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恋は魔術師
しおりを挟む「ひぅ、あっ、あぁあ! あ、あっ、ア!」
「峰くん、腰が揺れてる……床におちんちんこすりつけるの、気持ちいいね」
ずり、ずり、と床でオナニーをしているみたいだった。早川はその滑稽な動きを見て微笑みながら、後ろから峰の乳首をこすこすとしごく。早川の太い指が敏感な所をいじるたびに、峰の性器が震える。
峰が左側を向いて早川を見上げる。それはキスのおねだり。唇をくっつけずに舌だけ出して舐めあう。いやらしいキスをしながら、メトロノームの音に合わせてピストンする。ぱちゅ、ぱちゅ、ぱんっぱん、とお尻の肉と太ももがぶつかりあう音と、かち、かち、かち、かち、というメトロノームの電子音で……脳が犯される。
体内をごりごりとこすりあげて、引き抜かれて……また奥に勢いよく突き刺される肉棒。腰を寄せて全部繋がるようにかき回される。ぐり、ぐり、と弱い所をこすると峰のナカがきゅんきゅんと震えて喜ぶ。
「あ、はぁっ、はあー、はっ、イク……あ、あ、せんせっ……すき……あ、あ!」
かち、かちという規則正しい音から少し外れて、峰が射精した。コンドームの中を精液が満たす。その時の締めつけで……早川もまた峰のナカに精液を吐きだした。
びゅ、びゅーっと大量の精液が、注ぎ込まれる。容赦のないナカ出し。腰をがっしり掴んで、乱暴に奥に塗り込まれる。ぐちゅ、ぐちゅ、と。マーキングされているみたいだった。
こんなこと、女性には絶対できないよね。峰はぼんやりとした頭でそう思った。今海外を飛び回っている、先生の奥さん。実の妻より愛情たっぷりの種付け。
「あ、先生のせーえき出てる……ね、もっと欲しいな」
「じゃあ綺麗にして?」
寝転がる峰の体内から性器が抜かれると、どろぉと精液混じりの体液が漏れてきた。床に、ぱた、ぱた、と垂れる。せっかく汚さないようにしていたのに台無しだ。
峰の体液と早川の精液が混じったジュースにまみれた性器。早川はそれを仰向けに寝転がる峰の口元に持って行った。唇に擦りつける。うっとりした顔で峰は汚れた性器を見上げて……ちゅ、とキスをして舌を突き出す。
「はっ、は、はふっ、はふ……」
犬のように息を荒げて、寝転がったまま、顎だけ動かして性器にむしゃぶりつく。
自分の体液と、早川の精液で汚れた不倫おちんぽ。そう思うだけで身体がぞくぞくする。いけない事をしている。コンクールのための貴重な練習時間を、大事なレッスンの機会を浪費して、先生とセックスしてちんちんしゃぶってる!
口の中に咥えてぢゅうう、と吸う。その浅ましい吸いつきに、早川の腰が逃げる。にゅぽん、と性器が峰の口のナカから出て行く。
「ンフゥッ! ん、んん……せんせ、逃げちゃだめ……もう一回きれいにするからぁ」
れる、れろ、と舌を亀頭に絡ませる。一定の高さから下に降りてこない早川の性器を、唇で挟んで追いかける。一生懸命吸って、舐める。峰はとろんとした顔で早川を見上げた。整った顔立ちの大人の男性。
先生は大人っぽくて渋くてカッコイイ。もちろん峰が好きになったのは容姿だけではない。
初めてそのピアノの演奏を聞いた時。しんとした小さなホールに響く、静かなピアノの音。穏やかな調べが心地よく優しくホールを満たし、やがて激しくも情熱的な旋律に変わる。それは人が人を愛する曲。燃え上がる火のようにドラマティックな演奏、それがやがて静かに落ち着いたトーンに変わり……悲しくも幸せに満ち足りた余韻を残して終わる。
峰はその時九才。近隣の文化センターで行われたチャリティーコンサート。その時から恋は始まった。
好き。貴方の事が好き。ナカに出されたやつ、おちんちんの中に残ってる精液、最後の一滴までぜーーーんぶ俺のモノ……!
峰はとろけた瞳で舌なめずりをする。早川の性器が反応していることを目ざとく見つけて、ピアノを弾くための手で、指で、性器をしごく。
「あん、せんせぇ……続きはホテルでしよ。朝までハメて……」
「峰くんはいけない子だな……」
「でも、奥さんより俺の方が気持ちよくできるもんね……お尻の穴の形が変わるくらいセックスしてるんだもん……ねぇ、好き……好きです……」
早川は何も言わなかった。峰だって分かっている。本当は奥さんと別れてほしい。自分だけのモノになってほしい。そんな事が言えるはずもなかった。これはただの、大人の火遊び。
早川に抱きついて、首に手を回す。スーツからかすかに煙草の匂いがした。ずっと前から貴方の事が好き。でも、絶対にこれは叶わない恋だ。峰はそっと早川の胸に頬ずりをした。
マヌエル・デ・ファリャの組曲「恋は魔術師」……それは浮気者の夫の亡霊に悩まされるジプシーの娘・カンデーラの物語。除霊のための火祭りの踊り。踊りの勢いが最高潮に達した時、亡霊は焚き火の中に吸い込まれて、そのまま永遠に消滅する。夫の亡霊から解放されたカンデーラは、新たな恋人カルメロと結ばれて幸せに暮らす……。
峰にとっての早川、そして早川の妻。彼らをこの曲に当てはめた時、業火の中で永遠に苦しむのは一体誰なのか。
教授とのいけない火遊び。いつしかその炎が身体に燃え移って、取り返しのつかない事になってしまう日は近い。峰はそんな事、百も承知だ。それでも止められない。目の前の人を自分だけのモノにしたい。身体も、心も、奏でるピアノの音も、全部、全部、全部!
峰は口をぬぐってから、キスをした。舌をからませて、唇を吸う。貪る。
火祭りの踊りの曲、そしてメトロノームの規則正しいallegro ma non troppoのリズムが、いつまでも峰の心の中に鳴り響いていた。
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