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共同作戦

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 直ちに行動が開始される。
 ゼロと共に行くのはレナ、ライズ、オックス、リリス、コルツにイズとリズ、そしてイバンス王国の冒険者チェスターとカミーラ。
 ゼロの得意とする少数での侵入から状況に応じて敵の直中に大軍を出現させる策を考えているが、敵もアンデッドの軍勢なのでどこまで通用するのかは不透明だ。

 出発の準備をするゼロに城塞都市攻略の司令官であるイザベラが歩み寄ってきた。
 背後にはグレイとエミリアを伴っている。

「ゼロ、彼の中隊を連れて行きなさい」

 突然の申し出にゼロは首を傾げた。
 イザベラも有能な人物だし、少なからずゼロとの因縁もあるのでゼロの戦法も理解している筈だ。
 少数での侵入を試みるのに一個中隊もの戦力を引き連れてはそれも適わなくなる。

「貴方の懸念も分かりますの。何もグレイを連れ歩けとは言いません。別働隊として貴方の策の陽動にでも使いなさい」

 そういうこととなれば話は違う。
 ゼロもグレイのことは多少なりとも知っている。
 聖監察兵団の変わり者「背神のグレイ」の噂はクロウから聞いたことがあるし、ほんの数回だけだが、顔を合わせたこともある。
 しかも、イザベラの虎の子ともなればその能力も折り紙付きだ。
 ゼロは頷いた。

「それはありがたいのですが、グレイさんの中隊を欠いてそちらは大丈夫ですか?」
「失礼ですわね!精鋭とはいえたかだか一個中隊の戦力を外したからといって影響があるような作戦は立てませんのよ。それに、グレイの中隊は大軍の中で運用するのではなく、独立して行動してこそ真価を発揮する特務中隊ですの」

 そういうとイザベラは踵を返してグレイに向き合った。

「グレイ、ゼロと協力して何としてもセイラを救出しなさい。そして、必ず私の元に帰ってくるのですよ」

 グレイは無言で軍隊式の敬礼で答え、イザベラは満足そうに頷いて颯爽と去っていった。
 イザベラとグレイの様子を目を三角にしながら見ていたエミリア。

「隊長、私は何処までも、何時までもついて行きますよ」

 エミリアの言葉をグレイは敢えて聞き流している。
 そんなやりとりを見ていたゼロはグレイに不思議な親近感を覚えていた。

 グレイがゼロの前に立つ

「「よろしくお願いします」」

死霊術師と神を信じない神官戦士、全く違う道を歩いてきながらも似た者同士の2人の男、グレイが差し出したその手をゼロは握った。
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