24 / 51
第1章 進退窮まった人々
(23)“クライブ殿下”の事情
しおりを挟む
「姉様、考えてみてください。王妃様がクレアさんの事を、本当に単なる死んだ息子の身代わりに過ぎないと考えていたのなら、ユリウス殿下が生まれた時点で、どうにでも理由を付けてクレアさんを殺しています。後々面倒な事になるのは、分かりきっていますし」
「ちょっと、エリオット! 幾ら何でも、そんな言い方は!」
遠慮の無さ過ぎるその発言に、セレナはエリオットとクレアに視線を向けながら狼狽したが、クレアは冷静に彼の意見を肯定した。
「ええ、王妃様は、とてもお優しい方です。私が十分に判断力を持ち合わせたと判断された頃、全ての事情を打ち明けた上で、『必ず本来の女性としての人生を送らせてあげますし、それまでできる限りの教育を与える事を約束します』と仰って、通常の学問に加えて後で自分自身で生活が営めるように、裁縫と掃除の仕方を指導して貰いました」
「は? 裁縫と掃除?」
いきなり言われた予想外の言葉に、セレナが面食らっていると、ゼナが笑顔で会話に加わる。
「実は私が着ている服は、クレア様が縫ってくださった物なのです。実用的な物を作る練習にするからと、他にも随分いただきました」
「本当ですか? ちょっと失礼します」
「はい、どうぞご覧になってください」
驚きながら立ち上がり、ゼナの所まで移動したフィーネは、その衣類を間近で観察して感嘆の声を上げた。
「まあ……。縫い目が綺麗に揃っているし、ひきつれも無いわ。ゼナさんの体型にもぴったりだし、さり気なく入れてある刺繍も素敵です。随分、練習なさったのですね」
「教師役になってくれた、裁縫が得意な侍女が『色々なパターンを、数をこなして覚えていただきます』と言って、叩き込んでくれましたから。あと、窓拭きや床掃除も苦ではありません」
「仮にも“王子様”に、何をさせているのよ……」
笑顔で説明を加えたクレアだったが、セレナはその事実を聞いて肩を落とした。するとクレアが、自分の喉元を押さえながら、静かに語り出す。
「それに……、私がこの傷を付ける事になったのは、王妃様のおかげなのです」
「どういう事ですか?」
まるで怪我をさせられた事を感謝しているような物言いに、ラーディスが思わず眉間に皺を寄せながら無意識に睨み付けたが、クレアは特に臆する事無くそれに答えた。
「私が十三になった時、さすがに今後男性と偽るのが苦しくなるだろうと、王妃様が母国の父王に密かに連絡を取ったのです。それまでの真相を明らかにした上で、グランバル王国に私を留学させるので、そこで急死した事にして、私を一般人として生活する基盤を作って欲しいと」
「確かにその頃であれば、両国の関係は比較的良好でしたから、見聞を広げる目的での留学は可能だったかもしれませんね。国内で王子が死亡したら確実に複数の医師が診断する筈ですから、誤魔化す事は不可能ですし。あれ? でも“クライブ殿下”は、留学していませんよね?」
納得しかけたエリオットが首を傾げると、クレアは溜め息を吐いて話を続けた。
「真相を知ったグランバル国王が激怒して、私の教育係という名目で武官を派遣しました。『そんな我が国の弱みなどさっさと処分して、男女の区別が付かない程度に切り刻むか焼き殺してしまえ』と密かに命じた上での事です」
「はい!?」
「グランバル国王は、正気ですか!?」
度肝を抜かれたエリオットの代わりに、セレナが非難の声を上げると、ゼナが涙ぐみながら当時の事情を説明する。
「その武官は王家の縁戚に当たる方で、王妃様とも顔馴染みの方でした。クレア様をご覧になったその方は『実は国王から、こういう密命を受けている』と打ち明けられ、王妃様はその方に涙ながらに頭を下げて、クレア様の助命を嘆願されたのです」
「その方はかなり迷っておいででしたが、結局、もう暫く男女差を誤魔化しやすくする為に、私の喉を斬りつけて傷跡が残ったという偽装をし、その不手際の責任を取る形で本国にお戻りになりました。本当に良い腕でしたよ? 血は出ましたが、綺麗に浅く一直線に斬って貰って、跡も残りませんでした」
「……問題は、そこではありませんよね?」
明るい表情で褒め称えるクレアを見て、ラーディスは呆れかえった表情になった。
「すみません、話が逸れました。それでグランバル王国では、クライブ王太子が近い将来廃される予定なのが分かった為、当初ユリウスを次の王太子に推そうとしましたが、本人の気質が国王たる器では無く、彼と年齢が釣り合う姫もグランバル王室に存在しておりません。それでリオネスを次期王太子と認める代わりに、グランバル王室の姫を彼の正妃に据える事で、王妃様との間でなんとか話がついたのです」
「それで後はどうやって、円満に“クライブ殿下”に表舞台からご退場いただくかという、唯一にして最大の問題が残ったのですね」
エリオットが疲れたように溜め息を吐くと、クレアも沈鬱な面持ちになって話を続けた。
「その通りです。特に反対意見が出る筈も無く、十五歳の時に正式に立太子されてからは、私の周囲に配置される人間が格段に増えた上、公務で人前に出る機会も増えて……。下手な場所で、急死できませんし……」
「そうですよね……。常に周囲に誰かいる状況でしょうし、偽の死体を見られたら一巻の終わりですし。今まで聞いた王妃様のご気性だと、無関係の身元不詳の死体を用意して入れ替えるような事も、お認めにはなられないでしょうし」
「まさに、八方塞がりだな」
思わずラーディスが口を挟んだが、ここでクレアが些か自棄気味に笑いながら告げた。
「ええ。最近ではもういっその事、“クライブ王太子殿下”は人妻との道ならぬ恋にのめり込んだ上、覚悟の出奔でもしようかと、半ば本気で考えていましたから」
それを聞いたセレナ達は、本気で頭を抱えた。
「本当にそんな事をしたら、王室の面目は丸潰れでしたよ」
「そうね。セレナとの事は確かに身分違いではあるけれど、傍目には純愛ゆえの行動だと納得して貰っているもの」
「不倫相手と王太子探索の人員が国内くまなく派遣されて、とんでもない騒ぎになるのは確実だな」
「それにクレアさんのその目立つ髪と瞳の組み合わせだと、その人員に発見されて、“クライブ王太子殿下”と酷似した顔立ちの事も併せて、不審に思われないとも限りません」
「いや、だって本人だものな」
大真面目にレンフィス伯爵家の面々が意見を口にしていると、クレアが心から安堵した口調で述べる。
「そんな切羽詰まった状況でしたので、多少揉める事が前提でも、比較的円満に“クライブ王太子殿下”を王族籍から抜けさせる方法を伝授してくれたレンフィス伯爵には、心から感謝しています」
「本当に、即断即決でしたものね……。父からの手紙をご覧になった直後に、筋書きを組み立ててのあの即興演技。実に、お見事でしたわ」
微妙に皮肉を含んだセレナの台詞に、クレアは満面の笑みで応じた。
「伊達に物心ついてからずっと、男性を演じてはいませんから」
「そうですわね……。年季の入り方が、違いますわね」
「セレナの演技力も、素人にしてはなかなかの物でしたよ?」
「……ありがとうございます」
(駄目だわ。皮肉が全く通じない)
がっくりと肩を落としたセレナだったが、ここである事を思い出したエリオットがクレアに問いかけた。
「ちょっと、エリオット! 幾ら何でも、そんな言い方は!」
遠慮の無さ過ぎるその発言に、セレナはエリオットとクレアに視線を向けながら狼狽したが、クレアは冷静に彼の意見を肯定した。
「ええ、王妃様は、とてもお優しい方です。私が十分に判断力を持ち合わせたと判断された頃、全ての事情を打ち明けた上で、『必ず本来の女性としての人生を送らせてあげますし、それまでできる限りの教育を与える事を約束します』と仰って、通常の学問に加えて後で自分自身で生活が営めるように、裁縫と掃除の仕方を指導して貰いました」
「は? 裁縫と掃除?」
いきなり言われた予想外の言葉に、セレナが面食らっていると、ゼナが笑顔で会話に加わる。
「実は私が着ている服は、クレア様が縫ってくださった物なのです。実用的な物を作る練習にするからと、他にも随分いただきました」
「本当ですか? ちょっと失礼します」
「はい、どうぞご覧になってください」
驚きながら立ち上がり、ゼナの所まで移動したフィーネは、その衣類を間近で観察して感嘆の声を上げた。
「まあ……。縫い目が綺麗に揃っているし、ひきつれも無いわ。ゼナさんの体型にもぴったりだし、さり気なく入れてある刺繍も素敵です。随分、練習なさったのですね」
「教師役になってくれた、裁縫が得意な侍女が『色々なパターンを、数をこなして覚えていただきます』と言って、叩き込んでくれましたから。あと、窓拭きや床掃除も苦ではありません」
「仮にも“王子様”に、何をさせているのよ……」
笑顔で説明を加えたクレアだったが、セレナはその事実を聞いて肩を落とした。するとクレアが、自分の喉元を押さえながら、静かに語り出す。
「それに……、私がこの傷を付ける事になったのは、王妃様のおかげなのです」
「どういう事ですか?」
まるで怪我をさせられた事を感謝しているような物言いに、ラーディスが思わず眉間に皺を寄せながら無意識に睨み付けたが、クレアは特に臆する事無くそれに答えた。
「私が十三になった時、さすがに今後男性と偽るのが苦しくなるだろうと、王妃様が母国の父王に密かに連絡を取ったのです。それまでの真相を明らかにした上で、グランバル王国に私を留学させるので、そこで急死した事にして、私を一般人として生活する基盤を作って欲しいと」
「確かにその頃であれば、両国の関係は比較的良好でしたから、見聞を広げる目的での留学は可能だったかもしれませんね。国内で王子が死亡したら確実に複数の医師が診断する筈ですから、誤魔化す事は不可能ですし。あれ? でも“クライブ殿下”は、留学していませんよね?」
納得しかけたエリオットが首を傾げると、クレアは溜め息を吐いて話を続けた。
「真相を知ったグランバル国王が激怒して、私の教育係という名目で武官を派遣しました。『そんな我が国の弱みなどさっさと処分して、男女の区別が付かない程度に切り刻むか焼き殺してしまえ』と密かに命じた上での事です」
「はい!?」
「グランバル国王は、正気ですか!?」
度肝を抜かれたエリオットの代わりに、セレナが非難の声を上げると、ゼナが涙ぐみながら当時の事情を説明する。
「その武官は王家の縁戚に当たる方で、王妃様とも顔馴染みの方でした。クレア様をご覧になったその方は『実は国王から、こういう密命を受けている』と打ち明けられ、王妃様はその方に涙ながらに頭を下げて、クレア様の助命を嘆願されたのです」
「その方はかなり迷っておいででしたが、結局、もう暫く男女差を誤魔化しやすくする為に、私の喉を斬りつけて傷跡が残ったという偽装をし、その不手際の責任を取る形で本国にお戻りになりました。本当に良い腕でしたよ? 血は出ましたが、綺麗に浅く一直線に斬って貰って、跡も残りませんでした」
「……問題は、そこではありませんよね?」
明るい表情で褒め称えるクレアを見て、ラーディスは呆れかえった表情になった。
「すみません、話が逸れました。それでグランバル王国では、クライブ王太子が近い将来廃される予定なのが分かった為、当初ユリウスを次の王太子に推そうとしましたが、本人の気質が国王たる器では無く、彼と年齢が釣り合う姫もグランバル王室に存在しておりません。それでリオネスを次期王太子と認める代わりに、グランバル王室の姫を彼の正妃に据える事で、王妃様との間でなんとか話がついたのです」
「それで後はどうやって、円満に“クライブ殿下”に表舞台からご退場いただくかという、唯一にして最大の問題が残ったのですね」
エリオットが疲れたように溜め息を吐くと、クレアも沈鬱な面持ちになって話を続けた。
「その通りです。特に反対意見が出る筈も無く、十五歳の時に正式に立太子されてからは、私の周囲に配置される人間が格段に増えた上、公務で人前に出る機会も増えて……。下手な場所で、急死できませんし……」
「そうですよね……。常に周囲に誰かいる状況でしょうし、偽の死体を見られたら一巻の終わりですし。今まで聞いた王妃様のご気性だと、無関係の身元不詳の死体を用意して入れ替えるような事も、お認めにはなられないでしょうし」
「まさに、八方塞がりだな」
思わずラーディスが口を挟んだが、ここでクレアが些か自棄気味に笑いながら告げた。
「ええ。最近ではもういっその事、“クライブ王太子殿下”は人妻との道ならぬ恋にのめり込んだ上、覚悟の出奔でもしようかと、半ば本気で考えていましたから」
それを聞いたセレナ達は、本気で頭を抱えた。
「本当にそんな事をしたら、王室の面目は丸潰れでしたよ」
「そうね。セレナとの事は確かに身分違いではあるけれど、傍目には純愛ゆえの行動だと納得して貰っているもの」
「不倫相手と王太子探索の人員が国内くまなく派遣されて、とんでもない騒ぎになるのは確実だな」
「それにクレアさんのその目立つ髪と瞳の組み合わせだと、その人員に発見されて、“クライブ王太子殿下”と酷似した顔立ちの事も併せて、不審に思われないとも限りません」
「いや、だって本人だものな」
大真面目にレンフィス伯爵家の面々が意見を口にしていると、クレアが心から安堵した口調で述べる。
「そんな切羽詰まった状況でしたので、多少揉める事が前提でも、比較的円満に“クライブ王太子殿下”を王族籍から抜けさせる方法を伝授してくれたレンフィス伯爵には、心から感謝しています」
「本当に、即断即決でしたものね……。父からの手紙をご覧になった直後に、筋書きを組み立ててのあの即興演技。実に、お見事でしたわ」
微妙に皮肉を含んだセレナの台詞に、クレアは満面の笑みで応じた。
「伊達に物心ついてからずっと、男性を演じてはいませんから」
「そうですわね……。年季の入り方が、違いますわね」
「セレナの演技力も、素人にしてはなかなかの物でしたよ?」
「……ありがとうございます」
(駄目だわ。皮肉が全く通じない)
がっくりと肩を落としたセレナだったが、ここである事を思い出したエリオットがクレアに問いかけた。
0
お気に入りに追加
245
あなたにおすすめの小説

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

立派な王太子妃~妃の幸せは誰が考えるのか~
矢野りと
恋愛
ある日王太子妃は夫である王太子の不貞の現場を目撃してしまう。愛している夫の裏切りに傷つきながらも、やり直したいと周りに助言を求めるが‥‥。
隠れて不貞を続ける夫を見続けていくうちに壊れていく妻。
周りが気づいた時は何もかも手遅れだった…。
※設定はゆるいです。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

【完結】元婚約者であって家族ではありません。もう赤の他人なんですよ?
つくも茄子
ファンタジー
私、ヘスティア・スタンリー公爵令嬢は今日長年の婚約者であったヴィラン・ヤルコポル伯爵子息と婚約解消をいたしました。理由?相手の不貞行為です。婿入りの分際で愛人を連れ込もうとしたのですから当然です。幼馴染で家族同然だった相手に裏切られてショックだというのに相手は斜め上の思考回路。は!?自分が次期公爵?何の冗談です?家から出て行かない?ここは私の家です!貴男はもう赤の他人なんです!
文句があるなら法廷で決着をつけようではありませんか!
結果は当然、公爵家の圧勝。ヤルコポル伯爵家は御家断絶で一家離散。主犯のヴィランは怪しい研究施設でモルモットとしいて短い生涯を終える……はずでした。なのに何故か薬の副作用で強靭化してしまった。化け物のような『力』を手にしたヴィランは王都を襲い私達一家もそのまま儚く……にはならなかった。
目を覚ましたら幼い自分の姿が……。
何故か十二歳に巻き戻っていたのです。
最悪な未来を回避するためにヴィランとの婚約解消を!と拳を握りしめるものの婚約は継続。仕方なくヴィランの再教育を伯爵家に依頼する事に。
そこから新たな事実が出てくるのですが……本当に婚約は解消できるのでしょうか?
他サイトにも公開中。

【完結】徒花の王妃
つくも茄子
ファンタジー
その日、王妃は王都を去った。
何故か勝手についてきた宰相と共に。今は亡き、王国の最後の王女。そして今また滅びゆく国の最後の王妃となった彼女の胸の内は誰にも分からない。亡命した先で名前と身分を変えたテレジア王女。テレサとなった彼女を知る数少ない宰相。国のために生きた王妃の物語が今始まる。
「婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?」の王妃の物語。単体で読めます。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろうにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる