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魔王プリシラ2
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ゼロが背後にいる仲間達を顧みると、そこには魂を抜き取られたような無表情のライズ達が立ち尽くしていて意識があるかどうかすら分からない。
レナの方は魔力で束縛されて身動きができないようだが、しっかりとした視線でゼロを見ていた。
「とりあえず皆さんに危険はないようですね。では行きましょう!」
プリシラに向き直り、続けてアンデッドに指示を出す。
「小細工や騙し討ちが通用する相手ではありません。真っ向からの全力戦闘以外に勝機はありませんよ!」
ゼロとアンデッドがプリシラを包囲した。
「ほう、勝機とな?妾に本気で勝てるつもりか?」
「勝てるつもりなど微塵もありませんが、勝つ気で挑まなければ何も見えないでしょう!」
その瞬間、ゼロとアンデッド達が一斉に動いた。
左右に回り込んだスケルトンロードがサーベルの一閃と槍の刺突を同時に繰り出す。
プリシラは視線を動かすことなく大鎌の柄で槍を逸らし、後方に飛び退いてサーベルを躱した。
後方に跳んだプリシラを追って大盾を構えたスケルトンロードが突進し、それを飛び越えたオメガのバスターソードが大上段から叩きつけられるがプリシラには届かない。
続けざまにオメガとスケルトンロード2体の攻撃がプリシラを襲うが、その攻撃も高い跳躍で避けられた。
その瞬間を狙ってスケルトンロードの大盾を踏み台にしたゼロがプリシラを追って跳び、斬撃を繰り出す。
「ほう、なかなかの連携じゃ。ほれっ」
大鎌でゼロの剣を受け止めたプリシラは身を翻して柄でゼロを軽く打ちつけた。
「チッ!」
空中で軽く打ち込まれたプリシラの打撃を咄嗟に剣で受け止めたゼロだが、その勢いで地面にたたきつけられた。
「グッ!」
ゼロは受け身を取り、体勢を立て直すが、そこに反撃に転じたプリシラの大鎌が迫る。
ゼロが即座に膝をついて姿勢を低くするとその背後ではバンシーが空中に複数の氷の槍を作り出していた。
ゼロの背後からバンシーの氷の槍、頭上からはスペクターの衝撃魔法とジャック・オー・ランタンの火炎魔法が同時に降り注ぐが、その全てがプリシラに届く前に砕け散る。
初手を全て受け流されたゼロだが、攻撃の手を緩めない。
一気に間合いを詰めたゼロが足下から剣を切り上げてプリシラを仰け反らすと、その先にはスケルトンロードのサーベルが待ち受けている。
「ハハッ!面白い」
プリシラが大鎌の柄でスケルトンロードを突き放すとスケルトンロードがバラバラに吹き飛ばされた。
その間に霧に姿を変えてプリシラの背後に回り込んだオメガだが、逆に背後に回り込まれて鎌で首を刈り取られる、その寸前にオメガは再び霧に姿を変えて離脱するが、姿を現したところに先回りされて打ちのめされた。
バンシー、スペクター、ジャック・オー・ランタンが間断無く魔法攻撃を打ち込むが、彼女等の魔法ではことごとくプリシラに届かない。
「圧倒的、なんて生易しいものではありませんね」
ゼロは剣を構え直す。
当初から勝ち目など無いと分かっていたつもりだが、そもそも勝負にすらなっていないことを思い知らされた。
「どうした、もう終わりか?」
プリシラが笑みを浮かべる。
これまた余裕にすら感じていない表情だ。
完全に遊ばれているのである。
「まだ、無駄な足掻きをさせてもらいます!」
再びゼロが間合いを詰めるために駆け出す。
そのゼロを迎えるべくプリシラの大鎌が横凪ぎに振りだされるが、ゼロを追い越したスケルトンロードの大盾がその刃を受け止めた。
プリシラは構わず大盾もろとも振り抜こうとするが、盾を構えたスケルトンロードの背後を他のアンデッド達が総出で支え、プリシラの大鎌の勢いを止めた。
この好機を逃すわけにはいかない。
鎌を受け止めたアンデッドの塊を飛び越えたゼロが身体の回転をも加えた全力の斬撃を叩き込む。
プリシラの大鎌はまだアンデッド達が抑え込んでいる。
「やりおる!」
そう言うとプリシラはゼロの剣を素手で受け止めた。
いや、受け止めたのではなく、その細い指でつまんで止めたのだ。
「なんてことをっ!・・・うわっ!」
プリシラはまるで紙屑でも捨てるようにゼロの身体ごと放り投げ、更に鎌を抑え込んでいたアンデッド達をまとめて吹き飛ばした。
その間にゼロは壁に叩きつけられながらも再び立ち上がる。
「まったく、嫌になりますね」
「そう申すな。貴様、本当に面白いぞ。これほど高位のアンデッドを多数同時に操るだけでなく、その剣技もなかなかのものだ」
「お誉めにあずかり光栄ですが、プリシラさんは1つだけ間違えてますよ」
「?」
「私は彼等を操っているわけではありません。高位のアンデッドである彼等は私の指揮下にいながら自ら判断して行動しています」
四方に吹き飛ばされたアンデッド達が立ち上がる。
「ほほう、彼奴程では無いにせよ、人間の身にありながらこれほどの死霊術師が存在するとはな」
ゼロの周囲にアンデッド達が集まる。
プリシラのゼロを見る視線が変わった。
「どれ、受けるだけでなく妾の方からも行くぞ。妾の一撃、受け止めてみい」
プリシラが大鎌を構えて腰を落とす。
ゼロはアンデッド達を離れさせた。
1対1で正面から受け止めるつもりだ。
「その心意気や良し。行くぞ!」
プリシラが動いた。
一瞬で目の前まで迫り、大鎌が振り下ろされる。
ゼロは大鎌の刃を狙って剣を振った。
受け止めようとしては打ち負ける。
剣で大鎌を迎撃して軌道を逸らすのが狙いだ。
キィィンッッ!
高い金属音が鳴り響き、ゼロの剣が真っ二つに折れた。
その折れた切っ先がプリシラの頬を掠めて一筋の傷を作り、一瞬だけ血がにじんだが、即座に回復して傷が跡形もなく消えた。
「見事!本当に妾に傷をつけおった」
プリシラも僅かに驚いたようだ。
その間にプリシラから離れたゼロは折れた剣を手放して鎖鎌を取り出して構えた。
分銅を回し始めるゼロだが、プリシラはその手にある大鎌を消し去った。
「十分楽しませて貰った。これで仕舞いじゃ」
そう言うと踵を返して再び玉座に座る。
そして玉座の上のプリシラが指を鳴らすとレナの拘束とライズ達の支配が解けた。
「人の身でたいしたものだ。褒美に別室にお茶を用意させよう。そこの仲間と共に招待してやろう」
レナの方は魔力で束縛されて身動きができないようだが、しっかりとした視線でゼロを見ていた。
「とりあえず皆さんに危険はないようですね。では行きましょう!」
プリシラに向き直り、続けてアンデッドに指示を出す。
「小細工や騙し討ちが通用する相手ではありません。真っ向からの全力戦闘以外に勝機はありませんよ!」
ゼロとアンデッドがプリシラを包囲した。
「ほう、勝機とな?妾に本気で勝てるつもりか?」
「勝てるつもりなど微塵もありませんが、勝つ気で挑まなければ何も見えないでしょう!」
その瞬間、ゼロとアンデッド達が一斉に動いた。
左右に回り込んだスケルトンロードがサーベルの一閃と槍の刺突を同時に繰り出す。
プリシラは視線を動かすことなく大鎌の柄で槍を逸らし、後方に飛び退いてサーベルを躱した。
後方に跳んだプリシラを追って大盾を構えたスケルトンロードが突進し、それを飛び越えたオメガのバスターソードが大上段から叩きつけられるがプリシラには届かない。
続けざまにオメガとスケルトンロード2体の攻撃がプリシラを襲うが、その攻撃も高い跳躍で避けられた。
その瞬間を狙ってスケルトンロードの大盾を踏み台にしたゼロがプリシラを追って跳び、斬撃を繰り出す。
「ほう、なかなかの連携じゃ。ほれっ」
大鎌でゼロの剣を受け止めたプリシラは身を翻して柄でゼロを軽く打ちつけた。
「チッ!」
空中で軽く打ち込まれたプリシラの打撃を咄嗟に剣で受け止めたゼロだが、その勢いで地面にたたきつけられた。
「グッ!」
ゼロは受け身を取り、体勢を立て直すが、そこに反撃に転じたプリシラの大鎌が迫る。
ゼロが即座に膝をついて姿勢を低くするとその背後ではバンシーが空中に複数の氷の槍を作り出していた。
ゼロの背後からバンシーの氷の槍、頭上からはスペクターの衝撃魔法とジャック・オー・ランタンの火炎魔法が同時に降り注ぐが、その全てがプリシラに届く前に砕け散る。
初手を全て受け流されたゼロだが、攻撃の手を緩めない。
一気に間合いを詰めたゼロが足下から剣を切り上げてプリシラを仰け反らすと、その先にはスケルトンロードのサーベルが待ち受けている。
「ハハッ!面白い」
プリシラが大鎌の柄でスケルトンロードを突き放すとスケルトンロードがバラバラに吹き飛ばされた。
その間に霧に姿を変えてプリシラの背後に回り込んだオメガだが、逆に背後に回り込まれて鎌で首を刈り取られる、その寸前にオメガは再び霧に姿を変えて離脱するが、姿を現したところに先回りされて打ちのめされた。
バンシー、スペクター、ジャック・オー・ランタンが間断無く魔法攻撃を打ち込むが、彼女等の魔法ではことごとくプリシラに届かない。
「圧倒的、なんて生易しいものではありませんね」
ゼロは剣を構え直す。
当初から勝ち目など無いと分かっていたつもりだが、そもそも勝負にすらなっていないことを思い知らされた。
「どうした、もう終わりか?」
プリシラが笑みを浮かべる。
これまた余裕にすら感じていない表情だ。
完全に遊ばれているのである。
「まだ、無駄な足掻きをさせてもらいます!」
再びゼロが間合いを詰めるために駆け出す。
そのゼロを迎えるべくプリシラの大鎌が横凪ぎに振りだされるが、ゼロを追い越したスケルトンロードの大盾がその刃を受け止めた。
プリシラは構わず大盾もろとも振り抜こうとするが、盾を構えたスケルトンロードの背後を他のアンデッド達が総出で支え、プリシラの大鎌の勢いを止めた。
この好機を逃すわけにはいかない。
鎌を受け止めたアンデッドの塊を飛び越えたゼロが身体の回転をも加えた全力の斬撃を叩き込む。
プリシラの大鎌はまだアンデッド達が抑え込んでいる。
「やりおる!」
そう言うとプリシラはゼロの剣を素手で受け止めた。
いや、受け止めたのではなく、その細い指でつまんで止めたのだ。
「なんてことをっ!・・・うわっ!」
プリシラはまるで紙屑でも捨てるようにゼロの身体ごと放り投げ、更に鎌を抑え込んでいたアンデッド達をまとめて吹き飛ばした。
その間にゼロは壁に叩きつけられながらも再び立ち上がる。
「まったく、嫌になりますね」
「そう申すな。貴様、本当に面白いぞ。これほど高位のアンデッドを多数同時に操るだけでなく、その剣技もなかなかのものだ」
「お誉めにあずかり光栄ですが、プリシラさんは1つだけ間違えてますよ」
「?」
「私は彼等を操っているわけではありません。高位のアンデッドである彼等は私の指揮下にいながら自ら判断して行動しています」
四方に吹き飛ばされたアンデッド達が立ち上がる。
「ほほう、彼奴程では無いにせよ、人間の身にありながらこれほどの死霊術師が存在するとはな」
ゼロの周囲にアンデッド達が集まる。
プリシラのゼロを見る視線が変わった。
「どれ、受けるだけでなく妾の方からも行くぞ。妾の一撃、受け止めてみい」
プリシラが大鎌を構えて腰を落とす。
ゼロはアンデッド達を離れさせた。
1対1で正面から受け止めるつもりだ。
「その心意気や良し。行くぞ!」
プリシラが動いた。
一瞬で目の前まで迫り、大鎌が振り下ろされる。
ゼロは大鎌の刃を狙って剣を振った。
受け止めようとしては打ち負ける。
剣で大鎌を迎撃して軌道を逸らすのが狙いだ。
キィィンッッ!
高い金属音が鳴り響き、ゼロの剣が真っ二つに折れた。
その折れた切っ先がプリシラの頬を掠めて一筋の傷を作り、一瞬だけ血がにじんだが、即座に回復して傷が跡形もなく消えた。
「見事!本当に妾に傷をつけおった」
プリシラも僅かに驚いたようだ。
その間にプリシラから離れたゼロは折れた剣を手放して鎖鎌を取り出して構えた。
分銅を回し始めるゼロだが、プリシラはその手にある大鎌を消し去った。
「十分楽しませて貰った。これで仕舞いじゃ」
そう言うと踵を返して再び玉座に座る。
そして玉座の上のプリシラが指を鳴らすとレナの拘束とライズ達の支配が解けた。
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