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メトロノームセックス

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 メトロノーム。一定の間隔で音を刻み、音楽のテンポを合わせるために使う用具だ。音大で使うものは、黒い箱に液晶画面が付いていて、スイッチでテンポを調整する電子メトロノーム。
 早川が電源を入れて、テンポを調整する。まず最初はallegro。早さで言うと一分間に百三十二回の拍を刻む。一秒に二回刻むより少しだけ早い速度。
 かち、かち、と忙しく機械音が響く。峰は首を傾げた。これでどうやって遊ぶんだろう?

「……あっ!」

 画面をぼうっと見ていると、後ろから早川の指が服の中に潜り込んできて、乳首を指で弾いた。メトロノームの音に合わせて、ぴん、ぴん、と素早く。


「今から音に合わせて、五分間だけいじってあげるね。我慢できるかな……?」
 

 メトロノームに合わせて、人差し指と中指の先で、乳首の先端面が交互に速く撫でられる。それはまるで駆け足のよう。指の腹が触れるたびに峰のカラダに電流のように走る快楽。まだ触られたばかりなのに、もう腰をおしつけて挿入をおねだりしていた。

「あん、あ、あ、あ……むずむずするっ……! ねぇ、挿れて……」
「早いなぁ。もっと乳首で遊ばせてよ」

 早川は乳首の側面に人差し指を当てて、指先から指の根元へ、根元から先端へ戻るようにして優しくこすりつける。ヴァイオリンの弓を動かすみたいな動き。ふー、ふー、と峰が口から犬のように荒い息を漏らす。かち、かち、かち、かちというメトロノームの音が響く。

「はーっ、は、はふ、ふーっ、ふー……あ、あああ!」

 指で触られただけなのに立っていられなくなる。ピアノにすがりつくけれど、身体を支えられなくて、床に四つん這いになる。でも早川は容赦しない。上から覆いかぶさる。シャツの前を完全に開けて、インナー越しに乳首をいじめる。
 乳首の先に指を置いて、根元を優しく倒す。縦方向、横方向、ぐるぐると回す。かと思えば、根元に爪の先を当てて先端に向かって強く弾く。乳首を親指と中指でつまんで、優しく引っ張る。
 その緩急。先ほど弾いていた火祭りの踊りのような楽し気で、でも激しいいじり方だった。

「あん、あっ、あっ、だめ、だめっ! イク、イッちゃうから!」

 乳首をいじると、お尻の奥から鈍くどんよりとした痺れを感じる。
 中学生の時に峰は自分が男性が好きな事に気付いた。それからずっとお尻の中は弄っていたが、乳首は触ったことなんてなかった。それなのにもう今では乳首を触られるだけでどうしようもなくなる。
 イッたら声が我慢できない。ずっとイキっぱなしで頭が真っ白になる。白い空間に身体が浮かんでいるような感覚になって……息も、声も出なくなる。そんなイキ方をするようになってしまった。
 早川は乳首をそれ以上いじってくれなかった。ぴた、と動きが止まる。メトロノームの音も止まる。

「あっ、あ、あ、なんでぇ……?」
「もう五分経ったから。次はここを十分間……ちゃんと我慢してね」

 峰の会陰部、蟻のとわたりと呼ばれる……女性だったら性器がある場所が甘く疼く。乳首がきゅんきゅんと健気に震える。でも早川はそこは触らず、我慢汁をだらだらと垂らして下着をはしたなく汚す性器に手を伸ばした。
 コンドームをポケットから出して、峰の性器に着ける。包皮を根元まで手繰り寄せて剥いて、そこに薄桃色のコンドームをくっつける。指の腹でゆっくりと巻き下ろす。コンドームの根元を持って先端に何度か動かして包皮を戻して……綺麗に正しく装着した。特別教室を汚さないための配慮だ。

 魔法のような旋律を奏でる指で、メトロノームの速度が調整される。今度はallegroより少し遅い速度、andante。一分間に七十二回の拍動。一秒より少しだけ早い、歩くくらいの速さ。
 一ミリよりさらに薄い膜に覆われた性器を、大きな手のひらが、力強い演奏をする指が、しごく。峰はぞくぞくとした。日本でもトップクラスのピアノ奏者、尊敬する教授に、手コキされているという事。

「あ、あっ、あ、ああああああ!」

 人差し指と親指で輪っかを作られてしごかれるたびに、我慢汁がだらだらと流れ出る。ぐちゅ、ぐちゅ、と音を立てて、四つん這いになって性器を扱かれる。かち、かち、かち。メトロノームの音。少しだけ遅い、歩く速さ。もどかしかった。十分間が長い。我慢できない。
 早川の大きな手で性器を握りこまれる。しこしこと上下に動かされて、気持ちが良いのがずっと続く。本当はもっと強くしてほしい。はやく……っ、はやくいきたい、いきたい、イキたいぃい! 
 峰はよだれを垂らしながらそんな事を思う。はぁ、はぁ、と息を荒げて、お尻を早川の性器に甘えるようにこすりつける。


「あん、もっと! ごしごしってしてぇ……イカせて、せーえきぴゅっぴゅってさせてえ!」


 防音をいいことに、大声で懇願する峰。外見は少し派手だが大人しく寡黙で、どこにでもいる男子大学生が……四つん這いでお尻を振るメス犬みたいになってしまった。早川はふっと笑みを口に浮かべる。時計を確認して、十分間経った所で乳首と同じように手を離した。

「うん、我慢出来てえらいから挿れてあげようね……速さは? どうしてほしい?」
「あ、あ、早く……あ、あ、vivaceで……かき回してっ、ぐちゃぐちゃにしてっ!」

 vivace。生き生きと速く、活発に。拍数は一分間に百七十二回。セットしてローションが垂らされて指で慣らされる。それからコンドームを着けようとした早川の手を、峰がそっと止めた。


「ナマで欲しい……俺のナカに全部だして……ここ、先生専用だから……あああああっ!」

 
 振り向いて生ナカ出しをお願いする峰の、匂いたつような色気。性器をいじるたびにきゅんきゅんとひくつくお尻の間の襞。小刻みに動いているそこに亀頭を押し当てて、一気に挿入した。

「あ、やああっ! せんせぇのっ、せんせぇのおっきい……!」

 よだれを床に垂らして、全身で早川の性器を味わう。足首がばたばたと動く。ずぷ、と峰のものより一回り大きな性器が、身体のナカを荒らす。みっちりと包み込む肉のひだひだ。いつしか峰は四つん這いになる事も出来ずに、べったりと床に横になってしまう。
 それは俗にいう寝バック。特別教室の防音の床に性器をこすりつけて、腰を揺らめかせて、先生のおちんちんを咥えこむ生徒。

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