16 / 66
第一章 初恋は婚約破棄から
15.押してもダメなら一歩もひかずにさらに押す
しおりを挟む
「あの、この間のお話なんですけど……」
頬を染めて言うアマーリア(全身プレートアーマ着用)を、
「と、とりあえず、ここでは何ですから!!」
ラルフは、がぽっともう一度兜をかぶせ、先ほどまでいたヴィクトールの執務室へと連れていった。
行き交う騎士団の面々が、珍しそうに全身銀ピカ鎧の手を引いて歩いているラルフを見ている。
(ああ、もうだから俺は目立たず、ひっそりと暮らしたいのに……)
ラルフに連れて来られた妹の姿を見たヴィクトールはさすがに絶句していた。
「おまえ、どうやってここまで……」
「お願い。お兄さま。お父さまには内緒にしておいて!」
「内緒もなにも今頃、家は大騒ぎだろうよ」
ヴィクトールは従者を呼んで、公爵邸に使いを出すように言った。
「待って、お兄さま!」
「仕方ないだろう。放っておいたら親父はおまえを捜索させるために王都の道路という道路を封鎖させるぞ」
「確かに……」
と頷いたアマーリアが、くるりとラルフを振り返った。
「では、一刻の猶予もありませんわ。家の者が連れ戻しに来る前に。クルーガーさま! 折り入ってお話がございます」
「あ、はい……」
気おされたラルフが一歩下がると、アマーリアはその分一歩前に出た。
全身のプレートアーマーがガシャリと音をたてる。
「あー、これ。二階の第二応接室にあったやつだなー」
ヴィクトールがのんきに呟いている。
「おまえ、これよく一人で着られたな。俺が前、一度、イベントで着たときは着方を知ってる古参の先輩に手伝って貰って、三、四人がかりだったぞ」
「お兄さまはちょっと黙っていらして。今、大切なお話をしているの!」
「はいはい」
「あの、それであの時のお話なんですけど……」
「ああ、はい」
「あの……」
頬を赤らめて口ごもっているアマーリアを見て、ラルフは慌てて言った。
「はい。その、先日のお話ですね。その件はもう」
「えっ? もう、って……」
「ああ。いえ。その件については分かっておりますので、その……もう一度仰って頂かなくても、大丈夫です」
あの時は突然のことで不可抗力だったとはいえ、女性の側から告白の言葉など何度も言わせていいものものではない。
目を皿のようにしてこちらを見ているヴィクトールの存在が、正直非常に気になるが、ここは誠実に答えなければ。
「その、アマーリア嬢のお気持ちについては大変ありがたく、光栄に思っております」
「まあ、では……」
「しかし、その、こういった話はお家の立場もありますし、特にそちらは私などとは到底釣り合わない高貴なお家柄でいらっしゃいます。ですから、私の一存でお返事出来ることではありません」
「そう、ですよね」
アマーリアがしゅんと頷いた。
「申し訳ございません。色々と順序を飛ばして、大変失礼なことをしたのは存じております。ただ、あの時は思いがけず、王太子殿下から婚約解消のお話をいただいて、つい、舞い上がってしまって。その、兄からクルーガーさまには今のところ決まった方はいらっしゃらないと聞いていたので、だったら、一刻も早く私の気持ちをお伝えしないとと焦ってしまったのです。あの場にはたくさん綺麗なご令嬢がいらしていましたし、今夜にでも別の方とのご婚約が決まってしまうかもしれないと思って……クルーガーさまはとても素敵な方ですから」
そう言って目元を赤くして俯くアマーリアはとても可憐だった。
たとえいかついプレートアーマーを身に着けていたとしても。
なるほど。あの場でいきなり告白をしてきたのにはそういった理由があったのか。
婚約どころか、女っ気自体がほとんどないラルフに対しては、まったく無用な心配なのだが。
「その、ありがとうございます」
ラルフは律儀に頭を下げた。
正直、こんな風に女性の側から好意を打ち明けられた経験など皆無なので、どう返事をして良いのかまったく分からない。
「いや、でも私など、とても貴女に相応しいとは思えません。もっと他に相応しい方がいくらでもいらっしゃるでしょう」
「私がお慕いしているのはあなたです。初めてお会いした時から、許されることではないと知りながら、ずっとひそかにお慕いしてまいりました」
潤んだ藍色の瞳でまっすぐ見つめられて、ラルフは頬が熱くなるのを感じた。
「ご迷惑でしたらそうはっきりと仰ってください」
「いえ、迷惑などとんでもない」
正直言って、アマーリアは全身フルアーマーという格好にも関わらず、とても美しく可憐だった。
その奇抜過ぎる姿も、自分に会いたい一心で懸命に変装してきてくれたのかと思うといじらしさに胸が締めつけられる気がする。
ただ、こんなにも美しく、どんな男の心も一瞬でとらえずにはいられないような魅力的な彼女が、年齢イコール恋人いない歴の自分のような武術一辺倒の朴念仁を好きになってくれた理由がまったくもって分からない。
王太子殿下に衆目の前で婚約破棄を言い渡されたショックのあまりの気の迷いか、それとも街でごろつきから救ったときの特異な状況下での「吊り橋効果」か。
どちらにしてもそれは少し時間がたてば煙のように消えてしまう、一過性の気持ちではないのだろうか。
そんな思いがどうしても消えない。
「ただ、私などあなたに相応しくないと」
「私は貴方さまをお慕いしていますと申し上げております。クルーガーさまのお気持ちをお聞かせいただきたいのです」
アマーリアが両手を祈るように組み合わせて言った。
「えっと、あの……」
「では、好きか嫌いかではどちらでしょう?」
「……えっと」
「嫌いですか?」
「いいえ、とんでもない」
「では好き?」
「…………」
「どちらかと言えば?」
「それは、もちろん、好きです」
よし、とアマーリアが小さくガッツポーズをつくる。
「では私とお付き合いただけますか?」
「私の一存では……」
「ではクレヴィングの家が了承したとしたら?」
「ええ……」
ラルフは助けを求めるようにヴィクトールを見た。
ヴィクトールはソファに座ったまま、
「俺は別に構わないぞ。というかあの王太子に比べたらむしろ賛成」
とひらひらと手を振ってよこした。
「よし。一票獲得!」
小さな拳を握りしめるアマーリア。
「では父上が私たちの仲を了承したという仮定にもとづいてお答え下さい。私とお付き合いいただけますか? いただけませんか?」
「いや、俺より相応しい方があなたには……」
「おりません! さぁ、次の理由をどうぞ」
「身分がとても釣り合っていません」
「そこも含めて父が了承してくれたらという仮定でお伺いしています」
「俺は騎士としてもまだ未熟で、とても妻を娶れるような身分ではないので」
「では、どのようなご身分になられたら未熟ではなくなり、奥さまをお迎えになられるおつもりなのでしょうか? 騎士団の分隊長? 副長? それとも隊長ですか? クルーガーさまさえ良ければ私はいつまでもお待ちいたします。結婚自体は、その目標を達成したあかつきにということで、それまで結婚を前提にお付き合いしていただくというのはいかがでしょう?」
にこにこと笑顔でたたみかけてくるアマーリアに、ラルフは次第に崖っぷちに追い詰められていった。
「隊長……」
とヴィクトールに助けを求めたが、
「いやあ、こういうのは当人同士で」
とかわされた。
「では、まずはお試し一か月。それだけの期間、お付き合いしていただいてどうしても嫌だったらお断りいただく、というのはどうでしょう?」
「一か月……」
「だめなら二十日! 半月! 十日!! ……ようし、じゃあ三日でどうです。これ以上はまかりませんよ。持ってけドロボー!!」
威勢よく言い放つ勢いに負け、ラルフはついに
「では……とりあえず、友人からということで……」
と頷いてしまった。
「きゃーっ、やったあ!!」
アマーリアが、両手を上げて歓声をあげた。
ガシャガシャンと派手な音をたててヴィクトールのところへ飛んでいき、ハイタッチをして喜びあっている。
平穏第一主義のラルフ・クルーガーが、平穏に暮らせるのはまだ当分先のことになりそうだった。
頬を染めて言うアマーリア(全身プレートアーマ着用)を、
「と、とりあえず、ここでは何ですから!!」
ラルフは、がぽっともう一度兜をかぶせ、先ほどまでいたヴィクトールの執務室へと連れていった。
行き交う騎士団の面々が、珍しそうに全身銀ピカ鎧の手を引いて歩いているラルフを見ている。
(ああ、もうだから俺は目立たず、ひっそりと暮らしたいのに……)
ラルフに連れて来られた妹の姿を見たヴィクトールはさすがに絶句していた。
「おまえ、どうやってここまで……」
「お願い。お兄さま。お父さまには内緒にしておいて!」
「内緒もなにも今頃、家は大騒ぎだろうよ」
ヴィクトールは従者を呼んで、公爵邸に使いを出すように言った。
「待って、お兄さま!」
「仕方ないだろう。放っておいたら親父はおまえを捜索させるために王都の道路という道路を封鎖させるぞ」
「確かに……」
と頷いたアマーリアが、くるりとラルフを振り返った。
「では、一刻の猶予もありませんわ。家の者が連れ戻しに来る前に。クルーガーさま! 折り入ってお話がございます」
「あ、はい……」
気おされたラルフが一歩下がると、アマーリアはその分一歩前に出た。
全身のプレートアーマーがガシャリと音をたてる。
「あー、これ。二階の第二応接室にあったやつだなー」
ヴィクトールがのんきに呟いている。
「おまえ、これよく一人で着られたな。俺が前、一度、イベントで着たときは着方を知ってる古参の先輩に手伝って貰って、三、四人がかりだったぞ」
「お兄さまはちょっと黙っていらして。今、大切なお話をしているの!」
「はいはい」
「あの、それであの時のお話なんですけど……」
「ああ、はい」
「あの……」
頬を赤らめて口ごもっているアマーリアを見て、ラルフは慌てて言った。
「はい。その、先日のお話ですね。その件はもう」
「えっ? もう、って……」
「ああ。いえ。その件については分かっておりますので、その……もう一度仰って頂かなくても、大丈夫です」
あの時は突然のことで不可抗力だったとはいえ、女性の側から告白の言葉など何度も言わせていいものものではない。
目を皿のようにしてこちらを見ているヴィクトールの存在が、正直非常に気になるが、ここは誠実に答えなければ。
「その、アマーリア嬢のお気持ちについては大変ありがたく、光栄に思っております」
「まあ、では……」
「しかし、その、こういった話はお家の立場もありますし、特にそちらは私などとは到底釣り合わない高貴なお家柄でいらっしゃいます。ですから、私の一存でお返事出来ることではありません」
「そう、ですよね」
アマーリアがしゅんと頷いた。
「申し訳ございません。色々と順序を飛ばして、大変失礼なことをしたのは存じております。ただ、あの時は思いがけず、王太子殿下から婚約解消のお話をいただいて、つい、舞い上がってしまって。その、兄からクルーガーさまには今のところ決まった方はいらっしゃらないと聞いていたので、だったら、一刻も早く私の気持ちをお伝えしないとと焦ってしまったのです。あの場にはたくさん綺麗なご令嬢がいらしていましたし、今夜にでも別の方とのご婚約が決まってしまうかもしれないと思って……クルーガーさまはとても素敵な方ですから」
そう言って目元を赤くして俯くアマーリアはとても可憐だった。
たとえいかついプレートアーマーを身に着けていたとしても。
なるほど。あの場でいきなり告白をしてきたのにはそういった理由があったのか。
婚約どころか、女っ気自体がほとんどないラルフに対しては、まったく無用な心配なのだが。
「その、ありがとうございます」
ラルフは律儀に頭を下げた。
正直、こんな風に女性の側から好意を打ち明けられた経験など皆無なので、どう返事をして良いのかまったく分からない。
「いや、でも私など、とても貴女に相応しいとは思えません。もっと他に相応しい方がいくらでもいらっしゃるでしょう」
「私がお慕いしているのはあなたです。初めてお会いした時から、許されることではないと知りながら、ずっとひそかにお慕いしてまいりました」
潤んだ藍色の瞳でまっすぐ見つめられて、ラルフは頬が熱くなるのを感じた。
「ご迷惑でしたらそうはっきりと仰ってください」
「いえ、迷惑などとんでもない」
正直言って、アマーリアは全身フルアーマーという格好にも関わらず、とても美しく可憐だった。
その奇抜過ぎる姿も、自分に会いたい一心で懸命に変装してきてくれたのかと思うといじらしさに胸が締めつけられる気がする。
ただ、こんなにも美しく、どんな男の心も一瞬でとらえずにはいられないような魅力的な彼女が、年齢イコール恋人いない歴の自分のような武術一辺倒の朴念仁を好きになってくれた理由がまったくもって分からない。
王太子殿下に衆目の前で婚約破棄を言い渡されたショックのあまりの気の迷いか、それとも街でごろつきから救ったときの特異な状況下での「吊り橋効果」か。
どちらにしてもそれは少し時間がたてば煙のように消えてしまう、一過性の気持ちではないのだろうか。
そんな思いがどうしても消えない。
「ただ、私などあなたに相応しくないと」
「私は貴方さまをお慕いしていますと申し上げております。クルーガーさまのお気持ちをお聞かせいただきたいのです」
アマーリアが両手を祈るように組み合わせて言った。
「えっと、あの……」
「では、好きか嫌いかではどちらでしょう?」
「……えっと」
「嫌いですか?」
「いいえ、とんでもない」
「では好き?」
「…………」
「どちらかと言えば?」
「それは、もちろん、好きです」
よし、とアマーリアが小さくガッツポーズをつくる。
「では私とお付き合いただけますか?」
「私の一存では……」
「ではクレヴィングの家が了承したとしたら?」
「ええ……」
ラルフは助けを求めるようにヴィクトールを見た。
ヴィクトールはソファに座ったまま、
「俺は別に構わないぞ。というかあの王太子に比べたらむしろ賛成」
とひらひらと手を振ってよこした。
「よし。一票獲得!」
小さな拳を握りしめるアマーリア。
「では父上が私たちの仲を了承したという仮定にもとづいてお答え下さい。私とお付き合いいただけますか? いただけませんか?」
「いや、俺より相応しい方があなたには……」
「おりません! さぁ、次の理由をどうぞ」
「身分がとても釣り合っていません」
「そこも含めて父が了承してくれたらという仮定でお伺いしています」
「俺は騎士としてもまだ未熟で、とても妻を娶れるような身分ではないので」
「では、どのようなご身分になられたら未熟ではなくなり、奥さまをお迎えになられるおつもりなのでしょうか? 騎士団の分隊長? 副長? それとも隊長ですか? クルーガーさまさえ良ければ私はいつまでもお待ちいたします。結婚自体は、その目標を達成したあかつきにということで、それまで結婚を前提にお付き合いしていただくというのはいかがでしょう?」
にこにこと笑顔でたたみかけてくるアマーリアに、ラルフは次第に崖っぷちに追い詰められていった。
「隊長……」
とヴィクトールに助けを求めたが、
「いやあ、こういうのは当人同士で」
とかわされた。
「では、まずはお試し一か月。それだけの期間、お付き合いしていただいてどうしても嫌だったらお断りいただく、というのはどうでしょう?」
「一か月……」
「だめなら二十日! 半月! 十日!! ……ようし、じゃあ三日でどうです。これ以上はまかりませんよ。持ってけドロボー!!」
威勢よく言い放つ勢いに負け、ラルフはついに
「では……とりあえず、友人からということで……」
と頷いてしまった。
「きゃーっ、やったあ!!」
アマーリアが、両手を上げて歓声をあげた。
ガシャガシャンと派手な音をたててヴィクトールのところへ飛んでいき、ハイタッチをして喜びあっている。
平穏第一主義のラルフ・クルーガーが、平穏に暮らせるのはまだ当分先のことになりそうだった。
0
お気に入りに追加
2,622
あなたにおすすめの小説
妹と旦那様に子供ができたので、離縁して隣国に嫁ぎます
冬月光輝
恋愛
私がベルモンド公爵家に嫁いで3年の間、夫婦に子供は出来ませんでした。
そんな中、夫のファルマンは裏切り行為を働きます。
しかも相手は妹のレナ。
最初は夫を叱っていた義両親でしたが、レナに子供が出来たと知ると私を責めだしました。
夫も婚約中から私からの愛は感じていないと口にしており、あの頃に婚約破棄していればと謝罪すらしません。
最後には、二人と子供の幸せを害する権利はないと言われて離縁させられてしまいます。
それからまもなくして、隣国の王子であるレオン殿下が我が家に現れました。
「約束どおり、私の妻になってもらうぞ」
確かにそんな約束をした覚えがあるような気がしますが、殿下はまだ5歳だったような……。
言われるがままに、隣国へ向かった私。
その頃になって、子供が出来ない理由は元旦那にあることが発覚して――。
ベルモンド公爵家ではひと悶着起こりそうらしいのですが、もう私には関係ありません。
※ざまぁパートは第16話〜です
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
心の声が聞こえる私は、婚約者から嫌われていることを知っている。
木山楽斗
恋愛
人の心の声が聞こえるカルミアは、婚約者が自分のことを嫌っていることを知っていた。
そんな婚約者といつまでも一緒にいるつもりはない。そう思っていたカルミアは、彼といつか婚約破棄すると決めていた。
ある時、カルミアは婚約者が浮気していることを心の声によって知った。
そこで、カルミアは、友人のロウィードに協力してもらい、浮気の証拠を集めて、婚約者に突きつけたのである。
こうして、カルミアは婚約破棄して、自分を嫌っている婚約者から解放されるのだった。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
一年で死ぬなら
朝山みどり
恋愛
一族のお食事会の主な話題はクレアをばかにする事と同じ年のいとこを褒めることだった。
理不尽と思いながらもクレアはじっと下を向いていた。
そんなある日、体の不調が続いたクレアは医者に行った。
そこでクレアは心臓が弱っていて、余命一年とわかった。
一年、我慢しても一年。好きにしても一年。吹っ切れたクレアは・・・・・
王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる