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うそほんと
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付き合うことになったあの人はとても優しくてかっこよくて、そして何と言っても私のことをちゃんと大切にしてくれる男の人です。
同い年、日々のLINE、電話、週末のデート。
私はあなたをどんどんどんどん好きになっていってしまうようです。
そんなあなたがたまにつく、嘘。
嘘だという確証はないけれど、少し緊張したあなたの声の出し方、なんでもない風にすこしおどけてみせる話し方、用意していたセリフを切り出す間の取り方を察知してしまうくらい、私の日々はあなたでいっぱいなのです。
この嘘を、見抜いてしまったらきっとこの色々が終わってしまう、と思うと、私はどうしても嘘を見つけるわけにはいきません。
この日々を終わらせることなく、そのまま未来に持ち越して素敵な将来にするため。
何年か後の私に笑っていてもらうため。
私は、あなたが私に見せようとするものを真実だと思うようになりました。
わたしにはもう、事実は必要ありません。
深夜に掛ける母への電話も、泊まりに来てくれた時にどうしても眠れなくて出掛ける一人きりの散歩も、その言葉どおりの意味しか持ちません。
これでもう、嘘はみつかりません。
私は私のために、きょうもあなたの言葉を信じます。
同い年、日々のLINE、電話、週末のデート。
私はあなたをどんどんどんどん好きになっていってしまうようです。
そんなあなたがたまにつく、嘘。
嘘だという確証はないけれど、少し緊張したあなたの声の出し方、なんでもない風にすこしおどけてみせる話し方、用意していたセリフを切り出す間の取り方を察知してしまうくらい、私の日々はあなたでいっぱいなのです。
この嘘を、見抜いてしまったらきっとこの色々が終わってしまう、と思うと、私はどうしても嘘を見つけるわけにはいきません。
この日々を終わらせることなく、そのまま未来に持ち越して素敵な将来にするため。
何年か後の私に笑っていてもらうため。
私は、あなたが私に見せようとするものを真実だと思うようになりました。
わたしにはもう、事実は必要ありません。
深夜に掛ける母への電話も、泊まりに来てくれた時にどうしても眠れなくて出掛ける一人きりの散歩も、その言葉どおりの意味しか持ちません。
これでもう、嘘はみつかりません。
私は私のために、きょうもあなたの言葉を信じます。
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