149 / 196
連邦国侵入
しおりを挟む
ゼロ連隊は数日を要して雪山を突破して東の連邦国に入った。
とりあえず付近に魔王軍や魔物の姿は無いようだ。
ゼロは予め用意しておいた連邦国の地図を確認する。
「連邦国も広いからな。どうする?」
ゼロの横に立つオックスが問いかける。
「そうですね。ここから少し北に向かった所に町がありますね。とりあえずそこに行ってみましょう」
ゼロは地図の一点を指差した。
魔王軍が王国に攻め入る侵攻ルートから北に外れた場所に小さな町がある。
今の場所からは北に1日ほど歩いた場所であるが、町としての規模は小さく、軍事的に見ると重要度は低いので捨て置かれている可能性もある。
仮に攻められていたとしても、敵はそれほど多い数は割いていないだろう。
「この土地で遊撃戦を展開するならば拠点とまではいかなくても協力者は確保したいですからね」
ゼロ達は偵察にスペクターを先行させながら北に向かって歩き始めた。
件の町に向かう道すがら、幾度かの魔物との遭遇戦はあったものの、ゼロ達にしてみれば何の問題もなかった。
それらの魔物が魔王軍の部隊ではなく野良の魔物か、魔王軍からはぐれたか何らかの理由で単独でいたものばかりで、アンデッドを使う必要もなく撃退しながら進むことができた。
一行は難なく目的の町に近づいたところで偵察のために先行していたスペクターが報告に戻ったのだが、その報告を受けてゼロの表情が変わった。
ゼロは更に5体のスペクターとオメガを召喚する。
「町の情報を集めてきてください。些細なことも漏らさず、詳細にです」
「造作もないことです。お任せくださいマスター」
オメガはスペクターと共に姿を消した。
「ゼロ、一体何があった?」
ライズがゼロに問う。
皆もゼロの様子が変わったことが気になっているようだ。
「連邦国に来ていきなりハズレを引き当てたようです。・・見方を変えれば大当たりですかね」
「どういうことだ?勿体ぶらずに教えろよ」
「件の町ですが、何者かに占拠されています」
「魔王軍か?」
「違います。何やら組織だった人間達ですね。で、その町に監禁されているのが、連邦国の町の住民でなくて、王国を含めた周辺国の人々やエルフやドワーフ、獣人達なんですよ」
レナが息を飲んだ。
「それって・・・」
ゼロが頷く。
「はい、いつぞやの人身売買組織の一部、攫ってきた人々の集積地のようです」
それを聞いたオックスが憤る。
「そんな連中を見過ごしてはおけんぞ!」
「はい。連邦国に潜入したばかりだからあまり目立たないようにしようと思っていましたが、早速計画変更ですね」
そうこうしている間に偵察に出たオメガが戻ってきた。
「マスターの推察したとおり、かの町は攫われた人々を一時集めておいて、帝国、魔王軍に売却する中継点です」
「なるほど。そうしますと、やはり放ってはおけませんね」
ゼロは全員を見渡した。
「早速荒事になりそうですよ」
ライズがニヤリと笑う。
「まあ、お前についていくと決めた時からこうなるだろうと思っていたよ」
「荒事大歓迎だ!それが捕らわれの人々を助けるためならば尚更だ!」
オックスも肩を鳴らす。
ゼロは頷くと改めて地図に目を落とす。
「さて、どうしますか・・・。ことを急ぐと中継点1つ潰しただけで手懸かりが潰えてしまいかねませんね」
ゼロの言葉に皆が思案する中でゼロの背後に控えるオメガが口を開いた。
「恐れながら申し上げます。偵察に出た折に奴らの背後組織の一部と思しき者共を捕らえて情報を得た後に始末しました」
「詳しく聞きましょう」
ゼロはオメガの更なる報告を聞いた。
「なるほど。オメガ、大手柄ですよ。おかげで良い案が浮かびました」
「恐れ多いお言葉です。マスターのお役に立てて無上の喜びです」
オメガは膝をついて恭しく頭を垂れた。
「オメガの情報を元に作戦を考えました」
翌日の夜明け前、多くの人々が捕らわれた町に近づく影が3人。
姿を隠すわけでもなく、正面から堂々と近づいてくる。
町の入口で見張りに就いていた男は一度は警戒の姿勢を見せるも、近づいてくる3人の風体を見て武器を下ろした。
近づいてきたのは漆黒のマントに全身を包んだ魔法使いにダークエルフが2人。
しかも、魔法使いは取引きの目印である金属製の札を持っていた。
「見ない顔だな。いつもの旦那達はどうした?」
見張りの男は疑っているというよりは単なる雑談や挨拶のような軽々しさで3人に声を掛けた。
「奴等は死んだよ。こんな組織にいるんだ、大して珍しいことではない」
魔法使いの男は淡々と答える。
「そいつは違えねえ。ところで、えらい別嬪を連れているな」
男は魔法使いの背後に立つダークエルフに目を向けた。
1人は女のダークエルフでその美しさは桁違いである。
全身を舐めまわすような男の視線を気にも止めていないように無表情で立つダークエルフだが、魔法使いの男の凍りつくような視線に慌ててダークエルフの女から視線を逸らす。
「くだらん冗談で無駄に時間を費やすつもりはない。早く商品の確認をさせて貰おうか」
魔法使いの視線と声に肝を冷やした見張りの男は3人を町の中に案内した。
その様子を町から少し離れた場所の木の上で見ているエルフが2人、イリーナとリリスだ。
2人はゼロとイズ、リズが無事に町に入ったのを見届けると木の下に身を隠しているほかの3人に状況を伝えた。
「とりあえず、第一段階は上手くいったな」
リリス達の報告を聞いた男はひとまず胸をなで下ろした。
捕らわれた人々を救い出さんと占拠された町に乗り込んだゼロとイズ、リズの兄妹。
当初はゼロ1人で乗り込むと言い出したのをゼロ以外の全員が止めた。
その結果、かつては闇の軍勢にも加担したこともあるダークエルフと呼ばれていたシルバーエルフのイズとリズが同行することが条件で作戦が決行されることになり、ゼロとイズ、リズの3人はまんまと町の中に入り込むことに成功したのだ。
とりあえず付近に魔王軍や魔物の姿は無いようだ。
ゼロは予め用意しておいた連邦国の地図を確認する。
「連邦国も広いからな。どうする?」
ゼロの横に立つオックスが問いかける。
「そうですね。ここから少し北に向かった所に町がありますね。とりあえずそこに行ってみましょう」
ゼロは地図の一点を指差した。
魔王軍が王国に攻め入る侵攻ルートから北に外れた場所に小さな町がある。
今の場所からは北に1日ほど歩いた場所であるが、町としての規模は小さく、軍事的に見ると重要度は低いので捨て置かれている可能性もある。
仮に攻められていたとしても、敵はそれほど多い数は割いていないだろう。
「この土地で遊撃戦を展開するならば拠点とまではいかなくても協力者は確保したいですからね」
ゼロ達は偵察にスペクターを先行させながら北に向かって歩き始めた。
件の町に向かう道すがら、幾度かの魔物との遭遇戦はあったものの、ゼロ達にしてみれば何の問題もなかった。
それらの魔物が魔王軍の部隊ではなく野良の魔物か、魔王軍からはぐれたか何らかの理由で単独でいたものばかりで、アンデッドを使う必要もなく撃退しながら進むことができた。
一行は難なく目的の町に近づいたところで偵察のために先行していたスペクターが報告に戻ったのだが、その報告を受けてゼロの表情が変わった。
ゼロは更に5体のスペクターとオメガを召喚する。
「町の情報を集めてきてください。些細なことも漏らさず、詳細にです」
「造作もないことです。お任せくださいマスター」
オメガはスペクターと共に姿を消した。
「ゼロ、一体何があった?」
ライズがゼロに問う。
皆もゼロの様子が変わったことが気になっているようだ。
「連邦国に来ていきなりハズレを引き当てたようです。・・見方を変えれば大当たりですかね」
「どういうことだ?勿体ぶらずに教えろよ」
「件の町ですが、何者かに占拠されています」
「魔王軍か?」
「違います。何やら組織だった人間達ですね。で、その町に監禁されているのが、連邦国の町の住民でなくて、王国を含めた周辺国の人々やエルフやドワーフ、獣人達なんですよ」
レナが息を飲んだ。
「それって・・・」
ゼロが頷く。
「はい、いつぞやの人身売買組織の一部、攫ってきた人々の集積地のようです」
それを聞いたオックスが憤る。
「そんな連中を見過ごしてはおけんぞ!」
「はい。連邦国に潜入したばかりだからあまり目立たないようにしようと思っていましたが、早速計画変更ですね」
そうこうしている間に偵察に出たオメガが戻ってきた。
「マスターの推察したとおり、かの町は攫われた人々を一時集めておいて、帝国、魔王軍に売却する中継点です」
「なるほど。そうしますと、やはり放ってはおけませんね」
ゼロは全員を見渡した。
「早速荒事になりそうですよ」
ライズがニヤリと笑う。
「まあ、お前についていくと決めた時からこうなるだろうと思っていたよ」
「荒事大歓迎だ!それが捕らわれの人々を助けるためならば尚更だ!」
オックスも肩を鳴らす。
ゼロは頷くと改めて地図に目を落とす。
「さて、どうしますか・・・。ことを急ぐと中継点1つ潰しただけで手懸かりが潰えてしまいかねませんね」
ゼロの言葉に皆が思案する中でゼロの背後に控えるオメガが口を開いた。
「恐れながら申し上げます。偵察に出た折に奴らの背後組織の一部と思しき者共を捕らえて情報を得た後に始末しました」
「詳しく聞きましょう」
ゼロはオメガの更なる報告を聞いた。
「なるほど。オメガ、大手柄ですよ。おかげで良い案が浮かびました」
「恐れ多いお言葉です。マスターのお役に立てて無上の喜びです」
オメガは膝をついて恭しく頭を垂れた。
「オメガの情報を元に作戦を考えました」
翌日の夜明け前、多くの人々が捕らわれた町に近づく影が3人。
姿を隠すわけでもなく、正面から堂々と近づいてくる。
町の入口で見張りに就いていた男は一度は警戒の姿勢を見せるも、近づいてくる3人の風体を見て武器を下ろした。
近づいてきたのは漆黒のマントに全身を包んだ魔法使いにダークエルフが2人。
しかも、魔法使いは取引きの目印である金属製の札を持っていた。
「見ない顔だな。いつもの旦那達はどうした?」
見張りの男は疑っているというよりは単なる雑談や挨拶のような軽々しさで3人に声を掛けた。
「奴等は死んだよ。こんな組織にいるんだ、大して珍しいことではない」
魔法使いの男は淡々と答える。
「そいつは違えねえ。ところで、えらい別嬪を連れているな」
男は魔法使いの背後に立つダークエルフに目を向けた。
1人は女のダークエルフでその美しさは桁違いである。
全身を舐めまわすような男の視線を気にも止めていないように無表情で立つダークエルフだが、魔法使いの男の凍りつくような視線に慌ててダークエルフの女から視線を逸らす。
「くだらん冗談で無駄に時間を費やすつもりはない。早く商品の確認をさせて貰おうか」
魔法使いの視線と声に肝を冷やした見張りの男は3人を町の中に案内した。
その様子を町から少し離れた場所の木の上で見ているエルフが2人、イリーナとリリスだ。
2人はゼロとイズ、リズが無事に町に入ったのを見届けると木の下に身を隠しているほかの3人に状況を伝えた。
「とりあえず、第一段階は上手くいったな」
リリス達の報告を聞いた男はひとまず胸をなで下ろした。
捕らわれた人々を救い出さんと占拠された町に乗り込んだゼロとイズ、リズの兄妹。
当初はゼロ1人で乗り込むと言い出したのをゼロ以外の全員が止めた。
その結果、かつては闇の軍勢にも加担したこともあるダークエルフと呼ばれていたシルバーエルフのイズとリズが同行することが条件で作戦が決行されることになり、ゼロとイズ、リズの3人はまんまと町の中に入り込むことに成功したのだ。
0
お気に入りに追加
286
あなたにおすすめの小説
お妃さま誕生物語
すみれ
ファンタジー
シーリアは公爵令嬢で王太子の婚約者だったが、婚約破棄をされる。それは、シーリアを見染めた商人リヒトール・マクレンジーが裏で糸をひくものだった。リヒトールはシーリアを手に入れるために貴族を没落させ、爵位を得るだけでなく、国さえも手に入れようとする。そしてシーリアもお妃教育で、世界はきれいごとだけではないと知っていた。
小説家になろうサイトで連載していたものを漢字等微修正して公開しております。

【完結】ある二人の皇女
つくも茄子
ファンタジー
美しき姉妹の皇女がいた。
姉は物静か淑やかな美女、妹は勝気で闊達な美女。
成長した二人は同じ夫・皇太子に嫁ぐ。
最初に嫁いだ姉であったが、皇后になったのは妹。
何故か?
それは夫が皇帝に即位する前に姉が亡くなったからである。
皇后には息子が一人いた。
ライバルは亡き姉の忘れ形見の皇子。
不穏な空気が漂う中で謀反が起こる。
我が子に隠された秘密を皇后が知るのは全てが終わった時であった。
他のサイトにも公開中。

転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!

側妃に追放された王太子
基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」
正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。
そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。
王の代理が側妃など異例の出来事だ。
「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」
王太子は息を吐いた。
「それが国のためなら」
貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。
無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる