マシュマロ系令嬢は悪役令嬢にはなれない

きみいち

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マシュマロ系令嬢と婚約者

4.

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「――エマさん、ハンスといっしょに使いを頼まれてくれないか?」
「え?」

 ルゴット夫人を送り出しリビングに戻ってきたエマに、婚約者が書きつけを差し出した。
 エマのなめらかな眉間に、一瞬が寄る。

「今からこの用事をすませることになりますと、マリアベル様の夕飯のお時間までに間に合うかどうか……」
「私がいるから問題はないよ。マリアベル嬢も大丈夫だよね?」
「はい、大丈夫です」
「でも……」

 渋るエマの肩に、婚約者の侍従がなにかをあきらめた表情で手を置いた。



「マリアベル嬢、おいで」

 そう言って婚約者が叩いたのは、自身の膝の上だった。

「え? あの……」

 異性の膝の上に乗るなど、幼い頃に父親の膝の上に乗せてもらった以来だ。はっきりわかることは、社交界デビュー間近の令嬢のすることではない。

 戸惑うマリアベルに婚約者が微笑む。

「マリアベル嬢は私の妻になる人だから、将来背負う重みと責任をじかに感じたいんだ」
「まあ、シモン様」

 なんて責任感の強い方だろう。
 マリアベルは感激しながら、婚約者の膝の上に身体を横にして腰を下ろした。

 婚約者が張り出したマリアベルの胸を見つめているが、婚約者の顔がちょうどそこになるのでしょうがないのである。

「あの、重くはございませんか?」
「大丈夫。そんなやわな鍛え方はしていないよ。それよりも、あなたの侍女は優秀だけど、ちょっと意地悪だね」
「えっ? エマがシモン様に対して、なにか粗相でも?」
「このワンピースは襟がローマンカラーのうえ、背中側にくるみボタンが付いている」
「はい、そうですね」

 マリアベルは修道女の制服のように、首元まである立ち襟に手を添える。
 ちょっと胸のあたりが窮屈だけれども、エマが選んだのだから文句はない。

「つまり、胸元はのぞき見れないし、脱がしにくい」

 マリアベルはかちんと固まった。
 のぞき見? 脱がしにくい?

「うひゃあっ!?」

 婚約者がマリアベルの胸に頬を押し付けた。

「ああ、やわらかい……」
「やっ、あっ、シモン様っ!?」

 婚約者の右手は、ワンピースの上から胸の弾力を確かめるように動き、左手はマリアベルの背中のボタンを器用に外している。

 マリアベルのワンピースが腰のあたりまですとんと落ちた。上半身を下着姿にされたマリアベルは、慌てて胸とぽっこりお腹をおさえる。

 婚約者の手のひらが、下着の裾から入ってきた。

「やぁ、あっ、んっ、シモンさまぁ」

 マリアベルの大ぶりなふたつの果実は、婚約者の手によって乱暴に揉みしだかれ、吸い付かれなぶられ甘噛みされる。

「シモン様っ、ぁ、いたっ、うぅっ」
「はあっ、はあっ、マリアベルは私のものだ。絶対、逃すものか」

 ふるふる震えるマリアベルの胸の谷間に顔を埋めて、婚約者がなにやら不穏なことを口走っている。

 ――逃がすもなにもあなたの婚約者はさほどモテませんわよ。
 マリアベルは胸もとにある婚約者の頭を抱きしめた。
 
「シモン様。わたしはあなたのものです」
「マリアベル!」

 真っ赤に色づいた果実の先端を、ぢゅううっと強く吸われ、マリアベルは背中を反らした。

「ひゃあん、シモンさまぁっ!!」

 じわりと股の間が濡れた気がする。
 もじもじと膝を擦り合わせていると、マリアベルの果実をむさぼるのに夢中になっていた婚約者が顔を上げた。

「ああ、濡らしてしまった?」
「ごめんなさい」
「どうして謝るの? 私の愛撫で感じてくれたんだろう? 嬉しいよ」

 婚約者は嬉しそうに微笑むと、安堵するマリアベルの膝下に腕を通し、抱え上げた。

「シモン様!?」
「こういう時のために鍛えているんだ」

 婚約者の足は、まっすぐマリアベルの寝室へと向かっていた。
 ドアを開けマリアベルを寝台へと横たわらせると、自身もすぐに乗り上げてくる。
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