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夏休み編
夏だ! プールだ!・・・
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旅行3日目のこと、キィちゃんが部屋からほぼ一歩も出ていないことに気が付いてしまった瑞恵さんが、部屋に乗り込んできた。
ぼくは瑞恵さんを部屋に入れた後、そのまま廊下につながるドア近くに避難していた。
なにかあったら、助けを呼ぶために――。
「貴仁!! 旅行先でも家と変わらないって、どういうことなのっ!?」
キィちゃんは、基本寝ていることが多い。
のそりと起き上がったキィちゃんが不機嫌そうに瑞恵さんを見た後、ぼくに目をとめた。
「……カズ。てめぇ、よくもババアを入れやがったな」
「ひいっ!!」
ぼくは恐怖にすくみあがった。
今すぐドアを開けて出て行きたい!
「こらっ、貴仁っ!!」
キィちゃんの頭上に、瑞恵さんのげんこつが落とされた。
こっちも恐い!!
「あんたには、カっちゃんへの感謝の気持ちはないの!? せっかく旅行に来たのに、カっちゃんを部屋にしばりつけて!!」
「み、瑞恵さん、ぼく、大丈夫だよ! ぼく、お部屋だーいすき!!」
「いいのよ、カッちゃん。おばさん、よおくわかってる。カっちゃんがこのバカ息子に、無理して付き合ってくれていることくらい」
「いや、そんな、ほんと全然……」
「貴仁、手ェ出しな」
瑞恵さんがキィちゃんに何かを渡した。
「あ? プール?」
ぼくはキィちゃんのベッドに近寄って、手元をのぞく。
長方形の用紙には、プール使用90分コースと印刷されている。
へえ、プールなんてこのホテルにあったんだ。
キィちゃんのおつかいで、1階の売店くらいにしか出かけなかったから全然知らなかった。
「貴仁、カっちゃんを遊びに連れてってやりなさい」
「あ?」
「えっ?」
ぼくが顔をあげたら、瑞恵さんにぎゅっと両手を握られた。
「カっちゃん、いつもありがとね。カっちゃんがいなかったら、うちのバカ息子、ますますバカになっていたわ」
わあ、うれしい! 瑞恵さんに感謝されちゃった!!
瑞恵さんが部屋を出ていった後、キィちゃんに向かってドヤ顔したら、足を引っかけられて床に転がされた。
もーなんでそんなに乱暴なの!?
ぼくは瑞恵さんを部屋に入れた後、そのまま廊下につながるドア近くに避難していた。
なにかあったら、助けを呼ぶために――。
「貴仁!! 旅行先でも家と変わらないって、どういうことなのっ!?」
キィちゃんは、基本寝ていることが多い。
のそりと起き上がったキィちゃんが不機嫌そうに瑞恵さんを見た後、ぼくに目をとめた。
「……カズ。てめぇ、よくもババアを入れやがったな」
「ひいっ!!」
ぼくは恐怖にすくみあがった。
今すぐドアを開けて出て行きたい!
「こらっ、貴仁っ!!」
キィちゃんの頭上に、瑞恵さんのげんこつが落とされた。
こっちも恐い!!
「あんたには、カっちゃんへの感謝の気持ちはないの!? せっかく旅行に来たのに、カっちゃんを部屋にしばりつけて!!」
「み、瑞恵さん、ぼく、大丈夫だよ! ぼく、お部屋だーいすき!!」
「いいのよ、カッちゃん。おばさん、よおくわかってる。カっちゃんがこのバカ息子に、無理して付き合ってくれていることくらい」
「いや、そんな、ほんと全然……」
「貴仁、手ェ出しな」
瑞恵さんがキィちゃんに何かを渡した。
「あ? プール?」
ぼくはキィちゃんのベッドに近寄って、手元をのぞく。
長方形の用紙には、プール使用90分コースと印刷されている。
へえ、プールなんてこのホテルにあったんだ。
キィちゃんのおつかいで、1階の売店くらいにしか出かけなかったから全然知らなかった。
「貴仁、カっちゃんを遊びに連れてってやりなさい」
「あ?」
「えっ?」
ぼくが顔をあげたら、瑞恵さんにぎゅっと両手を握られた。
「カっちゃん、いつもありがとね。カっちゃんがいなかったら、うちのバカ息子、ますますバカになっていたわ」
わあ、うれしい! 瑞恵さんに感謝されちゃった!!
瑞恵さんが部屋を出ていった後、キィちゃんに向かってドヤ顔したら、足を引っかけられて床に転がされた。
もーなんでそんなに乱暴なの!?
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