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第3章 思いがけない再会
9 組織での初仕事
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翌朝。
アパート内を忙しく動き回る組織の人たちを、ファンローゼは椅子に座り、落ち着かない様子で見つめていた。
クレイは朝から用事で出かけたため、この場にはいない。
知らない場所にたった一人。
不安ではあったが、何から何までクレイに頼るわけにはいかない。
クレイは組織の人間で忙しい身だ。
ファンローゼは組織に入ったわけではないのだから、何もしなくていいとクレイは言ってくれたが、その言葉に甘えていられない緊迫した雰囲気が伝わってくる。
自分も何か手伝いをと思いながらも、何をしたらいいのか分からない。
皆、殺気だった雰囲気を振りまいているため、声もかけづらい。
余計なことをして、かえって迷惑をかけるくらいなら、おとなしくしていたほうが無難なのか。
ファンローゼは居心地の悪さを感じつつ、。椅子に座っていた。そこへ、厳しい顔をしたアニタが靴音を響かせ、近寄ってくる。
ファンローゼの前に立ったアニタは、腰に手をあて半眼で見下ろしてきた。
「みんなが忙しく動き回っているってのに、椅子に座ってのんびりとは、いいご身分ね。クレイに特別目をかけてもらっているからって甘えているの? それとも、お貴族様である自分は労働なんてとんでもないって?」
「ごめんなさい。私も何か手伝えることがあればと思っていたのだけれど、何をしたらいいのか分からなくて。かえって皆さんの迷惑になるのではないかと」
アニタはふーん、と目をすがめた。
厳しい眼差しであった。
「だったら、何かすることはないか、誰かに聞いてみたら。子どもじゃないんだから、そのくらいできるでしょ。自主的に動くの。それとも、誰かが声をかけてくれるのを待っていたわけ? あおいにくさま。ここはそんな甘い所じゃないのよ!」
「そんなつもりは……」
「そんなつもりは? じゃあ、どんなつもりだったの!」
「ごめんなさい……」
アニタはだんと床を踏みならした。
そんな彼女の苛立ちが周りにも伝わったのか、他の皆が作業の手をとめ、こちらを振り返る。
ファンローゼを見下ろすアニタの目は、敵意を剥き出しにしたものであった。
「ああ、ものすごくイライラする!」
「まあまあ、アニタ落ち着きなよ」
見かねた仲間たちが集まってきて、アニタをなだめ始めた。
「何なのよこの子!」
アニタの怒鳴り声に、さらに通りかかった者も足を止めぎょっとする。
「クレイが言っていたんだ。この子は組織に入ったわけじゃないから、手伝いとかは何もしなくていいって。自分がいないときは、エスツェリア軍から彼女を守ってあげて欲しいってさ」
「何よそれ! 組織の人間でもないこの子をエスツェリア軍から守れって? そんなばかな話があるわけ?」
肩を怒らせ、アニタはその男につめ寄った。
「いや、だからクレイがそう言ったんだって。クレイが言うことは絶対だよ。それに、彼女はクルト・ウェンデルの娘だろ?」
「それが何よ!」
「貴族じゃないか」
つまり、貴族であるファンローゼに、お手伝いはさせられないという考えだ。
「そんなの関係ないわよ。いいわ」
アニタは再びファンローゼに向き直り、指を突きつけた。
「あんたに仕事を与えてあげる」
周りから、おいおいと戸惑いの声があがった。
ファンローゼに対するクレイの扱いからして、彼女は大切なお客様ということは皆、じゅうぶん理解している。だから、彼女が何もしていなくても、誰も文句一つ言わなかった。
それなのに、勝手なことをして、後でクレイに知られたら大変なことになると恐れているのだ。
「ほんとうですか?」
しかし、ファンローゼは仕事を貰えると聞いて、ぱっと表情を明るくさせた。
アニタはええ、と言って口元を歪める。
「私にできることなら、どんなことでもやります!」
「別に難しいことではないわ。食事当番はどう? ここにいる間はずっと、朝と晩、組織にいる全員の食事を作るの」
「食事当番?」
「そうよ。何か不満でもある?」
二人の会話を聞き、他の組織のメンバーが横から口を挟む。
「おいおい、アニタ。いきなり食事当番を押しつけるなんて、いくらなんでも無理だよ」
「そうさ、かわいそうだよ。組織の人間分って、どんだけの人数がいると思ってる?」
周りの者が非難めいた言葉をアニタに投げかける。だが、ファンローゼを庇うのは男たちばかりであった。
女性たちは、いっさい言葉を挟むことなく、遠巻きにこの様子を見ているだけであった。
それに気づいたアニタは、この場にいる女たちに声をかける。
「あなたたちはどう思う? 反対する者はいて?」
アニタに指摘された女たちは、互いの思惑を伺うように顔を見合わせた。
クレイの命令に逆らいたくはない。けれど、アニタのご機嫌も損ねたくないといった様子だ。
「そりゃ、組織の仕事をこなして、さらに食事の支度は大変だから……この子が担当しててくれるっていうなら、助かるけど……」
「なら決まりね」
「待てよアニタ! クレイに断りもなく勝手に決めるのはまずいぞ」
「あら、何がまずいの? 何か手伝いたいって言ったのはこの子でしょう? 武器を扱えるわけでもない。町の偵察も無理。戦うなんて論外。そんな子に何ができるの? それに別に一人でやれって言ってるわけじゃないし、手があいた者がこの子の手伝いをしてあげればいいだけ。嫌なら別にいいのよ。無理にとは言わないわ」
きつい口調で言い返すアニタに、みなは怖いなあ、と呟いて肩をすくめ苦笑いを刻んだ。
「ここではね。皆、何かしらの役割を持って働いているの。あなただけお客様扱いはできない。分かる? それとも貴族のあんたは料理なんてしたことがないのかしら。別に、豪勢なフルコースを作ってくれとは言ってないんだけどね」
アニタの狙いはまさにそれであった。
貴族のファンローゼに食事の支度などそれも、組織のメンバー分の用意などできるわけがないと思ったからだ。
しかし、アニタの思惑とは反対に、ファンローゼは彼女の両手をしっかりと握りしめ、満面の笑みを浮かべた。
「いいえ! アニタさんありがとう。やるわ! ぜひ私に食事当番をやらせて!」
これにはアニタも面を食らったようだ。
相手を困らせてやろうと思っていたアニタの策略は、どうやら誤算だった。
ファンローゼは確かに貴族のお嬢様。だが、記憶を失っていた三年間、スヴェリアのアレナさんの元で家事全般をこなしてきた。
料理はアレナおばさんに教わり、どちらかといえば得意な方であった。
「私、一生懸命やるわ! さっそく、キッチンをお借りしてもいい?」
「え? ええ……」
ファンローゼは嬉しそうにキッチンへと走って行く。
どこか拍子抜けという態で、アニタは肩をすくめた。この場に集まってきた者たちも、騒動がいったんおさまったことに安堵する。
たとえ、このことがクレイに知られたとしても、自分たちは関係ない。言い出したのはアニタだから、自分がお咎めを食らうことはないだろうと思ったのだ。
そのアニタも、クレイのお気に入りであることは周知の事実である。そんな彼女をクレイは厳しく罰することはないと思っているのだ。
とにもかくにも、今日の食事がどんなものがでるのか、不安なような楽しみのような、そう思いながら、再び自分の作業に戻って行く。
アパート内を忙しく動き回る組織の人たちを、ファンローゼは椅子に座り、落ち着かない様子で見つめていた。
クレイは朝から用事で出かけたため、この場にはいない。
知らない場所にたった一人。
不安ではあったが、何から何までクレイに頼るわけにはいかない。
クレイは組織の人間で忙しい身だ。
ファンローゼは組織に入ったわけではないのだから、何もしなくていいとクレイは言ってくれたが、その言葉に甘えていられない緊迫した雰囲気が伝わってくる。
自分も何か手伝いをと思いながらも、何をしたらいいのか分からない。
皆、殺気だった雰囲気を振りまいているため、声もかけづらい。
余計なことをして、かえって迷惑をかけるくらいなら、おとなしくしていたほうが無難なのか。
ファンローゼは居心地の悪さを感じつつ、。椅子に座っていた。そこへ、厳しい顔をしたアニタが靴音を響かせ、近寄ってくる。
ファンローゼの前に立ったアニタは、腰に手をあて半眼で見下ろしてきた。
「みんなが忙しく動き回っているってのに、椅子に座ってのんびりとは、いいご身分ね。クレイに特別目をかけてもらっているからって甘えているの? それとも、お貴族様である自分は労働なんてとんでもないって?」
「ごめんなさい。私も何か手伝えることがあればと思っていたのだけれど、何をしたらいいのか分からなくて。かえって皆さんの迷惑になるのではないかと」
アニタはふーん、と目をすがめた。
厳しい眼差しであった。
「だったら、何かすることはないか、誰かに聞いてみたら。子どもじゃないんだから、そのくらいできるでしょ。自主的に動くの。それとも、誰かが声をかけてくれるのを待っていたわけ? あおいにくさま。ここはそんな甘い所じゃないのよ!」
「そんなつもりは……」
「そんなつもりは? じゃあ、どんなつもりだったの!」
「ごめんなさい……」
アニタはだんと床を踏みならした。
そんな彼女の苛立ちが周りにも伝わったのか、他の皆が作業の手をとめ、こちらを振り返る。
ファンローゼを見下ろすアニタの目は、敵意を剥き出しにしたものであった。
「ああ、ものすごくイライラする!」
「まあまあ、アニタ落ち着きなよ」
見かねた仲間たちが集まってきて、アニタをなだめ始めた。
「何なのよこの子!」
アニタの怒鳴り声に、さらに通りかかった者も足を止めぎょっとする。
「クレイが言っていたんだ。この子は組織に入ったわけじゃないから、手伝いとかは何もしなくていいって。自分がいないときは、エスツェリア軍から彼女を守ってあげて欲しいってさ」
「何よそれ! 組織の人間でもないこの子をエスツェリア軍から守れって? そんなばかな話があるわけ?」
肩を怒らせ、アニタはその男につめ寄った。
「いや、だからクレイがそう言ったんだって。クレイが言うことは絶対だよ。それに、彼女はクルト・ウェンデルの娘だろ?」
「それが何よ!」
「貴族じゃないか」
つまり、貴族であるファンローゼに、お手伝いはさせられないという考えだ。
「そんなの関係ないわよ。いいわ」
アニタは再びファンローゼに向き直り、指を突きつけた。
「あんたに仕事を与えてあげる」
周りから、おいおいと戸惑いの声があがった。
ファンローゼに対するクレイの扱いからして、彼女は大切なお客様ということは皆、じゅうぶん理解している。だから、彼女が何もしていなくても、誰も文句一つ言わなかった。
それなのに、勝手なことをして、後でクレイに知られたら大変なことになると恐れているのだ。
「ほんとうですか?」
しかし、ファンローゼは仕事を貰えると聞いて、ぱっと表情を明るくさせた。
アニタはええ、と言って口元を歪める。
「私にできることなら、どんなことでもやります!」
「別に難しいことではないわ。食事当番はどう? ここにいる間はずっと、朝と晩、組織にいる全員の食事を作るの」
「食事当番?」
「そうよ。何か不満でもある?」
二人の会話を聞き、他の組織のメンバーが横から口を挟む。
「おいおい、アニタ。いきなり食事当番を押しつけるなんて、いくらなんでも無理だよ」
「そうさ、かわいそうだよ。組織の人間分って、どんだけの人数がいると思ってる?」
周りの者が非難めいた言葉をアニタに投げかける。だが、ファンローゼを庇うのは男たちばかりであった。
女性たちは、いっさい言葉を挟むことなく、遠巻きにこの様子を見ているだけであった。
それに気づいたアニタは、この場にいる女たちに声をかける。
「あなたたちはどう思う? 反対する者はいて?」
アニタに指摘された女たちは、互いの思惑を伺うように顔を見合わせた。
クレイの命令に逆らいたくはない。けれど、アニタのご機嫌も損ねたくないといった様子だ。
「そりゃ、組織の仕事をこなして、さらに食事の支度は大変だから……この子が担当しててくれるっていうなら、助かるけど……」
「なら決まりね」
「待てよアニタ! クレイに断りもなく勝手に決めるのはまずいぞ」
「あら、何がまずいの? 何か手伝いたいって言ったのはこの子でしょう? 武器を扱えるわけでもない。町の偵察も無理。戦うなんて論外。そんな子に何ができるの? それに別に一人でやれって言ってるわけじゃないし、手があいた者がこの子の手伝いをしてあげればいいだけ。嫌なら別にいいのよ。無理にとは言わないわ」
きつい口調で言い返すアニタに、みなは怖いなあ、と呟いて肩をすくめ苦笑いを刻んだ。
「ここではね。皆、何かしらの役割を持って働いているの。あなただけお客様扱いはできない。分かる? それとも貴族のあんたは料理なんてしたことがないのかしら。別に、豪勢なフルコースを作ってくれとは言ってないんだけどね」
アニタの狙いはまさにそれであった。
貴族のファンローゼに食事の支度などそれも、組織のメンバー分の用意などできるわけがないと思ったからだ。
しかし、アニタの思惑とは反対に、ファンローゼは彼女の両手をしっかりと握りしめ、満面の笑みを浮かべた。
「いいえ! アニタさんありがとう。やるわ! ぜひ私に食事当番をやらせて!」
これにはアニタも面を食らったようだ。
相手を困らせてやろうと思っていたアニタの策略は、どうやら誤算だった。
ファンローゼは確かに貴族のお嬢様。だが、記憶を失っていた三年間、スヴェリアのアレナさんの元で家事全般をこなしてきた。
料理はアレナおばさんに教わり、どちらかといえば得意な方であった。
「私、一生懸命やるわ! さっそく、キッチンをお借りしてもいい?」
「え? ええ……」
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どこか拍子抜けという態で、アニタは肩をすくめた。この場に集まってきた者たちも、騒動がいったんおさまったことに安堵する。
たとえ、このことがクレイに知られたとしても、自分たちは関係ない。言い出したのはアニタだから、自分がお咎めを食らうことはないだろうと思ったのだ。
そのアニタも、クレイのお気に入りであることは周知の事実である。そんな彼女をクレイは厳しく罰することはないと思っているのだ。
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