか堪え、と同時に、何とか最悪の事態を回避できた事が分かって、密かに安堵の溜め息を吐いた。
(王太子側が王都内での不穏な動きを察知して調査を指示しても、報告を握り潰すか、のらりくらりと先延ばしにしたりするつもりだったんでしょうね。その場合、上級女官の辞職願いの本当の理由も、殿下達には把握できなかった筈だわ。予め段取りを立てておいて、速やかにカーネルに隊長位を継がせる事ができて、本当に良かったわ)
するとここで、ある可能性に思い至ったらしいケインが、呻く様に言い出した。
「殿下……。あのアルティンの性格では、こんなろくでもない企みに荷担するとは到底思えません。まさかそれが原因で、連中に消されたとでも仰るんですか?」
「真実は分からないが、私はそう疑っている」
目の前で両手を組みながら淡々とジェラルドが口にした内容を聞いて、ケインは瞬時に怒りの形相になった。
「あの下素野郎共!! 全員纏めて叩き斬ってやる!!」
「落ち着いて、ケイン! 兄は確かに病死だったわ! 私がちゃんと看取ったのだから、それは確かよ! お願いだから落ち着いて!」
(勘違いして、本当に因縁を付けたりしたら、処分されるのは明らかにケインの方だもの!)
アルティナが思わず立ち上がってケインの腕を掴みつつ訴えると、彼は瞬時に我に返ったらしく、謝罪の言葉を口にした。
「……あ、ああ。そう言えばそうだった。すまない。動揺して、嫌な事を思い出させた」
「いいえ。確かにあのタイミングで兄が亡くなったのは、あの人達にとっては僥倖だったでしょうし」
そこでしみじみとした、ナスリーンの声が割り込む。
「それでもアルティン殿が、自分に万が一の事があった時の手配を抜かりなく整えていてくれて、本当に助かりました」
「ああ。後から父上から話を聞いて、本気で肝が冷えたぞ。もしグリーバス公爵の孫などを新隊長に据えたら、それだけに止まらず、その補佐とかどうにでも名目を付けて、何人も近衛騎士団にねじ込んだだろうしな」
「十分、想像できますね」
「確実にやるな、あの恥知らず共」
「本当に……」
思わずうんざりとした顔を見合わせた面々だったが、ジェラルドが気を取り直して話を進めた。
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