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第2章 念願の魔道士になりました!
お師匠様の魔術 1
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落ちる!
悲鳴を上げ、ぎゅっと目を閉じた刹那、手首を強くつかまれた感覚とがくんと肩が抜けるような痛みに声をもらす。
浮いた足が心許なげに虚空を蹴る。
「じっとしてろ!」
頭上から落ちてきたその声に目を開けると、お師匠様が厳しい形相で片手で窓の縁につかまり身を乗り出していた。
お師匠様!
どうしてここへ、と問いかけるよりも早く、力強い腕に身体を引き上げられお師匠様の片腕に抱きかかえられる。
両腕を伸ばし無我夢中でお師匠様の首にしがみつく。
「お師匠様!」
「もう大丈夫だ、安心しろ」
それでも、きつくしがみつくツェツイに、俺がいる、だからもう怖くないだろ? と背中を軽く叩かれ言い聞かせられる。
ようやく、ツェツイの手が緩んだ。ふと、部屋の扉に視線を向けたが開いた形跡はない。
お師匠様どうしてここに? どうやってこの部屋に?
「いろいろ言いたいことはあるが、今はそんな暇はねえ。このまま試験場まで直行するぞ」
ツェツイは口をぱくぱくさせた。どうやって? と言いたかったのに、声にならない。
「こうやってだよ!」
張り上げたイェンの声に応え、強大な風のうねりが足下から生じる。
イェンの長い髪が逆巻いて波打ち、衣服がばたばたと風にあおられ音をたてる。
ツェツイの顔に絶望の色が広がった。
力が抜けたように、しがみついた相手の肩口にひたいを押しつけ身体を震わせる。
何故なら。〝灯〟の時計台の鐘が十一時を告げたからだ。
お師匠様、間に合いませんでした。試験の時間、過ぎちゃいました。
もうどんなことをしようが、試験を受けることはできない。
ごめんなさい。あたしがもっとしっかりしてたら、こんなことにならなかったのに。ずっと、あたしの側について見守ってくれたのに。あたしは、お師匠様の期待にこたえられなかった。
「ツェツイ」
すぐ耳元で響くお師匠様の優しい声。こんなところで何してんだ、どうしてすぐに戻ってこなかったんだ、と叱られると思っていたのに。
「ごめんなさい……お師匠様、ごめんなさい……」
ツェツイは顔を上げられないと首を振りながら、何度もごめんなさいを繰り返す。
どんな顔をすればいいのか、わからなかった。
ツェツイともう一度呼びかけられ、お師匠様の指があごにかかり顔を上げさせられた。
いつもは背の高いお師匠様をせいいっぱいに仰ぐような格好で見上げるのに、今は抱っこされているため顔が近い。
「おまえ、何て顔してんだよ」
「だって……」
「だってじゃねえよ。おまえは泣きながら試験を受けるつもりか?」
ツェツイはじっとイェンを見つめ返した。試験を受けることなんてできないのに。
この鐘の音がお師匠様にだって聞こえないはずがないのに。
強風が吹き抜け、イェンの背中に流れる黒髪を激しく揺らす。
上着の裾が大きくひるがえり音をたてている。下をのぞき込めば、目もくらむような高さ。
風に煽られながら足元が心許ない窓の縁に立って、間違ってここから落ちたら絶対に助からないのに、なのに、お師匠様の腕の中にいるなら不思議と怖くなかった。
お師匠様の首に回していた右手をとられる。
ずっと、扉を叩いていたせいでその手は真っ赤だった。
「手、痛むか?」
「もう、痛くないです……」
お師匠様の体温が伝わってくる。温かくて。優しくて。
不思議と痛みもひいていくような気がした。
お師匠様の指先が、涙でにじむ目の縁を拭ってくれた。そして、その手が風で乱れた髪を何度もすいてくれる。
「おまえの師匠を引き受けておきながら、俺はおまえに何ひとつ魔術を教えてやれなかった」
ツェツイはそんなことはないです、と首を振る。
「あたしはそれ以上にお師匠様からとても大切なものをたくさんいただきました。あたしがこうしていられるのも、お師匠様のおかげです。あたし、今までで一番楽しい時間を過ごせました」
「これからも、だろ」
「これからも?」
「楽しい時間はこれからもっと、いくらだって作れるだろ? おまえは俺の大切な弟子だ」
イェンはしっかりとツェツイを抱え込む。
「行くぞ」
再びイェンの足元から風が生じる。
その猛烈な風の勢いに息をするのもままならず、ツェツイは目をつむり、再びイェンの首にしがみつくが、しがみついた相手から放たれるとてつもなく凄まじい魔力に全身が震え総毛だった。
どこにそんな強烈な魔力を隠し持っていたというのか。
何故、隠していたというのか。
「ツェツイ、目を開けろ」
有無を言わせぬその声に、ツェツイはおそるおそる目を開ける。
「しっかり目を開けて見ておけ。そして身体で覚えろ。今のおまえならものにできるはずだ」
目には見えない大きな魔力の流れを身体で感じ取る。
かすかに周りの景色が陽炎のようにゆがむ。やがて、景色が溶け徐々に渦を巻き、空間がひずみ始めた。
ツェツイはまさかと目を見開く。
空間移動!
自分の望む場所へ瞬時に移動する上級魔術。
さっき、試そうとして、怖くてできなかった術。
お師匠様、うそですよね。それに詠唱は? 詠唱なしで魔術を使うつもりですか!
「お師匠様! 待ってください! え、詠唱は……魔術を発動させる詠唱はないのですか!」
「詠唱? そんな、めんどくせえもん必要ねえよ」
「時の狭間に迷い込んだら帰れなくなってしまいます!」
「俺がそんなヘマやらかすと思うか? いいから黙って見ておけ」
すぐ横で不敵に笑うお師匠様の顔。
何だか、お師匠様らしい気がした。
たとえ、このまままっすぐ試験場に向かったとしても、すでに、試験開始の時間は過ぎてしまっている。けれど、そんなことすらツェツイは忘れてしまっていた。
ツェツイは可能な限り目を見開いた。この目で、この身体で、あますことなく全てを知り尽くそうと。耳の奥でぶんと耳鳴りがした。身体が圧迫される感覚にとらわれる。
飛ぶ。
一瞬の出来事だった。
塔の窓から消える寸前、目に映ったのはどこまでも続く雲ひとつない真っ青な空。
耳に届いたのは、余韻を響かせ〝灯〟の時計台の鐘が最後を告げる音。
そして、思う存分自分の力を出し切ってこい、と言ったお師匠様の力強い言葉だった。
悲鳴を上げ、ぎゅっと目を閉じた刹那、手首を強くつかまれた感覚とがくんと肩が抜けるような痛みに声をもらす。
浮いた足が心許なげに虚空を蹴る。
「じっとしてろ!」
頭上から落ちてきたその声に目を開けると、お師匠様が厳しい形相で片手で窓の縁につかまり身を乗り出していた。
お師匠様!
どうしてここへ、と問いかけるよりも早く、力強い腕に身体を引き上げられお師匠様の片腕に抱きかかえられる。
両腕を伸ばし無我夢中でお師匠様の首にしがみつく。
「お師匠様!」
「もう大丈夫だ、安心しろ」
それでも、きつくしがみつくツェツイに、俺がいる、だからもう怖くないだろ? と背中を軽く叩かれ言い聞かせられる。
ようやく、ツェツイの手が緩んだ。ふと、部屋の扉に視線を向けたが開いた形跡はない。
お師匠様どうしてここに? どうやってこの部屋に?
「いろいろ言いたいことはあるが、今はそんな暇はねえ。このまま試験場まで直行するぞ」
ツェツイは口をぱくぱくさせた。どうやって? と言いたかったのに、声にならない。
「こうやってだよ!」
張り上げたイェンの声に応え、強大な風のうねりが足下から生じる。
イェンの長い髪が逆巻いて波打ち、衣服がばたばたと風にあおられ音をたてる。
ツェツイの顔に絶望の色が広がった。
力が抜けたように、しがみついた相手の肩口にひたいを押しつけ身体を震わせる。
何故なら。〝灯〟の時計台の鐘が十一時を告げたからだ。
お師匠様、間に合いませんでした。試験の時間、過ぎちゃいました。
もうどんなことをしようが、試験を受けることはできない。
ごめんなさい。あたしがもっとしっかりしてたら、こんなことにならなかったのに。ずっと、あたしの側について見守ってくれたのに。あたしは、お師匠様の期待にこたえられなかった。
「ツェツイ」
すぐ耳元で響くお師匠様の優しい声。こんなところで何してんだ、どうしてすぐに戻ってこなかったんだ、と叱られると思っていたのに。
「ごめんなさい……お師匠様、ごめんなさい……」
ツェツイは顔を上げられないと首を振りながら、何度もごめんなさいを繰り返す。
どんな顔をすればいいのか、わからなかった。
ツェツイともう一度呼びかけられ、お師匠様の指があごにかかり顔を上げさせられた。
いつもは背の高いお師匠様をせいいっぱいに仰ぐような格好で見上げるのに、今は抱っこされているため顔が近い。
「おまえ、何て顔してんだよ」
「だって……」
「だってじゃねえよ。おまえは泣きながら試験を受けるつもりか?」
ツェツイはじっとイェンを見つめ返した。試験を受けることなんてできないのに。
この鐘の音がお師匠様にだって聞こえないはずがないのに。
強風が吹き抜け、イェンの背中に流れる黒髪を激しく揺らす。
上着の裾が大きくひるがえり音をたてている。下をのぞき込めば、目もくらむような高さ。
風に煽られながら足元が心許ない窓の縁に立って、間違ってここから落ちたら絶対に助からないのに、なのに、お師匠様の腕の中にいるなら不思議と怖くなかった。
お師匠様の首に回していた右手をとられる。
ずっと、扉を叩いていたせいでその手は真っ赤だった。
「手、痛むか?」
「もう、痛くないです……」
お師匠様の体温が伝わってくる。温かくて。優しくて。
不思議と痛みもひいていくような気がした。
お師匠様の指先が、涙でにじむ目の縁を拭ってくれた。そして、その手が風で乱れた髪を何度もすいてくれる。
「おまえの師匠を引き受けておきながら、俺はおまえに何ひとつ魔術を教えてやれなかった」
ツェツイはそんなことはないです、と首を振る。
「あたしはそれ以上にお師匠様からとても大切なものをたくさんいただきました。あたしがこうしていられるのも、お師匠様のおかげです。あたし、今までで一番楽しい時間を過ごせました」
「これからも、だろ」
「これからも?」
「楽しい時間はこれからもっと、いくらだって作れるだろ? おまえは俺の大切な弟子だ」
イェンはしっかりとツェツイを抱え込む。
「行くぞ」
再びイェンの足元から風が生じる。
その猛烈な風の勢いに息をするのもままならず、ツェツイは目をつむり、再びイェンの首にしがみつくが、しがみついた相手から放たれるとてつもなく凄まじい魔力に全身が震え総毛だった。
どこにそんな強烈な魔力を隠し持っていたというのか。
何故、隠していたというのか。
「ツェツイ、目を開けろ」
有無を言わせぬその声に、ツェツイはおそるおそる目を開ける。
「しっかり目を開けて見ておけ。そして身体で覚えろ。今のおまえならものにできるはずだ」
目には見えない大きな魔力の流れを身体で感じ取る。
かすかに周りの景色が陽炎のようにゆがむ。やがて、景色が溶け徐々に渦を巻き、空間がひずみ始めた。
ツェツイはまさかと目を見開く。
空間移動!
自分の望む場所へ瞬時に移動する上級魔術。
さっき、試そうとして、怖くてできなかった術。
お師匠様、うそですよね。それに詠唱は? 詠唱なしで魔術を使うつもりですか!
「お師匠様! 待ってください! え、詠唱は……魔術を発動させる詠唱はないのですか!」
「詠唱? そんな、めんどくせえもん必要ねえよ」
「時の狭間に迷い込んだら帰れなくなってしまいます!」
「俺がそんなヘマやらかすと思うか? いいから黙って見ておけ」
すぐ横で不敵に笑うお師匠様の顔。
何だか、お師匠様らしい気がした。
たとえ、このまままっすぐ試験場に向かったとしても、すでに、試験開始の時間は過ぎてしまっている。けれど、そんなことすらツェツイは忘れてしまっていた。
ツェツイは可能な限り目を見開いた。この目で、この身体で、あますことなく全てを知り尽くそうと。耳の奥でぶんと耳鳴りがした。身体が圧迫される感覚にとらわれる。
飛ぶ。
一瞬の出来事だった。
塔の窓から消える寸前、目に映ったのはどこまでも続く雲ひとつない真っ青な空。
耳に届いたのは、余韻を響かせ〝灯〟の時計台の鐘が最後を告げる音。
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