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二月
4.美子のそそのかし
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それからケーキを食べつつ再び問い質したものの、城崎は頑として口を割らず、日中とは種類の異なるモヤモヤを抱えたまま美幸は帰宅した。
いつもの様に姉達と食卓を囲んで夕飯を食べ始めた美幸だったが、美野から由香に関して尋ねられた為、渋い顔をしながら日中の事を一通り語って聞かせる。
「あらあら。また面倒そうな人が、美幸の職場に入って来たこと」
「蜂谷さんの時も大変だったのに、災難ね」
「うちに関する人事の噂が、また法務部まで伝わっているなんて……」
姉達に呆れかえった顔で感想を述べられて、美幸は箸を手にしたままがっくりと項垂れた。すると美野が、精一杯慰めてくる。
「それだけ美幸の職場は、社内でも注目されているって事でしょう? でも最初の頃の蜂谷さんみたいに、全然使えないってわけじゃ無くて、良かったじゃない」
「うん……、まあ、ね。だけど、なんかなぁ……。変にプライド高そうって言うか、腹に一物も二物もありそうって言うか……。うぅ~、すっきりしない!」
不満を口にして再び勢い良く食べ始めた美幸を見て、美野が溜め息を吐いてから言い聞かせた。
「義理チョコの事は、それはそれで仕方ないじゃない。イベントに絡めて職場の雰囲気を良くしたいって気持ちも分かるけど、同僚間の連帯感を損なわせちゃ本末転倒よ?」
「それは分かってるんだけどね! 何なのよ、あのしたり顔!」
「美幸ちゃん、珍しく機嫌悪いわね」
「あいしょうがわるいひとって、いるよね~」
怒りが収まらない表情の叔母を見て、テーブルの向かい側で美樹と美久が囁き合った。そこで唐突に美子が話題を変えてくる。
「ところで、皆に知らせておく事があるんだけど」
「何? 美子姉さん」
「三人目ができたのよ。それでそろそろ安定期に入ったから、皆にも知らせておこうと思って」
「……は?」
あまりにもサラリと言われた内容に、食堂内にいた全員が咄嗟に意味が分からずに固まった。そして少しして反応が返ってくる。
「え?」
「お母さん? 本当?」
「やったー! ぼく、おにいちゃんだー!」
「ちょっと待って! 聞いてないけど!」
「だから今、教えたじゃない」
美幸の抗議に美子が当然の様に応じたが、まだ美幸は幾らか動揺しながら問いかけた。
「何か順番が変! 普通は安定期に入る前の方が、注意しなくちゃいけないんじゃないの!?」
「それは確かにそうなんだけど……。早めに教えたら皆を必要以上にピリピリさせそうだし、駄目だったら余計にがっかりさせそうだったから。秀明さんと安定期に入ったら報告する事にしようって、話していたのよ」
「……ぼくのせい?」
ここでうるっと涙ぐみながら美久が尋ねてきた為、彼の出産時に美子が酷い難産で、その後暫く体調を崩していた事を知っている美野と美幸は黙り込んだ。どうやら幼稚園児の彼に、そこら辺の事情を誰かが喋ったらしいと分かったものの、どう反応したらよいか判断が付かなかった為だが、妹達の戸惑いを余所に、美子はにっこり笑って明後日の方向に話題を捻じ曲げてくる。
「それは違うから。気にしないの。産むのに時期的にもちょうど良かったしね。美恵と美実の所も何とか一段落付いたし、美野は今年結婚したら早々に子供ができるかもしれないし」
「美子姉さん!?」
「ちょっ……、高須さんとそこまで話が進んでたの!?」
途端に美野は顔を真っ赤にし、美幸は驚愕して姉達の顔を凝視したが、美子はにこやかに話を続けた。
「美野の出産前後に面倒を見られる様に、その時は私は身軽になっておいた方が良いでしょう? だからそろそろもう一人作っておくかって、秀明さんが言い出してね」
そんな事を言われた美野は、すっかり観念して美子に向かって頭を下げた。
「……その時は、お世話になります」
「ええ、任せておきなさい。頼もしい助っ人もいるしね」
「は~い。美久で経験済みだから、お手伝いしま~す」
「ぼくも! おてつだい、するからねっ! おにいちゃんになるんだし!」
何も言わずとも自主的に手伝いを申し出た子供達に、美子は微笑みながら頷く。
「宜しくね。もしかしたら立て続けに、美幸にも子供ができるかもしれないし」
「うえぇぇっ!? 何それっ!」
「あら、だって城崎さんとお付き合いしてるんだし」
途端に声を裏返らせた美幸に、美子は不思議そうに問い返した。しかし美幸は狼狽したまま、勢い良く言い返す。
「お付き合いって言っても! なし崩し的な対外的な仕事上の関係に毛が生えた程度の物で! 結婚出産その他諸々に関しては、未だ遥か彼方の宇宙の果てと言うか何と言うか!」
「分かったから、美幸。そう興奮しないで」
「城崎さんって人に、同情するわね」
「うちゅうのむこうって、すごいね~」
「それを言うなら、『凄い』って言うより『むごい』わ」
「なるほど~」
苦笑している美子の横で、美樹と美久がボソボソと言い合う。それを聞いた美子は、こっそり溜め息を零した。
「秀明さんったら……。『不埒な男の毒牙にかからない様に、美幸ちゃんには特に念入りに指導してあげたから安心しろ』なんて言っていたけど、一回位は軽く毒牙にかかった方が良かったんじゃないかしら?」
「美子姉さん?」
「何か言った?」
「いいえ、何も。独り言よ」
向かい顔で怪訝な顔をした妹達に笑って誤魔化してから、美子は話題を元に戻した。
「それよりも美幸。さっきの話だと、職場でお茶請けとしてのチョコも配らない事にしたのよね?」
「ええ」
「じゃあ本命チョコはどうするの?」
「え? 本命って……」
完全に意表を衝かれて戸惑った顔になった美幸に、美子が問いを重ねる。
「城崎さんによ。美野と一緒に作ってたでしょう?」
「まあ、それは……、勿論職場に持参して、退社時にでもこっそり手渡そうかと……。美野姉さんも、そうでしょう?」
「ええ。そうね」
「こっそり、ねぇ……」
それを聞いた美子は、物言いたげな表情になって口を閉ざした。当然気になってしまった美幸が、姉に問い返す。
「美子姉さん、何?」
それを受けて、美子が些かもったいぶった口調で言い出した。
「さっきの話だと……、その渋谷さんって方は、美幸と城崎さんが付き合ってるって知っているわけでしょう? こっそり渡したら渡したで、『陰でこそこそ媚びを売って』とか難癖を付けないかしら?」
「……如何にも言いそう」
「でも美子姉さん。それこそ個人的にチョコを渡すか渡さないかなんて、各人の自由じゃない? 無関係の人に、とやかく言われる筋合いは無いと思うんだけど……」
その可能性に思い至った美幸はうんざりしながら同意し、美野は控え目に反論してみた。すると美子が真顔で頷き、更に意見を述べる。
「そうね。だから逆に職場で堂々と、城崎さんにチョコを渡せば良いと思うの」
「え?」
「でもそれって……」
意味が分からず美幸と美野は困惑したが、美子は冷静に理由を説明する。
「勿論渡すのは、勤務時間外でよ? 堂々と渡したところで文句とか難癖を付けてきたら、『今はれっきとした勤務時間外で、きちんと公私の区別は付けていますし、やましい事は皆無ですから、他人の視線をはばかってこそこそ受け渡しをする必要性を認めません』とか反論すれば良いんじゃないかしら? 下手にこそこそ受け渡しすると、ある意味弱味になりそうだもの」
そんな事を言われた美幸は、真顔で考え込んだ。
(なるほど……、一理あるかも。係長も『後ろ暗い所は無いんだから、堂々としていれば良い』って言ってたものね。さすがは美子姉さん)
すっかり納得した美幸は、美子に顔を向けて素直に頷いた。
「美子姉さんの言うとおりだと思う。ああいう手合いは、何をやっても難癖を付けてきそうだもの。堂々と渡す事にするわ」
「そう? 頑張ってね」
「確かにそうかもしれないけど……、どうなのかしら?」
ここでやる気に満ちた美幸と、不安を払拭できない美野を見ながら、穏やかな笑みを浮かべている母親に向かって、美樹が囁いた。
「……お母さん」
「何? 美樹」
「楽しんでるわよね?」
「何の事かしら?」
にこにこと楽しそうに微笑み返した美子に、美樹は思わず遠い目をしてしまった。更に、先程からのやり取りを聞いて、「う~んと」とか「え~っと」とか言いながら考え込んでいた美久が、ちょっと自信なさげに確認を入れてくる。
「ねえねえ、このばあい、きのさきさんって……、『ごしゅうしょうさま』なの?」
「分かってきたわね、美久」
ニヤリと笑った姪と甥の会話を、美幸と美野が耳にする事は無かった。
いつもの様に姉達と食卓を囲んで夕飯を食べ始めた美幸だったが、美野から由香に関して尋ねられた為、渋い顔をしながら日中の事を一通り語って聞かせる。
「あらあら。また面倒そうな人が、美幸の職場に入って来たこと」
「蜂谷さんの時も大変だったのに、災難ね」
「うちに関する人事の噂が、また法務部まで伝わっているなんて……」
姉達に呆れかえった顔で感想を述べられて、美幸は箸を手にしたままがっくりと項垂れた。すると美野が、精一杯慰めてくる。
「それだけ美幸の職場は、社内でも注目されているって事でしょう? でも最初の頃の蜂谷さんみたいに、全然使えないってわけじゃ無くて、良かったじゃない」
「うん……、まあ、ね。だけど、なんかなぁ……。変にプライド高そうって言うか、腹に一物も二物もありそうって言うか……。うぅ~、すっきりしない!」
不満を口にして再び勢い良く食べ始めた美幸を見て、美野が溜め息を吐いてから言い聞かせた。
「義理チョコの事は、それはそれで仕方ないじゃない。イベントに絡めて職場の雰囲気を良くしたいって気持ちも分かるけど、同僚間の連帯感を損なわせちゃ本末転倒よ?」
「それは分かってるんだけどね! 何なのよ、あのしたり顔!」
「美幸ちゃん、珍しく機嫌悪いわね」
「あいしょうがわるいひとって、いるよね~」
怒りが収まらない表情の叔母を見て、テーブルの向かい側で美樹と美久が囁き合った。そこで唐突に美子が話題を変えてくる。
「ところで、皆に知らせておく事があるんだけど」
「何? 美子姉さん」
「三人目ができたのよ。それでそろそろ安定期に入ったから、皆にも知らせておこうと思って」
「……は?」
あまりにもサラリと言われた内容に、食堂内にいた全員が咄嗟に意味が分からずに固まった。そして少しして反応が返ってくる。
「え?」
「お母さん? 本当?」
「やったー! ぼく、おにいちゃんだー!」
「ちょっと待って! 聞いてないけど!」
「だから今、教えたじゃない」
美幸の抗議に美子が当然の様に応じたが、まだ美幸は幾らか動揺しながら問いかけた。
「何か順番が変! 普通は安定期に入る前の方が、注意しなくちゃいけないんじゃないの!?」
「それは確かにそうなんだけど……。早めに教えたら皆を必要以上にピリピリさせそうだし、駄目だったら余計にがっかりさせそうだったから。秀明さんと安定期に入ったら報告する事にしようって、話していたのよ」
「……ぼくのせい?」
ここでうるっと涙ぐみながら美久が尋ねてきた為、彼の出産時に美子が酷い難産で、その後暫く体調を崩していた事を知っている美野と美幸は黙り込んだ。どうやら幼稚園児の彼に、そこら辺の事情を誰かが喋ったらしいと分かったものの、どう反応したらよいか判断が付かなかった為だが、妹達の戸惑いを余所に、美子はにっこり笑って明後日の方向に話題を捻じ曲げてくる。
「それは違うから。気にしないの。産むのに時期的にもちょうど良かったしね。美恵と美実の所も何とか一段落付いたし、美野は今年結婚したら早々に子供ができるかもしれないし」
「美子姉さん!?」
「ちょっ……、高須さんとそこまで話が進んでたの!?」
途端に美野は顔を真っ赤にし、美幸は驚愕して姉達の顔を凝視したが、美子はにこやかに話を続けた。
「美野の出産前後に面倒を見られる様に、その時は私は身軽になっておいた方が良いでしょう? だからそろそろもう一人作っておくかって、秀明さんが言い出してね」
そんな事を言われた美野は、すっかり観念して美子に向かって頭を下げた。
「……その時は、お世話になります」
「ええ、任せておきなさい。頼もしい助っ人もいるしね」
「は~い。美久で経験済みだから、お手伝いしま~す」
「ぼくも! おてつだい、するからねっ! おにいちゃんになるんだし!」
何も言わずとも自主的に手伝いを申し出た子供達に、美子は微笑みながら頷く。
「宜しくね。もしかしたら立て続けに、美幸にも子供ができるかもしれないし」
「うえぇぇっ!? 何それっ!」
「あら、だって城崎さんとお付き合いしてるんだし」
途端に声を裏返らせた美幸に、美子は不思議そうに問い返した。しかし美幸は狼狽したまま、勢い良く言い返す。
「お付き合いって言っても! なし崩し的な対外的な仕事上の関係に毛が生えた程度の物で! 結婚出産その他諸々に関しては、未だ遥か彼方の宇宙の果てと言うか何と言うか!」
「分かったから、美幸。そう興奮しないで」
「城崎さんって人に、同情するわね」
「うちゅうのむこうって、すごいね~」
「それを言うなら、『凄い』って言うより『むごい』わ」
「なるほど~」
苦笑している美子の横で、美樹と美久がボソボソと言い合う。それを聞いた美子は、こっそり溜め息を零した。
「秀明さんったら……。『不埒な男の毒牙にかからない様に、美幸ちゃんには特に念入りに指導してあげたから安心しろ』なんて言っていたけど、一回位は軽く毒牙にかかった方が良かったんじゃないかしら?」
「美子姉さん?」
「何か言った?」
「いいえ、何も。独り言よ」
向かい顔で怪訝な顔をした妹達に笑って誤魔化してから、美子は話題を元に戻した。
「それよりも美幸。さっきの話だと、職場でお茶請けとしてのチョコも配らない事にしたのよね?」
「ええ」
「じゃあ本命チョコはどうするの?」
「え? 本命って……」
完全に意表を衝かれて戸惑った顔になった美幸に、美子が問いを重ねる。
「城崎さんによ。美野と一緒に作ってたでしょう?」
「まあ、それは……、勿論職場に持参して、退社時にでもこっそり手渡そうかと……。美野姉さんも、そうでしょう?」
「ええ。そうね」
「こっそり、ねぇ……」
それを聞いた美子は、物言いたげな表情になって口を閉ざした。当然気になってしまった美幸が、姉に問い返す。
「美子姉さん、何?」
それを受けて、美子が些かもったいぶった口調で言い出した。
「さっきの話だと……、その渋谷さんって方は、美幸と城崎さんが付き合ってるって知っているわけでしょう? こっそり渡したら渡したで、『陰でこそこそ媚びを売って』とか難癖を付けないかしら?」
「……如何にも言いそう」
「でも美子姉さん。それこそ個人的にチョコを渡すか渡さないかなんて、各人の自由じゃない? 無関係の人に、とやかく言われる筋合いは無いと思うんだけど……」
その可能性に思い至った美幸はうんざりしながら同意し、美野は控え目に反論してみた。すると美子が真顔で頷き、更に意見を述べる。
「そうね。だから逆に職場で堂々と、城崎さんにチョコを渡せば良いと思うの」
「え?」
「でもそれって……」
意味が分からず美幸と美野は困惑したが、美子は冷静に理由を説明する。
「勿論渡すのは、勤務時間外でよ? 堂々と渡したところで文句とか難癖を付けてきたら、『今はれっきとした勤務時間外で、きちんと公私の区別は付けていますし、やましい事は皆無ですから、他人の視線をはばかってこそこそ受け渡しをする必要性を認めません』とか反論すれば良いんじゃないかしら? 下手にこそこそ受け渡しすると、ある意味弱味になりそうだもの」
そんな事を言われた美幸は、真顔で考え込んだ。
(なるほど……、一理あるかも。係長も『後ろ暗い所は無いんだから、堂々としていれば良い』って言ってたものね。さすがは美子姉さん)
すっかり納得した美幸は、美子に顔を向けて素直に頷いた。
「美子姉さんの言うとおりだと思う。ああいう手合いは、何をやっても難癖を付けてきそうだもの。堂々と渡す事にするわ」
「そう? 頑張ってね」
「確かにそうかもしれないけど……、どうなのかしら?」
ここでやる気に満ちた美幸と、不安を払拭できない美野を見ながら、穏やかな笑みを浮かべている母親に向かって、美樹が囁いた。
「……お母さん」
「何? 美樹」
「楽しんでるわよね?」
「何の事かしら?」
にこにこと楽しそうに微笑み返した美子に、美樹は思わず遠い目をしてしまった。更に、先程からのやり取りを聞いて、「う~んと」とか「え~っと」とか言いながら考え込んでいた美久が、ちょっと自信なさげに確認を入れてくる。
「ねえねえ、このばあい、きのさきさんって……、『ごしゅうしょうさま』なの?」
「分かってきたわね、美久」
ニヤリと笑った姪と甥の会話を、美幸と美野が耳にする事は無かった。
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2021.08.13
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