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第2章 穏やかな新婚生活?
(17)不届き者を成敗
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夜も更け、大抵の者が眠りに就くであろう時間帯。クレアに宛がわれた寝室のクローゼット裏に続く、隠し通路の狭い階段を上りながら、レノーラは脳裏で自分に都合の良すぎる妄想を展開させて上機嫌だった。
「うふふっ、待っていてくださいね、クライブ様。レノーラがすぐに、あなたのお側に参りますわ。そして、あなたの目を覚まさせて差し上げますから」
深夜に移動するには相応しくない薄着のレノーラのすぐ後ろに、彼女付きの侍女が付き従いながら、彼女に注意を促す。
「お嬢様。狭い階段ですし、ランプの灯りだけでは足下が暗いですから、お気をつけください」
「うるさいわね。そんな事位、分かっているわよ。それに最上段が見えてきたし、もうこれで……、え、何!? って、きゃああぁぁっ!」
「え? お嬢さ、きゃあっ!」
腹立たしげに身体を捻って背後の侍女を叱りつけようとしたレノーラだったが、足に何かが引っ掛かってバランスを崩し、咄嗟に階段に足を下ろして踏み留まろうとしたものの、その場所がいきなり崩れた結果、完全に背後に倒れ込み、侍女と一塊になって数段階段を転げ落ちる羽目に陥った。
その時、出口である寝室のクローゼットの前で、毛布にくるまりながら座り込み、扉に寄りかかるようにして仮眠を取っていたネリアは、クローゼットの奥の方から微かな喧騒が伝わってきたのを確認し、斜め後方の壁に視線を向けた。
「どうやら、お客様はお帰りになったみたいね。かなり騒いでいるみたいだし、怪我は確実かしら? 今夜はもう来ないと思うけど、一応朝まで警戒を続けますか」
そんな独り言を呟いた彼女は、目の前のベッドで熟睡しているセレナの様子を確認してから、再度浅い眠りに就いた。
その一方、その部屋とは居間を挟んで反対側に位置している、本来セレナに割り振られた寝室では、壁に設置されていた大きな姿見が僅かな音を立てながらスライドし、人一人が余裕で通り抜けられる穴が開いた。
「やれやれ……。俺がわざわざお前のような貧相な女を相手にしてやると言うのに、出迎えも無いとはな」
暗闇の中から現れたチェスターが、自分に背を向けてベッドで寝ている人物に向かって悪態を吐いてから、不敵に笑う。
「まあ、仕方がないか。途中で騒がれたら面倒だから、母上が食事に睡眠薬を盛ったしな」
そんな事を呟いた彼は、嫌らしい笑みを浮かべつつベッドに歩み寄った。
「明日の朝が楽しみだぞ。大公の相手はレノーラが引き受けているし、十分満足して貰えるだろうさ。加えてお前が俺に色目を使って寝室に引っ張り込んだと暴露されれば、お前が大公に愛想を尽かされる事は確実だろう。後釜には、レノーラが収まるから安心しろ」
そこで自分が寝ているベッドの端に片足が乗せられた気配を察したクレアは、ゆっくりと身体を捻って背後を振り返りつつ、上半身を起こした。
「生憎と私もセレナには相手を選ぶ権利がありますので、どちらもお断りします」
「なっ!? バルド大公!? どうしてここに!?」
予想外の事態にチェスターはベッドから飛び降りて後退り、クレアはそんな彼に向かって冷えきった視線を投げかけた。
「セレナが食後、不自然に熟睡してしまった事に何らかの作為を感じましたので、念の為寝室を入れ換えてみたのですが……。随分と非常識で、不愉快な話を聞かされる羽目になったものです」
「あ、あのっ! これはっ! お、おいっ! 何なんだお前達は!? どこから出て来た!? 手を離せ!!」
狼狽しながらも、なんとかこの場を取り繕うとしたチェスターだったが、いつの間にかどこからともなく現れた二人の男に両腕を拘束されて動きを封じられてしまった。しかも正面に回り込んできたラーディスが左手で彼の胸ぐらを掴み、右手に提げたランプで彼の顔を照らしながら、憤怒の形相で脅しにかかる。
「貴様、まさかこの期に及んで、単なる悪ふざけとか、ふざけた事をほざくつもりではないだろうな?」
「ひっ、ひいぃぃっ!」
「覚えておけ。今後、バルド大公夫妻に少しでもちょっかいを出したら、俺が貴様を後腐れなくあの世に送ってやる。分かったな!?」
「…………っ」
地を這う如き声音と共に眼光鋭く睨み付けられたチェスターは、それだけで呆気なく意識を飛ばしてしまった。それを見たラーディスが、忌々しげに舌打ちする。
「ちっ! あっさり気絶しやがって。この根性なしが」
「おやおや、随分と繊細なお方だ」
「これがあのヤーニス辺境伯の息子とは、とても思えんな」
ラーディスと共に忍んでこの部屋にやって来た二人も、チェスターの醜態に対して呆れ気味に囁いたが、ここで場違いな拍手と賛辞の言葉が上がった。
「ラーディス! 今の顔、本当に凄かったです! あれがいわゆる『視線で人を殺せる顔』なのですね!? 話には聞いていましたが、初めて目の当たりにしました!」
「…………」
本心からの笑顔と分かるその反応に、男達は揃って微妙な顔付きになった。
「あんなに喜ぶような事なのか? それ以前にあれを見て、彼女は怖くないのか?」
「さすが非公式でも元王族。常人とは色々感性が違うらしい。さすがクレアさん」
しみじみと語る仲間達をよそに、ラーディスは疲れたように溜め息を吐いてから、何とか気を取り直して指示を出した。
「それじゃあ、俺達はこいつを片付けつつあの出入り口を塞ぐから、念の為、クレアは向こうの部屋でセレナのベッドで休んでくれ」
「分かりました。一応確認しますが」
「こいつには傷一つ付けないさ。ろくでなしだが、一応辺境伯の長男だ」
「よろしくお願いします」
クレアは必要最低限の事だけ確認してから部屋を移動し、本来の自分の寝室で、既にセレナが寝ていたベッドに自分の身体を潜り込ませた。
翌朝、貴族の起床時間としては割りと早い時間帯に、ルイーザは客間担当の侍女を引き連れてクレア達の部屋へと向かっていた。
「全く! 肝心なところで、階段が崩れるなんて。レノーラが暫く歩けなくなって、クライブ様とお近づきになれないわ!」
「奥様、そう落胆する事はありませんわ。チェスター様はまだお戻りではありませんから、あの小娘の部屋ですもの。現場を押さえてしまえば、言い逃れなどできません」
「その通りね。さあ、扉を開けて頂戴」
「はい」
宥められて怒りを鎮めたルイーザは、侍女に扉の鍵を解錠させ、意気揚々とセレナ達に割り振られた客間に足を踏み入れた。しかしまだそれぞれの寝室で寝ている筈の二人が、きちんと着替えまで済ませた状態でソファーに座って談笑しているのを見て、目を見開いて固まる。
「…………え?」
「おや、ルイーザ夫人。当主夫人自ら、朝のご挨拶にいらっしゃるとは恐縮です」
「ルイーザ様、おはようございます。今日もとても良いお天気ですね」
二人から平然と笑いかけられたルイーザは、内心の動揺を何とか押し隠しつつ言葉を返した。
「あの……。お二方とも、随分とお早いお目覚めですのね」
「そうですか?」
「いつも早寝早起きを心がけておりますので、普通ですが」
「そうでございますか……」
「……奥様」
さすがに侍女にも事態の異常さが分かり、不安を露にしながらルイーザに囁いた。そこで彼女は、精一杯探りを入れてみる。
「あ、あの……。昨夜から今朝にかけて、寝室の方で何か異常はございませんでしたか?」
それに対して、クレアは首を傾げてみせた。
「特に変わった所は、無かったかと思いますが。何か気になる事があるなら、見てみますか?」
「あ、はい。一通り確認させていただければ……」
「それならどうぞ、ご遠慮なく」
快く許可を貰ったルイーザは、侍女を引き連れてセレナ用の寝室に入った。しかしチェスターの姿はどこにもなく、姿見もしっかり所定の位置に付いており、ルイーザの困惑が深まる。
「どこにも居ないわ。どういう事なの?」
「奥様……」
そこで長居もできなかった彼女は、すぐに居間に戻ってからクレアに頭を下げて退出した。
「申し訳ありません。何も変わった所はありませんでした。それでは失礼いたします」
「はい。ご苦労様でした」
そして廊下を歩きながら、腹立たしげに侍女に言い付ける。
「すぐにチェスターの部屋に行って、戻っているか確認して。あとあの子付きの者達に、行きそうな場所を確認させて」
「分かりました」
しかしその後もチェスターの居場所はようとして知れず、一部の者達が血相を変えて彼を探し回る事態に陥った。
「ルイーザ。チェスターとレノーラはどうした?」
全員揃う筈の朝食の席に、定刻を過ぎても現れない二人に関してバウルが尋ねると、ルイーザは狼狽しながら弁解した。
「あ、あの……。二人とも今朝は少々体調が優れないらしく、部屋に食事を運ばせましたので……」
それを聞いたバウルが、忽ち渋面になる。
「昨夜あれだけ喚いていたのに、体調不良だと? お二人に失礼だろうが」
「バウル様、急に体調が崩れる事は、誰にでも起こりえます。私達は気にしておりませんから」
「申し訳ありません。どうせ深酒と我が儘が過ぎただけでしょう。お二方のご出立時には、きちんと見送らせます」
「本当にお気遣いなく」
クレアに宥められてその場は怒りを鎮めたバウルだったが、バルド大公一行が出立の時間になっても問題の二人が正面玄関に現れなかった事で、彼らに対して本気で腹を立てる事となった。
「うふふっ、待っていてくださいね、クライブ様。レノーラがすぐに、あなたのお側に参りますわ。そして、あなたの目を覚まさせて差し上げますから」
深夜に移動するには相応しくない薄着のレノーラのすぐ後ろに、彼女付きの侍女が付き従いながら、彼女に注意を促す。
「お嬢様。狭い階段ですし、ランプの灯りだけでは足下が暗いですから、お気をつけください」
「うるさいわね。そんな事位、分かっているわよ。それに最上段が見えてきたし、もうこれで……、え、何!? って、きゃああぁぁっ!」
「え? お嬢さ、きゃあっ!」
腹立たしげに身体を捻って背後の侍女を叱りつけようとしたレノーラだったが、足に何かが引っ掛かってバランスを崩し、咄嗟に階段に足を下ろして踏み留まろうとしたものの、その場所がいきなり崩れた結果、完全に背後に倒れ込み、侍女と一塊になって数段階段を転げ落ちる羽目に陥った。
その時、出口である寝室のクローゼットの前で、毛布にくるまりながら座り込み、扉に寄りかかるようにして仮眠を取っていたネリアは、クローゼットの奥の方から微かな喧騒が伝わってきたのを確認し、斜め後方の壁に視線を向けた。
「どうやら、お客様はお帰りになったみたいね。かなり騒いでいるみたいだし、怪我は確実かしら? 今夜はもう来ないと思うけど、一応朝まで警戒を続けますか」
そんな独り言を呟いた彼女は、目の前のベッドで熟睡しているセレナの様子を確認してから、再度浅い眠りに就いた。
その一方、その部屋とは居間を挟んで反対側に位置している、本来セレナに割り振られた寝室では、壁に設置されていた大きな姿見が僅かな音を立てながらスライドし、人一人が余裕で通り抜けられる穴が開いた。
「やれやれ……。俺がわざわざお前のような貧相な女を相手にしてやると言うのに、出迎えも無いとはな」
暗闇の中から現れたチェスターが、自分に背を向けてベッドで寝ている人物に向かって悪態を吐いてから、不敵に笑う。
「まあ、仕方がないか。途中で騒がれたら面倒だから、母上が食事に睡眠薬を盛ったしな」
そんな事を呟いた彼は、嫌らしい笑みを浮かべつつベッドに歩み寄った。
「明日の朝が楽しみだぞ。大公の相手はレノーラが引き受けているし、十分満足して貰えるだろうさ。加えてお前が俺に色目を使って寝室に引っ張り込んだと暴露されれば、お前が大公に愛想を尽かされる事は確実だろう。後釜には、レノーラが収まるから安心しろ」
そこで自分が寝ているベッドの端に片足が乗せられた気配を察したクレアは、ゆっくりと身体を捻って背後を振り返りつつ、上半身を起こした。
「生憎と私もセレナには相手を選ぶ権利がありますので、どちらもお断りします」
「なっ!? バルド大公!? どうしてここに!?」
予想外の事態にチェスターはベッドから飛び降りて後退り、クレアはそんな彼に向かって冷えきった視線を投げかけた。
「セレナが食後、不自然に熟睡してしまった事に何らかの作為を感じましたので、念の為寝室を入れ換えてみたのですが……。随分と非常識で、不愉快な話を聞かされる羽目になったものです」
「あ、あのっ! これはっ! お、おいっ! 何なんだお前達は!? どこから出て来た!? 手を離せ!!」
狼狽しながらも、なんとかこの場を取り繕うとしたチェスターだったが、いつの間にかどこからともなく現れた二人の男に両腕を拘束されて動きを封じられてしまった。しかも正面に回り込んできたラーディスが左手で彼の胸ぐらを掴み、右手に提げたランプで彼の顔を照らしながら、憤怒の形相で脅しにかかる。
「貴様、まさかこの期に及んで、単なる悪ふざけとか、ふざけた事をほざくつもりではないだろうな?」
「ひっ、ひいぃぃっ!」
「覚えておけ。今後、バルド大公夫妻に少しでもちょっかいを出したら、俺が貴様を後腐れなくあの世に送ってやる。分かったな!?」
「…………っ」
地を這う如き声音と共に眼光鋭く睨み付けられたチェスターは、それだけで呆気なく意識を飛ばしてしまった。それを見たラーディスが、忌々しげに舌打ちする。
「ちっ! あっさり気絶しやがって。この根性なしが」
「おやおや、随分と繊細なお方だ」
「これがあのヤーニス辺境伯の息子とは、とても思えんな」
ラーディスと共に忍んでこの部屋にやって来た二人も、チェスターの醜態に対して呆れ気味に囁いたが、ここで場違いな拍手と賛辞の言葉が上がった。
「ラーディス! 今の顔、本当に凄かったです! あれがいわゆる『視線で人を殺せる顔』なのですね!? 話には聞いていましたが、初めて目の当たりにしました!」
「…………」
本心からの笑顔と分かるその反応に、男達は揃って微妙な顔付きになった。
「あんなに喜ぶような事なのか? それ以前にあれを見て、彼女は怖くないのか?」
「さすが非公式でも元王族。常人とは色々感性が違うらしい。さすがクレアさん」
しみじみと語る仲間達をよそに、ラーディスは疲れたように溜め息を吐いてから、何とか気を取り直して指示を出した。
「それじゃあ、俺達はこいつを片付けつつあの出入り口を塞ぐから、念の為、クレアは向こうの部屋でセレナのベッドで休んでくれ」
「分かりました。一応確認しますが」
「こいつには傷一つ付けないさ。ろくでなしだが、一応辺境伯の長男だ」
「よろしくお願いします」
クレアは必要最低限の事だけ確認してから部屋を移動し、本来の自分の寝室で、既にセレナが寝ていたベッドに自分の身体を潜り込ませた。
翌朝、貴族の起床時間としては割りと早い時間帯に、ルイーザは客間担当の侍女を引き連れてクレア達の部屋へと向かっていた。
「全く! 肝心なところで、階段が崩れるなんて。レノーラが暫く歩けなくなって、クライブ様とお近づきになれないわ!」
「奥様、そう落胆する事はありませんわ。チェスター様はまだお戻りではありませんから、あの小娘の部屋ですもの。現場を押さえてしまえば、言い逃れなどできません」
「その通りね。さあ、扉を開けて頂戴」
「はい」
宥められて怒りを鎮めたルイーザは、侍女に扉の鍵を解錠させ、意気揚々とセレナ達に割り振られた客間に足を踏み入れた。しかしまだそれぞれの寝室で寝ている筈の二人が、きちんと着替えまで済ませた状態でソファーに座って談笑しているのを見て、目を見開いて固まる。
「…………え?」
「おや、ルイーザ夫人。当主夫人自ら、朝のご挨拶にいらっしゃるとは恐縮です」
「ルイーザ様、おはようございます。今日もとても良いお天気ですね」
二人から平然と笑いかけられたルイーザは、内心の動揺を何とか押し隠しつつ言葉を返した。
「あの……。お二方とも、随分とお早いお目覚めですのね」
「そうですか?」
「いつも早寝早起きを心がけておりますので、普通ですが」
「そうでございますか……」
「……奥様」
さすがに侍女にも事態の異常さが分かり、不安を露にしながらルイーザに囁いた。そこで彼女は、精一杯探りを入れてみる。
「あ、あの……。昨夜から今朝にかけて、寝室の方で何か異常はございませんでしたか?」
それに対して、クレアは首を傾げてみせた。
「特に変わった所は、無かったかと思いますが。何か気になる事があるなら、見てみますか?」
「あ、はい。一通り確認させていただければ……」
「それならどうぞ、ご遠慮なく」
快く許可を貰ったルイーザは、侍女を引き連れてセレナ用の寝室に入った。しかしチェスターの姿はどこにもなく、姿見もしっかり所定の位置に付いており、ルイーザの困惑が深まる。
「どこにも居ないわ。どういう事なの?」
「奥様……」
そこで長居もできなかった彼女は、すぐに居間に戻ってからクレアに頭を下げて退出した。
「申し訳ありません。何も変わった所はありませんでした。それでは失礼いたします」
「はい。ご苦労様でした」
そして廊下を歩きながら、腹立たしげに侍女に言い付ける。
「すぐにチェスターの部屋に行って、戻っているか確認して。あとあの子付きの者達に、行きそうな場所を確認させて」
「分かりました」
しかしその後もチェスターの居場所はようとして知れず、一部の者達が血相を変えて彼を探し回る事態に陥った。
「ルイーザ。チェスターとレノーラはどうした?」
全員揃う筈の朝食の席に、定刻を過ぎても現れない二人に関してバウルが尋ねると、ルイーザは狼狽しながら弁解した。
「あ、あの……。二人とも今朝は少々体調が優れないらしく、部屋に食事を運ばせましたので……」
それを聞いたバウルが、忽ち渋面になる。
「昨夜あれだけ喚いていたのに、体調不良だと? お二人に失礼だろうが」
「バウル様、急に体調が崩れる事は、誰にでも起こりえます。私達は気にしておりませんから」
「申し訳ありません。どうせ深酒と我が儘が過ぎただけでしょう。お二方のご出立時には、きちんと見送らせます」
「本当にお気遣いなく」
クレアに宥められてその場は怒りを鎮めたバウルだったが、バルド大公一行が出立の時間になっても問題の二人が正面玄関に現れなかった事で、彼らに対して本気で腹を立てる事となった。
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