購買の喪女~30歳喪女で毒女の私が、男子校の購買部で働いている件について~

ダビマン

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ピンクシューズの公子ちゃん

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 就職場所が想像となんか違う件について……。

 朝は良かった。たつえさんが起こしてくれて、ホテルのモーニングサービス並みの朝食に美味しいコーヒー……ブラックは無理なので、砂糖とミルク入りだ。

 コーヒーのブラックは、飲む意味がわからん。砂糖もミルクも入って無いのになぜ、堂々とカフェオレと同じ値段なんだ?

 オニギリや、ハンバーグという、うたい文句を語った。

 中身をにした詐欺商品よりも、値段設定が酷いと思うのは、私だけだろうか?

 私だけであるのなら、日本は終わりが近いのかも知れない。

 もっと危機感を持って生きろ。日本人の諸君。騙されてるぞ~!……とまぁ、それはいいとしてだ。

 その後、じいさんと学校に行く前に、美容室へ連れて行かれた。

 髪の長さがセミロング位になったが、やはり、散髪屋との値段差がわからん。

 何かいい匂いになったのと、髪の毛がスルスル、サラサラになったが、風呂に入れば戻るんだから意味ないじゃ~ん。と思う。

 「うん、可愛くなったね!」

 「あ、ありがとうございます……」
 いや、30歳の女性に可愛いって……。

 まぁ、じいさんからしたら、30歳はまだ子供で。子供として、私を見てしまうんだろうけどさ……。

 けどさ……。黄色いお花のワンピースはキツいって~。昭和の小学生じゃないんだぞ?令和の三十路だぞ?靴もピンクのスポーツシューズだし……まぁ、動きやすいからいいけども。

 私がお洒落よりも、機能重視で良かったなじいさん。

 全然、着せ替え人形してやるぜ……だって……月給。手取りで30だって……。

 草生えて、木生えて、森の中で熊さんとこんにちはして、猟銃でドン!だ。

 そして。その猟銃の弾は、麻酔銃だった。

 家賃に食費、光熱費はいらんて!殺処分じゃなくて、夢の国。動物園行きだぞ?
 野生になんか戻りたくない私にはとっては、檻の中はパラダイス!ユートピア!まさに楽園!

 まぁ、檻から動物園までは、自転車で20分程かかるが我慢しよう、車とバイクの免許が無い私が悪い。

 免許があったら、じいさんは車も買ってくれそうでなんか怖いしな。
 流石にパチンコ台はもろても、車はひくと思う。

 蛇に睨まれた蛙化しちゃう。

 檻を出て、ペットサロンへ行って、動物園……もとい学校についたら職員室で挨拶だ。

 購買部のおばちゃんに、興味がある訳も無く……挨拶は程々で終わった。その後が面倒だった。

 「あ、あの佐倉公子です、購買部で働く事になりました……よろしくお願いします」
 無難に無難に……目立たなく行こう。

 「えぇ、なに!可愛い!私、姫川川栄ひめかわかわえ!よろしくね!」

 「あ、自分、筋美成男きんびなるおと言います!よろしくお願いします」

 その後も何人か来たが、顔も名前も忘れた。
 そして、じいさんに手を引かれて……。

 そう……お手々~繋いで~廊下を~いけ~ば~♪だ……。

 現在地、購買部の前に到着だ。

 もはや、これは、購買部ではなく……カフェじゃないか!なんか全体的にホワイトでキラキラしとる!

 両手を左右に長い廊下。

 正面には、オープンな……スケキヨ?コスキオ?キヨスケ?駅の売店みたいのがある。
 
 そしてその売店の横のスペースにテーブル椅子が4つ……ミニ・フードコート出来とる!しかも、その奥に自販機て!

 めっちゃめちゃ人が来るやん!そして、カップ式とか!ここで飲んでいかせるき満々やん!

 引き篭もり舐めんなて!カフェとか、世界で1番苦手な場所だわ!

 1番は……。言い過ぎか?1番は祭りとか?パチンコパチスロ・ファン感謝祭は好きだから……。やっぱり、1番はカフェだな。

 リア充の巣窟……カフェテリア。

 映えに栄え。バエバエうるさい小バエがぶんぶんとちゃばねる。心霊スポットよりも怖くて恐ろしい場所。ジャージで行ったら……焼かれる。       

          キミペディア調べ。

 ジュースなんて、マックで飲めばいいじゃろがい!爆ぜろ!リアル!弾けろ!ぼかん!

 「はい、どうぞ」

 「あ、ありがとうございます……」
 ったく、気が利くんだよな……ちゃんと砂糖もミルクも多めで買ってるし……。

 「どうです?結構お洒落でしょ?お昼は忙しいでしょうが、他の時間は静かだと思いますよ?」

 「あ、そうなんですね」
 お洒落を自慢するんじゃありません。地味なのが好きな人に失礼でしょうが!

 「大丈夫そうですか?」

 「えっと……頑張ってみます」
 聞くなよじいさん。無理だ!とは、ここまで来ていえんて。

 「では、よろしくお願いしますね。コンビニと変わんないですし、仕入れも業者側が補充してくれます。さくらさんのレジ打ちの腕があれば楽勝です」

 「そ、そうですか、頑張ります」
 私のレジ打ちの何を知っているのだ。じいさんよ。

 まぁ、遊びにも本気な分、仕事にも本気な私のレジ打ちは、アタタな眉毛ボーイにも負けん。そう、私は天才だ……覚悟はいいか?
 
 まぁ、最悪。無理だったら、脱兎の如く、龍の如く。歌舞伎町にでも逃げればいい……。

 「あぁ、そうそう……これ……申し訳無いと思ったのですが、病院に運んだ時に保険証が無いかな。と財布を拝見してしまいまして。小銭だけじゃ心許ないでしょう?入社祝い金です」

 「え!いいんですかい!」

 「おや!フフフ……何か江戸っ子さんみたいな反応ですね、どうぞ遠慮無く。それと、仕事に出た分の前借りも大丈夫なので、無くなったら言って下さいね。他の人には秘密です」

 「あ、ありがとうございます……」
 アブねぇ、素が出ちまう所だったぜ。

 しかし……人差し指を立ててウィンクとか、お茶目が過ぎるぞ?とりあえず笑顔は返すけど……。

 どれどれ……封筒の触り心地からして……3万か?5万は……無いな……。祝い金だから返さないでいいし。帰りにパチンコーー

 「ーー出来ればですが、夕飯とか一緒に食べたいので、パチンコは、お休みの日にして頂けると……嬉しいです」

 「ぜ、善処します……」
 か、考えがばれとるやないかい!

 じいさん!アンタ、サイコメトリーか?それとも、私がサトリで考えが筒抜けとか?

 「妻が……朝から晩まで行っていたので、中々ね……一緒に食事がとれなかったんです……娘とも……」

 「そ、そうなんですね」
 前任者がいたのか……可哀想に……。

 面倒見よすぎんだろ、じいさん。私は私の面倒さえまともにみられんぞ……。

 「まぁ、でも無理に行くな。とは言いませんので……。家に無事に帰って来てくれさえすれば、それでいいです」

 「はい、わかりました」
 行きにくいわ!まぁ、それでも行くのが私なのだが……。

 地を自で行くのが、この私なのだが。まぁ、今日は早く帰ろうと思う。ってか今日は、帰り一緒だし。

 「では、また後ほど……4時にはあがって良いので、終わったら理事長室に来て下さい」

 「はい、わかりました」
 だから、去りながら手を振らなくて良いっての……一応ふりかえすけど……。

 さてさて、お待たせしました。いえ、待たせすぎたのかも知れません……。それでは、答え合わせです。封筒の中身の金額は~!ビンゴ~!3万え~ん!あぁ~フゥア!フゥア!させてぇ……まぁ、もう無いけど……。

 さてさて、仕事だ仕事だ!てやんでい!

 とりあえず、商品チェックだ……文房具に……げ!お菓子まで置いてんのかよ!舐めくさりおって!学校でお菓子食うなっての!他には、パンや牛乳か。パンやけに多いな……昼は戦場なのか……。ダルそ……。後は変わったもんはないな。

 さて、コンセントは……あった。

 充電器もって来て良かったわ……。授業中、誰も通らないっぽいから、ゲームし放題だ。
 チャイムがなったら辞めればいい。椅子はパイプ椅子だが座布団付きで、まぁ、悪くない。

 最初はちょっとビビったが、悪くないじゃないか、自販機のコーヒーも80円……やっす!
 さっき貰ったのがあるから、まだ良いけどね。

 お……。チャイムがなった。昼前の最後の休憩か……。

 「あの……おば……お姉さん?……消しゴム下さい……」

 「はい、90円です」
 おい、お姉さん?の?はなんだ。おばさんは否定したよな?

 まぁ、花柄ワンピースの小人だ。ちいさいおじさんならぬちいさいおばさんだ。しかたがないか……。 

 おい、振り返りずぎだガキ、しかも礼を言え!お礼を!まったく最近のガキは……。

 まぁ、私も言わんけどな……。

 その後もちらほら来たが……休み時間。15分。たかが知れてる。これから45分のゲームたいむ。

 うまっこ娘が1育成、出来る。

 課金額、60万。配布石は貯めて、人権ピックアップの時に引く。

 なのでそこそこには、良いのが作れる。推しは、カワカミお嬢様だ。
 元気なお馬鹿がやはり1番、可愛い。尊い。そして、馬なのに猫目って!よき寄りのよき。

 ガチャの引きはゴミだ。

 100連爆死の時には携帯を放り投げ様かと思ったが、お台所のカップ麺やカピカピの野菜の死骸を、アスレチックにして遊ぶ黒いお友達にスプレーを吹きかけて、ストレス発散して我慢した。

 「チッ、因子ガチャも、ステもゴミかよ……」

 「何それ?うまっこ娘?モンスタやってないの?」

 「ん?やってるけど、ログイン勢だな」

 「へぇ~、破邪の塔、登れる?」

 「はぁ?あんなの余裕だろ……」

 「まじ?じゃ、昼休み手伝ってよ!」

 「あ?別にいいけど、まさき……あんた、学校……は……」
 。………………学校はここだ。うまっこ娘に集中し過ぎた!やべぇ!

 「まさきって誰?おれ、ふゆきだし!寝坊しちゃってさ!じゃ、昼休みよろしく!」

 廊下を走るな!てか、金髪にピアスって校風自由過ぎだろ……。

 それよりも油断し過ぎだ!馬鹿!

 うっかり八兵衛橋どころの話しじゃないぞ、金ちゃん大賞ものだ!テンションは失格の時のあれだが、弟と勘違いするなんて最悪すぐる!

 くそ……そして、今ので気づいた。

 ここ、高校だ!

 さっきの休み時間の客は、1年生だったのか、あれは中学生で、ここは中学校だと思ったのに!

 私の天敵のJKギャル男や、JKギャル達がもうすぐやって来る!私が愛でれるのはJCまでだ!

 ど、どうする……逃げるか……しかし……3万え……ハッ!これ!祝い金じゃなくて!鎖じゃねぇかぁ!?龍の如く逃げられ………………………あ、チャイム……。

 オワタ……。近づいてくる……足音が……無数の足音が……カサカサ言いながら……近づいてーー

ーー「え?何で小学生がいんの?」

 …………おい!
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