6 / 68
第1章 エリーシアの素性
5.驚愕の真実
しおりを挟む
「仕事中、急に呼び出して申し訳ありません、エリーシア」
「いえ王妃様、それは構いませんが、どの様なご用件でしょうか?」
「ミレーヌ、さっさと話を進めろ」
(何? 王妃様に対して、この尊大な態度の男は)
急いで出向いた先で、いつも通り泰然と微笑んでいるミレーヌに出迎えられたエリーシアだったが、いつもとは異なる光景に僅かに眉を顰めた。王妃であるミレーヌを呼び捨てにした上、横柄に催促じみた台詞を吐いた中年男に反感を覚えたが、ミレーヌと同じ金髪に紫色の瞳を持つ人物で有った為、ある可能性を考えて口を噤む。するとミレーヌは、エリーシアの予想通りの説明をしてきた。
「こちらは、私の兄のロナルド・ヴァルム・ルーバンス公爵です。シェリルのお披露目の夜会にも、この前の陛下の即位二十周年記念舞踏会にも出席していましたが、きちんと紹介をした事がありませんでしたから、顔を知らなくても当然ですね」
その説明にエリーシアは色々思うところはあったものの、礼を逸してはならないと自分に言い聞かせながら、神妙に頭を下げた。
「そうでしたか。失礼致しました。エリーシア・グラードです。以後、お見知りおき下さい」
(でも一体、どういう事? ミレーヌ様がわざわざ自室に私を呼び付けて、自分の兄を紹介する理由が全く分からないんだけど?)
しかしそんな疑問は、目の前の男が口にした台詞で瞬時に消え去った。
「そんな他人行儀な事を言うな。私達はれっきとした父娘なんだからな!」
「はぁ?」
(何? 頭おかしいの? このオッサン)
当惑したあまり、結構失礼な事を考えてしまったエリーシアだったが、ミレーヌはそんな彼女の内心を読んだかの様に、溜め息を吐きながら一枚の用紙を差し出してくる。
「エリーシア、あなたが戸惑うのも当然ですが、実は先程、兄がこういう物を持参したのです」
「……拝見します」
用紙を恭しく受け取り、そこに記載された内容を確認したエリーシアは、思わず目を見張った。
《この度、私ロナルド・ヴァルム・ルーバンスは、庶子であるエリーシア・マルリーがアーデン・グラードと養子縁組する事を承認する。尚、それに伴い、今後一切エリーシア・マルリーに関しての養育義務、損害賠償義務を負わない事、更にエリーシア・マルリーに関する権利一切を放棄する事を、養親たるアーデン・グラードと共に確認し、ここに記しておくものとする。》
そんな文面の後にそれを作成したと思われる日付と、目の前の公爵と亡き養父のサインを確認したエリーシアはゆっくりとした動作で顔を上げ、半ば呆然としながら呟いた。
「……こんな物が存在していたとは、全く知りませんでした」
「ええ、私も、今の今まで存じませんでした。知っていれば叔母として、以前からあなたにきちんとした後見なり、援助なりをしていたものを」
「そんな! ミレーヌ様が気になさる事ではありませんから」
女二人でしみじみとそんな会話を交わしていると、その場の微妙過ぎる空気を全く読めなかったらしいロナルドが、感極まった声で両手を広げつつエリーシアに宣言してきた。
「そういう事なんだ。さあ、エリーシア。遠慮なく私の事は『父上』と呼んでくれたまえ。妻も喜んで君を我が家に迎え入れると言っているから、何も心配しなくて良いぞ! 女には領地運営など荷が重いだろうから、君の領地も我が家でしっかり管理運営してあげるから、安心したまえ!」
そんな身勝手な事を言った挙句、腰に手を当てて「うわははは」と高笑いしたロナルドにエリーシアは白い目を向け、ミレーヌはそんな兄から視線を逸らして、疲れた様に溜め息を吐いた。
「……ミレーヌ様」
「何でしょうか?」
「この屑野郎を、窓の外の庭園に放り出して構いませんか?」
「え?」
心底嫌そうな表情で吐き捨てたエリーシアに、ロナルドが戸惑った顔になった。しかしミレーヌは躊躇う事無く、その暴挙に許可を出す。
「私の兄だからと言って、遠慮は無用です。そこの庭園と言わず、王宮の外まで放り出してしまいなさい。私が許可します」
「は? おい、ミレーヌ」
ロナルドの困惑など物ともせず、エリーシアはミレーヌに向かって一礼してから、嫌な事はさっさと片付けたいとばかりに、いつもの五割増しのスピードで呪文を唱えた。
「それでは、お言葉に甘えさせて頂きます。リュー・レント・ミュルス・ド・グウェリィン!!」
「え? 私はお前の父親で、王妃の兄で……、ちょっと待っ、う、うわぁぁぁぁっ!!」
慌てて弁解しようとしたロナルドだったが、瞬時に発生した小型の竜巻に体を封じ込められ、室内に被害が出ない様に注意して窓まで移動させられた後は、空高く竜巻ごと舞い上がってすぐに姿が見えなくなった。それを忌々しげな表情でエリーシアが見送っていると、背後から如何にも申し訳なさそうに声がかけられる。
「見苦しい物を見せてしまいましたね」
「いえ……、確かに今のは、シェリルの身元が判明した時以上の衝撃でしたが……」
エリーシアは慌ててミレーヌの方に向き直って宥めようとしたが、咄嗟に何と言えば良いか分からなくなった。部屋の壁際に控えていてこれまでのやり取りを見ていた王妃付きの侍女達も、驚きと困惑の表情を顔に張り付けて固まっている。そんな重い空気の中、珍しくミレーヌが愚痴っぽく呟いた。
「本当に、我が兄ながら、これまでのあれこれで性根の腐り具合が半端ではない事は分かっていたつもりでしたが……。後何人隠し子が出てくれば終わりになるのか、全く見当が付かないわ」
「まさか、他にも隠し子がいらっしゃるとか?」
思わず口を挟んでしまったエリーシアだったが、どうやらミレーヌは無意識に口に出していたらしく、それに気が付いて苦笑いの表情になった。
「魔術師棟に戻ったら、副魔術師長のガルスト殿にこの事を話した上で、《右鷲会》の事を尋ねてご覧なさい。申し訳ないけど精神的に疲れたので、私の口から詳細を説明するのは勘弁して貰えますか?」
「……分かりました。そうさせて貰います」
(何が何やらさっぱりだけど、本当にミレーヌ様がお疲れの様だし、後でガルストさんに聞いてみよう)
そう決心して頷いたエリーシアが退出のタイミングを計っていると、控え目なノックの音に続いてドアから侍女が顔を出し、ミレーヌに新たな来客を告げた。
「王妃様、ファルス公爵がお見えになりました」
「こちらにお通しして頂戴」
「畏まりました」
「あの、それでは私は、これで失礼します」
ちょうど良かったと思いながら頭を下げたエリーシアだったが、ここでミレーヌが彼女を引き止めてきた。
「待って下さい、エリーシア。これからファルス公爵とあなたに係わる話をするので、同席して欲しいのです。あまり長くはならないと思いますから」
「そうですか? 分かりました」
詳細を尋ねる事無く、勧められるまま椅子に座ったエリーシアは、無言で考えを巡らせた。
(何事かしら? 私では無く、未公表のままだけど実の叔父と姪の関係に当たるシェリルなら、何となく分かるけど)
しかし全く予測が付かないまま、彼女はファルス公爵と顔を合わせる事となった。
「いえ王妃様、それは構いませんが、どの様なご用件でしょうか?」
「ミレーヌ、さっさと話を進めろ」
(何? 王妃様に対して、この尊大な態度の男は)
急いで出向いた先で、いつも通り泰然と微笑んでいるミレーヌに出迎えられたエリーシアだったが、いつもとは異なる光景に僅かに眉を顰めた。王妃であるミレーヌを呼び捨てにした上、横柄に催促じみた台詞を吐いた中年男に反感を覚えたが、ミレーヌと同じ金髪に紫色の瞳を持つ人物で有った為、ある可能性を考えて口を噤む。するとミレーヌは、エリーシアの予想通りの説明をしてきた。
「こちらは、私の兄のロナルド・ヴァルム・ルーバンス公爵です。シェリルのお披露目の夜会にも、この前の陛下の即位二十周年記念舞踏会にも出席していましたが、きちんと紹介をした事がありませんでしたから、顔を知らなくても当然ですね」
その説明にエリーシアは色々思うところはあったものの、礼を逸してはならないと自分に言い聞かせながら、神妙に頭を下げた。
「そうでしたか。失礼致しました。エリーシア・グラードです。以後、お見知りおき下さい」
(でも一体、どういう事? ミレーヌ様がわざわざ自室に私を呼び付けて、自分の兄を紹介する理由が全く分からないんだけど?)
しかしそんな疑問は、目の前の男が口にした台詞で瞬時に消え去った。
「そんな他人行儀な事を言うな。私達はれっきとした父娘なんだからな!」
「はぁ?」
(何? 頭おかしいの? このオッサン)
当惑したあまり、結構失礼な事を考えてしまったエリーシアだったが、ミレーヌはそんな彼女の内心を読んだかの様に、溜め息を吐きながら一枚の用紙を差し出してくる。
「エリーシア、あなたが戸惑うのも当然ですが、実は先程、兄がこういう物を持参したのです」
「……拝見します」
用紙を恭しく受け取り、そこに記載された内容を確認したエリーシアは、思わず目を見張った。
《この度、私ロナルド・ヴァルム・ルーバンスは、庶子であるエリーシア・マルリーがアーデン・グラードと養子縁組する事を承認する。尚、それに伴い、今後一切エリーシア・マルリーに関しての養育義務、損害賠償義務を負わない事、更にエリーシア・マルリーに関する権利一切を放棄する事を、養親たるアーデン・グラードと共に確認し、ここに記しておくものとする。》
そんな文面の後にそれを作成したと思われる日付と、目の前の公爵と亡き養父のサインを確認したエリーシアはゆっくりとした動作で顔を上げ、半ば呆然としながら呟いた。
「……こんな物が存在していたとは、全く知りませんでした」
「ええ、私も、今の今まで存じませんでした。知っていれば叔母として、以前からあなたにきちんとした後見なり、援助なりをしていたものを」
「そんな! ミレーヌ様が気になさる事ではありませんから」
女二人でしみじみとそんな会話を交わしていると、その場の微妙過ぎる空気を全く読めなかったらしいロナルドが、感極まった声で両手を広げつつエリーシアに宣言してきた。
「そういう事なんだ。さあ、エリーシア。遠慮なく私の事は『父上』と呼んでくれたまえ。妻も喜んで君を我が家に迎え入れると言っているから、何も心配しなくて良いぞ! 女には領地運営など荷が重いだろうから、君の領地も我が家でしっかり管理運営してあげるから、安心したまえ!」
そんな身勝手な事を言った挙句、腰に手を当てて「うわははは」と高笑いしたロナルドにエリーシアは白い目を向け、ミレーヌはそんな兄から視線を逸らして、疲れた様に溜め息を吐いた。
「……ミレーヌ様」
「何でしょうか?」
「この屑野郎を、窓の外の庭園に放り出して構いませんか?」
「え?」
心底嫌そうな表情で吐き捨てたエリーシアに、ロナルドが戸惑った顔になった。しかしミレーヌは躊躇う事無く、その暴挙に許可を出す。
「私の兄だからと言って、遠慮は無用です。そこの庭園と言わず、王宮の外まで放り出してしまいなさい。私が許可します」
「は? おい、ミレーヌ」
ロナルドの困惑など物ともせず、エリーシアはミレーヌに向かって一礼してから、嫌な事はさっさと片付けたいとばかりに、いつもの五割増しのスピードで呪文を唱えた。
「それでは、お言葉に甘えさせて頂きます。リュー・レント・ミュルス・ド・グウェリィン!!」
「え? 私はお前の父親で、王妃の兄で……、ちょっと待っ、う、うわぁぁぁぁっ!!」
慌てて弁解しようとしたロナルドだったが、瞬時に発生した小型の竜巻に体を封じ込められ、室内に被害が出ない様に注意して窓まで移動させられた後は、空高く竜巻ごと舞い上がってすぐに姿が見えなくなった。それを忌々しげな表情でエリーシアが見送っていると、背後から如何にも申し訳なさそうに声がかけられる。
「見苦しい物を見せてしまいましたね」
「いえ……、確かに今のは、シェリルの身元が判明した時以上の衝撃でしたが……」
エリーシアは慌ててミレーヌの方に向き直って宥めようとしたが、咄嗟に何と言えば良いか分からなくなった。部屋の壁際に控えていてこれまでのやり取りを見ていた王妃付きの侍女達も、驚きと困惑の表情を顔に張り付けて固まっている。そんな重い空気の中、珍しくミレーヌが愚痴っぽく呟いた。
「本当に、我が兄ながら、これまでのあれこれで性根の腐り具合が半端ではない事は分かっていたつもりでしたが……。後何人隠し子が出てくれば終わりになるのか、全く見当が付かないわ」
「まさか、他にも隠し子がいらっしゃるとか?」
思わず口を挟んでしまったエリーシアだったが、どうやらミレーヌは無意識に口に出していたらしく、それに気が付いて苦笑いの表情になった。
「魔術師棟に戻ったら、副魔術師長のガルスト殿にこの事を話した上で、《右鷲会》の事を尋ねてご覧なさい。申し訳ないけど精神的に疲れたので、私の口から詳細を説明するのは勘弁して貰えますか?」
「……分かりました。そうさせて貰います」
(何が何やらさっぱりだけど、本当にミレーヌ様がお疲れの様だし、後でガルストさんに聞いてみよう)
そう決心して頷いたエリーシアが退出のタイミングを計っていると、控え目なノックの音に続いてドアから侍女が顔を出し、ミレーヌに新たな来客を告げた。
「王妃様、ファルス公爵がお見えになりました」
「こちらにお通しして頂戴」
「畏まりました」
「あの、それでは私は、これで失礼します」
ちょうど良かったと思いながら頭を下げたエリーシアだったが、ここでミレーヌが彼女を引き止めてきた。
「待って下さい、エリーシア。これからファルス公爵とあなたに係わる話をするので、同席して欲しいのです。あまり長くはならないと思いますから」
「そうですか? 分かりました」
詳細を尋ねる事無く、勧められるまま椅子に座ったエリーシアは、無言で考えを巡らせた。
(何事かしら? 私では無く、未公表のままだけど実の叔父と姪の関係に当たるシェリルなら、何となく分かるけど)
しかし全く予測が付かないまま、彼女はファルス公爵と顔を合わせる事となった。
9
お気に入りに追加
265
あなたにおすすめの小説
人質姫と忘れんぼ王子
雪野 結莉
恋愛
何故か、同じ親から生まれた姉妹のはずなのに、第二王女の私は冷遇され、第一王女のお姉様ばかりが可愛がられる。
やりたいことすらやらせてもらえず、諦めた人生を送っていたが、戦争に負けてお金の為に私は売られることとなった。
お姉様は悠々と今まで通りの生活を送るのに…。
初めて投稿します。
書きたいシーンがあり、そのために書き始めました。
初めての投稿のため、何度も改稿するかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。
小説家になろう様にも掲載しております。
読んでくださった方が、表紙を作ってくださいました。
新○文庫風に作ったそうです。
気に入っています(╹◡╹)
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
子育てが落ち着いた20年目の結婚記念日……「離縁よ!離縁!」私は屋敷を飛び出しました。
さくしゃ
恋愛
アーリントン王国の片隅にあるバーンズ男爵領では、6人の子育てが落ち着いた領主夫人のエミリアと領主のヴァーンズは20回目の結婚記念日を迎えていた。
忙しい子育てと政務にすれ違いの生活を送っていた二人は、久しぶりに二人だけで食事をすることに。
「はぁ……盛り上がりすぎて7人目なんて言われたらどうしよう……いいえ!いっそのことあと5人くらい!」
気合いを入れるエミリアは侍女の案内でヴァーンズが待つ食堂へ。しかし、
「信じられない!離縁よ!離縁!」
深夜2時、エミリアは怒りを露わに屋敷を飛び出していった。自室に「実家へ帰らせていただきます!」という書き置きを残して。
結婚20年目にして離婚の危機……果たしてその結末は!?

思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる