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終電間近の混雑の中で、後輩は最後尾車両の端の空間をよく確保したと思う。コウちゃんを角に凭れかけさせて、うまく力を分散させて支えていた。
そんな有能な後輩に、眠そうな目をしたコウちゃんは何度も謝っていた。
「ごめんね、成井田」
「大丈夫です。俺、家まで送りますよ」
何度目かのやり取りの後で後輩が申し出ると、コウちゃんは突然目が覚めたように身体を起こした。
「だ、だめだよ、家で彼女待ってるんだろ。早く帰ってあげないと」
「でも先輩、あぶないですよ。乗り過ごしそうだし」
「大丈夫だよ、駅から歩いたら醒めるよ」
「やっぱり送っていきます」
「送るって、だって電車終わっちゃうのにどうやって帰るつもり……」
「先輩の家泊まれますか?」
「ばか、外泊なんかしたら彼女が泣くよ」
「彼女っていっても、まだお試しで付き合い始めただけだし、先輩の家だって言えば大丈……」
「だめだって、きっと帰ってくるの待ってるから、帰りなよ。俺は大丈夫。女の子じゃないんだから」
にこりと無防備に笑うコウちゃんは、そこらの女の子より可愛い。後輩が頬を赤くして、言葉に詰まるくらいの美少年だ。明るいアッシュブラウンに染めてるショートボブがえらく似合ってる。
終電間近の混雑の中で、後輩は最後尾車両の端の空間をよく確保したと思う。コウちゃんを角に凭れかけさせて、うまく力を分散させて支えていた。
そんな有能な後輩に、眠そうな目をしたコウちゃんは何度も謝っていた。
「ごめんね、成井田」
「大丈夫です。俺、家まで送りますよ」
何度目かのやり取りの後で後輩が申し出ると、コウちゃんは突然目が覚めたように身体を起こした。
「だ、だめだよ、家で彼女待ってるんだろ。早く帰ってあげないと」
「でも先輩、あぶないですよ。乗り過ごしそうだし」
「大丈夫だよ、駅から歩いたら醒めるよ」
「やっぱり送っていきます」
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にこりと無防備に笑うコウちゃんは、そこらの女の子より可愛い。後輩が頬を赤くして、言葉に詰まるくらいの美少年だ。明るいアッシュブラウンに染めてるショートボブがえらく似合ってる。
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