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第7章 戦闘編
6 イェンからもらった大事な……
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仕向けておいて何だよその目は? と言いかけたイェンの元に、駆けつけたイヴンが着ている寝間着の裾を引き裂き、応急処置をほどこそうとする。
慣れない手つきに、小刻みに震える声と手。しかし、イェンはその手を振り払った。
もういいから……行け、というように。
杖を手放したと同時に、回りに被害が及ばないよう張った結界が解除された。
ここにいてはイヴンを危険に巻き込んでしまう。
ようやく状況を理解した〝灯〟の魔道士たちが、倒れたイェンに回復魔術をかけるため動き出すのを、すぐさま、イェンの父が無言で制する。
魔道士たちが訝しんだのは言うまでもなかった。
イェンの大罪は〝灯〟の中でも上層部の、それも一部の者しか知らない。
回復魔術をほどこしたところでイェンには意味がない。
理由は先ほどレギナルトが言った通りだ。そして、そのことを知られるわけにはいかない。
「兄貴は回復魔術がダメなんだ!」
「ハイデラちゃんが、イケないことをしたからって言ってましたです!」
事情を知らない四人組が余計なことを喋り出した。が、要領の得ない説明に魔道士たちには何のことだかさっぱり分からない。
「とにかく医者だ! 医者を呼べ!」
「この中に誰かお医者さんはいませんですかー?」
「ふつーのお医者さまっス」
「ハイデラちゃんを呼ぼう……」
「ばか言え! ハイデラちゃんは遠い東の港町だぞ。呼べるわけがないだろ!」
アホか! と言い捨てる頭の両肩に、突然イェン父が掴みかかり激しく揺さぶった。
「あなたたち、ハイデラ・グリエンタ様をご存じなのですか!」
「え? ハイデラちゃん? 魔道士で女医の美少女ちゃんですよね」
「少女……」
その言葉に引っかかったのか、イェン父は唸り声をもらし首をかしげる。
「ハイデラ様は今年還暦を迎えたはず……いや、まあよい! 彼女は各地の〝灯〟を転々とし一所に留まることはないのだが、運が良ければ捕まるかも。早速〝灯〟の通信魔術でハイデラ様に連絡をとってみよう。誰か! ハイデラ・グリエンタ様にご連絡を!」
長の命令に数名の魔道士たちが〝灯〟へと身をひるがえす。
「この場にいる他の者はいっさい手出しをしてはならない」
手出しは無用と長に言われ、その場に残された魔道士たちはどうしたものかと困惑している。
「だが、あのままでは彼が……」
「早く回復をしないと」
「これは命令だ!」
〝灯〟の長に命令と言われては、彼らも身動きをとれない。
その理由を求めることも許される雰囲気ではなかった。彼らはみな固唾を飲みこの状況を見守るだけ。
あわあわとこのやりとりを眺めていた四人組はふと我に返り、再びイェンと黒衣の魔道士に視線を戻した。
「これでも本気をださないというのなら、もう一度その王子をあの世へと送ってさしあげましょうか? けれど」
蘇りの術はもう、あなたには使えないのですよ、と囁き含みレギナルトはイェンに言い聞かせる。
「そんなこと……させるか……」
かすれた声がイェンの口からもれる。
すかさずイェンを守ろうとイヴンがおおいかぶさってきた。その体勢のまま、肩越しに振り返り上目遣いで挑むように魔道士を睨む。
「僕の命はイェンからもらった大事な命だ! おまえの好きにはさせない。人の命をもてあそぶ真似は許さない! これ以上イェンを傷つけるのも許さない!」
側にいるはずのイヴンの声がまるで遠くに聞こえる。
目がかすみ、視界が揺らぐ。
イェンからもらった大事な命……。
そう思ってくれているのか。
イェンは口元に微かな笑みをのぼらせた。目の奥に熱いものが込み上げてくる。
罪は許されなくとも、その言葉に救われた気がする。
「私を許さない? 力も何も持たないあなたに何ができるというのです」
侮蔑を込めた物言いだ。けれどイヴンは動じなかった。むしろイェンの方が歯噛みする。
ふと手に温もりを感じた。
イヴンの手が、ぎゅっとイェンの手を握りしめる。
「イェン、僕、間違っていたね。イェンが身を削ってまで与えてくれた大事な命だと、分かっているつもりで、本当は、何も分かっていなかったんだ。僕は今まで、回りに流されるまま、ただ何となく毎日を過ごしてきてしまった。ねえイェン、僕ヴルカーンベルクに行ったらいろんな事、やりたいこと、やらなければいけないことを見つけて頑張る。だけど僕にはまだ、イェンが必要なんだ。側にいて欲しいんだ。僕、まだまだ子供だね。でも、イェンがいないと寂しいよ」
「おまえ……」
握りしめてくるイヴンの手にさらに力がこもる。
イェンは歯を食いしばった。
レギナルトはイヴンにおまえに何ができると言った。
だが、イヴンの、その思いだけで落ちかけていきそうになる意識をとどめるには、じゅうぶんだった。
「大好きだよ、イェン」
言うや否や、イヴンはレギナルトに飛びかかった。
これ以上、敵に攻撃をさせまいとイヴンは必死にくらいつく。
「あんなんじゃダメだ!」
「やられ返されちゃう!」
ノイとアルトが同時に叫ぶ。
レギナルトは軽くイヴンを払いのける。
その反動でイブンは地面に尻をつくが、それでもあきらめずに何度も魔道士につかみかかっていった。
そのしつこさに業を煮やしたのか、レギナルトは杖で強くイヴンを払い飛ばした。
相手の杖の先端が口元にぶつかり、イヴンの口の端に血がにじむ。
「時間かせぎだ」
ぽつりとノイが呟き、アルトが頷いてその先をつなぐ。
「あいつの注意を引きつけ、兄ちゃんが立ち上がるまでの時間かせぎ」
「やめろ、イヴン……」
双子たちが手を握りしめ、兄を見守るなか、イェンは声にならない声で呟き、片腕で地面を這い、血のあとを引きずりながらもう片方の手で離れたところに横たわるパンプーヤの杖に手を伸ばす。
震える指先が杖に触れたその時。
『そうじゃ、気を失ってるばあいじゃないぞい!』
慣れない手つきに、小刻みに震える声と手。しかし、イェンはその手を振り払った。
もういいから……行け、というように。
杖を手放したと同時に、回りに被害が及ばないよう張った結界が解除された。
ここにいてはイヴンを危険に巻き込んでしまう。
ようやく状況を理解した〝灯〟の魔道士たちが、倒れたイェンに回復魔術をかけるため動き出すのを、すぐさま、イェンの父が無言で制する。
魔道士たちが訝しんだのは言うまでもなかった。
イェンの大罪は〝灯〟の中でも上層部の、それも一部の者しか知らない。
回復魔術をほどこしたところでイェンには意味がない。
理由は先ほどレギナルトが言った通りだ。そして、そのことを知られるわけにはいかない。
「兄貴は回復魔術がダメなんだ!」
「ハイデラちゃんが、イケないことをしたからって言ってましたです!」
事情を知らない四人組が余計なことを喋り出した。が、要領の得ない説明に魔道士たちには何のことだかさっぱり分からない。
「とにかく医者だ! 医者を呼べ!」
「この中に誰かお医者さんはいませんですかー?」
「ふつーのお医者さまっス」
「ハイデラちゃんを呼ぼう……」
「ばか言え! ハイデラちゃんは遠い東の港町だぞ。呼べるわけがないだろ!」
アホか! と言い捨てる頭の両肩に、突然イェン父が掴みかかり激しく揺さぶった。
「あなたたち、ハイデラ・グリエンタ様をご存じなのですか!」
「え? ハイデラちゃん? 魔道士で女医の美少女ちゃんですよね」
「少女……」
その言葉に引っかかったのか、イェン父は唸り声をもらし首をかしげる。
「ハイデラ様は今年還暦を迎えたはず……いや、まあよい! 彼女は各地の〝灯〟を転々とし一所に留まることはないのだが、運が良ければ捕まるかも。早速〝灯〟の通信魔術でハイデラ様に連絡をとってみよう。誰か! ハイデラ・グリエンタ様にご連絡を!」
長の命令に数名の魔道士たちが〝灯〟へと身をひるがえす。
「この場にいる他の者はいっさい手出しをしてはならない」
手出しは無用と長に言われ、その場に残された魔道士たちはどうしたものかと困惑している。
「だが、あのままでは彼が……」
「早く回復をしないと」
「これは命令だ!」
〝灯〟の長に命令と言われては、彼らも身動きをとれない。
その理由を求めることも許される雰囲気ではなかった。彼らはみな固唾を飲みこの状況を見守るだけ。
あわあわとこのやりとりを眺めていた四人組はふと我に返り、再びイェンと黒衣の魔道士に視線を戻した。
「これでも本気をださないというのなら、もう一度その王子をあの世へと送ってさしあげましょうか? けれど」
蘇りの術はもう、あなたには使えないのですよ、と囁き含みレギナルトはイェンに言い聞かせる。
「そんなこと……させるか……」
かすれた声がイェンの口からもれる。
すかさずイェンを守ろうとイヴンがおおいかぶさってきた。その体勢のまま、肩越しに振り返り上目遣いで挑むように魔道士を睨む。
「僕の命はイェンからもらった大事な命だ! おまえの好きにはさせない。人の命をもてあそぶ真似は許さない! これ以上イェンを傷つけるのも許さない!」
側にいるはずのイヴンの声がまるで遠くに聞こえる。
目がかすみ、視界が揺らぐ。
イェンからもらった大事な命……。
そう思ってくれているのか。
イェンは口元に微かな笑みをのぼらせた。目の奥に熱いものが込み上げてくる。
罪は許されなくとも、その言葉に救われた気がする。
「私を許さない? 力も何も持たないあなたに何ができるというのです」
侮蔑を込めた物言いだ。けれどイヴンは動じなかった。むしろイェンの方が歯噛みする。
ふと手に温もりを感じた。
イヴンの手が、ぎゅっとイェンの手を握りしめる。
「イェン、僕、間違っていたね。イェンが身を削ってまで与えてくれた大事な命だと、分かっているつもりで、本当は、何も分かっていなかったんだ。僕は今まで、回りに流されるまま、ただ何となく毎日を過ごしてきてしまった。ねえイェン、僕ヴルカーンベルクに行ったらいろんな事、やりたいこと、やらなければいけないことを見つけて頑張る。だけど僕にはまだ、イェンが必要なんだ。側にいて欲しいんだ。僕、まだまだ子供だね。でも、イェンがいないと寂しいよ」
「おまえ……」
握りしめてくるイヴンの手にさらに力がこもる。
イェンは歯を食いしばった。
レギナルトはイヴンにおまえに何ができると言った。
だが、イヴンの、その思いだけで落ちかけていきそうになる意識をとどめるには、じゅうぶんだった。
「大好きだよ、イェン」
言うや否や、イヴンはレギナルトに飛びかかった。
これ以上、敵に攻撃をさせまいとイヴンは必死にくらいつく。
「あんなんじゃダメだ!」
「やられ返されちゃう!」
ノイとアルトが同時に叫ぶ。
レギナルトは軽くイヴンを払いのける。
その反動でイブンは地面に尻をつくが、それでもあきらめずに何度も魔道士につかみかかっていった。
そのしつこさに業を煮やしたのか、レギナルトは杖で強くイヴンを払い飛ばした。
相手の杖の先端が口元にぶつかり、イヴンの口の端に血がにじむ。
「時間かせぎだ」
ぽつりとノイが呟き、アルトが頷いてその先をつなぐ。
「あいつの注意を引きつけ、兄ちゃんが立ち上がるまでの時間かせぎ」
「やめろ、イヴン……」
双子たちが手を握りしめ、兄を見守るなか、イェンは声にならない声で呟き、片腕で地面を這い、血のあとを引きずりながらもう片方の手で離れたところに横たわるパンプーヤの杖に手を伸ばす。
震える指先が杖に触れたその時。
『そうじゃ、気を失ってるばあいじゃないぞい!』
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