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第3章 蠢く陰謀
23.王都からの来訪者
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戦場とはいえ、朝食の支度がそろそろ整うという様な、どうしても気の緩みがちな時間帯。自軍の中でも一際大きく豪華な天幕の中の雰囲気は、外を行き交っている兵士達が漂わせているどこかのんびりとした空気とは裏腹に、緊迫しきっていた。
「……あのボケナスが。どこまで迷惑をかける気だ」
ギリッと歯軋りをしながら我知らず呟いたジェリドに、本気で生命の危機を覚えながら、今現在不本意ながら王太子の身代わり役になっている近衛兵が、恐る恐るお伺いを立てた。
「あ、あのっ、わ、私はどうすれば……」
しかしその問いかけは、上官にこれ以上はないという位に冷たくぶった切られる。
「暫く、そのままでいろ。当然だろうが」
「そんな、司令官! 俺は昨日、居並ぶ方々の前で、いつばれるかと肝を潰していたんですが!?」
「皆揃って、騙されてただろう? 声までレオンそっくりに変えてあるからな。ちょっとやそっとで、ばれる筈は無い」
「そう言われましても!」
涙目で言い募ろうとした部下に、ジェリドが忌々しげに言い聞かせる。
「旗頭のくせに、勝手に持ち場を離れた挙句、戦場で行方不明になったなど公表してみろ。軍内の動揺を誘う上、レオンの奴の王太子としての資質を問う声が出かねん。万が一、レストン国側に捕まったりしたら最悪だ」
「今の発言は、レオン殿下の立場を慮っておられる様に聞こえますが、内実は王太子不在を公表すれば、己の監督責任も問われかねないから、真っ平御免とも聞こえますね」
「……誰だ」
唐突に第三者の声が割り込んできた為、素早く剣を抜いて声のした方を振り向いたジェリドは勿論、ほんの数瞬前まで上司に泣き言を漏らしていた兵士も、顔付きを険しくして振り返った。するとそこにいつの間にか存在していた男性が、落ち着き払った動作で挨拶してくる。
「お久しぶりです、モンテラード司令官」
そうして一礼した男を見て、ジェリドは不審な顔をしながらも、取り敢えず剣を鞘に収めた。
「ファルス公爵?」
「こんな本陣のど真ん中に、しかも朝っぱらからどうやって?」
二人揃って疑惑の眼差しで見詰めてきた為、アルテスは苦笑いしながら説明した。
「我が家子飼いの魔術師に、こういう方面に長じている者が居まして、彼に手伝って貰いました。ここの天幕の周囲にも、防音防壁を張って貰っていますから、話が外に漏れる心配はありません。忍び込むなら夜、といった固定観念があるのか、あちこちの見回りや防御結界に手抜きが見られると彼が言っていました」
冷静にそんな事を言われてしまったジェリドは、こめかみに青筋を浮かび上がらせながらも、表面上は穏やかに応じる。
「それはそれは。ご指摘、ありがとうございます。今後の部下の指導の参考にさせて頂きます。しかしその魔術師は、是非とも王宮で専属魔術師として抱えたい人材ですね」
ジェリドの様子を窺い見た部下は、(後から絶対、警備担当者が締め上げられる)と肝を潰したが、アルテスは淡々と話を続けた。
「私も勧めたのですが、生憎と我が家以外に仕官するつもりはないそうです」
「それは残念です。ところで、公爵自らこちらに秘密裏に出向いた訳をお聞きしたい」
「それはこういう訳です。追って、王都から通達が届くと思いますが」
「拝見します」
アルテスが懐から取り出した、折り畳まれた何枚かの書類に目を走らせたジェリドは、一通り内容を確認してから、それはそれは獰猛に笑った。
「……これはこれは。なるほど。良く分かりました。現状とも一致します」
それを聞いたアルテスは、ほぼ正確に状況を悟った。
「そうなると、一足遅かったですか」
「確かに今現在、ご令嬢が所属している部隊が行方不明です。しかも王太子が同行しているおまけ付きです」
そこまで話を聞いたアルテスは、はっきりと顔を顰めた。
「それは随分また、面倒な事に。先程耳にした替え玉云々の話も相当問題だと思いましたが、まさかエリーシアと一緒だとは……」
「確かにそうですが、逆に言えばレストン国側に掴まっていれば、嬉々として交渉して来る筈ですので、今の所は無事かと」
「成程。確かにそうですね」
ジェリドの指摘を受けて頷いたアルテスは、それ以上時間を無駄にはしなかった。
「そうなれば、早速行動に移ります。国王陛下と近衛軍総司令官閣下からの許可証も頂いてきましたので、こちらをご覧下さい」
それも受け取ってざっと目を走らせたジェリドが、すぐに頷いて傍らの折り畳み式のテーブルに手を伸ばし、そこに乗せてあった紙とペンを取り上げながら応じる。
「了解しました。私からも一筆、書いておきましょう」
「ありがとうございます」
そしてサラサラと何事かを書き付けたジェリドは、改めて先程の書類が発行された日付を確認して、半ば呆れ気味に確認を入れた。
「しかしこの日付。本当に王都からここまで、三日でいらしたんですか?」
「ええ。少々無茶をしましたが」
「しかも、単騎で出向くような愚かな真似はなさらないでしょうし……。この許可証とその機動力がおありなら、わざわざこちらに顔を見せずとも、直接出向いても宜しかったのでは?」
「勿論それは考えましたし、現に目立たない様に少し離れた場所に我が家の私兵を待機させてありますが、やはり現場指揮官の指示を予め頂いておかないと、後々拙いかと」
思わせぶりにそんな事を言ってきたアルテスに、ジェリドは薄く笑った。
「私の面子まで慮って頂いて、ありがとうございます。それではどうぞ、ご存分に。腐った奴らは引き受けておきます」
「宜しくお願いします」
「公爵の部隊の存在は、当面秘密にしておきます。補給の方は?」
「ご心配なく」
「それではこちらをご覧下さい」
そう言ってジェリドとアルテスは、広げた地図で確認しながらテキパキと情報交換を済ませた。
「取り敢えず、これが現時点で分かっている情報です」
「助かります。これで十分です」
「それではお気をつけて」
本心からそう声をかけたジェリドに、アルテスは無言で一礼して天幕の裾の部分を捲って、外に出て行った。呆れた事に周囲を警備していたり、行き交っている兵士達から彼を誰何する様な声は全く上がらず、彼が易々と自軍の外まで抜け出たであろう事が、ジェリドには分かった。
「全く、一から警備状況を見直す必要がありそうだな」
「司令官……」
忌々しげに呟いたジェリドに、先程までとは別の意味で顔を青ざめさせた部下が、小声で声をかける。それにジェリドは楽しそうに笑いながら、明るく言い聞かせた。
「あの指令書は、お前も横目で見てたな? そういう訳だから、気合入れて替え玉やっとけ。報酬は、後で王家からたんまり分捕ってやる」
「分かりました。務めさせて頂きます」
強張った顔付きながら力強く頷いた部下に、満足そうに頷いてから、ジェリドは足早に天幕の外へ出て、大声で伝令役の名前を呼ばわった。
「よし、作戦会議をやるぞ! ニーフェス! ダレン! 各部隊長を招集! 大至急だ!」
その指示に周囲が慌ただしく走り回り、弛緩した空気は綺麗に消し飛んだ。
「……あのボケナスが。どこまで迷惑をかける気だ」
ギリッと歯軋りをしながら我知らず呟いたジェリドに、本気で生命の危機を覚えながら、今現在不本意ながら王太子の身代わり役になっている近衛兵が、恐る恐るお伺いを立てた。
「あ、あのっ、わ、私はどうすれば……」
しかしその問いかけは、上官にこれ以上はないという位に冷たくぶった切られる。
「暫く、そのままでいろ。当然だろうが」
「そんな、司令官! 俺は昨日、居並ぶ方々の前で、いつばれるかと肝を潰していたんですが!?」
「皆揃って、騙されてただろう? 声までレオンそっくりに変えてあるからな。ちょっとやそっとで、ばれる筈は無い」
「そう言われましても!」
涙目で言い募ろうとした部下に、ジェリドが忌々しげに言い聞かせる。
「旗頭のくせに、勝手に持ち場を離れた挙句、戦場で行方不明になったなど公表してみろ。軍内の動揺を誘う上、レオンの奴の王太子としての資質を問う声が出かねん。万が一、レストン国側に捕まったりしたら最悪だ」
「今の発言は、レオン殿下の立場を慮っておられる様に聞こえますが、内実は王太子不在を公表すれば、己の監督責任も問われかねないから、真っ平御免とも聞こえますね」
「……誰だ」
唐突に第三者の声が割り込んできた為、素早く剣を抜いて声のした方を振り向いたジェリドは勿論、ほんの数瞬前まで上司に泣き言を漏らしていた兵士も、顔付きを険しくして振り返った。するとそこにいつの間にか存在していた男性が、落ち着き払った動作で挨拶してくる。
「お久しぶりです、モンテラード司令官」
そうして一礼した男を見て、ジェリドは不審な顔をしながらも、取り敢えず剣を鞘に収めた。
「ファルス公爵?」
「こんな本陣のど真ん中に、しかも朝っぱらからどうやって?」
二人揃って疑惑の眼差しで見詰めてきた為、アルテスは苦笑いしながら説明した。
「我が家子飼いの魔術師に、こういう方面に長じている者が居まして、彼に手伝って貰いました。ここの天幕の周囲にも、防音防壁を張って貰っていますから、話が外に漏れる心配はありません。忍び込むなら夜、といった固定観念があるのか、あちこちの見回りや防御結界に手抜きが見られると彼が言っていました」
冷静にそんな事を言われてしまったジェリドは、こめかみに青筋を浮かび上がらせながらも、表面上は穏やかに応じる。
「それはそれは。ご指摘、ありがとうございます。今後の部下の指導の参考にさせて頂きます。しかしその魔術師は、是非とも王宮で専属魔術師として抱えたい人材ですね」
ジェリドの様子を窺い見た部下は、(後から絶対、警備担当者が締め上げられる)と肝を潰したが、アルテスは淡々と話を続けた。
「私も勧めたのですが、生憎と我が家以外に仕官するつもりはないそうです」
「それは残念です。ところで、公爵自らこちらに秘密裏に出向いた訳をお聞きしたい」
「それはこういう訳です。追って、王都から通達が届くと思いますが」
「拝見します」
アルテスが懐から取り出した、折り畳まれた何枚かの書類に目を走らせたジェリドは、一通り内容を確認してから、それはそれは獰猛に笑った。
「……これはこれは。なるほど。良く分かりました。現状とも一致します」
それを聞いたアルテスは、ほぼ正確に状況を悟った。
「そうなると、一足遅かったですか」
「確かに今現在、ご令嬢が所属している部隊が行方不明です。しかも王太子が同行しているおまけ付きです」
そこまで話を聞いたアルテスは、はっきりと顔を顰めた。
「それは随分また、面倒な事に。先程耳にした替え玉云々の話も相当問題だと思いましたが、まさかエリーシアと一緒だとは……」
「確かにそうですが、逆に言えばレストン国側に掴まっていれば、嬉々として交渉して来る筈ですので、今の所は無事かと」
「成程。確かにそうですね」
ジェリドの指摘を受けて頷いたアルテスは、それ以上時間を無駄にはしなかった。
「そうなれば、早速行動に移ります。国王陛下と近衛軍総司令官閣下からの許可証も頂いてきましたので、こちらをご覧下さい」
それも受け取ってざっと目を走らせたジェリドが、すぐに頷いて傍らの折り畳み式のテーブルに手を伸ばし、そこに乗せてあった紙とペンを取り上げながら応じる。
「了解しました。私からも一筆、書いておきましょう」
「ありがとうございます」
そしてサラサラと何事かを書き付けたジェリドは、改めて先程の書類が発行された日付を確認して、半ば呆れ気味に確認を入れた。
「しかしこの日付。本当に王都からここまで、三日でいらしたんですか?」
「ええ。少々無茶をしましたが」
「しかも、単騎で出向くような愚かな真似はなさらないでしょうし……。この許可証とその機動力がおありなら、わざわざこちらに顔を見せずとも、直接出向いても宜しかったのでは?」
「勿論それは考えましたし、現に目立たない様に少し離れた場所に我が家の私兵を待機させてありますが、やはり現場指揮官の指示を予め頂いておかないと、後々拙いかと」
思わせぶりにそんな事を言ってきたアルテスに、ジェリドは薄く笑った。
「私の面子まで慮って頂いて、ありがとうございます。それではどうぞ、ご存分に。腐った奴らは引き受けておきます」
「宜しくお願いします」
「公爵の部隊の存在は、当面秘密にしておきます。補給の方は?」
「ご心配なく」
「それではこちらをご覧下さい」
そう言ってジェリドとアルテスは、広げた地図で確認しながらテキパキと情報交換を済ませた。
「取り敢えず、これが現時点で分かっている情報です」
「助かります。これで十分です」
「それではお気をつけて」
本心からそう声をかけたジェリドに、アルテスは無言で一礼して天幕の裾の部分を捲って、外に出て行った。呆れた事に周囲を警備していたり、行き交っている兵士達から彼を誰何する様な声は全く上がらず、彼が易々と自軍の外まで抜け出たであろう事が、ジェリドには分かった。
「全く、一から警備状況を見直す必要がありそうだな」
「司令官……」
忌々しげに呟いたジェリドに、先程までとは別の意味で顔を青ざめさせた部下が、小声で声をかける。それにジェリドは楽しそうに笑いながら、明るく言い聞かせた。
「あの指令書は、お前も横目で見てたな? そういう訳だから、気合入れて替え玉やっとけ。報酬は、後で王家からたんまり分捕ってやる」
「分かりました。務めさせて頂きます」
強張った顔付きながら力強く頷いた部下に、満足そうに頷いてから、ジェリドは足早に天幕の外へ出て、大声で伝令役の名前を呼ばわった。
「よし、作戦会議をやるぞ! ニーフェス! ダレン! 各部隊長を招集! 大至急だ!」
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