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二章 えっちな3Pシェアハウス
黙っていれば分からないこと
しおりを挟むそれは八時間前。激しい性行為で凛が気を失ってしまった時の事。
「凛ちゃん、凛ちゃん……どうしよう、大丈夫かな……救急車呼ぶ?」
綾瀬がぺちぺちと凛の頬を叩く。が、一向に起きる気配はない。ぐったりと凛は動かない。つい心配になって綾瀬はスマホで救急車を呼びかけるが航に止められる。
「息してるし、熱ないし、多分大丈夫だよ。疲れてたんだ……身体を綺麗にして寝かせてあげよう」
「や、優しい! 凛ちゃんには優しい! ちなみにこれ、気絶してたのが俺だったらどうなるの?」
「そのままほったらかして寝る」
「……鬼だ! 鬼、あくま、一ノ瀬航……あっ、いたい!」
ぺち、と航が頭をはたいた。綾瀬は見た目はきりっとした精悍な青年。かなりしっかり者に見えるのだが、相変わらずしゃべると台無しだった。
この男の前では航の調子も狂う。あまりの天然ゆえに自分のペースにもちこめない。だからこそ、航という人間と長い間友人関係が続いてきたのかもしれない。綾瀬は凛の体内から性器を抜く。一度射精したものの、凛が途中で失神した時の締め付けにより、性器は再び勃起しており、はりつめて痛い。
「すっご……どうするの、それ」
「いや、こんな状態の凛ちゃんに何もできないだろ。適当に一人で処理する」
「ふーん……」
航もまた凛の性器を体内から抜く。凛は綾瀬に挿入されたショックで射精しており、萎えた性器が外へ出ていく。可愛い凛には似つかわしくないような、生臭い精液が航のナカから出てくる。
でも航はまだイッてない。身体の中の荒れ狂うような熱。最愛の弟にかき回されたお尻の間のひだひだが、ひく、ひく、と蠢く。
一瞬だけ、ほんの一瞬だけ思った。ここに綾瀬の性器を入れたらどうなるんだろう。すぐに首を振ってそんな悪魔のささやきを追い出した。
「ね、一緒にしごかない?」
代わりに、もう少し現実味のある提案をしてみた。普通の友人同士でオナニーはやりそうでやらないが……もともと異常な関係だから、これぐらいならいいんじゃないかと航は思った。
「こうやって触りあいっこして、二人でごしごしってするの……」
「……いやだ。そういうことは凛ちゃんとしかしない……一人でする」
立ち上がろうとした綾瀬の性器を航が掴む。自分の性器と一緒に握りこむみたいにして上下にしごく。
「……やめろ!」
「いいじゃん。ちょっとぐらい……今なら凛は寝てるから、言わなきゃバレないよ」
航が二ヤリと笑ってそう言った。耳元で囁く。唆す。その顔が一瞬、綾瀬には凛に見えた。地が繋がっていないのに、兄弟はやはり似ている。凛も可愛く無垢なようで……自分の欲望のためなら何でもする……そっくりだ。
「嫌だって!……っ!」
「本当に嫌なら、力づくで抜け出せるよねぇ……アーヤはさ、ここ好き?」
航が右手の人差し指と親指でわっかを作り、根元から先端の段差までを扱く。くちゅ、くちゅ、と先走りの汁が泡立つ。先ほどまで凛の吸い付くような襞に覆われていた性器が、航の長い指で刺激される。くちゅ、くちゅ、ちゅこ、としつこくさわられ……ゆっくりとわっかが雁首のくびれを越えて先っぽに移動する。こしこし、と敏感な所を刺激される。
「ん、んん、やめろ!」
「その割にさー、お口をぱくぱくさせてよだれ垂らしてるじゃん……一緒に触ろうよ……黙ってればいいんだよ……」
脳内に霞がかかる。綾瀬の耳元で低い声が囁く。いいのかな。綾瀬は気持ち良さにそそのかされる。おずおずと手を伸ばして航の性器と自分の性器をにぎりこむ。熱い肉の棒が、手のひらの中でぴくんと動いた。
そうだ、性行為じゃない。これはただのオナニー。友達ならこれぐらいやってるやつもいる……。
無意識のうちにだんだんと正当化していく。
「ん、ん……でるっ」
「あは、気持ちいいね……僕も、もうすぐ出る……」
でも綾瀬は最後の理性で射精を我慢した。がちがちに勃起した性器をしごいて、発射しそうになったら我慢。先走りの汁が溢れて……でも止められなくて射精して凛のお腹あたりにぶっかけてしまう。それは最高に気持ちがいい……腰が抜けそうな相互オナニーだった。
航が頬を染めて微笑んだ。その顔は凛そっくりだった。少しだけ大人びた凛だ。たまらなくなった。気が付いたら性器をしごきながら、航にキスをしていた。触れるだけ。一瞬で離れた。
息がほんの数秒止まる。航の太ももが震える。精嚢がわなないて、精液が寝ている凛に向かって放たれる。汚す。誰よりも可愛い弟を、年上二人がかりで精子まみれにしてしまった。その罪悪感。それを上回る高揚感。
「二人で凛にザーメンシャワーかけちゃったね……」
航が息を荒げながらそう言って笑った。
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