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第一章 初恋は婚約破棄から
9.公爵令嬢アマーリアの計画
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「よーし、完成~」
部屋のなかから聞こえたアマーリアの満足げな声に
「何が出来上がったのですか?」
とドアを開けた侍女のシェリルは目を見開いた。
白とペールピンクを基調にした可愛らしいアマーリアの部屋の壁面に大きな横断幕のようなものが貼られていたのだ。
幕には太い字で黒々と「やらずに後悔するよりやって後悔!」「初志貫徹!」「行動あるのみ!!」という文字が書かれている。
(どこからこんな大きな布を……)
と思って見回せば、天蓋付きの寝台にかけられていたはずの純白のベッドカバーが消え失せている。
「ひいいいっ、お嬢さま。そのベッドカバーは公爵夫人のお手製のレース編みが縁についたものでしたのに…っ」
狼狽して駆け寄ると、アマーリアは
「ああ。それなら大丈夫。外してこちらに使わせて貰ったから」
と平然と言った。
指さすのを見れば、成程。公爵夫人が何か月もかかって丹念に編み上げた薔薇の模様のレース編みがカチューシャのようにしてアマーリアの額に巻かれている。
「髪飾り、ですか……?」
アマーリアの淡い金色の髪に、繊細なレース編みはよく似合って可愛らしいといえば可愛らしいが、十六歳にもなる令嬢の髪飾りとしては少し子供っぽい。
何より頭の後ろでギュッとしばったその先が、それぞれ一メートル近く余って尻尾のように垂れている様子は異様である。
この姿のままで部屋から出れば、それでなくともここ数日、娘の身を案じるあまり憔悴している公爵夫妻に、またさらなる心配を与えることになるのは間違いないだろう。
「お嬢様。髪飾りでしたら今日のお召し物にはこちらの方がお似合いでは?」
衣装箱のなかからアマーリアも気に入っている淡いブルーのリボンに小粒の真珠をあしらったものを持ってきてみたが、アマーリアは首を横に振った。
「これは髪飾りじゃないわ。ハチマキよ」
「ハチマキ……それは何でございますか?」
「運動するときに汗が目に入らないようにここに巻くの。騎士団の練兵場で兄さまに教えていただいたわ」
「そう、ですか。それでお嬢さまは何か運動をなさるのですか?」
存在感のあり過ぎる横断幕の方をちらちらと気にしながら尋ねると、アマーリアはまた首を横に振った。
「運動じゃなくて行動を起こすの。ハチマキにはぎゅっと締めて気合をいれる効果もあるの」
そう言ってアマーリアは小さな両の拳をギュッと握ってみせた。
可愛らしい仕草だったが、幼い頃からアマーリアをよく知っているシェリルは、胸のうちに雨雲のように嫌な予感が広がっていくのを感じていた。
「行動とは……いったい何をなさるおつもりですか?」
「決まってるでしょう。告白するの。ラルフさまに」
アマーリアはきっぱりと言った。
「ずっと忘れなければと思っていたところに降って湧いたこの千載一遇のチャンスですもの。掴まなければ一生後悔するわ。だから私決めたの。ラルフさまのお心を射止め、この初恋を叶えるために出来ることは何でもやるわ」
「何でもと申されますと」
「とりあえずは、ラルフさまのお気持ちを確かめなくてはね。この間、一度私の気持ちはお伝えしたのだけれど、アンジェたちが急かすからお返事を聞く前に帰ってきてしまって……」
アマーリアは残念そうだったが、恐らくそのままあの場に残っていても返事がもらえることはなかっただろうとシェリルは思う。
それと同時に衆人環視のなかで、さっきまで王太子の婚約者であったアマーリアからいきなり愛の告白を受けた、ラルフ・クルーガーの幾度か見かけたことのある生真面目そうな風貌を思い浮かべて、シェリルは彼にいたく同情した。
「そうね。まずは一度お会いしてお話しないことには始まらないと思うのだけど、お父さまが邸から一歩も出てはダメだと言われてどこにも行けないのよね。これでは騎士団の詰め所に行ってラルフさまにお会いすることも出来ないわ」
「公爵さまはお嬢さまのことをご心配なさっておられるのですよ」
「お父さまったら、まだ私が王太子殿下に婚約を破棄されたことを気にしていると思っていらっしゃるのね。何度も、もうまったく平気です、むしろここ数年で一番元気ですと申し上げているのに」
むしろ公爵が心配しているのは、そのせいだろうとシェリルは思う。
幼い頃からの婚約を一方的に破棄された公爵令嬢が、嬉々として元気いっぱいに新しい相手と愛を語るために騎士団の詰め所に出没しているなどということになったら、ただでさえ盛り上がっている噂好きの貴族たちに、また更なる餌を与えることになるに違いない。
「まあ、いいわ。ほら、これを見て」
そう言ってアマーリアがさっと次の間との境のカーテンを引くとそこの真っ白い壁には、また大々的に何かが書きこまれいた。
「なぜ、帳面をお使いにならないのです。お嬢さまっ!」
シェリルは半泣きになって訴えたが、アマーリアは
「だって、ぱっと見て全体が見渡せて、いつでも見られるようにしたかったんですもの。その方が考えを整理出来るでしょ」
と満足げに壁に描かれた図のようなものを見ている。
そこには、
1.ラルフさまに告白する
YESの場合→お付き合いする
NOの場合 →理由をお聞きする
断られた理由に応じた対応策を講じる
身分差→どうにかする
年の差→理由にはならない
好みではない→好みのタイプリサーチ
それでも断られた場合→どうにかする
といった感じでフローチャートのようなものが描かれている。
ところどころに書かれている「どうにかする」というアバウトかつ力強いワードが非常に不穏な気配を醸し出している。
「いったいいつの間に書かれたのですか?」
「え? アンジェの婚約披露パーティーから帰った夜だけど?」
事情を聞いておひとりになりたいだろうと気を遣って下がっていたのが間違っていた……。壁面を埋め尽くす文字と矢印を見ながらシェリルはがくりとうな垂れた。
部屋のなかから聞こえたアマーリアの満足げな声に
「何が出来上がったのですか?」
とドアを開けた侍女のシェリルは目を見開いた。
白とペールピンクを基調にした可愛らしいアマーリアの部屋の壁面に大きな横断幕のようなものが貼られていたのだ。
幕には太い字で黒々と「やらずに後悔するよりやって後悔!」「初志貫徹!」「行動あるのみ!!」という文字が書かれている。
(どこからこんな大きな布を……)
と思って見回せば、天蓋付きの寝台にかけられていたはずの純白のベッドカバーが消え失せている。
「ひいいいっ、お嬢さま。そのベッドカバーは公爵夫人のお手製のレース編みが縁についたものでしたのに…っ」
狼狽して駆け寄ると、アマーリアは
「ああ。それなら大丈夫。外してこちらに使わせて貰ったから」
と平然と言った。
指さすのを見れば、成程。公爵夫人が何か月もかかって丹念に編み上げた薔薇の模様のレース編みがカチューシャのようにしてアマーリアの額に巻かれている。
「髪飾り、ですか……?」
アマーリアの淡い金色の髪に、繊細なレース編みはよく似合って可愛らしいといえば可愛らしいが、十六歳にもなる令嬢の髪飾りとしては少し子供っぽい。
何より頭の後ろでギュッとしばったその先が、それぞれ一メートル近く余って尻尾のように垂れている様子は異様である。
この姿のままで部屋から出れば、それでなくともここ数日、娘の身を案じるあまり憔悴している公爵夫妻に、またさらなる心配を与えることになるのは間違いないだろう。
「お嬢様。髪飾りでしたら今日のお召し物にはこちらの方がお似合いでは?」
衣装箱のなかからアマーリアも気に入っている淡いブルーのリボンに小粒の真珠をあしらったものを持ってきてみたが、アマーリアは首を横に振った。
「これは髪飾りじゃないわ。ハチマキよ」
「ハチマキ……それは何でございますか?」
「運動するときに汗が目に入らないようにここに巻くの。騎士団の練兵場で兄さまに教えていただいたわ」
「そう、ですか。それでお嬢さまは何か運動をなさるのですか?」
存在感のあり過ぎる横断幕の方をちらちらと気にしながら尋ねると、アマーリアはまた首を横に振った。
「運動じゃなくて行動を起こすの。ハチマキにはぎゅっと締めて気合をいれる効果もあるの」
そう言ってアマーリアは小さな両の拳をギュッと握ってみせた。
可愛らしい仕草だったが、幼い頃からアマーリアをよく知っているシェリルは、胸のうちに雨雲のように嫌な予感が広がっていくのを感じていた。
「行動とは……いったい何をなさるおつもりですか?」
「決まってるでしょう。告白するの。ラルフさまに」
アマーリアはきっぱりと言った。
「ずっと忘れなければと思っていたところに降って湧いたこの千載一遇のチャンスですもの。掴まなければ一生後悔するわ。だから私決めたの。ラルフさまのお心を射止め、この初恋を叶えるために出来ることは何でもやるわ」
「何でもと申されますと」
「とりあえずは、ラルフさまのお気持ちを確かめなくてはね。この間、一度私の気持ちはお伝えしたのだけれど、アンジェたちが急かすからお返事を聞く前に帰ってきてしまって……」
アマーリアは残念そうだったが、恐らくそのままあの場に残っていても返事がもらえることはなかっただろうとシェリルは思う。
それと同時に衆人環視のなかで、さっきまで王太子の婚約者であったアマーリアからいきなり愛の告白を受けた、ラルフ・クルーガーの幾度か見かけたことのある生真面目そうな風貌を思い浮かべて、シェリルは彼にいたく同情した。
「そうね。まずは一度お会いしてお話しないことには始まらないと思うのだけど、お父さまが邸から一歩も出てはダメだと言われてどこにも行けないのよね。これでは騎士団の詰め所に行ってラルフさまにお会いすることも出来ないわ」
「公爵さまはお嬢さまのことをご心配なさっておられるのですよ」
「お父さまったら、まだ私が王太子殿下に婚約を破棄されたことを気にしていると思っていらっしゃるのね。何度も、もうまったく平気です、むしろここ数年で一番元気ですと申し上げているのに」
むしろ公爵が心配しているのは、そのせいだろうとシェリルは思う。
幼い頃からの婚約を一方的に破棄された公爵令嬢が、嬉々として元気いっぱいに新しい相手と愛を語るために騎士団の詰め所に出没しているなどということになったら、ただでさえ盛り上がっている噂好きの貴族たちに、また更なる餌を与えることになるに違いない。
「まあ、いいわ。ほら、これを見て」
そう言ってアマーリアがさっと次の間との境のカーテンを引くとそこの真っ白い壁には、また大々的に何かが書きこまれいた。
「なぜ、帳面をお使いにならないのです。お嬢さまっ!」
シェリルは半泣きになって訴えたが、アマーリアは
「だって、ぱっと見て全体が見渡せて、いつでも見られるようにしたかったんですもの。その方が考えを整理出来るでしょ」
と満足げに壁に描かれた図のようなものを見ている。
そこには、
1.ラルフさまに告白する
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NOの場合 →理由をお聞きする
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ところどころに書かれている「どうにかする」というアバウトかつ力強いワードが非常に不穏な気配を醸し出している。
「いったいいつの間に書かれたのですか?」
「え? アンジェの婚約披露パーティーから帰った夜だけど?」
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