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第2章 魔術師兼女伯爵兼公爵令嬢な日々
17.実践、対応集
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「はじめまして、エリーシア・ランディス・グラード・ファルスです。そちらはご存知なくとも、こちらは皆様の事を存じ上げております。宜しくお願いします」
「あぁら、随分適当な事を言っているようですけど。つまらない見栄を張っても、恥をかくのはそちらなのよ?」
エリーシアが名乗って神妙に頭を下げたが、集団の中心的存在らしい、如何にも気の強そうな金髪の女性がせせら笑った。しかしエリーシはその女性には目もくれず、彼女の斜め後方に立っている女性に、愛想良く声をかける。
「ゾルフ侯爵家のユーリア様ですよね? ミュージア伯爵家に去年嫁がれたお姉様が、最近ご懐妊されたとの事。おめでとうございます」
「まあ、どうしてその事を? はっきり分かったのは先週で、私も三日前に知ったばかりなのに」
予想外の話にユーリアは本気で目を丸くしたが、エリーシアは笑顔のまま話を続けた。
「ミュージア伯爵夫人は、母の遠縁で懇意にされているとか。初孫が生まれると分かって、喜んで知らせてきたみたいですね。母も喜んで、うちの領地で生産しているペール布をお祝いに差し上げるつもりだと言っていました」
「本当に? ファルス公爵領産のペール布は最高級品だから、最高の産着ができるわ! 姉に代わってお礼申し上げます。公爵夫人に宜しくお伝え下さい」
「承りました」
ここで一気に二人の間の空気がなごんだのを見て、先程の女性が顔を赤くし、周囲が唖然とする中、エリーシアはターゲットを隣の女性に移した。
「そちらはダルトン伯爵家のマリゼーラ様ですね? さすがに長年社交界を牽引してきたザウルス侯爵夫人の姪に当たる方なだけあって、流行のドレスの良さと魅力を余す事なく引き出して、とても洗練された着こなしをされていますね。羨ましいですわ」
「……あら、あなた。それなりに物を見る目はありそうね」
誉められて満更でもない表情を見せたマリゼーラに、エリーシアが若干恥ずかしそうに、俯き加減で話を続ける。
「実は、お恥ずかしい話ですが、着慣れないドレスを身に着けても、マリゼーラ様のような洗練された方との差が際立つと思いまして、敢えて流行のタイプのドレスは避けたんですの」
「まあ、身の程をわきまえていると言うのは、大切な事だと思いますわ」
「母も『これからはザウルス侯爵夫人ではなく、若いマリゼーラ嬢が流行の推進役でしょうね』と申しておりましたし、これから色々参考にさせて頂いて宜しいでしょうか?」
「何と言ってもあなたは新興貴族だし、勝手が分からないのは当然でしょうね。勿論、参考にして貰って構わないわよ?」
「ありがとうございます。直接お会いする事ができて、光栄です」
鷹揚に頷いてみせたマリゼーラに、エリーシアが卑屈にならない程度に、笑顔で軽く頭を下げる。
この間も金髪の女性はエリーシアを鋭い目で睨み付けていたが、エリーシアはそれを完全に無視して彼女の前を横切り、更に隣の女性に声をかけた。
「アンゼラ伯爵家のシュレネー様ですか? 確かお兄様が今度、マルドム国の大使に任命されたとか。お若いのにそんな大役を任されるとは、さぞかし優秀な方なんでしょうね。父がそう申しておりました」
「え?」
「何か間違っていましたか?」
途端に怪訝な顔になった相手に、不思議そうにエリーシアが尋ねる。するとシュレネーは慌てて首を振った。
「あ、いいえ、そうではなくて……。内務大臣のファルス公爵が、どうして直属の部下でも無い兄の事を知っているのかと思いまして……」
その当然の疑問を告げた彼女に、エリーシアは愛想良く答えた。
「その事ですか。それは父が自分の直属の部下であろうが無かろうが、優秀だと思う方は評価して目をかけているそうなので」
「そうなのですか?」
「はい。屋敷で雑談の折に、良くお兄様を賞賛する言葉を聞いています。お兄様の他にも何人かの方の家名を、それですっかり覚えてしまいまして」
「そうでしたか……。有能だと評判のファルス公爵に、普段から誉めて頂いていると知ったら、兄が喜びますわ」
自慢の兄を褒められて、すっかり嬉しくなったらしいシュレネーと微笑み合ってから、エリーシアは先程の二人を振り返って穏やかに話しかけた。
「ところで、皆様のパートナーは」
「ちょっと! あなた、何様のつもりよっ!?」
「どうかなさいましたか?」
そこで今まで完璧に無視されていた女性が、エリーシアを怒鳴りつけた。その剣幕にその場の者達は勿論、周囲の者も何事かと顔を向けてくる。しかしそんな事にも気付かないまま、相手は喚き散らした。
「さっきから黙って聞いていれば、私を無視して話を続けて失礼じゃないの!」
「そう言われましても……、どなた様でしょうか?」
事前に確認していた魔術像でしっかり顔と名前を一致させていたにも係わらず、エリーシアは空惚けた。その反応を見た相手が、益々眦を吊り上げる。
「私の事を、知らないとでも言うつもり?」
「全く存じませんので。私は先程名乗りましたから、そちらも名乗って頂けませんか?」
「アンジェス・リルジェ・ルーバンスよ!」
その名前を聞いたエリーシアは、漸く分かったとでも言う様に軽く頷いた。
「ああ、そうすると、ルーバンス公爵家の方ですか。それは存じ上げませんで、申し訳ありませんでした」
「分かれば良いのよ。大体、どこの誰に生ませたか分からない」
「ところでアンジェスさんは、今現在は何番目の御令嬢なんですか?」
「は?」
自分の名前を聞いても、恐れ入るどころか唐突に質問をしてきたエリーシアに、質問の意図が咄嗟に分からなかったアンジェスは戸惑った。そんな彼女に、エリーシアが含み笑いをしながら告げる。
「なんでもルーバンス公爵家は、殆ど見分けの付かない、大して見栄えのしない息子や娘がゴロゴロしている上に、いつの間にかポロポロと子供が増えて、その都度兄弟順が入れ換わると耳にしておりますので。ちょっとした好奇心なのですが」
「なっ……!?」
明らかに父親であるルーバンス公爵の女癖の悪さを皮肉った台詞に、アンジェスは一気に顔を紅潮させた。更に彼女の取り巻き達も笑いを堪えきれなかったのか、「くっ」とか「ふふっ」と言った忍び笑いの声が、広げた扇で隠した口元から漏れる。それを認識したアンジェスは、普段自分にお追従を言っている女達を一睨みしてから、エリーシアに向かって間合いを詰め、勢い良く右手を振り上げた。
「ふざけるんじゃないわよ! 黙っていればいい気になって! この汚らわしい平民風情がっ!!」
そう言いながら勢い良くアンジェスが平手打ちし、エリーシアは全く避けもせずにそれを受けた。そしてはっきりとそれと分かる衝撃音が辺りに響き渡り、更に周囲の耳目を集める結果になる。そして打たれた本人は平然としていたものの、周囲の者は揃って真っ青になった。
「きゃあっ!」
「アンジェス様! なんて事を!!」
「こんな所で、こんな暴挙をなさるなんて!」
夜会の真っ最中のとんでもない修羅場に、シュレネーは真っ青になって固まったが、ユーリアとマリゼーラは果敢にアンジェスの腕を掴んで、彼女をエリーシアから少しだけ遠ざけた。しかしアンジェスは乱暴に二人の手を振りほどき、エリーシアを勢い良く指差しながら喚き立てる。
「煩いわね! この女はろくに力量も無い癖に、陛下に取り入って爵位や王宮専属魔術師の地位を手に入れた曲者よ! 王宮から、今すぐ叩き出してやるわ!」
(ここまでこちらの筋書き通りに、キレてくれるなんてね。相手が迂闊過ぎるのか、筋書きが秀逸なのか……。両方か)
何とか笑い出したいのを堪えながら、エリーシアは小声で短縮させた呪文を呟いた。
「エン・ラル・リー・ファン」
そして先程打たれた時も零れない様に咄嗟に魔術を行使した、この間ずっと手にしていたグラスの中身を、アンジェスの白を基調としたドレスに勢い良くぶちまける。
「きゃあっ!! 何するのよっ!!」
当然の如く、琥珀色の液体は彼女のドレスに無数の薄茶色の染みを作り、アンジェスは怒りの声を上げた。しかしそれに対して、エリーシアが傲岸不遜に言い切る。
「生憎と、黙って殴られる趣味は無いのよ。殴って楽しみたいなら、危ない趣味嗜好の持ち主の、自分の召使い相手にやって頂戴。双方の趣味嗜好が合うなら個人の自由でしょうから、そこまでは止めないわ」
「何ですって!?」
「落ち着いて下さい、アンジェス様!」
「こんな所で乱闘騒ぎなんて、とんでもないですわ!」
憤怒の形相でアンジェスがエリーシアに掴みかかろうとするのを、ユーリアとマリゼーラがその腕を掴んで必死に宥める。その時点で既に彼女達の周囲には人だかりができていたが、その人ごみを掻き分けて、レオンが血相を変えてやって来た。
「何事だ! こんな場で、騒ぎは厳禁だぞ!?」
「王太子殿下!」
そしてレオンの声を聞くなり、アンジェスが嬉々として振り返って彼に駆け寄ったのを見て、(最高のタイミングで来てくれたじゃない。今日は残念王子なんて呼ばないから、安心して良いわよ)とエリーシアは一人密かに、満足げに微笑んだ。
「あぁら、随分適当な事を言っているようですけど。つまらない見栄を張っても、恥をかくのはそちらなのよ?」
エリーシアが名乗って神妙に頭を下げたが、集団の中心的存在らしい、如何にも気の強そうな金髪の女性がせせら笑った。しかしエリーシはその女性には目もくれず、彼女の斜め後方に立っている女性に、愛想良く声をかける。
「ゾルフ侯爵家のユーリア様ですよね? ミュージア伯爵家に去年嫁がれたお姉様が、最近ご懐妊されたとの事。おめでとうございます」
「まあ、どうしてその事を? はっきり分かったのは先週で、私も三日前に知ったばかりなのに」
予想外の話にユーリアは本気で目を丸くしたが、エリーシアは笑顔のまま話を続けた。
「ミュージア伯爵夫人は、母の遠縁で懇意にされているとか。初孫が生まれると分かって、喜んで知らせてきたみたいですね。母も喜んで、うちの領地で生産しているペール布をお祝いに差し上げるつもりだと言っていました」
「本当に? ファルス公爵領産のペール布は最高級品だから、最高の産着ができるわ! 姉に代わってお礼申し上げます。公爵夫人に宜しくお伝え下さい」
「承りました」
ここで一気に二人の間の空気がなごんだのを見て、先程の女性が顔を赤くし、周囲が唖然とする中、エリーシアはターゲットを隣の女性に移した。
「そちらはダルトン伯爵家のマリゼーラ様ですね? さすがに長年社交界を牽引してきたザウルス侯爵夫人の姪に当たる方なだけあって、流行のドレスの良さと魅力を余す事なく引き出して、とても洗練された着こなしをされていますね。羨ましいですわ」
「……あら、あなた。それなりに物を見る目はありそうね」
誉められて満更でもない表情を見せたマリゼーラに、エリーシアが若干恥ずかしそうに、俯き加減で話を続ける。
「実は、お恥ずかしい話ですが、着慣れないドレスを身に着けても、マリゼーラ様のような洗練された方との差が際立つと思いまして、敢えて流行のタイプのドレスは避けたんですの」
「まあ、身の程をわきまえていると言うのは、大切な事だと思いますわ」
「母も『これからはザウルス侯爵夫人ではなく、若いマリゼーラ嬢が流行の推進役でしょうね』と申しておりましたし、これから色々参考にさせて頂いて宜しいでしょうか?」
「何と言ってもあなたは新興貴族だし、勝手が分からないのは当然でしょうね。勿論、参考にして貰って構わないわよ?」
「ありがとうございます。直接お会いする事ができて、光栄です」
鷹揚に頷いてみせたマリゼーラに、エリーシアが卑屈にならない程度に、笑顔で軽く頭を下げる。
この間も金髪の女性はエリーシアを鋭い目で睨み付けていたが、エリーシアはそれを完全に無視して彼女の前を横切り、更に隣の女性に声をかけた。
「アンゼラ伯爵家のシュレネー様ですか? 確かお兄様が今度、マルドム国の大使に任命されたとか。お若いのにそんな大役を任されるとは、さぞかし優秀な方なんでしょうね。父がそう申しておりました」
「え?」
「何か間違っていましたか?」
途端に怪訝な顔になった相手に、不思議そうにエリーシアが尋ねる。するとシュレネーは慌てて首を振った。
「あ、いいえ、そうではなくて……。内務大臣のファルス公爵が、どうして直属の部下でも無い兄の事を知っているのかと思いまして……」
その当然の疑問を告げた彼女に、エリーシアは愛想良く答えた。
「その事ですか。それは父が自分の直属の部下であろうが無かろうが、優秀だと思う方は評価して目をかけているそうなので」
「そうなのですか?」
「はい。屋敷で雑談の折に、良くお兄様を賞賛する言葉を聞いています。お兄様の他にも何人かの方の家名を、それですっかり覚えてしまいまして」
「そうでしたか……。有能だと評判のファルス公爵に、普段から誉めて頂いていると知ったら、兄が喜びますわ」
自慢の兄を褒められて、すっかり嬉しくなったらしいシュレネーと微笑み合ってから、エリーシアは先程の二人を振り返って穏やかに話しかけた。
「ところで、皆様のパートナーは」
「ちょっと! あなた、何様のつもりよっ!?」
「どうかなさいましたか?」
そこで今まで完璧に無視されていた女性が、エリーシアを怒鳴りつけた。その剣幕にその場の者達は勿論、周囲の者も何事かと顔を向けてくる。しかしそんな事にも気付かないまま、相手は喚き散らした。
「さっきから黙って聞いていれば、私を無視して話を続けて失礼じゃないの!」
「そう言われましても……、どなた様でしょうか?」
事前に確認していた魔術像でしっかり顔と名前を一致させていたにも係わらず、エリーシアは空惚けた。その反応を見た相手が、益々眦を吊り上げる。
「私の事を、知らないとでも言うつもり?」
「全く存じませんので。私は先程名乗りましたから、そちらも名乗って頂けませんか?」
「アンジェス・リルジェ・ルーバンスよ!」
その名前を聞いたエリーシアは、漸く分かったとでも言う様に軽く頷いた。
「ああ、そうすると、ルーバンス公爵家の方ですか。それは存じ上げませんで、申し訳ありませんでした」
「分かれば良いのよ。大体、どこの誰に生ませたか分からない」
「ところでアンジェスさんは、今現在は何番目の御令嬢なんですか?」
「は?」
自分の名前を聞いても、恐れ入るどころか唐突に質問をしてきたエリーシアに、質問の意図が咄嗟に分からなかったアンジェスは戸惑った。そんな彼女に、エリーシアが含み笑いをしながら告げる。
「なんでもルーバンス公爵家は、殆ど見分けの付かない、大して見栄えのしない息子や娘がゴロゴロしている上に、いつの間にかポロポロと子供が増えて、その都度兄弟順が入れ換わると耳にしておりますので。ちょっとした好奇心なのですが」
「なっ……!?」
明らかに父親であるルーバンス公爵の女癖の悪さを皮肉った台詞に、アンジェスは一気に顔を紅潮させた。更に彼女の取り巻き達も笑いを堪えきれなかったのか、「くっ」とか「ふふっ」と言った忍び笑いの声が、広げた扇で隠した口元から漏れる。それを認識したアンジェスは、普段自分にお追従を言っている女達を一睨みしてから、エリーシアに向かって間合いを詰め、勢い良く右手を振り上げた。
「ふざけるんじゃないわよ! 黙っていればいい気になって! この汚らわしい平民風情がっ!!」
そう言いながら勢い良くアンジェスが平手打ちし、エリーシアは全く避けもせずにそれを受けた。そしてはっきりとそれと分かる衝撃音が辺りに響き渡り、更に周囲の耳目を集める結果になる。そして打たれた本人は平然としていたものの、周囲の者は揃って真っ青になった。
「きゃあっ!」
「アンジェス様! なんて事を!!」
「こんな所で、こんな暴挙をなさるなんて!」
夜会の真っ最中のとんでもない修羅場に、シュレネーは真っ青になって固まったが、ユーリアとマリゼーラは果敢にアンジェスの腕を掴んで、彼女をエリーシアから少しだけ遠ざけた。しかしアンジェスは乱暴に二人の手を振りほどき、エリーシアを勢い良く指差しながら喚き立てる。
「煩いわね! この女はろくに力量も無い癖に、陛下に取り入って爵位や王宮専属魔術師の地位を手に入れた曲者よ! 王宮から、今すぐ叩き出してやるわ!」
(ここまでこちらの筋書き通りに、キレてくれるなんてね。相手が迂闊過ぎるのか、筋書きが秀逸なのか……。両方か)
何とか笑い出したいのを堪えながら、エリーシアは小声で短縮させた呪文を呟いた。
「エン・ラル・リー・ファン」
そして先程打たれた時も零れない様に咄嗟に魔術を行使した、この間ずっと手にしていたグラスの中身を、アンジェスの白を基調としたドレスに勢い良くぶちまける。
「きゃあっ!! 何するのよっ!!」
当然の如く、琥珀色の液体は彼女のドレスに無数の薄茶色の染みを作り、アンジェスは怒りの声を上げた。しかしそれに対して、エリーシアが傲岸不遜に言い切る。
「生憎と、黙って殴られる趣味は無いのよ。殴って楽しみたいなら、危ない趣味嗜好の持ち主の、自分の召使い相手にやって頂戴。双方の趣味嗜好が合うなら個人の自由でしょうから、そこまでは止めないわ」
「何ですって!?」
「落ち着いて下さい、アンジェス様!」
「こんな所で乱闘騒ぎなんて、とんでもないですわ!」
憤怒の形相でアンジェスがエリーシアに掴みかかろうとするのを、ユーリアとマリゼーラがその腕を掴んで必死に宥める。その時点で既に彼女達の周囲には人だかりができていたが、その人ごみを掻き分けて、レオンが血相を変えてやって来た。
「何事だ! こんな場で、騒ぎは厳禁だぞ!?」
「王太子殿下!」
そしてレオンの声を聞くなり、アンジェスが嬉々として振り返って彼に駆け寄ったのを見て、(最高のタイミングで来てくれたじゃない。今日は残念王子なんて呼ばないから、安心して良いわよ)とエリーシアは一人密かに、満足げに微笑んだ。
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