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一章
一話 私は魔法使いアカネ・シズクノ
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アカネが目を覚ますと、そこには一面の空が広がっていた。
雲一つもない、快晴だ。
澄んだ空気がとても気持ちいい。
意識が未だ覚醒していないアカネは目を擦りつつ、二度寝の準備を始める。
あるはずの布団を体にかけて、あるはずのベッドの上で寝る。
しかしそれらの寝具はそこにはなかった。
そこは空の上。
当然彼女の体は少しずつだが、確かに空から地面へと向かって、落ちていく。
数十メートル落ちたところで、体に触れる風の違和感に気が付いたアカネは体を起こして、周りを見る。
「・・・・・やばいかも」
ぽつりとそんな間抜けな一言が出る。
「とりあえず二度寝......。出来るわけないし...。また師匠の仕業だな...。【アリヴェーラ】」
地面にぶつかる前に魔法を唱える。
あと数メートルのところで魔法がうまく発動し、アカネは地面と激突せずに済んだ。
いつの間に着替えていたのだろうか。
アカネはいつも着ているはずの寝間着ではなく、外出用のワンピースになっている服の誇りを払いながら、地面に華麗に着地した。
「ふぅ。なんか朝からどっと疲れた。魔法を使うのってこんなに疲れるものなの?」
確かに魔法を使った手ごたえを感じながら、いつの間にか握っていた杖を観察してみる。
まだ魔法を使った経験が浅いアカネにとって当然の疑問だった。
それに加え、体内にあるはずの魔力の量が減っているにも関わらず、体にはその何倍ともいえる重量のおもりが乗っているかのようだ。
「師匠め...私が魔法を使えるようになったのが嬉しいのはわかるけど、こんな朝から修行させるなんて...それに、起きなかったら死んでたし」
今度師匠と出会ったら一発魔法をおみまいしてやろうとアカネは思った。
「それにしても...ここ、どこなの?」
師匠がここに呼んだのは間違いないはずなのだが、その当事者の姿が見当たらない。
試しに一時間だけこの場所で待ってみたが、師匠はおろか人ですら一人も通らなかった。
見たところかなり森の深いところのようである。
捨てられた...ということはないはず。
いや、考えられない。
師匠にはいろいろ迷惑をかけたが、ここまでさせることをした覚えはない。
私がやったこととしてはお菓子の盗み食いとか、少し夜更かししたとかだ。
朝何も言わず、弟子を転移魔法使い空に転移させ、そこから落下させて、殺そうとする。
そんな残虐なことをさせるほど、怒らせたつもりはない。
しかしこのままここでのうのうと待っているということもいつまでもできるわけがない。
当然朝起きてから何も食べてない今、私はとても空腹である。
よって何も食べないままでいれば、今日中には餓死してしまうだろう。
「とりあえず町でも探すしかないよな」
その時の要領で旅をすれば、多分、おそらく、たとえ限りなく無謀だとしても、町を見つけることはできるはず。
師匠と一緒にいたときは町を転々として生活していた。
なぜ転々としていかは最初わからなかったが、最近になってからやっと理解できた。
私の師匠は少々有名人らしい。
魔女の中では結構評判があるらしく、世界中から追われてるとか。
案外悪い魔女らしく、禁忌を犯したとかなんとか。
まぁ、私にはどうでもいいことだと思う。
それよりも今は食料を探すことが大事だ。
魔法で水を作り出すことは可能なので、食料さえ手に入ってしまえばいい。
「あ、でも今お金もないや...」
師匠と冒険していた時は村などから食料をもらう時にお金は使わなかった。
その代わりに村に魔物などの危険から逃れるための結界を張っていた。
案外律儀なところがある。
「でもそういうところ嫌いじゃないんだよなぁ」
自分は追われる身のくせに、他人の心配は欠かさない優しいところ。
師匠はいろんな人に世話焼きするタイプだった。
しかし...だね。
森の中でさまよい、空腹な弟子の前に現れないのは何事だろうか。
「今度会ったときにおみまいする魔法の数増やしておかないと」
カウントを2に進めて、私は森の中を進んでいった。
それから2時間ほど歩いたころだろうか、日の光が頂点から降り注いでいることから、正午あたりの時間で間違いないだろう。
ちょうど昼時のタイミングでいいものを見つけることができた。
その物体がいると思われる方向を、体をかがませて茂みの中に身を隠して、見る。
「ラッキー!スライム発見!!」
私の目線の先には青いゼリー状の魔物、スライムが4匹いた。
「久しぶりにスライムゼリーが食べられる。・・・・・・じゅるり」
思わぬ甘味によだれを零すのを抑えられない。
「最低2匹さえ捕獲できれば今日のご飯には困らないか。それじゃあ、最近習った魔法で...」
アカネは身を潜めながら、手に収まるくらいの雪で形作られた魔法を発動する。
スライムたちはまだアカネの存在に気づいていない。
「・・・・・・・今!!【グレイス】」
アカネがスライムに向かって氷で形成された魔法を放つと、見事1匹に命中する。
しかし他の3匹は魔法に驚いて、逃げてしまう。
「あっ!このまま逃がさないよっ!【グレイシアス】!!」
今度は逃がさないようにさっきよりも強力な氷魔法を放つ。
走りながら放ったので、今回はスライムにはあたらなかったものの地面に放たれた魔法は地面一面に広がり、スライムたちの体を凍結させた。
動けなくなったスライムたちは、体を伸ばして、逃げようとするが、氷が硬くて、抜け出すことができない。
「かかったね!終わりだよ!【フラム】!」
アカネは今度杖から炎の魔法を出して放つ。
動きを止められたスライムは当然避けることもできず、もろにダメージを受ける。
スライムたちはきゅううううと可愛らしい悲鳴をあげて死んでしまった。
「大量!大量!」
アカネは意気揚々としながら、死んだスライムたちを拾っていく。
氷漬けにされたスライム一匹と、焼け焦げたスライムが三匹。
どれも美味しそうなので、余計にお腹が空く。
「師匠と会うまでそれくらいかかるかわからないし、ここで食べちゃお」
アカネは杖を空間の中にしまって、自分が座れるくらいのサイズの布とお皿を四つを出す。
そこに腰かけて、アカネはスライムを食べ始めた。
焼いたスラムを最初に食べてみる。
「・・・味付けしてないけど、案外いけるな」
何も調味料をかけていないので味の心配はしていたのだが、かすかに熱をもっているゼリーだ。
冷やしたほうが絶対に美味しいので、残りの二匹には水をかけておく。
かすかに甘いのはスライム特有の味なのだろう。
あっと言う間に一匹を平らげ、残りの二匹も食べてしまう。
最後に凍らせたスライムにアカネは手を伸ばす。
ゼリーを凍らせただけなので、シャーベットみたいで美味しそうだ。
ザクザクとある程度スライムの体の周りについている余計な氷を削る。
氷の部分が削れて、食べられる部分が出てきたので、スプーンですくって食べる。
「ん~!!」
さきほどとは比べ物にならないくらい絶品だ。
シロップをかけたかき氷を食べているようだ。
「少しもったいないことしたかも」
今度スライムを見つけたら全部凍らせてやろうと思いながら、最後の一口を食べる。
「ふぅ...お腹いっぱい」
満腹になったお腹をさすって、一息つく。
「あ、魔石の回収しないと」
アカネはスライムの残った残骸から、小さな石を取り出す。
他のスライムからも取り出して、全部で四つも手に入った。
それらを腰につけているポシェットにしまう。
魔石は杖が破損したときや、水晶を作るときに使う。
とはいっても、アカネは魔石を意識して集めることはあまりない。
師匠と旅をしているときはいつも師匠が魔石を回収していた。
「師匠町にいるのかな...」
近くの町でアカネを待っているのかもしれない。
「ここから町までどれくらいの距離があるんだろう...」
あとおよそ4時間で夜になってしまうだろう。
「今日は野宿かな」
ご飯は食べたので餓死をしたりはしないが、最低でも小屋のような雨風を防げるところを見つけたい。
「さて、とりあえず進まないと。疲れるけど、歩くよりはマシか」
アカネはポシェットからほうきを取り出して、それを足でまたぐ。
「【ヴォルレ】」
一言魔法を唱えると、ほうきはアカネを乗せたまま、地面から離れ、ゆっくりと浮遊しはじめる。
「成功!それじゃあ町に向かってしゅっぱーつ!」
アカネが指さした方向にほうきは進んでいく。
歩くよりもずっと速い。
魔力の消費は多少あるものの、さきほどよりも効率的だ。
「何を探そうかなー。とりあえず水と食料の確保...」
ほうきで適当に飛んで、近くに水辺があったら止まろう。
水は魔法で作れるのだが、水辺でとれるならそっちを優先して飲みたい。
自然から生まれるものには魔力を回復させるマナが含まれているのだ。
魔法で水を作ると、逆に魔力を消費してしまうのだ。
それにスライムのような食べられる魔物がいたら積極的に戦って、食料を確保したほうがいい。
魔物を食べることが最も効率よく魔力を回復させることができる。
「それにしても、私が魔法を使えるようになるなんてなぁ!」
師匠と最初であったとき、私は魔法が使えなかった。
昔の自分は魔女にあこがれていた上、魔法も好きだったし、自分も魔力を持っていることが誇らしかった。
しかし私の魔法を使う力は友達や家族が魔法を使えるようになっても顕現しなかった。
私はそれが悔しかった。
そんなときに師匠と出会った。
「でもなんで師匠についていくことになったのは覚えてないな...」
多分、師匠が魔法の楽しさについて教えてくれたのだろう。
私の魔法は十歳になった時に力が顕現した。
それから私は師匠に魔法の使い方、魔力の仕組みを教わっていた。
そしてその修行が実ったのか、私はいつの間にか何種類かの魔法を使えるようになっていた。
炎、水、風、氷、雷、光、闇。
私が使える魔法はいつの間にか7属性の魔法が使えるようになった。
師匠にもそろそろ修行したほうがいいとよく言われていた。
「って言っても朝からこんなところに飛ばすなんて、考えられない」
少し感傷的な気持ちになったが、さすがに許すことはできない。
「絶対生き抜いて、1発、2発、いや、3発はおみまいしてやらないと」
師匠へのお仕置きを考えながら、私はほうきで森の中を進んでいった。
雲一つもない、快晴だ。
澄んだ空気がとても気持ちいい。
意識が未だ覚醒していないアカネは目を擦りつつ、二度寝の準備を始める。
あるはずの布団を体にかけて、あるはずのベッドの上で寝る。
しかしそれらの寝具はそこにはなかった。
そこは空の上。
当然彼女の体は少しずつだが、確かに空から地面へと向かって、落ちていく。
数十メートル落ちたところで、体に触れる風の違和感に気が付いたアカネは体を起こして、周りを見る。
「・・・・・やばいかも」
ぽつりとそんな間抜けな一言が出る。
「とりあえず二度寝......。出来るわけないし...。また師匠の仕業だな...。【アリヴェーラ】」
地面にぶつかる前に魔法を唱える。
あと数メートルのところで魔法がうまく発動し、アカネは地面と激突せずに済んだ。
いつの間に着替えていたのだろうか。
アカネはいつも着ているはずの寝間着ではなく、外出用のワンピースになっている服の誇りを払いながら、地面に華麗に着地した。
「ふぅ。なんか朝からどっと疲れた。魔法を使うのってこんなに疲れるものなの?」
確かに魔法を使った手ごたえを感じながら、いつの間にか握っていた杖を観察してみる。
まだ魔法を使った経験が浅いアカネにとって当然の疑問だった。
それに加え、体内にあるはずの魔力の量が減っているにも関わらず、体にはその何倍ともいえる重量のおもりが乗っているかのようだ。
「師匠め...私が魔法を使えるようになったのが嬉しいのはわかるけど、こんな朝から修行させるなんて...それに、起きなかったら死んでたし」
今度師匠と出会ったら一発魔法をおみまいしてやろうとアカネは思った。
「それにしても...ここ、どこなの?」
師匠がここに呼んだのは間違いないはずなのだが、その当事者の姿が見当たらない。
試しに一時間だけこの場所で待ってみたが、師匠はおろか人ですら一人も通らなかった。
見たところかなり森の深いところのようである。
捨てられた...ということはないはず。
いや、考えられない。
師匠にはいろいろ迷惑をかけたが、ここまでさせることをした覚えはない。
私がやったこととしてはお菓子の盗み食いとか、少し夜更かししたとかだ。
朝何も言わず、弟子を転移魔法使い空に転移させ、そこから落下させて、殺そうとする。
そんな残虐なことをさせるほど、怒らせたつもりはない。
しかしこのままここでのうのうと待っているということもいつまでもできるわけがない。
当然朝起きてから何も食べてない今、私はとても空腹である。
よって何も食べないままでいれば、今日中には餓死してしまうだろう。
「とりあえず町でも探すしかないよな」
その時の要領で旅をすれば、多分、おそらく、たとえ限りなく無謀だとしても、町を見つけることはできるはず。
師匠と一緒にいたときは町を転々として生活していた。
なぜ転々としていかは最初わからなかったが、最近になってからやっと理解できた。
私の師匠は少々有名人らしい。
魔女の中では結構評判があるらしく、世界中から追われてるとか。
案外悪い魔女らしく、禁忌を犯したとかなんとか。
まぁ、私にはどうでもいいことだと思う。
それよりも今は食料を探すことが大事だ。
魔法で水を作り出すことは可能なので、食料さえ手に入ってしまえばいい。
「あ、でも今お金もないや...」
師匠と冒険していた時は村などから食料をもらう時にお金は使わなかった。
その代わりに村に魔物などの危険から逃れるための結界を張っていた。
案外律儀なところがある。
「でもそういうところ嫌いじゃないんだよなぁ」
自分は追われる身のくせに、他人の心配は欠かさない優しいところ。
師匠はいろんな人に世話焼きするタイプだった。
しかし...だね。
森の中でさまよい、空腹な弟子の前に現れないのは何事だろうか。
「今度会ったときにおみまいする魔法の数増やしておかないと」
カウントを2に進めて、私は森の中を進んでいった。
それから2時間ほど歩いたころだろうか、日の光が頂点から降り注いでいることから、正午あたりの時間で間違いないだろう。
ちょうど昼時のタイミングでいいものを見つけることができた。
その物体がいると思われる方向を、体をかがませて茂みの中に身を隠して、見る。
「ラッキー!スライム発見!!」
私の目線の先には青いゼリー状の魔物、スライムが4匹いた。
「久しぶりにスライムゼリーが食べられる。・・・・・・じゅるり」
思わぬ甘味によだれを零すのを抑えられない。
「最低2匹さえ捕獲できれば今日のご飯には困らないか。それじゃあ、最近習った魔法で...」
アカネは身を潜めながら、手に収まるくらいの雪で形作られた魔法を発動する。
スライムたちはまだアカネの存在に気づいていない。
「・・・・・・・今!!【グレイス】」
アカネがスライムに向かって氷で形成された魔法を放つと、見事1匹に命中する。
しかし他の3匹は魔法に驚いて、逃げてしまう。
「あっ!このまま逃がさないよっ!【グレイシアス】!!」
今度は逃がさないようにさっきよりも強力な氷魔法を放つ。
走りながら放ったので、今回はスライムにはあたらなかったものの地面に放たれた魔法は地面一面に広がり、スライムたちの体を凍結させた。
動けなくなったスライムたちは、体を伸ばして、逃げようとするが、氷が硬くて、抜け出すことができない。
「かかったね!終わりだよ!【フラム】!」
アカネは今度杖から炎の魔法を出して放つ。
動きを止められたスライムは当然避けることもできず、もろにダメージを受ける。
スライムたちはきゅううううと可愛らしい悲鳴をあげて死んでしまった。
「大量!大量!」
アカネは意気揚々としながら、死んだスライムたちを拾っていく。
氷漬けにされたスライム一匹と、焼け焦げたスライムが三匹。
どれも美味しそうなので、余計にお腹が空く。
「師匠と会うまでそれくらいかかるかわからないし、ここで食べちゃお」
アカネは杖を空間の中にしまって、自分が座れるくらいのサイズの布とお皿を四つを出す。
そこに腰かけて、アカネはスライムを食べ始めた。
焼いたスラムを最初に食べてみる。
「・・・味付けしてないけど、案外いけるな」
何も調味料をかけていないので味の心配はしていたのだが、かすかに熱をもっているゼリーだ。
冷やしたほうが絶対に美味しいので、残りの二匹には水をかけておく。
かすかに甘いのはスライム特有の味なのだろう。
あっと言う間に一匹を平らげ、残りの二匹も食べてしまう。
最後に凍らせたスライムにアカネは手を伸ばす。
ゼリーを凍らせただけなので、シャーベットみたいで美味しそうだ。
ザクザクとある程度スライムの体の周りについている余計な氷を削る。
氷の部分が削れて、食べられる部分が出てきたので、スプーンですくって食べる。
「ん~!!」
さきほどとは比べ物にならないくらい絶品だ。
シロップをかけたかき氷を食べているようだ。
「少しもったいないことしたかも」
今度スライムを見つけたら全部凍らせてやろうと思いながら、最後の一口を食べる。
「ふぅ...お腹いっぱい」
満腹になったお腹をさすって、一息つく。
「あ、魔石の回収しないと」
アカネはスライムの残った残骸から、小さな石を取り出す。
他のスライムからも取り出して、全部で四つも手に入った。
それらを腰につけているポシェットにしまう。
魔石は杖が破損したときや、水晶を作るときに使う。
とはいっても、アカネは魔石を意識して集めることはあまりない。
師匠と旅をしているときはいつも師匠が魔石を回収していた。
「師匠町にいるのかな...」
近くの町でアカネを待っているのかもしれない。
「ここから町までどれくらいの距離があるんだろう...」
あとおよそ4時間で夜になってしまうだろう。
「今日は野宿かな」
ご飯は食べたので餓死をしたりはしないが、最低でも小屋のような雨風を防げるところを見つけたい。
「さて、とりあえず進まないと。疲れるけど、歩くよりはマシか」
アカネはポシェットからほうきを取り出して、それを足でまたぐ。
「【ヴォルレ】」
一言魔法を唱えると、ほうきはアカネを乗せたまま、地面から離れ、ゆっくりと浮遊しはじめる。
「成功!それじゃあ町に向かってしゅっぱーつ!」
アカネが指さした方向にほうきは進んでいく。
歩くよりもずっと速い。
魔力の消費は多少あるものの、さきほどよりも効率的だ。
「何を探そうかなー。とりあえず水と食料の確保...」
ほうきで適当に飛んで、近くに水辺があったら止まろう。
水は魔法で作れるのだが、水辺でとれるならそっちを優先して飲みたい。
自然から生まれるものには魔力を回復させるマナが含まれているのだ。
魔法で水を作ると、逆に魔力を消費してしまうのだ。
それにスライムのような食べられる魔物がいたら積極的に戦って、食料を確保したほうがいい。
魔物を食べることが最も効率よく魔力を回復させることができる。
「それにしても、私が魔法を使えるようになるなんてなぁ!」
師匠と最初であったとき、私は魔法が使えなかった。
昔の自分は魔女にあこがれていた上、魔法も好きだったし、自分も魔力を持っていることが誇らしかった。
しかし私の魔法を使う力は友達や家族が魔法を使えるようになっても顕現しなかった。
私はそれが悔しかった。
そんなときに師匠と出会った。
「でもなんで師匠についていくことになったのは覚えてないな...」
多分、師匠が魔法の楽しさについて教えてくれたのだろう。
私の魔法は十歳になった時に力が顕現した。
それから私は師匠に魔法の使い方、魔力の仕組みを教わっていた。
そしてその修行が実ったのか、私はいつの間にか何種類かの魔法を使えるようになっていた。
炎、水、風、氷、雷、光、闇。
私が使える魔法はいつの間にか7属性の魔法が使えるようになった。
師匠にもそろそろ修行したほうがいいとよく言われていた。
「って言っても朝からこんなところに飛ばすなんて、考えられない」
少し感傷的な気持ちになったが、さすがに許すことはできない。
「絶対生き抜いて、1発、2発、いや、3発はおみまいしてやらないと」
師匠へのお仕置きを考えながら、私はほうきで森の中を進んでいった。
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