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第四章 【学校入学編】
学校の大きさと爺の魔法
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学校を一目見た瞬間の感想としては『すごい』の一言だった。例えるならアレだ。ハリー◯ッターに出てくるホ◯ワーツ城のちょっと小さい版。小さいと言ってもかなりの広さがある。まだ学校からちょっと離れてるとこにいるけど、遠目からでもその大きさが十分わかった。
確か1番大きいのは貴族学校で、その次が魔法学校のはず。1番小さい一般学校でこれなのに……ほかの学校はどんだけおっきいんだよ……。
「爺、もうここら辺でいいから、あとは一人で行くよ」
「とんでもございません。ノエル様について行くことが私の務めでございます」
「でも執事とかがいると目立つんだよ! 僕貴族ってこと内緒でこの学校に入学するんだよ? 爺がいたら即バレるよ!」
馬車だってわざわざ学校からちょっと離れたところに止めて来たし、僕と同じ制服の人がチラホラ見えてきてるからそろそろ爺と別れなきゃ間違いなく貴族だってバレる。
「元とはいえ暗殺者をしていた身です。気配を消すことなど造作もございません。ご安心ください」
「……みんなに見つからずに来れる?」
「はい」
「……ならいいけど、絶対に見つからないでよ!?」
「かしこまりました。それでは姿を隠しますので、安心して学校へ行ってらっしゃいませ」
爺はそういうや否や口元でブツブツ言い始める。そして次の瞬間、爺の姿が消えた。
何かの比喩的なものじゃなく、本当に見えなくなった。
「え!? どこ行ったの!?」
爺が消えた事実に驚愕し、つい大声を出してしまった。
しかし返事はない。聞こえるのは突然大声を出した僕を気味悪いだのなんだの言う外野の言葉だけ。
……そういえば聞いたことある。姿を透明にする魔法のことを。
でもあれはかなりの魔力を消耗する上に、かなり高度な魔法だから使えるのはごく一部の人間だけなんだとか。
……爺、ほんとに何者?
爺について考えていると、大きな鐘の音が聞こえた。
それは学校の方角から……というか学校から聞こえてきてるような……。
「やばっ! 学校に遅れる!!」
爺のことは一旦後回し。今は学校だ!!
確か1番大きいのは貴族学校で、その次が魔法学校のはず。1番小さい一般学校でこれなのに……ほかの学校はどんだけおっきいんだよ……。
「爺、もうここら辺でいいから、あとは一人で行くよ」
「とんでもございません。ノエル様について行くことが私の務めでございます」
「でも執事とかがいると目立つんだよ! 僕貴族ってこと内緒でこの学校に入学するんだよ? 爺がいたら即バレるよ!」
馬車だってわざわざ学校からちょっと離れたところに止めて来たし、僕と同じ制服の人がチラホラ見えてきてるからそろそろ爺と別れなきゃ間違いなく貴族だってバレる。
「元とはいえ暗殺者をしていた身です。気配を消すことなど造作もございません。ご安心ください」
「……みんなに見つからずに来れる?」
「はい」
「……ならいいけど、絶対に見つからないでよ!?」
「かしこまりました。それでは姿を隠しますので、安心して学校へ行ってらっしゃいませ」
爺はそういうや否や口元でブツブツ言い始める。そして次の瞬間、爺の姿が消えた。
何かの比喩的なものじゃなく、本当に見えなくなった。
「え!? どこ行ったの!?」
爺が消えた事実に驚愕し、つい大声を出してしまった。
しかし返事はない。聞こえるのは突然大声を出した僕を気味悪いだのなんだの言う外野の言葉だけ。
……そういえば聞いたことある。姿を透明にする魔法のことを。
でもあれはかなりの魔力を消耗する上に、かなり高度な魔法だから使えるのはごく一部の人間だけなんだとか。
……爺、ほんとに何者?
爺について考えていると、大きな鐘の音が聞こえた。
それは学校の方角から……というか学校から聞こえてきてるような……。
「やばっ! 学校に遅れる!!」
爺のことは一旦後回し。今は学校だ!!
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